見出し画像

金融サービス事業としてのB2B強化 ― SoFiが本気で狙う巨大決済市場

金融サービス事業としてのB2B強化」は、2026年におけるSoFiの成長戦略を語るうえで、最も重要なテーマの1つになる。

以前、2030年のステーブルコイン発行残高を保守的に1.2兆ドルとした。また、1.2兆ドルの市場内訳として「B2B決済を20%」とした。

今回はそのB2B決済(企業間送金・貿易決済など)市場を詳しく見ていく。
※B2B決済においても、ブロックチェーンを用いた送金が行われていき、高い競争力を持つと踏んでいる。

<B2B決済市場:年間数百兆ドル規模>
B2B決済市場は、年間数百兆ドル規模に達すると言われている。原材料の仕入れ、製品の卸売、貿易決済など、企業活動のほぼすべてがB2B決済を伴っており、個人向け決済とは桁が異なる。

したがって、年間取引量7.2兆ドル(後述)という数字は決して過大なものではなく、2030年にわずか数%がステーブルコイン決済に置き換わるという前提に立ち、極めて保守的な数字と言える。

<B2B決済はクロスボーダー市場から始まる>
B2B決済市場の中で、最初に導入が進みやすいのが、国境をまたぐクロスボーダー取引である。

海外との取引は次の課題を持つ。
⛔金額が大きい
⛔手数料が高い
⛔為替や中継銀行の存在によって構造が複雑で着金までに時間がかかる

つまり、コストと非効率が最も集中している領域であり、新しい決済手段が導入されやすい

<SoFi USDのシェア:50%>
規制の厳しいB2B決済市場では、会計処理、監査、ガバナンスの観点から、USDT/USDCのような非銀行発行のステーブルコインが主役になることは難しい。具体的には「非銀行」のサービスを使用すると、以下の質問に答えることができない。

⛔発行体が破綻したら誰が補償する?
⛔不正送金時、誰が最終責任を負う?
⛔監督当局は誰をどう監督する?

さらに、過去のSVBショックで見られたような、ステーブルコインの価値が棄損する事態は、企業にとって受け入れがたい。日常的に1億ドル、10億ドル単位で国際送金をしている企業が、万が一の場合であったとしても、10%、20%の損失を被ることは決して許されない。

また、Basel Ⅲの枠組みでは、非銀行発行のステーブルコインは、原則として銀行発行のデジタルマネーよりも不利なリスクウェイトが課される可能性がある。決済目的であっても、今後の規制強化次第では、扱いづらくなっていく可能性が高い。

これらを総合して考えると、B2B決済の中核では、銀行の枠組みの中で発行されるSoFi USDのようなステーブルコインが優位に立つことになる。

まとめると、B2B送金において重要なのは
💡送金速度や手数料だけではない
💡法的責任とコンプライアンスの所在が明確であること
💡SoFi USDは、既存の銀行法・監督体制の延長線上で運用できる

よって、SoFi USDのシェアは、B2B向け汎用ステーブルコイン市場で、暗号資産市場と同じく「50%」を占めると仮定する。

<手数料収益>
手数料収益からの最終損益は以下の計算となる。
🎯1.2兆ドル×20%×30倍×50%×50%×0.1%×税率(1-25%)=13.5億ドル

【最終損益(手数料)の前提条件】
・2030年ステーブルコイン発行残高:1.2兆ドル
・B2B決済市場のシェア:20%(2,400億ドル)
Velocity(決済回転率)30倍 
・B2B年間取引量:7.2兆ドル(2,400億ドル×30倍)
・SoFiのシェア50%
・利益率50% ※文末に補足説明あり
・手数料率0.1% ※同上
・税率25%

<運用収益>
先日、Anthony Notoは運用収益の95%を流通パートナーに配布するという構想を示した。そのため、暗号資産取引所における運用収益は、取引所や流通プロバイダー(LP)が流動性を生み出すという暗号資産取引所の特性を考え、その多くを計算から「除外」をした方が良いだろう。

