Z 2300:2020
目
次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
2.1 一般 ···························································································································· 1
2.2 試験方法別の分類 ·········································································································· 1
2.3 内容分類 ······················································································································ 1
3 一般事項························································································································· 2
3.1 番号の付け方 ················································································································ 2
3.2 括弧の使い方 ················································································································ 2
3.3 対応英語 ······················································································································ 2
4 用語及び定義··················································································································· 2
4.1 共通及び一般 ················································································································ 2
4.2 放射線透過試験 ············································································································ 15
4.3 超音波探傷試験 ············································································································ 31
4.4 アコースティック・エミッション試験 ·············································································· 59
4.5 磁気探傷試験 ··············································································································· 64
4.6 浸透探傷試験 ··············································································································· 68
4.7 渦電流試験 ·················································································································· 70
4.8 漏れ(リーク)試験 ······································································································ 73
4.9 ひずみゲージ試験 ········································································································· 77
4.10 外観試験 ···················································································································· 80
4.11 赤外線サーモグラフィ試験 ···························································································· 82
(1)
Z 2300:2020
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本非破壊検査協会(JSNDI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産
業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産
業規格である。これによって,JIS Z 2300:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(2)
日本産業規格
JIS
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非破壊試験用語
Terms and definitions of nondestructive testing
1
適用範囲
この規格は,工業分野において用いる非破壊試験に関する主な用語及びその定義について規定する。
2
分類
2.1
一般
非破壊試験用語は,試験方法によって2.2のように大分類する。さらに,それぞれの試験方法に関する
用語に対して,基本的に2.3に示す内容によって分類し,それぞれをa)〜f)に細分類して示す。
箇条4の用語に付した記号は,次の手順による。
− 2.2のa)〜k)の試験に関する用語を,それぞれ4.1〜4.11に記載する。
− 2.2のa)〜k)のそれぞれの試験に関する用語を,内容によって2.3のa)〜f)に分類する。ただし,2.2 b)
の放射線透過試験の分類は,そのほかに“放射線管理”,“デジタルラジオグラフィ”,“X線CT”及び
“中性子ラジオグラフィ”に関する用語に分類する。
2.2
試験方法別の分類
非破壊試験用語の試験方法に内容によって,次のとおり分類する。
a) 共通及び一般
b) 放射線透過試験
c) 超音波探傷試験
d) アコースティック・エミッション試験
e) 磁気探傷試験
f)
浸透探傷試験
g) 渦電流試験
h) 漏れ(リーク)試験
i)
ひずみゲージ試験
j)
外観試験
k) 赤外線サーモグラフィ試験
2.3
内容分類
非破壊試験用語の属性によって,次のとおり分類する。
a) 一般(物理現象など)
b) 機器・材料
c) 標準試験片・対比試験片
d) 試験方法
2
Z 2300:2020
e) 判定・評価
f)
その他
3
一般事項
3.1
番号の付け方
通常,番号は4桁とし,1000の位の数字が試験方法による大分類を表し,100の位の数字が細分類を表
す。大分類の1番目の“共通及び一般”の用語は0001から,2番目の大分類の“放射線透過試験用語”は
1001から始める[例えば,2345の“2”は,2.2(大分類)の3番目の“超音波探傷試験”,“3”は,2.3(内
容分類)の細分類4番目の“試験方法”,“45”はその45番目に記載した用語を表す。]。その他の用語も,
順次,1000ずつ増やした番号から始める。ただし,赤外線サーモグラフィ用語は,大分類が“10”となる
ため,例外的に5桁とする。また,細分類による用語数が100以上となった場合は,大分類の桁数を一つ
上げて10000の位とし,この場合も5桁とする。
3.2
括弧の使い方
用語に対して特定の修飾語を付けて表現することがある場合には,用語の前に丸括弧“( )”を用いて
修飾語を付けた用語を記載する。
3.3
対応英語
対応英語は,ISO規格に規定されている用語を優先し,参考として示す。
4
用語及び定義
4.1
共通及び一般
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶接部,
溶接継手
溶接金属及び熱影響部を含んだ部分の総称(JIS Z 3001-1参
照)。
割れ,
亀裂,
クラック
熱的又は機械的応力のために引き起こされる局部的な破断に
よって生じる隙間又は不連続部。
溶接割れ
冷却又は応力の影響で発生する固相の局部破壊による不連続
部(JIS Z 3001-4参照)。
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
縦割れ
溶接線に平行方向に対して生じる割れ(JIS Z 3001-4参照)。 longitudinal crack
注記 溶接金属,ボンド部,熱影響部,母材などに存在する。
横割れ
溶接線に対して直角方向に生じる割れ(JIS Z 3001-4参照)。
注記 溶接金属,熱影響部,母材などに存在する。
ビード下割れ
ビードの下側に発生する割れ(JIS Z 3001-4参照)。
ルート割れ
溶接のルートの切欠きによる応力集中部分から生じる割れ
(JIS Z 3001-4参照)。
高温割れ
溶接部の凝固温度範囲又はその直下の温度のような高温で発
生する割れ(JIS Z 3001-4参照)。
低温割れ
溶接後,溶接部の温度が常温付近に低下してから発生する割
れの総称。ルート割れ,ビード下割れ,止端割れなどはこの
割れに属する(JIS Z 3001-4参照)。
再熱割れ
溶接部の再加熱において発生する割れ(JIS Z 3001-4参照)。 reheat crack
止端割れ(したん
われ)
溶接部の止端から発生する割れ(JIS Z 3001-4参照)。
4
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番号
用語
クレータ割れ
定義
溶接部終端部のクレータに生じる割れ(JIS Z 3001-4参照)。
対応英語(参考)
注記 溶接線方向に沿ったもの,溶接線に直交方向のもの,
放射状(スタークラック)のものなどがある。
スラグ巻込み
溶接金属に巻き込まれたスラグ(JIS Z 3001-4参照)。
注記 その形成状況によって線状,孤立状,群れ状などがあ
る。
パイプ
鋼の凝固収縮過程で発生する収縮孔又は熱間加工時に発生し
た割れが,完全に圧着されず,内部にその跡をとどめたもの
(JIS G 0553参照)。
クレータ収縮孔
溶接ビード端部の収縮孔で,後続ビード(パス)の溶接前又
は溶接中には消滅しないもの(JIS Z 3001-4参照)。
注記 クレータパイプともいう。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶込み不良
設計溶込みに比べ実溶込みが不足していること(JIS Z 3001-4
参照)。
融合不良
溶接境界面が互いに十分に溶け合っていないこと(JIS Z
3001-4参照)。
コールドラップ,
融合不良の一種で,両金属面は接触しているが融合していな
コールドウェルド,
い状態。
冷接
アンダカット
母材又は既溶接の上に溶接して生じた止端の溝(JIS Z 3001-4
参照)。
オーバラップ
溶接金属が止端で母材に融合しないで重なった部分(JIS Z
3001-4参照)。
酸化物の巻込み
溶接中に金属酸化物が巻き込まれて溶融せずに溶接金属部に
残ること。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
ブローホール
溶接金属中に生じる球状の空洞(JIS Z 3001-4参照)。
ウォームホール
ガス放出で溶接金属に発生する筒状の空洞(JIS Z 3001-4参
照)。
注記 ウォームホールの形状及び位置は,凝固の形態及びガ
ス源によって決まる。一般に群集し,魚骨状に分布す
る。溶接表面まで達し,開口する場合もある。
異種金属巻込み
溶接部に巻き込まれた異種金属(JIS Z 3001-4参照)。
注記 タングステン,銅,その他の金属などがある。
開先(かいさき),
グルーブ
溶接する母材間に設ける溝(JIS Z 3001-1参照)。
注記 I形開先,V形開先,X形開先,レ形開先,K形開先,
J形開先,U形開先,H形開先などの名称がある。
裏当て
開先溶接において,片面から溶接施工するため,又は溶落ち,
欠陥の発生などを防止するために,開先の底部に裏から当て
る金属板及び粒状フラックス(JIS Z 3001-7参照)。
注記 金属板であって,母材とともに溶接される場合は,裏
当て金ともいう。
裏はつり
開先溶接で,開先底部の欠陥部又は第1層目の溶接部分を裏
面からはつり取る操作(JIS Z 3001-7参照)。
たれ
片面溶接の場合,開先を突き抜けて,また,両面溶接の場合,
既に肉盛りされた側の溶接金属を突き抜けて飛び出した余分
な溶接金属。
ラメラテア
十字型突合せ継手及びすみ肉多層盛継手のように,母材表面
に直角方向の強い引張拘束応力が生じる継手において,熱影
響部及びその隣接部に母材表面と平行に生じる割れ(JIS Z
