うめきた(大阪駅北)の都市開発はどのように進められてきたのか
「うめきた」は、大阪駅北側で進む日本最大級の都市開発エリアで、
“緑・イノベーション・国際交流”をテーマにした 未来型のまちづくりプロジェクト です。
主に「グランフロント大阪(先行開発区域)」と「グラングリーン大阪(うめきた2期区域)」で構成されています。

うめきた地区の主な特徴
① 都心に広がる大規模な都市公園
うめきた2期では 約4.5haの緑地広場 を整備
都市の真ん中に“森”をつくるコンセプト
芝生広場、水辺、環境再生エリアなど、自然を感じられる空間
イベントやマルシェも開催され、憩いの場に

② JR大阪駅から直結の「超」交通利便性
JR大阪駅の北口に直結
地下通路・デッキが整備されアクセス性が抜群
新駅「大阪駅(地下ホーム)」開業で機能がさらに充実
関西空港へのアクセスも改善

③ イノベーション拠点としての機能
研究機関・スタートアップ・企業の共創をテーマに設計
グランフロント大阪にはナレッジキャピタルなど
うめきた2期ではさらに 次世代モビリティ、環境技術、医療・健康分野 の研究開発拠点が整備
④ 商業・ホテル・オフィスが集積する複合都市
高級ホテル、大型オフィス、商業施設が一体的に配置
うめきた2期では世界的ブランドホテルや多用途ホールも設置
MICE(会議・展示)拠点としても期待される

⑤ 賑わいと自然が共存する新しい“大阪の顔”
緑地 × 都市機能を融合した国内でも珍しい街区デザイン
夜のライトアップ、ウォーカブルな街並みが特徴
万博やIRなど関西の広域観光との連携も想定

⑥ 災害に強い街づくり
雨水貯留施設や浸水対策の導入
エネルギー供給の強靭化
公園が避難空間として活用可能
それでは、「うめきた」の都市開発がどのように進められてきたのか、紹介します。
都市開発事業上の特徴は、関西経済会と行政等が協力しながら開発を進めた「官民連携プロジェクト」の日本を代表する事業です。
毎年、国内外から多くの方々がプロジェクトの視察に訪れる注目のプロジェクトですが、最初から思い通りに進んだわけではなく、色々な失敗や困難を乗り越えて、今の「うめきた」があります。
以降は、都市計画に興味ある方に向けた内容にしましたので、都市計画の専門的な表現が多くなりますので、ご了承下さい。

1 都市再生緊急整備地域
大阪市中心部の「都市再生緊急整備地域」(*)の指定により、区域内の民間都市開発への容積率アップなどの規制緩和や柔軟な都市計画が可能になりました。
また、大阪府や大阪市も国際競争力強化や東京への一極集中を是正するため、国の協力を得ながら公共投資を実施しています。
例えば、大規模な防災公園の整備、JR西日本の鉄道地下化と新駅設置など。
(*)都市再生緊急整備地域とは、国が「ここは特に速やかにまちづくりを進める必要がある」と指定するエリア。一言でいえば、国が特に力を入れてスピード感を持って再開発を進めるためのエリアです。
国が指定(内閣総理大臣)
都市の中で 経済成長・国際競争力の向上が期待される重要地域。
開発を早く進めるため、手続きの迅速化、建物の高さ規制などの緩和、インフラ整備の促進など、特別な支援が受けられる。
一方、都市課題もあります。
東京都心部への都市機能の一極集中により、鉄道や道路等の混雑、インフラへの負荷増大などが問題となり、1988年に多極分散法が制定され、業務核都市として郊外に都市機能の分散化を図ってきました。
それが、都市再生緊急整備地域により、都心部に民間不動産投資が集中したことにより、過去と同様の課題が懸念されています。
例えば、虎ノ門エリアでの再開発機運が高まりましたが、銀座線虎ノ門駅は乗降客のキャパシティを越えた混雑が日常化していたため、再開発の事業化は見送られていました。そのため、日比谷線に「虎ノ門ヒルズ駅」の新駅を整備して、地下鉄利用者の分散化を図ることで、再開発事業が実施できるようになりました。
しかし、大きな鉄道輸送力が強化はされていませんので、都心部に向かう鉄道の混雑は大変な状況になっています。
例えば、渋谷駅周辺開発などで東急田園都市線、大手町や八重洲周辺開発による地下鉄東西線の混雑率は180%を超えています。これは、鉄道が何かの原因で止まった場合には、駅内への乗降客への入場を制限しないと、危険な状況になることも想定される混雑です。
例:東京駅周辺、渋谷駅周辺、新宿駅周辺、品川駅周辺、虎ノ門などが指定実績あり。

2 大阪駅周辺状況
大阪駅北側は、鉄道操車場であったことから、都市開発が行われていませんでした。一方、南側は阪急や阪神百貨店などの商業やオフィスが立地する中心市街地が形成されていました。
そのため、「うめきた」の開発に伴い相乗効果が発揮できるよう南側エリアの老朽化した建物等の更新プロジェクトも並行して検討されることになりました。

3 特定都市再生整備計画
大阪駅周辺地域の特定都市再生整備計画(*)が策定され、国際競争力強化のため具体的な関連事業などが位置づけられました。
必要な都市開発
・梅田一丁目一番地計画
・大阪駅西地区
・大阪駅北大深西土地区画整理事業(うめきた)
必要な公共公益施設整備
・JR東海道線支援地下化及び新駅設置(うめきた)
・大阪駅南口東・南通路
・うめきた2期地区都市公園整備(うめきた)
・大阪駅前1号線整備
・阪神梅田駅改良
その他の必要な事項
・シティーセールス事業
大阪駅周辺都市再生緊急整備協議会が補助事業者の窓口となって、大阪駅周辺のサイン統一検討や多言語情報発信などを実施。
(*)特定都市再生整備計画
都市再生緊急整備地域の中で、具体的にどんな街づくりを進めるかをまとめた計画。一言で言えば、都市再生を実行するための、自治体がつくる具体的な街づくり計画です。
対象:都市再生緊急整備地域の一部
地方自治体(市区町村など)が策定
街のにぎわい創出、国際競争力アップ、生活環境改善等を実現するため、再開発の場所、交通・公共空間整備、ビル建て替えや用途の方向性、環境・防災の改善などを具体的に決めます。


4 梅田貨物ヤード
大阪駅周辺には入堀があり、1965年(昭和40年)廃止になりました。
梅田貨物ヤードは、1928年12月に開業し、関西の物流拠点でした。
その後、物流が鉄道からトラック重視となったこともあり、鉄道物流需要が減少したことも背景となり、貨物ヤードを移転することになりました。
その一つが東海道線・吹田~千里丘間に新設された「吹田貨物ターミナル駅」へ移されて、2013年3月に梅田貨物ヤードが廃止されました。
移転先の吹田貨物ターミナル整備においては、地元から振動や騒音への強い懸念が示されたことから、新たに岸辺駅を設置して吹田市と摂津市にまたがる鉄道沿道エリアで土地区画整理事業(約40ha)を実施することになりました。
「健康医療に特化した研究・産業のまちづくり」を推進し、世界的な循環器・脳血管医療の中核である「国立循環器病研究センター(通称:国循)」が地区内に移転。さらに「市立吹田市民病院」の移転により、健康医療に関する企業・大学・研究機関の誘致が進んでいます。
また、摂津市サイドに防災公園を整備し、災害に強いまちづくりを目指しました。



5 主な経緯
2002年 都市再生緊急整備地域の指定(約490ha)
2004年 大阪市が「大阪駅北地区まちづくり基本計画」を策定
2005年 先行開発区域の土地区画整理事業の事業認可(事業着手)
2006年 先行開発区域の建物事業者募集(主催者:UR/JRTT)
2010年 建築工事着工
2013年 グランフロント大阪 まちびらき
2013年 2期エリアの民間提案募集(1次募集)
2015年 「まちづくりの方針」決定
2015年 2期エリアの土地区画整理事業の事業認可
2017年 2期建物事業者募集
2018年 建物事業者決定
2023年 鉄道新駅開業
2025年 グラングリーン大阪 まちびらき
「グランフロント大阪」は、既存の大阪駅周辺の不動産との相乗効果を目指しましたが、大阪のオフィス需要の厳しさもあり、当初は空き室が多く厳しい事業環境での船出となりました。
そのため、2期エリアについては、当分は本格的な建物事業はできないとの不動産マーケットの意向も踏まえ、大阪市がフルオープン(マスコミや市民の方が参加)での街づくり検討会を開催しました。その中で大規模な公園整備が提案されたのです。
それまで、大阪では駅前エリアは「もったいない」ので、大規模な公園を計画することは少ないという意見もあり、おそらく初めての試みだと思います。
幅広く民間提案(1次)を募集し、世界から緑を中心とした多くの企画提案が集まりました。その提案も踏まえて、「まちづくり方針」を決めることになったものです。
この民間提案(1次)募集は、プロモーションの機会にもなったと考えます。大規模な都市開発では、国際博覧会等で世界各国に地区の魅力の情報発信や来日する機会を提供することが多いです。
横浜市の「みなとみらい21地区」は「横浜博覧会」を開催。また、「筑波研究学園都市」は「つくば科学博覧会」を開催しました。
なお、東京都の臨海副都心開発では「都市博」を予定していましたが、政治的な理由で急遽中止になりました。

