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たったこれだけ!目標設定の質が劇的にアップするコツ

はじめまして、Akiさんです。日系大手人事としてキャリアをスタートし、欧州駐在を経て外資系企業へ。いまは外資系企業でアジア9カ国の人事責任者をしながら、個人事業で全国の中小企業支援、そして、SNSで経営戦略人事のリアルについて発信しています。

私は、人事コンサルティングのお仕事で、全国の企業を支援させていただいています。先日、クライアント企業の一社にお邪魔し、目標設定を支援するリーダー層向けの研修を実施してきました。今日は、そこで多くの企業が陥っていた「目標設定の罠」について、私自身の実体験を交えてお伝えします。

目標設定研修の様子

このnoteでは、 多くの人が陥りがちな目標設定の罠と、その質を劇的に上げるための簡単なコツについて書いています。

自分やチームの目標設定に悩む経営者・管理職・人事の方に読んでいただきたい内容です。


1. 我々の"普通の"目標設定のイメージ

さて、皆さんは「目標設定」というとどんなイメージを持っていますか。年が明けて、抱負を周囲に語った人も多いのではないでしょうか。

ダイエットで10キロ痩せる!
TOEICで800点を取る!

などなど。れっきとした「目標」です。設定など簡単に思えます。達成する方が難しいよ・・・そんな皆さんの声が聞こえそうです。

なので、会社や組織の目標も簡単そうに見えます。同じように設定していけばいいじゃない! と。

●●のシステムを導入する 営業研修を営業部全員に実施する

こんな具合に、目標を設定してはいないでしょうか。私もかつて、自分の業績目標を設定する時、こんな感じで設定していました。人事ですから、具体的にはこんなイメージの目標です。

●●部向けに、毎週、ロジカルシンキングの短時間の研修をしていく。

そして、上司との評価面談に備えて、自分の実績の棚卸しをします。

確かに、ロジカルシンキングの研修はめっちゃやった。かなり丁寧に。これは目標達成でしょ!  

こんな具合にです。

2. 私がはまっていた目標設定の罠

しかし、です。自分的にはしっくり来ていないのです。研修は人事としてやったのはやった。でも何かキモチワルイ。そう、チームのメンバーのロジカルシンキングの力が上がったか?と言われると、ぶっちゃけ、怪しかったのです。

そして、案の定、百戦錬磨の上司との面談で、この点は突っ込まれました。きっと何かを達成したかった・・・ そのためのアクション・・・「その達成したかったもの」とは何か。

きっと、そのチームメンバーがロジカルシンキングのスキルを使いこなして、業務の質が上がっている。

そんな「状態」だったのだと思います。しかし、目標には、そのための手段であるアクションを書いてしまっていた。まさに目標設定の罠にはまってしまっていたのです。

実は、これは私だけの問題ではなかったのです。ある調査によれば、約8割の会社員が「名ばかり目標」を経験しているという結果もあります。目標管理制度そのものの普及率は高い一方で、その運用が形骸化してしまっているケースは非常に多いのです。以前、「『マニュアル作りました』で満足していませんか?」という記事で、リスキリングが「アクションそのものをゴールにする」と掛け声だけで終わると書きましたが、目標設定にも全く同じ構造があると感じています。

3. 目標にすべきは、作りたい状態

ここで私は気付いたわけです。

真に目標として書くべきは、「作りたい状態」であった。
そのための「手段」であるアクションやプロセスとは分けて考えるべきである。

と。私の事例でいえば、設定すべきだった目標とは・・・

チームメンバーがロジカルシンキングのスキルを使いこなして、業務の質が上がっている。

もしかしたら、ここに到達するには、単なる研修をやる、という手段は適切ではなかったのかもしれません。

「ロジカルシンキングに強いメンバーをマネージャーにする」という手法でも良かったのかもしれない。いやそもそも業務の質が上がっているためには、ロジカルシンキングが鍵ではなかったのかもしれない。

こんな風に、理想の状態に近づくために、建設的な思考を張り巡らすことができたと思います。

冒頭紹介した、クライアント企業の皆さんも、まさにこの罠にはまりまくっていました。しかし、この手段と理想の状態の切り分けを徹底しました。すると、取り組み2年目の目標設定はクオリティは大いに向上したのです。

4. 私たちが目標設定の罠にはまる理由

理想の状態と手段を分ける。これ、考えてみれば、当たり前です。でも、なぜ、我々はこのような罠にはまってしまうのか。それは、アクションやプロセスのほうが具体的だから、です。

・ダイエットで10キロ痩せる!
・TOEICで800点を取る!