3001-4参照)。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
溶落ち(とけおち) 開先の反対側に溶け落ちた溶融金属(JIS Z 3001-4参照)。
内部きず
試験体の内部に存在するきず。
ピット
溶接部の表面まで達し,開口した気孔(JIS Z 3001-4参照)。
余盛
開先又はすみ肉溶接で,必要寸法以上に表面から盛り上がっ
た溶接金属。
スパッタ
アーク溶接,ガス溶接,ろう接などにおいて,溶接中に飛散
し,付着した金属粒(JIS Z 3001-4参照)。
ナゲット
重ね抵抗溶接において,溶接部に生じる溶融凝固した部分
(JIS Z 3001-6参照)。
熱影響部,
溶接,切断などの熱で組織,冶金的性質,機械的性質などが
変化を生じた,溶融していない母材の部分(JIS Z 3001-1参
照)。
湯境い
鋳造条件が不適切なとき,鋳型内で二つの溶融金属(湯)の
流れが合流する所に生じる融合していない境界面。
湯回り不良
鋳込み温度が低いなどの原因によって,鋳型を完全に満たす
前に溶湯が凝固して,不完全な鋳物を作ってしまう不良現象。
砂かみ
鋳造時に鋳型から落ちた砂の鋳物への混入。
引け巣
鋳型に注入した溶湯が凝固するとき,先に凝固収縮した部分
に引っ張られて,ロート状に陥入した部分。
ポロシティ
ガスを巻き込むことによって生じた空洞(JIS Z 3001-4参照)。 gas cavity,
インゴットパター
ン
鋼の凝固過程における結晶状態の変化又は成分の偏りのた
め,輪郭状に濃度差が現れたもの(JIS G 0553参照)。
スリバー
素材中の異物(ガスを含む。)又はきずのために,材料の表面
が皮をかぶったようになったもの,及びこの皮が剝がれたも
の。
気孔
溶融金属中に発生した気泡が,凝固時に離脱できずに溶接部
又はインゴットに残留したもの。
サルファバンド
鋼材において硫黄を多量に含有する部分が帯状に偏析した
層。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
サルファ割れ
硫黄の偏析が層状に存在している鋼材を溶接した場合に,低
融点の硫化鉄共晶が原因となって溶接金属内に生じる一次晶
粒界割れ。
(鋼材の)収縮割
れ,
ひけ割れ
加熱又は溶湯の凝固過程において冷却速度が各部で異なると
きに起こる割れ。
(鋼の)清浄度
鋼中において,非金属介在物が含まれる度合い。顕微鏡視野
内で,非金属介在物が占める面積百分率で表す。
中心部偏析
溶融金属の凝固において最後に凝固する中央部に,ある種の
合金元素又は不純物が,濃化して偏在する現象又はその状態。
熱間割れ
材料の半製品及びスラブの熱間加工時に発生する割れ。
注記 長さ,幅及び深さが一定でなく,方向性がない。
白点(はくてん)
鋼材の破面に現れる白色の光沢をもった斑点(JIS G 0201参
照)。
非金属介在物
鋼の凝固過程において,鋼中に析出又は巻き込まれる非金属
の介在物(JIS G 0202参照)。
研磨割れ
熱処理した鋼のグラインダ加工において,研磨中に熱応力に
よって発生する割れ。
しま状組織,
層状組織
圧延又は鍛伸方向に平行に並んだ偏析組織。
シームきず
圧延によって,圧延方向に平行に生じる線状きず。
孔食
局部腐食が金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食現
象。
延性破壊
材料が外力によって,塑性変形(永久変形)を生じて破壊す
る現象。
応力亀裂
プラスチックの表面又は内部に破壊強さよりも小さい応力に
よって生じる亀裂。
応力腐食割れ
腐食と引張応力との相乗作用によって生じる割れ。
置割れ,
自然割れ
焼入れ又は焼入焼戻しした金属材料が放置中に生じる割れ
(JIS G 0201参照)。
遅れ割れ
引張応力のかかった状態の材料が,ある程度の時間が経過し
た後に,ほとんど塑性ひずみを生じることなく発生する割れ。
クリープ破壊
材料が長時間にわたって外力を受け,時間とともに塑性変形
が増大して生じる破壊現象。
残留応力
外力又は温度勾配がない状態で,物体内部に残っている応力
(JIS B 0190,JIS G 0202及びJIS Z 3001-1参照)。
残留ひずみ
外力又は温度勾配がない状態で,材料内部に残っているひず
み。
シグマ(σ)ぜい
(脆)性
シグマ(σ)相の析出分離によって起こるぜい化現象(JIS G sigma embrittlement
0201参照)。
注記 シグマ(σ)相とは,クロムを20 %以上含む高クロム鋼,
高クロムニッケル鋼などに現れる金属間化合物であ
る。
照射ぜい(脆)性
放射線などの照射を受けることによって,その物質がもろく
なる性質。
水素侵食
200 ℃以上の温度で水素の圧力が高いときに,鋼中に拡散し
た水素原子が,炭化物と反応して脱炭を生じ,メタンの気泡
が成長して割れを生じる現象。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
低温ぜい(脆)性
室温付近又はそれ以下の低温で,鉄鋼の衝撃値が急激に低下
してもろくなる性質。
水素ぜい(脆)性
鋼中に吸収された水素によって鋼材に生じる延性又はじん
(靭)性が低下する性質。
注記 酸素を含む銅が水素などの還元雰囲気の中で高温加熱
されたとき,酸化銅の還元によって生じるボイドによ
って,延性又はじん性が低下する。
水素誘起割れ
おおよそ70 ℃以下の温度で,硫化水素と水とが存在すると
きに生じる水素原子が,鋼中に拡散して水素の気泡となって
発生する割れ。
スケールきず
圧着してかみ込んだもの又は脱落してあばた状になった表面
のきず。
スピルきず
不規則で剝離状の微細な不連続表面きず。
注記 圧延方向に延ばされ,圧下率に影響されるが,母材に
つながっている。
スポーリング
圧延ロールなどの外表面に生じる剝がれ。陽極酸化皮膜の密
着性が局部的に失われて,剝離を伴う現象をいう。
すりきず
取扱い中に表面にできた連続又は断続した線状のきず。
ぜい(脆)性破壊
材料が外力によって,ほとんど塑性変形を生じることなく破
壊すること。
青熱ぜい(脆)性
200 ℃〜300 ℃付近で鋼の引張強さ又は硬さが常温の場合よ
りも増加し,伸び及び絞りが減少してもろくなる性質。
赤熱ぜい(脆)性
熱間加工の温度範囲で鋼がもろくなる性質。
全硬化層深さ
硬化層の表面から硬化層と生地との物理的又は化学的性質の
差異が,区別できない位置までの距離。
層割れ,
層間剝離
積層品の層間が剝離すること。
ダイマーク
押出(引抜)材表面の押出(引抜)方向に現れる線状の細か
い凹凸。
脱炭層
熱間加工又は熱処理によって,表層部の炭素濃度が減少した
部分(JIS G 0202参照)。
地きず
鋼の仕上面における,そのまま肉眼によって認められるピン
ホール,ブローホールなどが連なった線状のきず,非金属介
在物による線状のきず,及び砂などの異物の介在による線状
のきず。
軟点
焼入れで局部的に生じる完全には硬化しない部分。
剝離
皮覆,めっき層の素地若しくはアンダコートからの剝がれ,
又はコンクリート相互間,コンクリートと鋼材との間,コン
クリートと仕上げ材との間若しくは仕上げ材相互間に生じる
剝がれ若しくは空隙。
ハードスポット
局所的な焼入れなどによって周囲の硬さよりもかなり高い硬
さをもった部分。
ピックアップ,
汚れ
重ね抵抗溶接において,電極と母材との接触部が過熱され,
その結果,電極材と母材とが相互に付着したり,合金層を作
ったりして生じる電極先端面又は母材表面の汚損。
ひび割れ,
ひび
材料・製品の表面又は内部に,外力又は内部応力によって生
じたごく細かい亀裂。
疲労破壊
材料が繰返し負荷を受けて発生した割れが進展して破壊に至
る現象。
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番号
用語
定義
ピンホール
製品にできた微細な孔。溶射皮膜を貫いて素地までに達する
微細孔をいう。
膨れ,
ブリスタ
金属内部に紡すい(錘)状に膨れ,皮膜が素地若しくはアン
ダコートから又は皮膜内で局部的に浮いている状態。
フッククラック
電気抵抗溶接管において,鋼帯中の表面に平行な非金属介在
物,偏析などが溶接部に生じて,きずとなったもの。
ヘアークラック,
毛割れ
表面に現れる微細な割れ。
ペネトレータ,
フラットスポット
フラッシュ溶接及び電縫管の溶接において,不適切な溶接条
件のため,接合端面が酸化した状態で圧接されることで生じ
る内部きず(JIS Z 3001-4参照)。
ミクロ割れ
光学顕微鏡(約50倍以上)で拡大して初めて検出されるよう
な微小な割れ。
溝きず
表面にできた種々の幅,深さ及び長さをもった機械的なきず。 grooves
注記 圧延方向に平行か直角で,介在物を含むことがある。
もみ割れ
不適切な鍛造又は圧延作業によって,中心部に生じた割れ。
焼戻ぜい(脆)化
焼入れした鉄鋼を,ある焼戻温度に保持した場合又は焼戻温
度から徐冷した場合,ぜい性破壊が生じやすくなる現象。
焼戻割れ
焼入れした組織を焼戻しするとき,急熱,急冷又は組織変化
のために生じる割れ(JIS G 0201参照)。
焼割れ
焼入応力によって生じる割れ。
焼け
皮膜の表面の色調が熱によって著しく変化している状態。
ラミネーション
圧延鋼材において,内部きず,非金属介在物,気泡,不純物
などが圧延方向に沿って平行に伸ばされ,層状になったもの。
粒界割れ
結晶粒界に発生又は結晶粒界を通過した割れ。
注記 いわゆる高温割れは,このタイプが多い。
アルカリ骨材反応
アルカリとの反応性をもつ骨材が,セメント,その他のアル
カリ分と長期にわたって反応し,コンクリートに膨張ひび割
れ,ポップアウトを生じさせる現象(JIS A 0203参照)。
(コンクリートの) 塩化物イオンによるコンクリート中の鋼材の腐食によって,
塩害
コンクリートにひび割れ,剝離,剝落などの損傷が生じる現
象(JIS A 0203参照)。
(鋼材の)かぶり
厚さ
(コンクリートの)
乾燥収縮によって生じるコンクリートのひび割れ。
乾燥収縮ひび割
れ
グラウト
(コンクリートの) 硬化したコンクリートが空気中の炭酸ガスの作用を受けて次
中性化,
第にアルカリ性を失っていく現象(JIS A 0203参照)。
炭素化
(コンクリートの)
硬化コンクリート表面に残った気泡の跡。
表面気泡
鋼材,シースなどの表面とそれらを覆うコンクリートの外側
表面までの最短距離(JIS A 0203参照)。
空隙,目地,ひび割れなど細かい隙間を充塡するために,注
入用材料として用いるセメントペースト又はモルタル。
注記1 グラウトには,セメント系材料,セメント以外の無
機系材料,有機系材料などが用いられる。
注記2 充塡する作業は“グラウティング”という(JIS A 0203
参照)。
対応英語(参考)
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
(コンクリートの) コンクリート表層の小部分が円すい形のくぼみ状に破壊され
ポップアウト
た状態。
豆板(まめいた)
モルタル又はセメントペーストの不足した粗骨材が蜂の巣状
に集積し,充塡不十分な部分。
損傷
使用環境によって,物理的性質に永久変化が起こって性能が
変化すること。
注記 放射線の照射を受けることによって,その物質の諸特
性に好ましくない変化が起こることを,放射線損傷又
は照射損傷という。
劣化
材料又は製品が,応力,熱,光などの使用環境によって,次
第に本来の機能に有害な変化を起こすこと。
SN比
信号に対するノイズ(雑音)の量を対数で表した比。
表皮効果
試験体に加えた磁界又は電流が時間的に変動した場合,磁束
密度,電流及び渦電流の強さが表面に集中し,内部に向かっ
て指数関数的に減少する現象。
表皮深さ,
浸透深さ
磁束密度,電流及び渦電流の強さが,表面の値の約37 %にな
る表面からの深さ。表面深さδは,次の式によって計算され
る。
ここに, f: 試験周波数
σ: 導電率
μ: 透磁率
注記 プローブの形状による実効的な表皮深さを“実効表皮
深さ”という。
磁気飽和
強磁性体において,磁界が増加しても,磁束密度が顕著に増
加しない現象。
注記 この現象を用いて試験体の磁性の不均一による雑音を
抑制することができる。
b) 試験方法
定義
対応英語(参考)
番号
非破壊評価,
用語
非破壊試験で得られた情報を,試験体の性質又は使用性能の
面から総合的に解析・評価すること。
非破壊検査,
非破壊試験の結果から,規格などによる基準に従って合否を
判定する方法。
非破壊試験,
素材又は製品を破壊せずに,品質又はきず,埋設物などの有
無及びその存在位置,大きさ,形状,分布状態などを調べる
試験。
注記 材質試験などに応用されることもある。放射線透過試
験,超音波探傷試験,磁気探傷試験,浸透探傷試験,
渦電流試験などがある(将来の有用さ及び役割を損な
うことなく,きずを検出し,位置の推定,寸法測定及
び評価を行うために,材料又は部品を試験する技術的
方法の開発及び適用,本来の状態,特性及び組成を評
価すること,並びに幾何学的形状を測定することも含
まれる。)。
放射線透過試験,
放射線を試験体に照射し,透過した放射線の強さの変化から,
試験体内部のきず及び/又は状態を調べる非破壊試験。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
超音波探傷試験,
超音波を試験体中に伝搬させたときに試験体の示す音響的性
質を利用して試験体内部のきず又は材質を調べる非破壊試
験。
アコースティッ
ク・エミッショ
ン試験,
AE信号波を利用する非破壊試験方法及び材料評価方法。
磁気探傷試験,
磁性粉末を含む適切な試験媒体を利用し,漏えい(洩)磁界
によって表面及び表面近傍のきずを検出する非破壊試験。
浸透探傷試験,
一般に浸透処理,余剰浸透液の除去処理,及び現像処理で構
成される表面に開口したきずを指示模様として検出する非破
壊試験。
渦電流試験,
渦電流探傷試験,
対象物を検査するために誘導渦電流の電磁効果を用いる非破
壊試験。
漏れ試験,
リーク試験,
漏れの有無,漏れ箇所の検出,漏れ量の測定などを行う試験。 leak testing,