6 まちの将来像
(1)まちづくりの基本方針(5つの柱)
・世界に誇るゲートウェイづくり
・賑わいとふれあいのまちづくり
・知的創造活動の拠点 (ナレッジ・キャピタル) づくり
・公民連携のまちづくり
・水と緑あふれる環境づくり
(2)土地利用ゾーニング(8つのゾーンと2本の軸)
・南北(シンボル)軸:歩道空間と敷地内を一体的に水や緑のある空間
・東西(賑わい)軸:木漏れ日空間の創出と賑わいのある主軸を形成
<先行街区>
・駅前広場ゾーン:大阪の新しい玄関口としての象徴的な空間形成
・ふれあいゾーン:賑わいと交流拠点
・ナレッジキャピタルゾーン:新産業創造と未来生活提案
・よそおいのゾーン:格調高いまちなみ形成
・やすらぎのゾーン
<2期街区>
・ひろがりゾーン
・ナレッジキャピタルゾーン
・ゆとりゾーン
重要なテーマが、「知的創造活動の拠点 (ナレッジ・キャピタル) づくり」であることから、大阪市等が予めナレッジキャピタルを推進する企業を公募し、建物事業者を公募した際、デベロッパーとその企業のマッチングも実施しました。
関西経済団体等により成長産業を育成するために、積極的に取り組みました。

7 先行開発区域のまちづくり
公共施設整備における民間活力の導入
建物事業者募集時に、タウンマネジメント組織による施設管理を前提とした計画提案を条件付けしています。
また、土地区画整理事業による整備内容又は負担額を超える整備費用については、建物事業者が負担してます。
基盤(土地区画整理事業)の概要
・施行者:UR都市機構
・施行面積:約8.6ha
・施行期間:2005年~2013年度
・総事業費:約80億円
・土地利用計画:公共用地(道路・広場)約50%、宅地約50%
土地区画整理事業では、概ね3%以上の公園を整備しますが、この地区では大阪駅北口広場を公園的な土地利用として捉えています。

8 民間開発事業者(コンソーシアム)
(1)民間誘導に向けた開発条件の設定
民間事業者を公募する際、以下を開発条件に設定しています。
・一体的なまちづくり
・ナレッジ・キャピタルの 実現・運営組織づくり
・タウンマネジメント 組織の設置
(2)民間開発事業者
公募には、複数グループから申し込みがあり、審査の結果、以下の民間開発事業者12社(コンソーシアム)を選定しました。
N T T 都 市 開 発 株 式 会 社 、オ リックス不動産株式会社 、新 日鉄興和不動産株式会社、 株 式 会 社 竹 中 工 務 店 、日 本 土 地 建 物 株 式 会 社 (三井住友信託銀行株式会社)、 株 式 会 社 大 林 組 、関 電 不 動 産 株 式 会 社 、積 水 ハ ウ ス 株 式 会 社、 東 京 建 物 株 式 会 社 、阪 急 電 鉄 株 式 会 社 、三 菱 地 所 株 式 会 社。
大阪駅周辺の既成市街地でオフィスや商業を展開している企業も参画することになりました。

9 グランフロント大阪の概要
タワーA及びB棟は、オフィス中心として、駅近くの下層部は商業施設を配置して賑わいを形成しています。
タワーBとC棟の間には、ナレッジプラザを設けて、ナレッジキャピタルの実現を図る施設が配置されています。
タワーC棟は、ホテル(インターコンティネンタルホテル)が入居。
オーナーズタワーには、高級分譲住宅が配置されてます。複合的な駅前開発においては、駅から遠いエリアに住宅を配置することが一般的です。
また、分譲住宅は投資資金の回収期間が比較的短いこともあり、プロジェクトファイナンスの観点から早期に完成させて分譲することが多くなっています。