よし、そのために、

・毎日、ジムに行く。
・毎日、英語を1時間勉強する。

このように、より具体的にしていくほうが思考が楽だからです。逆に、作り出したい状態を考えるほうが、それほど簡単ではありません。上記で出てきた実例を使って考えてみましょう。

・ダイエットで10キロ痩せたことで作り出したい状態は何か
・TOEICで800点を取ることで作り出したい状態は何か

頭、フル回転になりませんでしたか。私は、以下を考えてみました。

・階段を登る時の息切れが激しくなってきたから、日常の動作をスムーズにできるようになっていたい。
・英語を使いこなしてビジネスシーンで、海外の同僚と仕事ができるようになっていたい。

みたいなイメージでしょうか。お分かりいただけたと思いますが、理想の状態を考えるということは、まぁまぁ、頭を使うので、シンドイことなのです。

5. コツはSo Whatを問い続けること

我々は、手段であるアクションやプロセスに引っ張られます。具体的でイメージがパッと浮かぶからです。これに抗い、理想の状態を考えるには、So What? (だから何?という、事実の裏にある本質的な意味を問い続ける思考法)を問うことが有効です。

研修をしよう (アクション)

そこに対して、So Whatを問う。「だから、なんやねん」と(笑)。

・このアクションで何をしたかったのだっけ?
・そもそも私たちは、こうすることでどこに向かいたいのだっけ?

このアクションで、我々は何を目指していたのだろう、と問う。

このように問うていくと、少しずつ作りたかった理想の状態が輪郭を持ち始めてきます。世界的な戦略コンサルティングの部隊では、このSo Whatのフレームワークを駆使して、企業や社会の課題解決に役立てています。

6. 生成AIを使ってもいい/哲学者になるな

便利になった時代。ChatGPTやGeminiなどを使ってもいいと思います。

●●という状況で、XXのアクションをしたいと思っています。
このアクションをすることで、作り出せる理想の状態はなんでしょうか。

と問うてみてください。あるいは、

その状態を作り出すために、他にどんな有効な手段が考えられるか?

こんな問いをしてもいいかもしれません。以前、「1on1の質を無料AIで30秒改善する」という記事で、AIに「役割」を与えて問いを引き出す使い方について書きましたが、目標設定の壁打ち相手としても、同じアプローチが有効です。

でも同時にやりすぎないことも大切です。あまりにやりすぎると哲学になるから、です。例えば、こんな具合に。

TOEICで800点を取る!
↓ だから、なに?
英語を使いこなしてビジネスシーンで、海外の同僚と仕事ができるようになっていたい。
↓ だから、なに?
大きなビジネスを動かせるようになっていたい
↓ だから、なに?
世界の資源のアンバランスをなくしたい
↓ だから、なに?
貧困を無くしたい

これは極端な事例ですが、あまり、理想の状態を完璧に考えることにこだわりすぎないのも必要です。

7. まとめ:まずは書くことから始めていい

今回のポイントを整理すると、

  • 約8割の会社員が「名ばかり目標」を経験しているという調査もあり、目標がアクションになってしまう罠は非常に多くの職場で起きている

  • 目標として書くべきは「作りたい状態」であり、アクションやプロセスはそのための「手段」として分けて考える

  • 状態を考えるのが難しいのは、アクションの方が具体的でイメージしやすいから

  • 「So What?」を問い続けることで、少しずつ理想の状態の輪郭が見えてくる

  • 完璧を求めすぎず、まずは書いてみて、チームでSo Whatを問い合う

とはいえ、あまり考えすぎず、まずは書いてみることをしてみましょう。書いてみて、So Whatをみんなで考えてみましょう。

このアクションで何をしたかったのだっけ?
そもそも私たちは、こうすることでどこに向かいたいのだっけ?

と。少しずつ少しずつ、「理想の状態」についての共通理解が生まれていきます。

チームでやると一体感にも繋がっていきますので、ぜひやってみてください。時には、生成AIをチームメンバーにも加えながら。

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