ひずみ試験,
負荷を与えた試験体に生じるひずみゲージの状態を調べる試
ひずみゲージ試験,
験。
注記 JIS Z 2305:2013ではひずみゲージ試験が規定されてい
るが,ISO 9712:2012では“Strain gauge Testing”(略語
ST)が規定されている。
赤外線サーモグラ
フィ試験,
赤外線放射エネルギーを検出し,その分布を画像表示する方
法を応用した試験。
(技術者の)資格
非破壊試験業務を適切に遂行するために要求される身体的特
性,知識,技能,訓練及び経験に関する実証(JIS Z 2305参
照)。
(技術者の)認証
非破壊試験方法,資格レベル及び分野に関する資格要件を満
たしたことを確認するために,認証機関が用いる資格証明書
の発行を前提とする手順(JIS Z 2305参照)。
技術検定
技術者の試験技術が規定された水準に達しているかどうかを
確認すること。
標準試験片
装置の校正及び評価に用いる,規定された材質,形状及び寸
法の試験片。一つ以上の人工きずを付与してもよい。
試験体
試験の対象物又は試験中の対象物。
試験片
欠陥検出性をチェックするために用いられる人工きず又は自
然きずのある試料。
対比試験片
装置の感度調整及び検査実施のプロセスの調整に使用する規
定された不連続部を含む試験片。
ボス供試体,
ボス型枠を用いて,構造体コンクリートと一体で成型される
直方体の供試体。
13
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
きず検出能,
きず検出限界
どれだけ小さいきずまで検出できるかを表す能力の尺度。
外観試験
目視及び寸法検査によって外観の良否を検査する試験(JIS Z
3001-1参照)。
注記 目視試験は,試験体の表面性状(形状,色,粗さ,き
ずの有無など)を,直接又は拡大鏡を用いて肉眼で調
べる試験をいう。
回送試験,
ラウンドロビンテ
スト
標準試験法又は標準試験片の決定などの場合,あらかじめ試
験方案を決めて特定の試験片をワーキング・グループのメン
バーの間で,順次,回送して行う試験。
材質試験
“材料の種類”,“不純物又は合金成分”,“熱処理”などによ
って物理的特性が変化するのを利用して材料の性質を調べる
試験。
サルファプリント
試験
硫酸を含有する腐食液の中に前もって浸せきした黒白写真印
画紙に材料を密着させることによって,様々な化学的形態で
材料の中に存在する硫化物の位置及び面積を検出する試験
(JIS G 0560参照)。
注記 ISO 4968では,写真印画紙に代えて,フラット・フィ
ルムの適用を認めている。
スンプ試験
レプリカ法の一種で鋼の表面を仕上げ研磨して,その上に酢
酸メチルを滴下し,アセチルセルローズ膜をはって乾燥した
後これを剝がし取り,その膜を透過形光学顕微鏡で観察して,
鋼の性状を判定する試験。
耐圧試験
ボンベ,ボイラなどの圧力容器及び配管が,使用中の圧力に
十分耐えるかどうかを検証することを目的に行われる試験。
断面試験
試験体を切断し,断面について内部きず,金属組織などを調
べる試験。
破面試験
試験体を外力によって破断し,破面を観察して内部のきずな
どを調べる試験。
膜厚試験
めっき,塗装,酸化皮膜などの皮膜厚さを測定する試験。
注記 膜厚試験には,化学的方法のほか,次の方法がある。
a) 直接,マイクロメータ,顕微鏡などを利用するもの。
b) 電気磁気的方法,放射線などを利用するもの。
マクロ組織試験
断面又は表面のきず,性状及び組織を検査する目的で,研磨
された断面又は表面を,塩酸,塩化銅アンモニウム,王水な
どを用いて腐食し,肉眼で判定する試験。
レプリカ法
追従性のよい有機材料皮膜を試験部の表面に貼付し,表面の
凹凸を忠実に皮膜上に再現し,この皮膜を剝がして観察する
方法。
異材判別,
異材の鑑別
異材混入のおそれがある試験体を試験して,異材を判別する,
又は異材の混入を確認すること。
(鋼の)火花試験
鋼塊,鋼片,鋼材及びその他の鋼製品をグラインダを使用し
て研削し,発生する火花の特徴を観察することによって,鋼
種の推定又は異材の鑑別を行う試験。
打音試験
試験体を打撃体で打撃することによって発生する放射音を利
用した非破壊試験。
注記 打音による変状の検出,材質試験,厚さ測定などの試
験が含まれる。
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番号
用語
定義
応力発光法
(コンクリートの) 物理的な衝撃で発生させた弾性波を,コンクリート表面又は
衝撃弾性波試験 内部の振動として,振動センサによって受信する非破壊試験。
(コンクリートの) 媒質中を伝搬する電磁波が比誘電率の異なる境界で反射する
電磁波レーダ試
性質を利用した非破壊試験。
験
注記 電磁波レーダによる配筋状態,コンクリートの変状,
部材厚さ測定などの試験が含まれる。
(渦電流試験の)
バランス
出力値を0にするための信号の補正。
応力発光を示す材料を用い,力学的刺激によって発光する応
力発光強度を観察又は計測することによって,試験体の応力
分布,ひずみ分布,きずなどに相当する情報を求める方法。
対応英語(参考)
c) 判定・評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
判定基準
非破壊試験によって検出した結果を用いて,要求水準を満足
しているかを決める基準。
注記 試験体の検査を実施して,それを合格とし決定するた
めに用いられる場合は,“合格基準”という。
合格品質レベル
抜取検査において合格とする,処理平均として満足すると考
えられる欠陥品が発生する割合。
合格レベル
合否のためのしきい値として事前に決定された一連のパラメ
ータ値。
疑似指示
不連続部又は不完全部以外の状況に起因すると解釈される
NDT指示。
きず
非破壊試験の結果から判断される不完全部又は不連続部。
注記 “きず”には合格となるものと,不合格となるものと
がある。
きず高さ
きずの板厚方向の寸法。
注記 開口きずの場合,“きず深さ”ということもある。
きず深さ
きずから探傷面(基準面)までの最短距離[“きず高さ(0406)” flaw depth
の図参照]。
注記 開口きずの場合,“きず高さ”を指すこともある。
欠陥
規格,仕様書などで規定された合格基準を満たさず,不合格
となるきず。
注記 総合した大きさ,形状,方向性,位置又は特性が規定
された合格基準を満足しない,一つ以上のきずを指し,
不合格とみなされる。
欠陥高さ
欠陥の板厚方向の寸法[“きず高さ(0406)”の図参照]。
注記 開口欠陥の場合,“欠陥深さ”ということもある。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
欠陥深さ
欠陥から探傷面(基準面)までの最短距離[“きず高さ(0406)” defect depth
の図参照]。
注記 開口欠陥の場合,“欠陥高さ”を指すこともある。
検出感度
試験体の品質又は不連続部を検出できる非破壊試験手法の能
力。
注記 検出感度が高いほど,小さい不連続部の検出能力が高
くなる。
検出レベル
指示を検出するしきい値。
検証
非破壊試験の結果として得られたデータ又は証拠に対して系
統的に調査を行い,指示が実在するか否かを確証すること。
注記 放射線透過試験,磁気探傷試験及び浸透探傷試験の場
合は,“観察”を意味する。
観察条件
観察を実施する際の周囲の環境状況の詳細。
判定
きずが規定の判定基準を満足しているか否かを決定するこ
と。
判別
指示が評価の対象となるか,評価対象外か又は疑似的なもの
かの判断を下すこと。
指示模様
非破壊試験において,装置上に表示された画像,数値又は試
験体上に出現された模様。
評価対象指示
きずによる指示であって試験体の使用可能性について評価対
象となる指示。
注記 浸透探傷試験では,“評価対象指示模様”ともいう。
評価対象外指示
きずによる指示であって試験体の使用可能性について評価対
象とならない指示。
注記 浸透探傷試験では,“評価対象外指示模様”ともいう。
健全部
異常がないと判断される部分。
不完全部
品質特性が意図する状態から逸脱している部分。
不連続部
組織,材質又は形状の連続性が途切れる部分。意図的な場合
とそうでない場合との両方が含まれる。
ノイズ
試験対象物の表面状態若しくは組織,又は装置若しくは試験
条件に起因する本来的でない指示。
人工きず
穴,溝,ノッチなどの機械加工又はその他の手法で試験片に
加工したもの。
(装置の)校正
既知の対比きずによって,装置を比較すること又は装置の調
整を行うこと。
(きずの)特性化
NDT応答に基づいて,きずの寸法,方向性,成長又は他の特
性を定量化する手順。
4.2
放射線透過試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
放射線
電磁波又は粒子の運動エネルギーが,空間又は物質を通して
放射されるエネルギーの伝搬。
注記 電磁放射線と粒子放射線とがある。
γ線,
ガンマ線
特定の放射性物質から発生する電磁波(放射線)。
X線,
エックス線
電子が金属ターゲットに高速で衝突したとき発生する透過力
のある電磁波(放射線)。
白色X線
連続スペクトルをもつX線。
16
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
(X線の)連続ス
ペクトル
X線発生装置から生じるX線の波長又は光子エネルギーの連
続した分布。
軟X線
長波長(低エネルギー)の成分を多く含むX線。
注記 一般的に,100 kV以下の管電圧で発生するX線をいう。
特性X線
ターゲット元素固有の線スペクトルをもつX線。
透過線
試験体に照射された一次放射線が相互作用を起こすことなく
透過した放射線[“後方散乱線(1011)”の図参照]。
散乱線
物質内を通過するとき,物質との相互作用によって方向が変
化する放射線[“後方散乱線(1011)”の図参照]。
注記 エネルギー変化を伴うものと伴わないものとがある。
前方散乱線
散乱角が90°未満の散乱線[“後方散乱線(1011)”の図参照]。 forward scattered
後方散乱線
入射線の方向に対して90°以上の角度で散乱するX線又はγ
線の一部。
散乱比
放射線が試験体を透過したとき,任意の点における散乱線量
率と透過線線量率との比。
コンプトン散乱
X線又はγ線の光子と電子との相互作用であり,光子エネル
ギーの減衰を伴い,散乱線は入射線の入射角とは異なる角度
で放出される現象。
二次放射線
入射放射線と物質との相互作用によって生じる放射線(JIS Z
4001参照)。
再生係数,
ビルドアップ係数
広い線束の場合,コンプトン散乱によってエネルギーの低く
なった散乱線の一部が入射線に加わるため,物質中での減弱
を求める際に必要な補正係数。
放射能
放射性同位元素が壊変を起こして別の元素に変化する性質
(能力)。単位時間当たりの放射性壊変の数で表し,単位はベ
クレル(Bq)。
比放射能
放射性同位元素を含有する物質の単位質量当たりの放射能の
強さ。
壊変曲線
放射性同位元素の放射能の時間変化を表した曲線。
半減期
放射性物質の放射能の強さが半分になるまでの時間。半減期
の長さは,核種で固有である。
(放射線の)吸収
光子(放射線)が物質を通過するとき,その数が減少するこ
と又はその過程。
減弱
X線又はγ線が物質を通過するとき,物質との相互作用によ
って照射線束の線量率が減少すること。
減弱曲線
吸収体を透過する一次放射線の透過割合を透過厚さの関数と
して図示したもの。
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番号
用語
減弱係数,
定義
X線又はγ線が物質を通過するとき,物質との相互作用(光
電効果,コンプトン散乱及び電子対生成)によって減弱する
程度を表す係数。入射光子の数(強度)をI0とし,物質の深
さxで入射光子の数(強度)がIとなったとすると,I=I0×e
対応英語(参考)
−μxなる関係式が導かれる。この式において,μが(線)減弱
係数で,単位は長さの逆数(mm-1又はcm-1)。
なお,(線)減弱係数を物質の密度で除したものが質量減弱係
数である。
放射線エネルギー
X線,γ線などの電磁波の場合は,光子のエネルギー。
注記 α線,β線などの粒子線の場合は,粒子のエネルギー。
単位は,電子ボルト(eV)。
(放射線束の)線
質
放射線の透過力に関わる放射線のエネルギー分布[“半価層
(1026)”参照]。
注記 線質は,半価層として表現することもある。
半価層,
X線又はγ線が物質との相互作用によって放射線量(率)を
二分の一に減弱する物質の厚さ。
注記 ここで,放射線量(率)は,単位時間当たりの放射線
量である。
1/10価層,
X線又はγ線が物質との相互作用によって放射線量(率)を
十分の一に減弱する物質の厚さ。
注記 ここで,放射線量(率)は,単位時間当たりの放射線
量である。
実効エネルギー
白色X線の線質を,白色X線の半価層と等しい半価層をもつ
単色X線のエネルギーで表したもの。
固有ろ過
一次線束(ビーム)が通過するX線管の部品,取付具又は線
源カプセルによって生じる放射線束(ビーム)のろ過。
照射線量
電離放射線によって,空気中に生成される電荷量。単位は,
クーロン毎キログラム(C/kg)。
空気カーマ
X線又はγ線を空気に照射したとき,空気1 kg当たり放出さ
れた荷電粒子の初期運動エネルギーの総和。単位は,グレイ
吸収線量
放射線が当たった物質が吸収したエネルギーで表される放射
線量。単位は,グレイ(Gy)(1 Gy=1 J/kg)。
シーベルト
放射線の種類による生体に対する影響の違いを加味した実効
線量,等価線量及び線量当量のSI単位。単位記号はSv。
階調度,
規定された濃度におけるX線フィルムの特性曲線への接線の
勾配(JIS K 7627参照)。
注記 階調度(G)は,フィルムシステムのコントラストの指
標となる。
フィルムコントラ
スト,
フィルムの特性曲線の任意の濃度における接線の傾き。
フィルムシステム
の感度
規定の露出条件における(放射線の照射量に対する)フィル
ムシステムの定量的感度。