10 ナレッジキャピタル
先行開発区域の核施設「ナレッジキャピタル」には、体験型の施設も配置されており、来街者が楽しめる空間になっています。
少し古いデータ(2018年)ですが、
・ナレッジキャピタル各施設の総参画者数322者
・ナレッジサロン総来場者数70万人
・海外78か国、366団体が視察・来訪
・イベント開催 5,000件
の結果となっています。


11 タウンマネジメント
タウンマネジメント組織の「一般社団法人グランフロントTMO」が設立されて活動を行っています。
主な活動としては、
・うめきた広場の活用
・歩道空間の日常管理
・歩道空間への道路占用
・オープンカフェ、広告事業
・施設の維持保全、美化、清掃、放置自転車対策、防犯対策
なお、2015年、国内初の大阪版BID(うめきた先行開発地区分担金条例の制定及び運用開始)が始まっています。
大阪版BIDの政策実現にあたっては、専門家から助言して頂くとともに、大阪市長(当時)が米国の事例を視察してます。

12 うめきた2期区域まちづくり方針
2013年の民間提案募集には40者から提案があり、2014年に優秀提案が発表されました。
・総合的に優秀な提案:10者
・プランニングやデザイン等が優秀な提案:10者
提案者と「対話」を行いつつ、まちづくり方針を策定しました。
まちづくりの目標
「みどり」と「イノベーション」の融合拠点
世界の人々を惹きつける比類なき魅力を備えた「みどり」
新たな国際競争力を獲得し、世界をリードする「イノベーション」の拠点

13 うめきた2期のプロジェクト
うめきた2期は、大阪市、地元経済界、民間事業者、JR西日本、UR都市機構が協力しながら、各プロジェクトを推進しています。
・鉄道の地下化・新駅設置:大阪市及びJR西日本
・防災公園の整備:UR都市機構
・土地区画整理事業:UR都市機構
・土地所有者としての民間誘導:UR都市機構
・建物事業:民間事業者グループ(9者)




14 暫定利用事業
民間開発が本格化するまでの当面の間、 将来、都市公園となる予定の区域用地を活用し、暫定利用事業を実施しました。
暫定利用事業の目的
・うめきた2期まちづくりのプロモーション
・周辺エリアの賑わい創出
・防災意識の普及啓発
今回の暫定期間は約2年間と短期間でしたが、オフィスや商業等大規模な複合都市開発においては、インフラ整備と民間投資(企業誘致)までに相当期間を要することもあり、10年以上の暫定利用を組み込みながら、事業展開することが多くなっています。

15 うめきた2期民間事業者
うめきた2期の防災公園を除く宅地約4.6haを対象に民間事業者を公募しました。申込み対象者は、2013年度に実施した民間提案募集において優秀提案者となった者等としました。
主な必須条件は、以下のとおりです。
①みどり
提案対象区域で概ね8haの「みどり」を確保するため、都市公園 で確保される4.5haの「みどり」を前提に民間宅地と西口広場で 3.0ha以上の「みどり」を確保すること 都市公園の整備計画等を提案し、管理運営する組織を開発事 業者自ら中心となって設置すること。
②中核機能
総合コーディネート機関や国等のイノベーション支援機関等が入 居するプラットフォーム施設を容積対象床面積で10,000㎡程度 確保すること(ただし、10,000㎡を下回らないこと)。
③まちのマネジメント
民間宅地の「みどり」や提案対象区域内の歩道を一体的にマネ ジメントする組織を開発事業者自ら中心となって設置すること。
④環境・防災
提案対象区域で5.4ha以上の有効避難面積を確保すること。
2018年、土地譲受事業者(9者)を決定しました。
三菱地所株式会社【代表者】 、大阪ガス都市開発株式会社 、オリックス不動産株式会社 、関電不動産開発株式会社、 積水ハウス株式会社、 株式会社竹中工務店、 阪急電鉄株式会社 、三菱地所レジデンス株式会社 、うめきた開発特定目的会社。
多くの企業が、先行開発区域(うめきた1期)と重複しています。
不動産マーケットとして、東京に比べてオフィス需要が比較的厳しいエリアであるため、先行開発区域での事業経験を活かしたコンソーシアムが形成されたのだと思います。


