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SoFiは10倍株(テンバガー)になれるのか?「市場が評価を変える瞬間」

前回は、一般的によく言われる「10倍株(テンバガー)の条件」を整理し、それらすべての条件にSoFiが該当することを確認した。

一方、10倍株になる企業の条件として、次のような定義もできる。

10倍株になる企業とは
・「EPSが伸びる構造」と「評価軸が切り替わる余地」を同時に持つ
・しかも市場がまだそれを信じていない企業

SoFiに置き換えると、
・利益は伸びているが、銀行または数あるフィンテックの一つとしての評価
・ステーブルコインという新しい収益源は、まだ評価に反映されていない

こうした状態にあるSoFiは、10倍株の候補のど真ん中だ。

そして、これらの評価が一変すると、
最短で「株価=EPS×PER」を最大化することが可能になる。

しかし、10倍株になる条件を満たしていることと、株価が大きく上昇することは、必ずしも同義ではない。今回は、何がそろったときに株価は大きく動くのかをみていく。

【市場規模が巨大であること】
売上やEPSを大きく伸ばすためには、対象とする市場規模が巨大であることが重要だ。

▶SoFiはどうか
SoFiの事業領域は、
・ローン
・金融サービス(銀行、証券、クレジットカード、保険など)
BaaS(金融インフラ事業:Galileo/Technisys)
と、極めて多岐にわたり、いずれも、超巨額の金融フローが日々行き交う領域である。

加えて、今後ステーブルコインB2B市場にも進出をしていく。

世界には「約100数十兆ドルものマネーサプライ(広義の通貨供給量)」が存在する。そのうち、わずか数%がステーブルコインに置き換わるだけで、数兆ドル規模の市場が誕生する。

その数兆ドルの数%を運用収益あるいは手数料収入として得るだけでも、年間数百億ドル規模の利益創出も理論上は射程に入る。

SoFiは、そんな巨額市場への挑戦を今まさしく始めるところだ。ここでの成果が見え始めれば「評価が切り替わる瞬間」となり得る。 

【時間の経過とともにより利益が拡大していくか】
株価は最終的にEPSの成長から逃れられない。短期的には市場のセンチメント、景気動向などによって左右されるものの、長期では必ず「利益」に収斂していく。

さらに重要なのは、EPSが時間の経過とともに「加速する構造を持っているか」である。

▶SoFiはどうか
・営業レバレッジの継続
売上以上に利益が増える「営業レバレッジ」が効き、利益率の向上が続いている。また今後もスケールメリットの拡大とともに利益率は向上していく。

ワンストップサービスによるクロスセル効果
ワンストップサービスにより、1人の顧客が複数の金融サービスを利用可能な構造を持つ。これが新規顧客獲得コストを抑え、時間とともに収益性が高まるクロスセル効果を生む。

ステーブルコインは「コピー」で量産
ステーブルコインは、10億ドルを発行しようが、1,000億ドルを発行しようが、追加発行に要する費用は極めて小さい。

これらは、いずれも売上に対してコストの伸びが抑えられやすい。そのため、規模拡大とともに利益率が高まっていく。

また、市場ではあまり注目されていないBaaS事業
・一度導入すると継続利用されやすい
・取引量増加に伴い利益率が上昇
・顧客増加によりサービスが標準化
と、AWS的な収益構造を持つ。

【構造変化が起きているか】
SoFiは単なるフィンテックではない。
銀行免許を持ち(=免許自体が高い参入障壁)
・Galileo/Technisysという技術力の高いサービス基盤
・オンライン中心の圧倒的に軽いコスト構造
ワンストップ型のサービス設計によるユーザー拡大

多くの競合は、銀行・証券・決済といった単一レイヤーの最適化にとどまっている。一方SoFiは、複数の金融レイヤーを同時に内製し、それらを接続している点が異質である。この構造差が、長期的な競争優位につながると考えている。
 
さらにSoFiは、ブロックチェーン技術(=ステーブルコイン)を活用し、決済・送金の構造そのものを変えようとしている社会の通貨インフラが変わる局面において、その中核を担う可能性を持つ企業の評価は、ある時点を境に大きく切り替わることがある。

SoFiは今、まさにその「評価が変わり得るテーマ」の入口に立っている。

【評価を一変させる事象】
株価が大きく動くには、「評価が切り替わる瞬間」が必要だ。

ステーブルコイン事業が急拡大
現在の決済・送金を置き換え始める
Galileo/TechnisysがBaaSのAWS的地位を築く

これらが現実味を帯び、実績が伴い始めたとき、SoFiは「銀行」という枠組みから外れ、
・SoFi=金融インフラ×テック企業
となることで、PERなどの評価倍率の拡大が起き、株価の上昇につながる。

仮に数年以内に、
・EPSが1ドルを超え
・PERが50倍以上
という評価が市場に定着すれば、株価は50ドルを超えていく。

そのうえで、ステーブルコインや、SoFiが新たに進出するB2B市場が本格的に収益化すれば、100ドル超のシナリオも十分に視野に入ってくる。

<市場認識のズレ>
しかし、期待のステーブルコイン事業において、
・SoFi USDの価値は株価に「1ドル」も織り込まれていない
と感じることがある。

ステーブルコインは、
・3〜5年後に起き得る市場構造の変化
・それに伴う収益
という長い時間軸のテーマであり、市場との認識にはズレがある。また、SoFi USDが持つ強みを理解している人がほとんどいない。

しかし、これは、
・Amazon(単なるオンラインの本屋)
・Tesla(単なるEVメーカー)
・NVIDIA(ただのGPUメーカー)
でも、何度も見られた現象だ。
 
SoFi USDが
・実際にローンチされ
採用が広がり
・発行残高が増え
・収益に変化が現れたとき
市場の評価は徐々に、そして時に大きく変わり始める。

SoFiは
当たればデカい
・外しても致命傷になりにくい10倍株候補
(銀行・BaaSという強固な実体収益がすでに存在するため)
というのが、現時点での私の評価である。

以下は、今後も継続的にチェックしていくポイントだ。
・コスト構造:規模拡大とともに利益は伸びているか
・Galileo/Technisys:金融のAWS的なインフラとして定着するか
・規制環境:規制の変化によりSoFiの優位性が損なわれていないか
・ステーブルコインなどの新規事業:大きな障害は生じていないか

仮説が間違っていれば素直に修正する。固執する投資家にはならないよう心がけたい。

次回は「SoFi USDは株価にいつ織り込まれるのか?3つのシナリオ」をお届けする。

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