注記 フィルムシステムとは,フィルム並びにフィルム製造
業者及び/又は処理薬品業者の推奨する処理条件を組
み合わせたもの(JIS K 7627参照)。
(X線検出器の)
露出
X線フィルム及びCR,DDAなどのデジタル検出器に放射線
を照射すること。
一次放射線
減弱することなく,線源から検出体に直接向かう放射線。
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番号
用語
輝尽発光
定義
ある種の物質にX線などの放射線を照射(刺激)した後,照
射された所に可視光又は赤外線を照射すると,この光よりも
波長が短く,かつ,放射線の照射量に対応した蛍光が発する
発光現象及びその光。
対応英語(参考)
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
線源
(電離)放射線を放出することができる機器(例えば,X線
管又はγ線源)。
(X線管の)焦点
X線管の陽極上におけるX線を放射している場所。
(X線発生装置の) X線管の先端又はチューブシールドに固定することによって
絞り
放射する線束を制限する器具。
(X線発生装置の) X線の照射を制御する器具。
シャッター
注記 一般に鉛製で,チューブシールドに取り付けられ,リ
モート操作によってX線の照射をコントロールするた
めの器具である。
(X線管の)ター
ゲット
電子ビームが衝突し,一次放射線束が放出されるX線管の陽
極面。
中心指示器
X線発生器の放射口に取り付け照射野の中心を示す器具。
チューブシールド
放射線漏れを所定の値以下に制限するためのX線管容器。
チューブヘッド
X線装置の一部で,X線管を保護する容器。
(X線装置の)定
格出力
X線装置において,X線管に加わる最大端子電圧[定格電圧。 rated output
単位はキロボルト(kV)]と,その電圧における最大管電流[定
格管電流。単位はミリアンペア(mA)]とで表した数値。
等価X線管電圧
特定のγ線源によって撮影したγ線透過写真に対して,等価
な像質の透過写真が得られるX線管の管電圧。
コーンビーム
円すい状に広がる放射線のビーム。
注記 ビームの縁の形状によらず二次元検出器で測定すると
きの放射線のビームをいう。
ファンビーム
ほぼ平面内にX線焦点を頂点とする扇状に広がる放射線のビ
ーム。
入射線束軸
焦点及び管窓で形成される円すい状線束の軸。
(X線管の)陽極
電流
X線管内を陰極から陽極に移動する電子の流れ。
ロッドアノード管
筒状の陽極の先端にターゲットを置いた,放射線を全周照射
できるX線管。
管電圧
X線管の陽極と陰極との間に印加される高電圧。
一体形X線装置,
携帯式X線装置
高電圧発生器及びX線管を一体としたX線発生器と制御器と
を低電圧ケーブルで接続するX線装置。
分離形X線装置,
据置式X線装置
X線管装置,X線管冷却器,高電圧発生器,X線制御器,高
電圧ケーブル,低電圧ケーブルなどによって構成されるX線
装置。
コンスタントポテ
X線管に一定した電圧を印加し,一定したX線を出力するX
ンシャル(方式) 線発生装置。
γ線源
金属カプセル内に密封された放射性物質。
注記 イッテルビウム169,イリジウム192,セレン75,コバ
ルト60などが非破壊試験に使用される。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
γ線透過試験装置, 密封放射γ線源から放出された放射線を工業用γ線透過試験
γ線装置
用に設計された,線源容器及び線源アセンブリに加え,仕様
に応じて,遠隔操作装置,レリーズワイヤ,伝送管,操作管
及び先端棒又はコリメータで構成される装置(JIS Z 4560参
照)。
照射容器,
線源容器
γ線源から放出される放射線量を低減でき,安全に取扱いがで
きるだけの十分な壁厚をもつ高密度の材料で作られた容器。
密封放射線源
放射性物質の散逸及び他の物質との接触を避けるため,カプ
セルに密閉,又はカバーを接着した放射性の線源[“非密封放
射線源(1124)”参照]。
非密封放射線源
密封されていない,又は密封性能が不十分な線源[“密封放射
線源(1123)”参照]。
線源アセンブリ
線源ホルダに内蔵,又は取り付けられたγ線源のアセンブリ
(JIS Z 4560参照)。
線源ホルダ
γ線源を直接線源容器に取り付ける器具,又はγ線源を遠隔操
作装置のレリーズワイヤ端部に保持するために取り付ける器
具。
伝送管
線源容器からγ線源及びレリーズワイヤを誘導する可とう
(撓)性をもつ管。
放射口
放射線ビームを通過させることを目的とした放射線源の防護
遮蔽体の開口部。
漏れ放射線
X線装置の放射口又はγ線装置の照射口を透過してくるもの
ではなく,X線源又は放射線源の防護遮蔽物を透過してくる
放射線。
(γ線装置の)遠隔
操作装置
γ線源容器から離れた位置で,線源アセンブリを使用位置へ移
動するための操作を行う装置。
収納管
線源アセンブリを接続していない側のレリーズワイヤを収納
する中空の可とう(撓)性をもつ管。
注記 収納管の代わりにレリーズワイヤをワイヤドラムに収
納する方式もある。
照射筒
放射線源の放射口に取り付ける筒状の照射野を限定する器
具。
先端棒
伝送管の先端に閉止の目的で取り付けられ,その先端でγ線
源を照射する器具。
操作管
線源容器と遠隔操作装置との間の操作用レリーズワイヤを誘
導する可とう(撓)性をもつ管。
コントロールケー
ブル,
レリーズワイヤ
線源容器から線源ホルダを遠隔操作によって当該位置まで出
し入れするために接続するケーブル。
直線加速器,
リニアック
導波管の内部又は多数の整列したキャビティ間に作られた高
周波電界によって,荷電粒子を直線的に加速する装置。
注記 イオン又は電子を加速するものをそれぞれイオン直線
加速器又は電子直線加速器という。線形加速器ともい
う。
ベータトロン
円形の交流電磁石の磁束を変化させ,円周軌道に生じる電界
によって電子を加速する装置。
微小焦点X線管
焦点寸法が100 µm未満のX線管。
注記 拡大撮影法に用いられる。
複焦点X線管
異なる二つの焦点寸法をもつX線管。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
(放射線発生装置
の)イコライザ
高エネルギー放射線透過試験の一次X線束の放射線量率を均
一化させ,それによって有効照射域を拡大するための器具。
(検出器の前に置
いた)フィルタ
長波長(低エネルギー)の放射線を吸収するように,線源と
X線フィルム又は検出器との間に置かれた,一般に試験体の
原子番号よりも上位の原子番号をもつ材料の均一層。
固定マスク
透過写真の周囲からの強い光を防ぐための透過写真観察器の
附属品。
スクリーン形フィ
ルム
蛍光増感紙と一緒に使用することを目的とした透過写真(試
験)用X線フィルム。
ノンスクリーン形
フィルム
蛍光増感紙を使用しないで,放射線に対する感度を大きくし
た透過写真(X線)フィルム。金属増感紙又は金属蛍光増感
紙と組み合わせるか,増感紙なしで直接使用する。
写真乳剤
ハロゲン化銀の微細な結晶粒子を保護コロイドの溶液(例え
ば,ゼラチン水溶液)に分散させたもの。
(X線フィルム
の)フィルムベ
ース
感光乳(液)剤を塗布する支持体。
輝尽性蛍光体
放射線のエネルギーを潜像として記録し,適切な波長の赤色
光の刺激によって,吸収された放射線のエネルギーに比例し
た蛍光を生じる発光材料。
増感紙
放射線エネルギーの一部を光(光子)又は電子に変換し,記
録媒体と接触したときに,透過写真の像質を改善するか,透
過撮影に必要な時間を短縮するか,又はその両方を達成でき
るような物質[“金属増感紙(1149)”,“蛍光増感紙(1150)”
及び“金属蛍光増感紙(1151)”参照]。
金属増感紙
X線又はγ線を照射したとき,放射線をろ過して電子を放出
する高密度の金属(通常は鉛)から成る増感紙。
蛍光増感紙
X線又はγ線に露出したとき蛍光を発する蛍光体を塗布した
増感紙。
金属蛍光増感紙
X線又はγ線に露出したとき蛍光を放出する材料を金属はく
(通常は鉛)に塗布した増感紙。
イメージングプレ
ート,
輝尽性蛍光体をシート状の支持体に塗布したコンピューティ
ッド・ラジオグラフィ(CR)用の放射線検出器。
(X線フィルム
の)カセット
露出中,撮影用X線フィルム又はIPを収納するための遮光性
容器(袋)。
注記 剛性のあるもの,フレキシブルなもの,及び増感紙の
あるものとないものとがある。
真空カセット
真空状態にして,放射線照射中X線フィルムと増感紙とを高
い密着状態に保持する遮光性のケース。
コントラスト調整
材
撮影する対象物に適用して,その放射線コントラストの全部
又は一部を改善するための適切な固体又は液体の材料。
遮蔽材料
X線フィルム又は検出器への散乱線の影響を軽減するために
用いる材料。
端部遮蔽材
試験体の周囲又は空洞の内側に配置して,より均一性の高い
吸収が行われるようにし,過度の散乱放射線を低減して局部
的な露光過多を防ぐための,細かな粒状鉛などの遮蔽材料
[“遮蔽材料(1156)”参照]。
遮蔽ボックス
内部にX線管装置又はX線発生器を設置するX線防護用の
箱。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
(校正済み)基準
濃度ステップタ
ブレット
基準濃度として使用できるように種々の光学濃度値を段階的
にもつフィルム。
ステップウエッジ
同材質で厚さが階段状に並んだ試験体。
透過写真観察器
透過写真を観察するための,光源と半透明の拡散板とをもつ
器具。
像質計,
像質を定量的に測定することができるゲージ。
注記 ISO規格などでは有孔形透過度計,有孔階段形透過度
計,針金形透過度計及び複線形像質計を含めて“像質
計”というが,国内では透過度計という呼称が一般化
していることから,有孔形透過度計,有孔階段形透過
度計及び針金形透過度計を“透過度計”とし,複線形
像質計だけを“像質計”としている。
透過度計
透過画像の像質を定量的に管理するためのゲージ[“像質計
(1162)”参照]。
針金形透過度計
金属線で構成した透過度計。
注記 JIS Z 2306では,直径の異なる7本の針金を用いた一般
形と,同一直径の9本の針金を用いた帯形の2種類を
規定している。
有孔形透過度計
板に貫通孔を設けた透過度計。
注記 く(矩)形の板に直径の異なる3個の貫通孔を設けた
方形と,円形の板に直径の異なる2個の貫通孔を設け
た円形との2種類がある。
有孔階段形透過度
計
各段に板の厚さと同じ直径の貫通口を設けた階段状の透過度
計。
複線形像質計
像の不鮮鋭度を評価するために用いられる,高密度の金属で
作られた線対の系列からなる像質計(JIS Z 2307参照)。
階調計
透過写真の像質を評価するためのゲージ。透過写真の撮影条
件の定量的確認のために用いる。
肉厚補償くさび
すみ肉溶接部の透過写真撮影において,母材と溶接部のX線
又はγ線の吸収が大きく異なる試験体の撮影に使用する肉厚
補償用のブロック。
フィルムマーカ
透過写真に識別用の文字又は記号を写し込むためのマーカ。
濃度計
透過写真(X線)フィルムの透過濃度又は印画紙の反射濃度
を測定するための装置。
マイクロデンシト
メータ
高分解能の顕微鏡光学系と微弱測光機能とを備え,微小面積
の光学濃度を連続的に測定する装置。
X線蛍光増倍管
入射したX線(像)を光(像)に変換し輝度を増倍する機能
をもつ電子管。X線透視法に用いる。
c) 試験方法
番号
用語
X線透過試験,
X線ラジオグラフ
ィ
定義
γ線透過試験,
γ線を用いた放射線透過試験。
γ線ラジオグラフィ
直接撮影方法
X線を用いた放射線透過試験。
試験体を透過した放射線を,直接,透過写真(X線)フィル
ムに受けて記録する撮影方法。
対応英語(参考)
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
間接撮影方法
試験体を透過した放射線を,蛍光板又は蛍光増倍管で受け,
蛍光面上の透視像をカメラなどで記録する撮影方法。
X線透視法
蛍光板,蛍光増倍管などの放射線検出体上に電離放射線によ
って可視像を作り,テレビモニターに表示する方法。
蛍光板透視法
放射線によって蛍光板上へ可視像を作り,その像を直接観察
すること。
リアルタイムラジ
オグラフィ
X線透視法のうち,可視像をテレビカメラで撮像し,動く試
験体の透視画像を表示する手法。X線ラインセンサを用いる
手法もこれに該当する。
フラッシュラジオ
グラフィ
極めて短時間にX線を放射する装置を用いて,高速な現象を
撮影する方法。
マイクロフォーカ
ス放射線透過試
験
100 µm未満の極めて小さい焦点寸法をもつX線管を使用した
放射線透過試験。
注記 一般に,拡大撮影方法に用いられる[“拡大撮影方法
(1325)”参照]。
ラミノグラフィ,
トモシンセシス
X線源及び検出器が試験体に対して相対的な運動をする場合
に,X線源走査面と検出器走査面との間の任意の断面画像を
撮影する方法。
注記 直線軌道走査,円軌道走査などがある。
立体撮影法
2枚の透過写真を撮影し,きずなどの相対位置を立体的に観
察できる撮影方法。
焦点寸法
X線管の焦点の寸法。
注記 熱電子が衝突している場所の寸法を示す実焦点寸法と
X線フィルム又は検出器上から見た焦点の寸法を示す
実効焦点寸法とがある[“実効焦点寸法(1313)”参照]。
実効焦点寸法
X線フィルム又は検出器から見た焦点の寸法。
注記 照射野の中心位置から見た焦点寸法でピンホール法,
解像力法などによって測定する(JIS Z 4615参照)。
線源とフィルム間
の距離,
線源と検出器間の
距離
線源からX線フィルム又は検出器までの距離。線源と試験体
との距離に,試験体とフィルム又は検出器までとの距離を加
えたものをいう。
注記 JIS Z 3104,JIS Z 3105及びJIS Z 3106における二重壁
撮影方法は,フィルム面に対して直角な方向の距離と
している。
焦点とフィルム間
の距離,
焦点と検出器間の
距離
X線管の焦点からX線フィルム又は検出器までの距離。
線源と試験体間の
距離,
焦点と試験体間の
距離
線源又はX線管の焦点と試験体の線源側表面との距離。
注記 JIS Z 3104,JIS Z 3105及びJIS Z 3106における二重壁
撮影方法は,フィルム面に対して直角な方向の距離と
している。
試験体とフィルム
間の距離,
試験体と検出器間
の距離
試験体の照射側とX線フィルム又は検出器との距離。
注記 JIS Z 3104,JIS Z 3105及びJIS Z 3106における二重壁
撮影方法は,フィルム面に対して直角な方向の距離と
している。
試験部の有効長さ
1回の撮影できずの像の分類ができる試験部の長さ。
23
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
内部線源撮影方法
管の内部に線源を置き,管の外側にX線フィルム又は検出器
を取り付けて撮影する方法。
注記 全周同時撮影方法と分割撮影方法とがある。
内部フィルム撮影
方法,
内部検出器撮影法
管の外部に線源を置き,管の内側にX線フィルム又は検出器
を取り付けて,全周を分割して撮影する方法。
二重壁片面撮影方
法
管の円周突合せ溶接部を撮影する場合,線源及びX線フィル
ム又は検出器を溶接部を含む平面と適切な角度をとって配置
し,管壁を二重に透過して撮影する方法。
注記 X線フィルム又は検出器を取り付けた側の溶接部だけ
を試験の対象とする。
二重壁両面撮影方
法
比較的小径管の円周突合せ溶接部を,管壁を二重に透過して
撮影する方法。
注記 X線フィルム又は検出器を取り付けた側の溶接部及び
線源側の溶接部の両側を試験の対象とする。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
パノラマ照射
γ線の多方向特性又はX線のパノラマセットを利用した放射
線透過試験の構成。
注記 例えば,複数の試験体を同時に透過撮影したり,又は
円筒形試験体の全周を撮影したりすることができる
[“全周同時撮影方法(1324)”参照]。
全周同時撮影方法
線源を管の中心に置き,X線フィルム又は検出器(IP)を管
の外周に取り付けて,全周を同時に撮影する方法[“パノラマ
照射(1323)”参照]。
拡大撮影方法
幾何学的拡大を利用したX線透過法又はX線透視法[“マイ
クロフォーカス放射線透過試験(1309)”及び“幾何学的拡大
率(1329)”参照]。
注記 デジタルラジオグラフィでは,検出器の空間分解能を
補償する方法として用いられる。
狭照射野撮影方法
照射野を局部的に絞り,X線フィルム又は検出器を試験体か
ら適切な距離を離して散乱比を低減させることによって,き
ずの像のコントラストを上げる撮影方法。
複合フィルム撮影
方法,
複合検出器撮影法
肉厚の異なる部分をもつ試験体の撮影で,同種又は感度の異
なるX線フィルム又は検出器を組み合わせて撮影する方法。
(モニタ表示の)
拡大率
観察時の画像の拡大の度合い。
注記 デジタルラジオグラフィでは,試験体の寸法を基準に
した幾何学的拡大率と,モニタに表示する画素を基準
とした拡大率とがある。
(放射線源装置の)
線源と試験体との距離に対する線源とX線フィルム又は検出
幾何学的拡大率 器との距離の比率。拡大撮影方法(1325)参照。
解像力法
解像力チャート又は数種類のワイヤーグリッドによって,実
効焦点の解像力的寸法を測定する方法。
(フィルムの)特
性曲線
露出量の常用対数log Kと光学濃度Dとの関係を示した曲線。 characteristic curve of
(フィルムの)ラ
チチュード
フィルム乳剤の光学濃度有効範囲に対応する露出範囲。
露出因子
透過撮影でX線フィルム又は検出器に到達するX線量又はγ
線量を表す因子。
X線では,露出因子=管電流(mA)×露出時間(min)/距離
の二乗(cm2)で,γ線では,露出因子=線源の強さ(Bq)×
露出時間(min)/距離の二乗(cm2)で求める。
露出時間
記録媒体を放射線に露出する過程の時間。
露出線図
材料の厚さに対する,管電圧及び線源の種類と照射時間との
関係を表した線図
クリアリング時間
フィルム定着においてハロゲン化銀が溶出して未露光部分が
透明になるまでの時間。
経時かぶり
長時間の保管をすることによって放射線を照射していないフ
ィルムを写真処理した場合に認められるフィルムの濃度の増
加。
潜像
放射線によってX線フィルム又はIPに作られた目に見えない
像で,処理することで可視像に変換できるもの。
注記 IPの場合,読出し又は消去しきれていない像が現れる
こともある。
増感係数,
増感率
他の条件が同じとき,同一の光学濃度を得るのに必要な増感
紙を使わない場合と使った場合との露出時間の比。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
(X線フィルムの)
現像後に,写真乳剤からハロゲン化銀を化学的に除去するこ
定着
と。
フィルムデジタイ
ザ
透過写真(X線フィルム)の画像をデジタル信号に変換する
装置。
放射線透過写真
X線フィルム上に,直接又は間接放射線の透過線によって作
られた写真処理後の可視像。
d) 評価・判定
番号
用語
定義
対応英語(参考)
画像のコントラス
ト
画像中の隣り合った二つの場所の濃度又は画素値の相対的差
異。
注記 画像中の見かけの相対的差異は,“視覚コントラスト
(1412)”参照。
像質,
画質
放射線透過画像の質。
像質指数,
IQI感度,
IQI値
透過度計又は像質計の透過画像において要求又は達成された
像質の値。
識別最小線径
透過写真の試験部で識別できる透過度計の最小線径。
写真濃度
写真の黒さの程度を表す尺度。
注記 透過濃度と反射濃度とがある。濃度Dは,次の式によ
って計算できる。
ここに,L0は入射光の強さ,Lは透過光又は反射光の強さ。
階調計の値
透過写真のコントラストの定量的な表示方法で,階調計の濃
度差を階調計に近接した母材の部分の濃度で除したもの。
階調計の濃度差
透過写真の像質を表す尺度の一つで,透過写真上の階調計の
中央の部分と近接する母材部分との濃度の差。
粒状度,
粒状性
均一に照射したフィルムにおける濃度変動。拡散濃度の標準
偏差で表す。
注記 粒状度の視覚的外観を“粒状性”ということもある。
試験視野
きずの像の分類において,きず点数を求めるための視野。
注記 例えば,JIS Z 3104では,母材の厚さによって,10 mm
×10 mm,10 mm×20 mm又は10 mm×30 mmの試験視
野を用いる。
きず点数
きずの長径,又はきずの大きさに応じて規定した点数。
注記 試験視野に存在するきず点数の合計によって,きずの
像の分類を行う。
関心領域,
画像データの観察,測定又は画像処理をする対象領域。
視覚コントラスト
観察器上の透過写真における隣接した2か所の部分の間の見
かけのコントラスト。
識別限界コントラ
スト
透過写真上で識別できず,透過度計の針金又は孔の像として
識別できる最小の濃度差。
注記 透過度計の線,孔の寸法,透過写真の濃度,観察方法,
X線フィルムの粒状性,個人差などの影響を受ける。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
被写体コントラス
ト
照射試験体の二つの場所の放射線透過線量率の相対的差異。
注記 試験体内部の放射線透過率の変化に注目した放射線量
のコントラストは,“放射線コントラスト(1416)”参
照。
コントラスト識別
度,
厚さ識別度
X線透過(又は透視)画像において,認識できる程度の光学
濃度変化を生じる試験体の厚さの最小変化。試験体全厚に対
する百分率で表す。
放射線コントラス
ト
照射される試験体内部の放射線透過率の変化による放射線量
の相対的差異。
注記 試験体を透過した放射線透過線量率に注目したコント
ラストは,“被写体コントラスト(1414)”参照。
鮮鋭度
写真像の輪郭の明瞭さを表すもの。
注記 鮮鋭度に与える影響を大別すると,幾何学的条件によ
る半影,放射線の線質,フィルムの粒状性,及び増感
紙などがある。
(画像の)不鮮鋭 ぼけによる画像の鮮鋭度の低下。幾何学的不鮮鋭度,固有不
度,
鮮鋭度及び動的不鮮鋭度の総称をいう。
(像の)不鮮鋭度, 注記 画像の不鮮鋭度は,試験体の表面に複線形像質計を置
(検出器の)不鮮
いて計測される不鮮鋭度で,像の不鮮鋭度ともいう。
鋭度
検出器の不鮮鋭度は,検出器の表面に複線形像質計を
置いて計測される不鮮鋭度で,検出器自体に起因する
画像のぼけで,固有不鮮鋭度とも呼ばれる。
幾何学的不鮮鋭度
線源の有限寸法に起因する画像の不明瞭さ。
注記 線源と試験体間の距離及び試験体と検出器又はX線フ
ィルム間の距離に依存し,幾何学的ぼけ又は半影とも
いう。
固有不鮮鋭度
X線フィルム又は検出器に起因する画像のぼけ。
注記 X線フィルムでは,放射線の光子による画像のぼけを,
デジタルラジオグラフィでは,検出器自体に起因する
画像のぼけをいう。
透過像の解像度
透過画像の詳細輪郭の鮮明さ。
動的不鮮鋭度
線源,試験体又は放射線検出体の相対的な動きによる画像の
ぼけ。
きず検出感度
特定の試験条件下で最小きず寸法を検出する能力。
空間周波数
単位長さ当たりに存在する等しい幅をもつ明暗の線対の組
数。単位は,通常,センチメートル当たり線対数(LP/cm)又
はミリメートル当たり線対数(LP/mm)を用いる(JIS Z 4917
参照)。
空間周波数最大値
ナイキストのサンプリング定理によって決定される,識別可
能な空間周波数の最大値。次の式によって求める。
ここに, fc: 空間周波数最大値(LP/mm)
P: 線幅及び線間の寸法(mm)
空間分解能
位置的に接近した2点を独立した2点として識別できる能力。 spatial resolution
変調伝達関数,
(X線フィルム
の)MTF
結像システムの空間周波数応答関数。
回折異常像
材料の結晶構造による放射線回折現象に起因する透過画像上
の多重パターン。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
アーチファクト,
偽画像
フィルムの製造,取扱,照射,処理の過程などで損傷を受け
ることによって透過写真に現れる画像。
注記 CTでは,CT特有のデータ収集,画像再構成などによ
って現れる画像を指す。
圧力マーク
X線フィルムに作用する局部的圧力が原因で,状況によって
明るく又は暗く表出する濃度の変動。
かぶり濃度
透過像を形成する放射線照射の直接的作用以外による,処理
フィルムの光学的濃度。
注記 これには,経時かぶり,化学かぶり,二色かぶり,露
光かぶり及び固有かぶりがある。
平均階調
写真感光材料の特性曲線上の特定の2点間を結んだ直線の傾
き。
有効濃度範囲
透過写真の観察に必要な光学濃度範囲。
注記 その上限は,透過写真観察器の輝度によって,下限は,
きずの検出性の低下によって決定される。
e) 放射線管理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
管理区域
外部放射線の実効線量が3か月当たり1.3 mSvを超えるおそ
れがある区域。
立入禁止区域
X線管の焦点又は放射線源及び被試験体から5 m以内の場所。 no admittance area
ただし,実効線量が1週間につき1 mSv以下の場所を除く。
実効線量
被ばくした組織又は臓器の等価線量に,その“組織加重(荷
重)係数”を乗じて合計した値。単位はシーベルト(Sv)。
等価線量
組織又は臓器に対する被ばくの効果を評価するために使用さ
れる量で,組織又は臓器における平均吸収線量に放射線に対
する“放射線加重(荷重)係数”を乗じた値。単位はシーベ
ルト(Sv)。
線量当量,
線量当量率
放射線の人体への影響を表す量。吸収線量と線質係数との積
で表す。単位はシーベルト(Sv)。
注記 線量当量(率)には,1センチメートル線量当量(率)
及び70マイクロメートル線量当量(率)がある。
組織加重(荷重)
係数
実効線量を計算するときに各組織・臓器の等価線量に乗じる
係数。放射線被ばくによる各組織・臓器の確率的影響の損害
割合を身体の全損害に対して算定する。
放射線加重(荷重) 健康への影響に対する種類の異なる放射線の効果の違いを考
係数
慮するためのもので,吸収線量に乗じられる相対的係数(JIS
Z 4001参照)。
電離放射線
直接又は間接的に電離作用をもつ放射線。紫外線は除外する。 ionizing radiation
光刺激ルミネセン
ス線量計,
放射線検出用輝尽性蛍光体を支持体に塗布し,数種類のフィ
ルタをもつケースに入れた個人被ばく線量計。
注記 その輝尽発光量から装着した部位の被ばくを推定す
る。
熱ルミネセンス線
量計,
放射線の照射を受けた物質が励起状態となり,物質が加熱さ
れたとき,励起状態が解放されて発する光を測定する線量計
(JIS Z 4345参照)。
サーベイメータ
放射性物質の有無,レベル又は線量当量率を測定するポータ
ブル放射線測定器。
ポケット線量計
万年筆大の大きさと形をもつ電離箱形個人線量計(JIS Z 4001
及びJIS Z 9212参照)。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
蛍光ガラス線量計
線量に比例した蛍光を発生する特殊ガラス製の個人被ばく線
量計。
電子式線量計
被ばく線量がデジタルで直読でき,警報機能,測定記録の通
信機能などをもつ半導体検出器を使用した線量計。
電離箱
電離放射線によって作られた電荷を,気体増幅が起こらない
程度の電界を印加して電極に集めることを利用した放射線検
出器。
半導体検出器
放射線による半導体中の余剰自由電荷キャリアの生成及びそ
の電極への移動を利用する放射線検出器(JIS Z 4001参照)。
線量(率)計
X線又はγ線の線量率を測定する計器。
エネルギー依存性
線量計の指示値及びX線フィルム又は検出器の感度が,放射
線の線質によって異なる現象。
方向依存性
線量計の指示値などが,入射する放射線の方向によって異な
る現象。
鉛当量
同一照射条件において,対象にしている物質と等しい遮蔽能
力をもつ鉛の厚さ(単位記号:mmPb)
f)
対応英語(参考)
デジタルラジオグラフィ
番号
用語
定義
対応英語(参考)