しかし、以下要因により、B2B決済は様相が異なる。
・SoFi自身が金融サービス事業としてのB2B強化を打ち出している
・一方、SoFi USDを自らのブランドとして出す金融機関も出てくる

それを前提に最終損益(運用収益)は以下の計算となる。
🎯 1.2兆ドル×20%×50%×2%×50%×90%×税率(1-25%)=8.1億ドル

【最終損益(運用収益)の前提条件】
・2030年ステーブルコイン発行残高:1.2兆ドル
・B2B決済市場のシェア:2,400億ドル(シェア20%)
・SoFiのシェア50%
・政策金利2%
・金融機関への配布率50%(想定)
利益率90%
・税率25%
※金融機関への配布率は、SoFi USDを採用する金融機関がどれくらい出てくるかによる。ここではSoFi自らのシェアと、ホワイトラベル化した金融機関のシェアをそれぞれ50%とした。あくまでこれは仮置きである。

フロート収益(決済や清算の時間差から生じる運用収益)
フロート収益からの最終損益は以下の計算となる。
🎯 7.2兆ドル×2%×1/365×50%×90%×税率(1-25%)=1.3億ドル
※1/365は、平均滞留日数を1日と仮定した場合の年換算係数である。

【最終損益(フロート収益)の前提条件】
・B2B年間取引量:7.2兆ドル(2,400億ドル×30倍)
・政策金利2%
・B2B決済が開始から清算までの資金滞留平均日数:1日
・金融機関への配布率50%(想定)※考え方は同上
利益率90%
・税率25%

上記は決して誇大なものではない。むしろ、数百兆ドル規模のB2B決済市場、そしてその入口となるクロスボーダー取引の大きさを考えれば、2030年時点で想定可能な数字である。

そして、B2B決済という巨大市場において、まずクロスボーダーから汎用ステーブルコインが浸透し、その延長線上で国内取引へと広がっていく――その自然な流れを前提にすれば、上記数値は単なる通過点にすぎない。

【補足】
・利益率50%(手数料)
この前提は、B2B向け汎用ステーブルコインが、決済インフラに近い収益構造を持つことを踏まえたものである。つまり取引量に対して変動費の増加は限定的であり、規模の経済が働きやすい。一方、銀行としての規制対応やコンプライアンスコストも存在する。その両面を織り込み、慎重な利益率として50%と設定している。
※参考:Visa 60%台前半、Mastercard 50%台後半の営業利益率

・手数料率0.1%
取引金額や用途によって手数料率は上下する。高頻度・大口取引では0.1%を下回る一方で、付加価値の高い決済や、コンプライアンス対応・即時清算が求められる用途では、0.1%を上回るケースも十分に考えられる。

特に、既存のクロスボーダー決済では、為替スプレッド、中継銀行手数料などを含め、実質的なコストは1%を超えるケースもある。特に新興国や多通貨取引を含む場合、その負担はさらに大きくなる。

これに対し、ステーブルコインを用いたB2B決済は、即時性と透明性を提供する。またその価値は、送金手段の置き換えだけでなく、資金効率の改善やオペレーションコスト削減にまで及ぶ。

よって、B2B向け汎用ステーブルコインにおける手数料率0.1%は、慎重な水準と言える。

※次回は、B2B決済よりもさらに信用要件が厳しく、SoFi USDの優位性が最も鮮明に表れる「トークン化市場」を見ていく。

「金融サービス事業としてのB2B強化」、これも間違いなく、2026年におけるSoFiの重要トピックスの1つになります!SoFiを2026年も応援しましょう~♪「スキ」💖、「フォロー」🌸、「SNSでの拡散」💫で応援していただけると励みになります😊

【免責事項】 本ブログは情報提供を目的とし、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。内容は執筆時点の情報に基づき、将来的に変更される可能性があります。投資判断は自己責任で行い、十分な調査のうえ決定してください。本ブログの内容を基にした投資損失について、当方は一切の責任を負いません。また、外部リンクや第三者情報の正確性も保証するものではなく、各自の判断でご利用ください。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー