見出し画像

優秀な人材を見抜くたった3つの観点


たった3つ。これだけ抑えれば、優秀な人材を見抜けますし、あなたもそう見られます。

このnoteでは、人事として15年以上、採用・育成・目利きに関わってきた中で見えてきた、優秀な人材(ハイポテンシャル人材=成長可能性が高い人材)の特徴・共通点となる3つの基準について書いています。

経営者や人事の方にも役立つ内容だと思います。また、社会人の方のキャリアアップにも役立つ内容になると信じています。


1. ハイポテンシャル人材とは?優秀な人材の目利きが人事の大きな課題である理由

優秀人材とは何でしょうか。

一つの定義は、ハイポテンシャル人材。直訳すると「成長可能性が高い人材」のこと。今の実績だけでなく、将来的に会社の中核を担えるかどうかという伸びしろに注目した人材の捉え方です。

人事の存在意義の一つは、ビジネスの成長を、人・組織のプロとして支えることだと思っています。

ビジネスの成長の鍵は、考え抜かれた戦略を実行できる人を採用し、育てること。そのため、面接、育成、目利きなど、たくさん経験してきました。

会社の未来を背負う、あるいは変革を推進できるリーダーをどのように見つけていくのか。これは古今東西、大きな課題です。私自身、企業の支援をする中で、経営者が同じような悩みを抱えていることを感じています。

実際、データで見ても、この目利きは簡単ではありません。ハイパフォーマー(実績を出している人)のうち、真にハイポテンシャルと言えるのは、わずか約15%程度だという調査もあります。加えて、ハイポテンシャル人材プログラムの73%はビジネス成果に結びついておらず、約半数の企業は、体系的な選定方法を持てていないというデータもあります。それだけ、感覚や思い込みだけでは判断を誤りやすいテーマだということです。

人事分野では、CEB(現Gartner)が提唱した「Aspiration(意欲・上昇志向)」「Ability(能力)」「Engagement(組織への関与)」という3つの要素、いわゆる「3つのA」が、ハイポテンシャル人材を見極める業界標準のフレームワークとして広く使われています。今日紹介する私の3つの基準も、方向性としてはこの枠組みに近いものかもしれません。

以前、外資勤務と日系企業勤務で感じたグローバル人材のレベル感の差について書きましたが、その「差」を分けているものを突き詰めていくと、結局はこれから紹介する3つの基準に行き着くと感じています。

今日は、私なりの、優秀な人材の特徴、ハイポテンシャル人材の目利きのポイントを記してみたいと思います。

2. 優秀な人材の特徴①:成長への「渇望」があるか

一つ目の基準は、「ビジネスパーソンとしての成長を渇望しているか」です。

私は、よく「渇望」という言葉を使います。希望でも、願望でもない。砂漠の中で、汗ダラダラになり、水のあるオアシスをさまよい続けている、そんな状態です。水が欲しくて欲しくて欲しくてたまらない。喉から手が出るほど・・・そんなニュアンスです。

キャリアにおいても、この「渇望」がある人が、ポテンシャルが高い人の一つの要素ではないか、と私は思っています。

「社長になりたい」 「事業を起こして、障害のある人を助けたい」 「自分が手掛けたこの新製品を第二の事業の柱にしたい」

なんでもいいのです。強い思い、志という方もいるかもしれません。ビジネスパーソンの成長のドライバーとして必須要素の一つだと思っています。面接や目利きをする時にこの観点で、私は色々な質問をすることが多いです。

以前、「23歳で残り9、40歳で残り5」というキャリアブロックの記事で、自分のキャリアの運転席に会社を座らせるな、という話を書きました。渇望とは、まさにこの「運転席に自分で座る」意志そのものだと思っています。

3. 優秀な人材の特徴②:自らしんどいゾーンに踏み込めるか

二つ目の基準は、「自分から、成長のためのしんどいゾーンに突撃していけるか」です。

単に渇望だけしていても、夢は叶いません。英語が話せるようになりたい、と思っても、アクションがなければ、成長はゼロです。

苦手な文法や会話を克服するために、時間を確保する、強制的にスクールに通う、英語の検定試験を定期的に受ける・・・など。ダイエット、ジム、プレゼンスキルなどなど、色々な事についても同じ事が言えます。あるいは、変化していく世の中についていくために、AIを学ぶなどもそうでしょう。