デジタルラジオグ
ラフィ
放射線透過試験において,透過画像をデジタル信号に変換す
る系を含む試験方法。
注記 X線を用いる透過試験では,デジタルX線撮影法ともい
う。
コンピューティッ
ド・ラジオグラ
フィ,
イメージングプレート(IP)にレーザビームを照射して,放
射線の照射線量に比例した発光からデジタル画像を得る試験
方法。
デジタル検出器,
平面状に隙間なく並べられたセンサによって,入射した放射
線の線量分布をデジタル画像に変換する検出器。
注記 医用では,フラットパネル検出器(FPD)という。
グレイ値,
デジタル放射線画像における画素の数値。検出器の露光線量
と直線的に比例し,検出器が露光されていないときに0(ゼ
ロ)値となる画素の数値である線形化グレイ値(GVlin)が用
いられる。
注記 グレイ値(grey value, GV)を画素値(pixel value, PV)
と表すこともある。
基本空間分解能,
SRb(画像の)基本
空間分解能,
(検出器の)基本
空間分解能
線源側表面に置いた複線形像質計によって決定される空間分
解能。
注記 画像の基本空間分解能(SRb画像)は,試験体の表面
に複線形像質計を置き測定する。また,検出器の基本
空間分解能(SRb検出器)は,検出器の表面に複線形
像質計を置き測定する。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
(正規化された)
指定されたデジタル画像の関心領域における線形化グレイ値
信号対ノイズ比,
(GVlin)の標準偏差(ノイズ)に対する平均値の比。正規化
された信号対ノイズ比(SNRN)は,デジタル画像から測定し
た信号対ノイズ比(SNR)及び基本空間分解能(SRb)を用い
て,次の式によって求める。
測定値
(正規化された)
コントラスト対
ノイズ比,
二つの画像領域間における信号レベルの標準偏差(ノイズ)
の平均値に対する信号レベル平均値の差の比。正規化された
コントラスト対ノイズ比(CNRN)は,デジタル画像から測定
したコントラスト対ノイズ比(CNR)及び基本空間分解能
(SRb)を用いて,次の式によって求める。
測定値
画素,
ピクセル
デジタルラジオグラフィの画像を構成する最小の要素(JIS Z
8120参照)。
画素寸法
読取画像の横列又は縦列の隣同士のピクセル中心間の幾何学
的な距離。横列の場合は横方向間隔,縦列の場合は縦方向間
隔をいう。
原画像
デジタル検出器によって取り込まれた画像処理をしていない
画像。
画像強調
識別性を向上させるための処理。コントラスト強調,鮮鋭度
改善,ノイズ低減などがある。
合計不鮮鋭度,
総合不鮮鋭度
検出器の不鮮鋭度及び幾何学的不鮮鋭度の合計値。
イメージングプレ
ートの構造ノイ
ズ,
IPの構造ノイズ
イメージングプレート(IP)の受光層及び表面の不均一性に
起因するノイズ。
デジタル検出器の
構造ノイズ,
DDAの構造ノイズ
検出器を構成する各画素の特性が異なることに起因するノイ
ズ。
補償原理,
デジタルラジオグラフィにおいて,目的の像質を得ることが
できない場合,SNRを増加させ像質を改善する方法。CPI,
CPII及びCPIIIの3種類がある(JIS Z 3110参照)。
五つ以上の良好な周辺画素をもたない連続した不良画素(JIS
Z 3110参照)
エイリアシング
入力された画像の空間周波数がデジタル画像の出力可能な空
間周波数よりも高い場合に現れる画像の乱れ(JIS Z 3110参
照)。
注記 エイリアシングは,通常,直線におけるぎざぎざ,階
段状の絵柄,又はモアレパターンとして現れる。
ブルーミング
CCDなどの電子デバイスにおいて,非常に強いX線によって
過剰に発生した信号電荷が,画素からあふれ周囲の画素に流
れ込んだ状態。周囲の画素には光が入射していないにもかか
わらず,光がにじ(滲)み出した画像として観察される。
フィルタ関数,
画像フィルタ
画像空間で,ノイズ除去,特徴抽出,周波数強調などの処理
を行う関数。
注記 フィルタ関数を変えることで画像の特性を変えること
ができる。
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Z 2300:2020
番号
用語
DICOM®規格
DICONDE規格
IP用カセット
定義
対応英語(参考)
医用画像のフォーマット及びそれらの画像を扱う通信プロト
コルを定義した規格(ISO 12052参照)。
注記 “DICOM”は,米国電気工業会(NEMA)の医用情報
のデジタル通信に関する規格刊行物の登録商標であ
る。
DICOM®規格を非破壊検査画像に拡張した画像交換の規格
(ASTM E2339参照)。
撮影時にIP(イメージングプレート)を収納する遮光性の容
器。
注記 散乱線影響の軽減を目的に金属増感紙を内在させる場
合がある。
g) X線CT
番号
用語
定義
対応英語(参考)
コンピュータ断層
撮影,
試験体断面の全周方向から得た放射線投影データを画像再構
成して断面画像を得る手法。一般的には,得られたX線線吸
収係数の分布を輝度変調した画像として表示する。
画像再構成
試験体の全周方向の放射線透過データ(投影データ)から,
被検体の放射線吸収の度合いを示す画像(断面画像)を求め
る処理。
トモグラム,
断面画像
CTで撮影した断面画像。被検体断面の全周方向から得た放射
線投影データを画像再構成して得られる。一般的には得られ
たX線線吸収係数の分布を輝度変調した画像として表す。
ボクセル
二次元断面画像のピクセルとスライス厚とで構成される立体
の体積要素。
スライス厚
断面画像の放射線の測定ビーム厚さ。
注記 断面画像は,スライス厚内の放射線吸収の度合いの平
均を示す画像となる。
コントラスト分解
能,
濃度分解能
放射線吸収の度合いの違い(密度差など)が断面画像上で差
として識別できるの能力。
CT値
断面画像の各画素における線減弱係数µ(cm-1)を水の線減弱
係数µを用いて変換した値。
スキャンエリア,
撮影領域
CTで撮影する領域で,試験体断面画像を再構成するためのデ
ータが収集され,画像再構成される領域。
ウインドウ処理,
ウインドウ
デジタル画像のデータ幅がモニタで表示できるデータ幅より
も大きい場合,モニタで表示できる範囲をウインドウレベル
及びウインドウ幅で設定する処理。
h) 中性子ラジオグラフィ
番号
用語
定義
対応英語(参考)
中性子ラジオグラ
フィ
中性子線を用いる透過試験。
注記 撮影には転写法又は直接法が用いられる。
中性子線源
中性子ラジオグラフィに用いる中性子を得るための装置又は
放射性物質。
注記 装置の例として,原子炉又は加速器がある。
直接法
中性子線によって透過像を直接フィルムに撮影する方法。
注記 コンバータとしては,ガドリニウム板がよく使われる。
31
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
転写法
中性子照射によって放射化する物質を,X線フィルムの代わ
りに置いて中性子線を照射し,放射化した物質とX線フィル
ムとを密着させて,X線フィルムに転写する方法。
注記 放射化物質としては,ジスプロシウム板がよく使われ
る。
中性子コンバータ
中性子線を照射することによって,α線又は電子線を放出す
る物質。
熱中性子
周囲の媒質と熱平衡にあるか又はほぼ熱平衡に近い状態にあ
る中性子。通常,エネルギーが0.01 eV〜0.5 eVの範囲のもの
をいう(JIS Z 4001参照)。
(中性子線の)線
質計,
中性子線のビーム中に含まれる熱中性子成分,散乱中性子成
分,γ線成分及び電子対成分の割合を評価するゲージ。
(中性子線ラジオ
グラフィの)識
別度計,
中性子ラジオグラフィによる透過写真の分解能を定性的に評
価するゲージ。
減速材
顕著な捕獲なしに速中性子のエネルギーを吸収して中性子エ
ネルギーを低下させる材料。
注記 黒鉛,ポリエチレン,パラフィンなどが使われる。
速中性子
ある特定の値よりも大きい運動エネルギーをもつ中性子。通
常,エネルギーが10 keV〜20 MeVの範囲のものをいう。
冷中性子
熱中性子より低い運動エネルギーをもつ中性子。通常,エネ
ルギーが0.01 eV未満のものをいう。
L/D比
中性子ラジオグラフィ装置の解像度を示すもので,コリメー
タ入口の直径Dとコリメータ入口からX線フィルム又は検出
器までの距離Lとの比。
n-γ比
中性子束密度とγ線量率との比。単位は,平方センチメート
ル・クーロン当たり中性子数n[n/(cm2×C)]。
カドミウム比
中性子検出器の測定値と同じ条件の下で,特定の厚さのカド
ミウムで覆った場合の測定値との比。
中性子捕獲断面積
中性子と原子核との相互作用のうち,原子核が中性子を捕獲
しγ線を放出して原子核が基底状態に戻る反応の確率。
4.3
超音波探傷試験
a) 一般
番号
用語
超音波
定義
超音波探傷試験に用いる縦波,横波などの波の総称。
注記 一般的には20 kHz以上とされる。
対応英語(参考)
32
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
音場
超音波発生源から発信された音波の媒質内における分布の様
子[“遠距離音場(2006)”の図参照]。
近距離音場
振動子に近い領域で超音波の音場が複雑である範囲[“音場
(2002)”及び“遠距離音場(2006)”の図参照]。
注記 “音場(2002)の図に示している近距離音場限界距離
領域内の音場である。
近距離音場限界距
離
超音波信号源から近距離音場限界点までの距離[“音場
(2002)”及び“遠距離音場(2006)”の図参照]。
近距離音場限界点
ビーム軸上の音圧が,最後の極大となるビーム軸上の位置
[“音場(2002)”の図参照]。
遠距離音場
ビーム軸上音圧の最後の極大点以遠の領域[“音場(2002)”
の図参照]。
超音波ビーム
媒質中で超音波の大部分のエネルギーが伝搬する領域[“音場
(2002)”及び“遠距離音場(2006)”の図参照]。
ビーム軸,
ビーム中心軸
遠距離音場の最大音圧点を通り,音源まで延長した線[“遠距
離音場(2006)”の図参照]。
ビームエッジ
超音波の音圧がビーム中心軸上の値よりも所定の値だけ低下
した遠距離音場における超音波ビームの境界[“遠距離音場
(2006)”の図参照]。
ビーム形状
ビームエッジによって定められた超音波ビームの形状。
ビームの広がり
超音波が媒質中を伝搬するときの,超音波ビームの拡散。
指向角
超音波の指向性の鋭さを表す,遠距離音場における振幅が所
定のレベルまで低下するビームエッジとビーム中心軸との間
の角度[“遠距離音場(2006)”の図参照]。
指向性
媒質中に超音波が一つの方向に進行する場合の超音波の広が
りの程度。
音響インピーダン
ス
媒質の密度ρと音速cとの積で表される媒質固有の値。音圧
反射率及び音圧通過率の算出に用いられる。
音圧
音波によって生じる圧力。
音圧往復通過率,
音圧往復透過率
境界面に入射する音波の音圧と,透過して再び同じ境界面を
通過して戻った音波の音圧との比。
33
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
音圧通過率
境界面に入った音波の音圧と通過した音波の音圧との比。
音圧反射率
超音波が境界面で反射するときの反射音圧と入射音圧との
比。
エネルギー通過率
超音波が境界面で通過するときの,通過エネルギーと入射エ
ネルギーとの比。
エネルギー反射率
超音波が境界面で反射するときの,反射エネルギーと入射エ
ネルギーとの比。
音速
超音波探傷試験に用いる縦波,横波などの波が媒質中を伝搬
する速度。
群速度
音のエネルギーが伝搬する速度。
伝搬時間
超音波がある点から別の点に伝搬するのに要する時間。
試験周波数
試験に用いる超音波の実質的な周波数。
注記 通常,受信エコーで測定する。減衰及び伝達損失が大
きい試験体の場合には,試験周波数が公称周波数より
も低下する場合がある。
伝達損失
探触子と試験体との接触状態によって生じる超音波の伝搬の
損失。
伝達特性
探触子と試験体との接触状態による超音波の伝搬状態を示す
性質。
拡散損失,
拡散減衰
音源から発信された音波のエネルギーが伝搬に伴い拡散する
ために生じる音圧低下。
注記 音圧低下には,ほかに,音波の散乱によるもの及び音
波の粘性減衰によるものがある。
減衰
超音波が媒質中を伝搬するとき,吸収又は散乱で生じる音圧
の減少。
注記 拡散による音圧低下も減衰に含めることがある。
減衰係数
単位伝搬距離当たりの減衰を示す係数。
注記 媒質の特性,波長及び波のモードに支配される。
散乱
超音波伝搬経路中の微小反射源及び/又は結晶によって生じ
る方向性のない反射。
音響異方性
超音波の音速などの超音波伝搬特性が,超音波伝搬方向に依
存して変化する性質。
STB音速比
探傷する材料の横波音速(V)を標準試験片(STB-A,STB-A2
又はSTB-A3)の横波音速(VSTB)で除した比。
注記 探傷材料の横波音速は,使用する横波垂直探触子の振
動方向が,試験体の探傷する方向と一致するようにし
て測定する。
横波音速比
圧延鋼板において,板厚方向に横波を伝搬させた場合に,横
波の振動方向を主圧延方向にした場合の音速CSLを横波の振
動方向を主圧延方向に直交する方向にした場合の音速CSCで
除した比。
音速比
二つの異なる超音波の音速の比。
注記 例えば,縦波音速と横波音速との比。
34
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
音響的かげ
試験体の幾何学的形状又はきずによって,超音波エネルギー
が届かない試験体中の領域。
探傷面
探触子を走査する試験体の表面[“入射角(2059)“及び“き
ずエコー,F(2075)”の図参照]。
底面
パルス反射・垂直探傷法における探傷面の反対側の面[“きず
エコー,F(2075)”の図参照]。
境界面
異なった音響インピーダンスをもち,音響的に接触している
二つの媒質の境界。
反射源
超音波ビームが音響インピーダンスの不連続によって,反射
される境界面。
コーナー反射
2面又は3面が直交する部分における超音波ビームの反射。