16 うめきた2期のまちづくり
まちづくりの意義
世界から人が訪れる都市魅力の創出
緑と都市機能が共存する新しい都市モデル
国際競争力の強化と交流拠点形成
といった視点で計画され、関西・大阪の中心として、将来的な文化・経済の発信地となることが期待されています。
1. グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)
うめきた2期の街全体の総称として、開発事業者によるプロジェクト名称が「グラングリーン大阪」に決定しています。テーマは“緑あふれる都市空間”で、都市と自然の融合を象徴する名前です。
2. 中核都市公園
・約4.5ヘクタールもの都市公園を整備。
・芝生広場や散策路、季節ごとの木々などが配置され、駅前としては世界最大級の規模を誇ります。
3. 交流・イノベーション拠点
「JAM BASE(ジャムベース)」など、アイデア創出・企画開発スペースとなる中核機能施設を設置。多様な人々が集い、新たなプロジェクトや展示、イベントなどが行われる場となります。
4. 商業・ホテル・オフィス・住宅
・北館・南館には商業施設、ホテル、オフィス、住宅など多様な用途の建物が立地します。
・商業エリア「GRAND GREEN OSAKA SHOPS & RESTAURANTS」では、飲食・ショップ・サービス施設が整います。
5. 交通アクセス向上
JR大阪駅や周辺の交通拠点との接続を強化する歩行者デッキが整備され、駅から緑豊かな街への動線をスムーズにしま現在、国内外から多くの方々が視察に訪れています。
多くの方々の努力が、厳しい状況からここまでプロジェクトを動かしこと、とても嬉しく思っています。
都市開発は不動産市場や社会経済の変化と向き合いながら、長い時間軸でプロジェクトマネジメントが必要なので、このスタートダッシュが持続可能な発展につながることを願っています。
実は、うめきた2期の事業化検討をスタートした頃、マーケットサウンディングしても、市場はとても厳しい反応でした。
例えば、土地が譲渡ではなく、定期借地なら検討ができる等
先行開発区域(グランフロント大阪)のオフィス入居率が厳しい状況であったことも要因の一つです。
大阪駅周辺の既存のオフィス供給量と需要がバランスしている状況なので、新たな需要を発掘しないと、うめきた2期には事業投資できないのではないかと不動産市場関係者から思われていました。
その後、関西大阪万博の誘致が実現したことも追い風になり、グラングリーン大阪が始動することができました。
何が状況を変えたのか、しっかりした分析はできていませんが、私は以下の要因がこのプロジェクトを前に進めたと考えています。
①関西経済界のビジョンと行動
新たなな産業成長に向けたナレッジキャピタルの取組みが、うめきたプロジェクト内だけでなく、関西経済界のビジョンの一つになり企業の賛同を得たことで、既存市街地の再開発との相乗効果もあり、新たなオフィスやホテルの需要が拡大したのではないか。
②大規模なみどり
ターミナル駅前の国内最大規模の大規模なみどりが、想定以上にこの地区のポテンシャルを高めたのではないか。
多様な世代が親しめる公園、災害に強い防災公園、都市景観としての緑地などが都市のど真ん中に新たにできたインパクト。
③住機能の導入
オフィスの中心部に住宅を配置することは、過去の都市計画では考えられないことでした。
立地企業にとって、オフィスの近くに住宅があることが景観面などマイナスイメージが強かった。 しかし、今では住宅の質の転換により、多くの都心型再開発事業の中心的な土地利用になっています。
また、投資資金が早期に回収かつ利益が出ることから、プロジェクトファイナル上もメリットがあります。
一方、居住しない投資対象(外国人も含めて)となっている住宅物件も増えていることには留意する必要があります。
地方自治体にとっては、新たな公共施設整備や公共サービスによって、住宅供給による財政負担増(財政悪化)の懸念もありました。しかし、企業誘致とセットの複合都市開発により、税収が見込めます。
以上、長くなりましたが、「うめきた」のことを、公開している情報の中で可能な限り詳しく説明しました。
スタート時点から関わったこのプロジェクト、今後も現地を歩くたびに写真を追加し、街の変化を見守りたいと思います。
注)今回のnoteで使用した資料の一部は、「UR都市機構」が公表したものをそのまま掲載しています。そのため、名称等は発表当時のものが含まれます。