目標達成のための行動を起こす。いずれも腰が重いものです。今日は休みたい、明日やればいい、テレビを見よう。人間、普通はそんなものです。

そんな中で、自分にムチを打って「しんどいゾーン」に向けての行動、突撃をしていけるか。ここが第二の壁です。色々な角度で、「しんどいゾーン」をどう捉え、どんなアクションを起こしているか、これを聞き取り、感じ取るようにしています。

そういったアクションを取っていると感じられる人は、成長ポテンシャルが高いと私は思っています。

4. 優秀な人材の特徴③:自己認識とフィードバック活用ができているか

三つ目の基準は、「自己認識があるか、フィードバックを活用しているか」です。

強い志や渇望があり、その夢の達成に向けて、懸命に努力や活動をしている。これだけでも大変に「スゴい人」です。

が、独りよがりになる可能性があります。間違った方法を取っていたり、要らぬ遠回りをしている可能性もあります。客観的に、今の自分を見つめられるような「もう一人の自分」を持っている人かどうか(これをメタ認知と言います)。

例えば、英語プレゼンのスキルを鍛えて、国際会議の場で、格好良くプレゼンをしたい。そんな強い思いがあるケースを想像しましょう。そして、その一歩として、日本語でもプレゼン慣れをしておくことが大事だから、積極的に前に出ていこう。そんな行動計画を持っていたとします。

ここまでは順調です。しかし、なかなかそうした行動が取れていないとする。ここで、

「あ、前に出て、喋る機会を取りにいけてないな、今の自分は遠慮しているな、逃げているな」

こう思えるかどうか。これが、自身で軌道修正がかけられる大きなきっかけになります。これが無いと、「自分はできてる、まあいいや」と気にも止めなくなります。

しかし、自己認知、セルフ軌道修正も限界があります。そこで、もう一つの視点。他者のフィードバックを求められるかどうか」です。

フィードバックは、自身の行動変容のために、非常に効果的です。しかし、他者のフィードバックは、非常に耳の痛いものが含まれることもあります。なので、積極的にフィードバックを求めにいく人はそれほど多くないものです。人間の防衛本能を考えれば当然です。自分はかわいいですから。

しかし他方で、会議でのプレゼンをしてみた後、先輩や上司に、感想や改善できそうな点を聞いてみる。なかなかここまで行動する人はいないと思います。しかし、爆速で成長する人や、海外のすごいビジネスリーダーには、フィードバックを大事にしている人も多いのです。フィードバックは、耳は痛いが、確実に自分の成長の糧になる栄養分が豊富だからです。

実際、心理学や組織行動論の分野では、これは「フィードバック探索行動」と呼ばれ、研究が積み重ねられてきたテーマです。成長マインドセット(能力は努力によって伸ばせるという考え方)を持つ人ほど、自らフィードバックを求め、それを素直に受け入れる傾向が強いことが分かっています。

以前書いた「フィードバックを受けないおじさん・おばさんが終わる理由」という記事でも書きましたが、役職が上がり年次を重ねるほど、周囲は注意やフィードバックを言いにくくなっていきます。だからこそ、フィードバックを求めにいく姿勢そのものが、成長を続けられる人とそうでない人を分ける、大きな分岐点になります。

成長のために、自己認知をどれだけ持っているか、どれくらいフィードバックを求めにいっているか。これを感じ取ることが、ハイポテンシャル人材を見抜くコツだと思っています。

5. まとめ:優秀な人材の特徴・3つの基準をキャリアに活かすには

今回、優秀な人材(ハイポテンシャル人材)の特徴として紹介したポイントを整理すると、

  • 特徴①:成長への「渇望」があるか。強い思いや志が、成長のドライバーになっているか

  • 特徴②:自らしんどいゾーンに踏み込めるか。渇望だけでなく、実際の行動・アクションが伴っているか

  • 特徴③:自己認識とフィードバック活用ができているか。メタ認知を持ち、他者からの耳の痛いフィードバックも求めにいけるか

  • 面接や育成の場面で、経営者や人事はこの3つの観点で相手を見ている(見られている)ことを意識しておくと役に立つ

これは、採用や育成の場面で優秀な人材を見抜くための基準であると同時に、自分自身のキャリアを振り返るための基準でもあります。キャリアアップをしていきたい、成長していきたい、そう考えている方は、ぜひ、今回ご紹介した3つの視点を意識してみてください。

あわせて読みたい

企業の人事担当者様・経営層の方向けの、採用・育成に関する研修・講演のご依頼も随時受けております。ご興味があればお気軽にお問い合わせください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集