端部効果
反射源の端部による超音波の干渉に起因する現象。
デシベル
二つの超音波信号の振幅の比の底が10の対数の20倍で表し
た数値。単位はデシベル(dB)(JIS Z 8106参照)。
注記 20 log10(振幅比)。
波頭
伝搬する音波の先頭の同一位相点をつないだ連続面。
35
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
波長
1サイクルの間に波が伝搬した距離。
縦波
媒質粒子の振動方向と振動の伝搬方向とが同じ波のモード。
注記 固体中で,音速が最も速い。
横波
媒質が固体で,媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が直角の
波のモード。
表面波
浸透深さ1波長程度で媒質の表面に沿って伝搬する波のモー
ド。
板波,
ラム波
薄い板状の固体を板表面に沿って伝搬する波。
注記 板中の振動の様子によって,対称モードと非対称モー
ドとに分類される。超音波周波数と板厚との積及びモ
ードによって位相速度及び群速度が異なる。
対称モード
薄い板状固体及び薄膜を伝搬する板波の振動モードの一つで
あり,前記物体の厚さの中央を通る表裏面に平行な面に対し
て対称の変位,位相で振動するモード。
36
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
非対称モード
薄い板状固体及び薄膜を伝搬する板波の振動モードの一つで
あり,前記物体の厚さの中央を通る表裏面に平行な面に対し
て非対称の変位,位相で振動するモード[“対称モード(2049)”
の図参照]。
クリーピング波
試験体の表面に沿って伝搬する縦波。
注記 縦波が縦波臨界角(第1臨界角)で試験体に入射した
場合に発生する。
SH波
媒質粒子の振動方向が探傷面と平行な横波。
注記 外力を探傷面に平行に加えることによって発生する。
SV波
媒質粒子の振動方向が探傷面に垂直な成分をもつ横波。
注記 外力を媒質に垂直に加えることによって発生する。
波のモード
波の振動の姿態(様式)[“縦波(2045)”,“横波(2046)”及
び“対称モード(2049)”の図参照]。
ガイド波
細長い,又は薄い板状の試験体を長手方向に伝搬する超音波。 guided wave
注記 配管を管軸に平行な方向に伝搬する超音波について使
われることが多い。振動の様子が異なる多数のモード
が存在し,位相速度及び群速度が周波数と板厚との積
及びモードによって異なる。
球面波
球状の波頭をもつ波。
円筒波
円柱面状の波頭をもつ波。
モード変換
音波が境界面で反射又は屈折によって他のモードに変換する
こと。
入射角
境界面に入射する超音波の進行方向と境界面の法線とが成す
角度。
37
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
反射角
境界面で反射した超音波の進行方向と境界面の法線とが成す
角度(JIS Z 8120参照)。
屈折角
境界面に入射し屈折した超音波の進行方向と境界面の法線と
が成す角度。
STB屈折角
JIS Z 2345-1,JIS Z 2345-2及びJIS Z 2345-4に規定する標準 angle of refraction in STB
試験片(STB-A1,STB-A7963,STB-A3,STB-A31又はSTB-A32)
を用いて測定した屈折角。
注記 STBは,“標準試験片(2201)”参照。
探傷屈折角
試験体又は対比試験片を用いて,探傷方向において測定した
屈折角。
屈折角度差
圧延した材料における,主圧延方向の探傷屈折角と主圧延方
向に直角な方向の探傷屈折角との差。
注記 音響異方性がある圧延材では,大きな差が発生するこ
とがある。
臨界角
境界面に入射した超音波の屈折角が90°になるときの入射
角。
パルス
超音波探傷試験で用いる極めて短い時間だけ持続する信号。
パルスエネルギー
超音波探傷器において,探触子の振動子に加えられるパルス
状の電気エネルギー。
パルス繰返し周波
数
単位時間当たりに発生させられる送信パルスの数。
注記 通常,1秒間当たりの送信パルスの数(Hz)で表示さ
れる。
パルス波形
時間領域におけるパルスの形状[“ピーク数(20103)”の図参
照]。
パルス振幅,
エコー振幅
超音波パルス(エコー)の最大振幅。基本表示が用いられた
場合は,通常基線(時間軸)からパルスのピークまでの高さ
をいう。
パルス幅,
エコー幅
所定のレベルで測定されたパルスの前端点と後端点との時間
間隔[“ピーク数(20103)”の図参照]。
38
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
連続波
時間に途切れなく単一周波数で振動する波。
探傷図形
超音波探傷器の表示器に現れた図形又はその記録。
エコー
試験体のきず,底面,境界面などから反射して受信された超
音波パルス及びそれが探傷器の表示器に現れた指示。
きずエコー,
試験体健全部の音響インピーダンスときずの音響インピーダ
ンスとの違いによってきずから反射したエコー。
底面エコー,
超音波ビーム中心軸に対して垂直な試験体の底面から反射し
たエコー。
注記 通常,垂直探触子で平行な面をもつ試験体を探傷して back reflection
いるときの裏面からのエコーに用いる[“きずエコー,
F(2075)”の図参照]。
表面エコー,
超音波ビーム中心軸に対して垂直な試験体の表面から反射し
たエコー。
注記 通常,水浸法又は遅延材付き探触子を用いた直接接触
法で現れる。
送信パルス
超音波パルスを発生させるために,探触子の振動子に印加す
る電気パルス。
送信パルス指示,
基本表示で用いられる送信パルスに対応する超音波探傷器の
表示器上の指示[“きずエコー,F(2075)”の図参照]。
透過パルス
二探触子法において,媒質中を通過し,受信探触子によって
受信された超音波パルス及び探傷図形上の指示。
39
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
V透過パルス
V走査の探触子の配置で受信した試験体裏面からの反射によ
る超音波パルス。
境界面エコー
音響インピーダンスの異なる境界面からのエコー。
多重エコー
2個以上の境界面又はきずの間で繰り返される超音波パルス
の多重反射によって生じるエコー。
円柱面エコー
円形断面の試験体を円柱面から探傷したとき,底面エコーと
底面エコーとの間に,断面内において三角形,星形五角形な
どの経路を伝搬した超音波によって現れるエコー。
遅れエコー
同一反射源からのエコーのうち,伝搬経路が異なるため又は
途中でモード変換したため遅れて探触子に受信されたエコ
ー。
側面エコー
試験体の側面(探傷面及び底面を除いた面)からの反射によ
るエコー。
端面エコー
斜角及び板波探傷法において,板の端面に超音波が当たり戻
ってくるエコー。
残留エコー
パルス反射法において,多重エコーが,次の送信パルスが送
信された後も残留し,探傷図形に現れるエコー。
妨害エコー
探傷図形上のきずエコーが現れる部位に現れ,探傷の妨害と
なるエコー。
注記 くさび内エコー,残留エコー,林状エコー,形状エコ
ーなどを含めた総称である。
くさび内エコー
斜角探触子において,振動子から送信された超音波がくさび
内で複雑に反射し,振動子に戻るエコー。
注記 妨害エコーの一種である。
林状エコー
試験体内部にある多くの微小の反射源(主として結晶粒界)
によるエコー。
注記 きずエコーは,含まない。
振動子の公称寸法
探触子に表示された振動子の寸法。
振動子の実効寸法
波長と近距離音場限界距離とから算出された振動子の寸法。
注記 機械的寸法よりも狭い場合がある。
公称屈折角
探触子に表示されている屈折角。
入射点
斜角探触子においてビーム軸が探傷面に入射する点[“入射角
(2059)”の図参照]。
注記 斜角探触子は,この点が測定できるように,通常,探
触子の側面に目盛が描かれている。
公称周波数
探触子に表示されている周波数。
周波数スペクトル
超音波波形に含まれる周波数成分の分布[“中心周波数
(2099)”の図参照]。
周波数帯域
周波数スペクトラムにおいて特定の振幅を超える周波数の上
限と下限との間隔。
40
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
中心周波数
周波数分析結果の振幅スペクトルにおいて,ピーク周波数を
挟んだ所定の振幅における二つの周波数の算術平均値。透過
試験法では,ピーク周波数を挟んでピーク振幅よりも3 dB低
い振幅となる二つの周波数の算術平均値,パルス反射試験法
では,ピーク周波数を挟んでピーク振幅よりも6 dB低い振幅
となる二つの周波数の算術平均値をいう。
帯域幅
周波数スペクトルにおける半値幅[“中心周波数(2099)”の
図参照]。
比帯域幅
帯域幅を中心周波数で除した値。
Q値
比帯域幅の逆数。
ピーク数
受信信号の波形周期内の最大振幅の20 %(−14 dB)よりも peak number
大きな振幅をもつサイクルの数。
注記 この数値の逆数を,“探触子ダンピング係数”という。
次の例では,ピーク数(PN)は8となる。
探触子ダンピング
係数
ピーク数の逆数をとることにより,探触子受信信号の減衰特
性を表す係数[“ピーク数(20103)”の図参照]。
A1感度
STB-A1のR100面からのエコーを使用して規定した感度。
注記 探傷装置の性能確認に使用する(JIS Z 2352参照)。
A2感度
STB-A2試験片のφ1.5 mm貫通穴を使用して規定した探傷感
度。
注記 探傷装置の性能確認に使用する(JIS Z 2352参照)。
公称集束範囲
集束探触子などに表示されている超音波ビームの集束範囲。
41
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
集束距離
集束探触子の音源から集束点までの距離。
集束点
超音波ビームが集束され最大音圧を示す点[“集束距離
(20108)”の図参照]。
集束範囲
超音波ビームが集束される深さ方向の範囲[“集束距離
(20108)”の図参照]。
交束点
二振動子探触子における送信・受信ビームの中心軸が交差す
る点[“交束距離(20112)”の図参照]。
交束距離
二振動子探触子において,交束範囲と試験体の探傷面との間
の最も短い距離[“二振動子探触子(2114)”参照]。
交束範囲
二振動子探触子における送信・受信ビームの交差する領域
[“二振動子探触子(2114)”及び交束距離(20112)”の図参
照]。
音響隔離面
二振動子探触子の送信用振動子と,受信用振動子とを音響的
に遮断するためのシールド面[“二振動子探触子(2114)”及
び“交束距離(20112)”の図参照]。
ルーフ角
二振動子探触子において,2個の振動子の垂線間の角度を2
で除した角度[“交束距離(20112)”の図参照]。
最小入射点間距離
2個の斜角探触子を同方向に向けて配置し,両者を可能な限
り接近させたときの互いの入射点の間の距離。
注記 タンデム探傷法の場合に用いる。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
接近限界長さ
斜角探触子の入射点から探触子の先端までの探傷面上の距
離。
遅延路程
試験体の超音波入射点と振動子との距離を試験体の音速で換
算した値。
偏り角
探触子の設計上の超音波ビーム中心軸と実際の超音波ビーム
中心軸との角度差。
ビーム中心軸の偏
り
探触子の実測したビーム中心軸と設計値との角度の差異。
増幅直線性
受信器への入力信号の振幅と超音波探傷器の表示器又は附属
の表示器に表示される信号の振幅との比例関係の程度。
注記 測定方法は,JIS Z 2351及びJIS Z 2352を参照。
ダイナミックレン
ジ
ひずみを伴わない信号の最大値と識別可能な信号の最小値と
の比率。
感度余裕,
感度余裕値
超音波探傷装置において,特定の標準反射源を所定のレベル
で検出できるきず検出感度と,探触子を試験体に接触しない
状態で表示器のノイズレベルが10 %となる感度との差で,感
度の余裕の度合いを示す値。
注記 最大となるきず検出感度の測定方法は,JIS Z 2352参
照。
追い込み
交流増幅器が送信パルス又は大きなエコーを受信した後しば
らくの間だけ感度の低下又は不感を起こす現象。
時間軸
時間又はビーム路程で校正された表示器の横軸。
時間軸調整
探傷器の時間軸を調整するための機能。
時間軸直線性
表示器への入力信号の時間軸値と,表示された信号の時間軸
の表示値又は距離の表示値との比例関係の程度。
注記 測定方法はJIS Z 2351及びJIS Z 2352を参照。
時間軸の部分拡大
試験体の長さ又は厚さ以内の選択した領域内のエコーを,よ
り詳細に探傷図形中に表示させるための時間軸拡大機能。
時間軸範囲
時間軸上に表示される特定の超音波ビーム路程範囲。
掃引遅延
送信パルス又は基準エコーに対して設定された遅延時間後か
ら信号を表示させる機能。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ゲートレベル
きずエコーなど必要なエコーだけを取り出す目的で,表示器
上で時間的に限定した範囲に設定した所定の振幅レベル。
調度
ゲイン,パルス幅,リジェクションなどの,探傷図形に影響
を与える全ての機能の設定値。
探傷図形表示応答
性
瞬間的な探傷信号入力に対するデジタル探傷器の探傷図形の
表示応答能力を表す指標。
リジェクション
超音波探傷器において,所定の振幅レベル(しきい値)以下
の全ての指示を消すことによって,雑音の指示(林状エコー
など)を消去する機能。
警報機能
表示器上で時間的に限定した範囲に出現するきずエコー,底
面エコーなどの高さが所定のしきい値を超えたとき又は所定
のしきい値を下回ったとき,光及び/又は音によって警報を
出す機能。
DAC(だっく),
ビーム路程にかかわりなくきずの重要度を評価するために用
DAC曲線,
いられる,異なる路程にある標準反射体(等しい基準反射源)
距離振幅補正曲線,
のエコー高さを結んだ線[“距離振幅補正(2406)”の図参照]。
距離振幅特性曲線 注記 線を直線とするか曲線とするかは適用規格による。
距離振幅補正を電子回路が自動的に機能。
分解能
探触子から距離又は方向の異なる接近した2個の反射源を,
それぞれ別の反射源として識別できる性能。
注記 分解能には,近距離分解能,遠距離分解能及び方位分
解能がある。
近距離分離能
垂直探傷において,探傷面に接近した反射源を送信パルス及
び/又は表面エコーと識別できる超音波探傷装置の能力。
注記 測定方法は,JIS Z 2352を参照。
遠距離分離能
探傷面から離れた所にある2個の反射源を別個の反射源と時
間軸上で識別できる超音波探傷装置の能力。
方位分解能
探傷面から同じ距離にあり,方位の異なる2個の反射源を別
個の反射源と識別できる超音波探傷装置の能力。
クロストーク
設置された音響的又は電気的隔離面を漏えいする信号。
基準感度
基準反射源のエコー高さを所定の値に調整したときの超音波
探傷装置の感度。
探傷感度
探傷目的に応じて適切に調整された超音波探傷装置の感度。
注記 探傷試験に適用する規格及び/又は手順書に定められ
ることが多い。
きず検出感度,
きずの検出能
検出可能な最も小さなきずによって定義される超音波探傷装
置の能力。
音響結合
超音波の媒質境界面における音響的結び付き。
音響結合損失
超音波が探触子と試験体との間の境界面を通過するときの超
音波エネルギーの損失。
接触媒質路程
探触子入射点とビーム入射点との間の接触媒質の距離を試験
体中のビーム路程に換算した値[“接触媒質(2137)”及び“音
響結合媒質(2137)”の図参照”]。
ゲイン補正
標準試験片又は対比試験片と試験体との間の感度の補正。
注記 音響結合,反射及び減衰による損失も含む。
44
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
超音波特性
試験体において,超音波の伝搬に影響を与える特性。
注記 超音波の音速,減衰,音響インピーダンスなどを指す。
基本記号
探傷図形上の各指示の内容を示すための記号。
付帯記号
基本記号を補うための記号。
注記 JIS Z 2344では,多重反射,底面エコー,遅れエコー,
くさび内エコー及び板波について規定している。
エコー高さ
受信された超音波パルス(エコー)の最大振幅。
注記 基本表示では,振幅を高さといい,百分率(%)で表す
か,又は基準レベルとの比をデシベル(dB)で表す。
基本表示,
Aスコープ表示
表示器上の横軸を時間,縦軸を振幅とする超音波信号の表示
方法[“きずエコー,F(2075)”の図参照]。
断面表示,
Bスコープ表示
探触子の一方向走査による試験体断面探傷におけるきずの断
面位置に対応した表示。例えば,探触子位置が横軸に表示さ
れ,反射源の探傷面からの深さ位置が縦軸に表示され,その
断面内にエコー高さが階調などで表示されるものも含む。
注記 試験体の厚さ方向の情報を表す。
平面表示,
Cスコープ表示
探傷面から選択した深さ範囲の反射源位置の縦横軸上の探触
子位置に対応した表示。エコー高さが階調などで表示される
ものも含む。
横断面表示,
Dスコープ表示
溶接部の方形走査情報を集積した結果から作製された溶接部
の横断面情報の表示。
45
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
立体表示,
3Dスコープ表示
探傷結果を立体的に把握できるようにした反射源位置表示。
注記 平面画像と断面画像との組合せ表示又は立体的な透視
画像として表現される。
MA表示
探触子ときずが相対移動する場合の複数の基本表示図形の重
畳表示。
階調表示
平面表示又は断面表示などにおいて,エコー高さに対応した
階調を,色,濃淡又はドット密度で示した表示。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
探触子
超音波の送信及び/又は受信を行うために,1個以上の振動
子を組み込んでいる電気−音響変換器。
垂直探触子
探傷面に対して垂直に超音波を送信及び/又は受信する探触
子。
斜角探触子
探傷面に対して斜めに超音波を送信及び/又は受信する探触
子。
表面波探触子
表面波を送信及び/又は受信する探触子。
縦波探触子
縦波を送信及び/又は受信する探触子。
縦波斜角探触子
試験体に縦波を斜めに伝搬させて探傷するための探触子。
横波探触子
横波を送信及び/又は受信する探触子。
横波垂直探触子
探傷面に対して垂直方向に横波を送信及び/又は受信するこ
とのできる探触子。
注記 接触媒質は,粘度が高い専用のものを用いる必要があ
る。
46
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
広帯域探触子
1サイクル又は2サイクル程度の極く短い超音波パルスを発
生する探触子。
注記 通常,帯域幅が広い。
集束探触子
集束点又は集束ビームを得るために,曲面振動子,音響レン
ズなどによって超音波ビームを集束させた探触子。
水浸探触子
液体(水)中で使用するために設計された縦波探触子。
可変角探触子
入射角を機械的に連続して変えることのできる探触子。
曲面探触子
曲面の探傷面をもつ試験体を探傷するために,それに合った
曲面をもたせた探触子。
二振動子探触子
1個のケースの中に音響的に隔離された二つの振動子を内蔵
した探触子。一つは超音波送信用で,もう一つは受信用であ
る[“交束距離(20112)”の図参照]。
軟質保護膜付き探
触子
探触子の前面を軟質の保護膜で覆った探触子。
タイヤ探触子
液体を満たした柔らかいタイヤの中に一つ以上の振動子を組
み込んだ探触子。
注記 超音波ビームは,タイヤの回転する接触部分を通して
試験体と音響結合する。
フェーズドアレイ
探触子
超音波ビームの角度及び/又は集束距離の電子的な制御のた
め,複数個の振動子で構成され,それらが異なった振幅又は
位相で独立して作動するように作られた探触子。
配列形探触子
多数個の振動子を配列した探触子。
電磁超音波探触子, 電磁誘導効果と磁界との相互作用によって電気的エネルギー
を音響エネルギーに変換又はその逆ができる変換素子。
注記 接触媒質を必要としないので,高温又は極低温の試験
体の探傷に用いることができる。
圧電素子
圧電効果(電圧を印加すると機械的にひずみ,機械的な圧力
を印加すると電圧が発生する現象)をもち,超音波の送信及
び/又は受信を行うために用いられる素子。
振動子
電気エネルギーを音響エネルギーに変換する,又はその逆を
する素子[“垂直探触子(2102)”及び“斜角探触子(2103)” element
の図参照]。
注記 圧電セラミックス,圧電セラミックスと樹脂とから成
るコンポジット材及びポリマー(高分子圧電材料)が
広く用いられている。
振動子背面材
背面への音の伝達を防止するため及び/又はダンピングを増
加させるために,振動子の背面側に音響結合させたもの[“垂
直探触子(2102)”及び“斜角探触子(2103)”の図参照]。
音響レンズ
超音波ビームを集束又は拡散させる目的で使用するレンズ。
音響遅延材
音響遅延,音響結合の向上,表面不感帯の低減及び振動子保
護を目的として探触子と試験体との間に挿入する固体又は液
体の部材。
くさび
超音波を探傷面に対して斜めに送信及び/又は受信する目的
で振動子の前面に付けるくさび状の合成樹脂又は金属。
注記 斜角探触子,二振動子探触子などに使用される[“斜角
探触子(2103)及び“交束距離(20112)”の図参照]。
探触子シュー
音響結合状態の改善又は探触子の保護の目的のために,探触
子と試験体との間に挟む適切な形状の部材。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
不感帯
送信パルス,表面エコー及び/又はくさび内エコーのために,
目的とするエコーを検出することのできない探傷面直下の領
域。
保護膜
探触子に組み込めるような構造で,試験体への直接接触によ
る磨耗などから振動子を保護するための薄い層状の部材[“垂
直探触子(2102)”の図参照]。
超音波探傷器
超音波探傷試験のために探触子に接続して使用し,超音波を
送信し,受信したエコー又は超音波を表示する機能をもつ測
定器。
超音波探傷装置
主に超音波探傷器,探触子,ケーブルなどから構成され,超
音波探傷の目的のために使用される全ての機器から構成され
る装置。
ゲイン調整器
通常,デシベル(dB)で校正され,信号を適切な高さに増幅
調整するための超音波探傷器の構成要素。
減衰器
通常,デシベル(dB)で表示され,エコーの高さを定量的に
低下させる装置。
ゲート
きずエコーなど必要なエコーだけを取り出す目的で,表示器
上で時間的に限定した範囲。
表示器
超音波探傷図形を表示するための機器。
超音波厚さ計
超音波によって試験体の厚さを測定する装置。
注記 JIS Z 2355-1及びJIS Z 2355-2参照。
探触子ケーブル
超音波探傷器と探触子とを接続するケーブル。
注記 探傷結果への影響を防ぐために,高周波同軸ケーブル
が用いられる。
接触媒質,
音響結合媒質
超音波エネルギーが効率よく通過できるようにするための探
触子と試験体との間に挿入する媒質。
注記 水,グリセリン,グリセリンぺースト,マシン油など
が使用される。
(超音波探傷試験
の)グリセリン
ペースト
グリセリンに少量の界面活性剤及び増粘剤を添加した接触媒
質。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
定義
対応英語(参考)
標準試験片,
材質・形状・寸法が規定され,音響特性も検定された試験片。 standard test block,
注記 超音波探傷装置の性能試験又は感度調整などに使用さ STB
れる(JIS Z 2345-1〜JIS Z 2345-4参照)。
(超音波探傷用)
対比試験片
超音波探傷装置の感度,測定範囲の調整などに使用され,試
験体と同材質又は同等の材質で作製された試験片。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
基準反射源
探傷感度の校正又はきずの評価のために使用される標準試験
片又は対比試験片に加工された形状,寸法及び探傷面からの
距離が既知の反射源。
標準穴
超音波探傷装置の感度調整を行うとき,標準の反射源として
用いるために,試験片の所定位置に加工される所定の形状及
び寸法の穴。
円形平面きず,
円形平面反射源
基準として使用する円板状の反射源。
注記 DGS線図などで理論的取扱いによく用いられる。
平底穴,
標準試験片又は対比試験片に設けられた底が平らな穴。
円柱反射源
基準として使用する円柱状の反射源。
注記 通常,試験体に横穴をドリルで加工したものが用いら
れる。
横円柱穴,
横穴
探傷面に平行に作られた円柱状の反射源。
角溝
対比試験片に規定されている人工きずの一種で,角形状の溝
(JIS G 0582及びJIS G 0584参照)。
V溝,
Vノッチ
対比試験片に規定されている人工きずの一種で,溝底の角度
がほぼ60°のV形状の溝(JIS G 0582参照)。
d) 試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
パルス反射法
超音波パルス法を用い,試験体の内部又は底面の反射波を検
知して,内部のきず,材質などを調べる方法。
注記 最も一般的な超音波探傷方法である。
超音波パルス法
超音波パルスを用いる超音波探傷試験方法。
透過法
試験体を透過し受信用探触子に入射した超音波エネルギーの
強さ及び/又は超音波の特性から,材料の品質を評価する方
法。
V透過法
送信用及び受信用の2個の斜角探触子を1スキップの距離を
隔てて対向させて配置し,超音波を送受信する方法[“V操作
(2081)”の図参照]
反射板法
水浸法において,探触子と反射板との間に試験体を位置させ,
反射板による透過波の反射を利用して行う透過法。
注記 特に薄い試験体の探傷に利用される。
多重エコー法
試験体の面又はきずから繰り返して受信されるエコーを使用
する測定方法。
注記 この方法は,次のように使用される。
a) 振幅による評価:材料又は接着部分の品質評価のた
めに,底面又は接合面から繰り返して受信されるエ
コーの高さを測定する。
b) ビーム路程による評価:肉厚測定の精度を向上させ
るために,多重エコー間の時間差を測定する。
垂直法
試験体の探傷面に垂直に超音波を入射させて探傷する方法
[“きずエコー,F(2075)”の図参照]。
注記 ほぼ垂直に超音波を入射する二振動子型垂直探触子に
よる方法も含む。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
斜角法
探傷面に対して試験体内に超音波を斜めに入射させ,探傷す
る方法。
注記 主に溶接部の探傷に使用する。
間接探傷法
試験体のある面(一つ以上の面)での反射を用いて試験体の
探傷領域に超音波ビームを投射する探傷方法。
共振法
試験体に加える連続波の周波数を変化させて共振を起こさ
せ,その共振状態から厚さを測定したり,きずの有無などを
知る方法。
板波法
板波(ラム波)を使用する探傷方法。主に薄板の探傷に使用
する。
表面波法
表面波を用いる方法。
注記 主に表面近傍のきずの検出に使用する。
直接接触法
探触子を試験体に直接接触させて探傷する方法。
水浸法
探触子と探傷面との間に,水などの液体を比較的長い距離介
在させて探傷する方法[“表面エコー(2077)”の図参照]。
注記 水ジェットを用いた方法を含む。
水距離
水浸法において探触子の前面から試験体の探傷面までの距離
[“表面エコー(2077)”の図参照]。
ギャップ走査
探触子を試験体に直接接触せずに,探触子と試験体との間に
数波長以内の厚さの水膜を介させて,探触子と試験体とを音
響結合させる探傷方法[“接触媒質(2137)”の図参照]。
局部水浸法
探触子と探傷面との間だけ局部的に水などの液体を介在させ
て探傷する方法。
直射法
超音波ビームを途中で反射させることなく直接に試験体の探
傷領域に投射する方法[“斜角法(2308)”の図参照]。
一回反射法
斜角法において,探触子の探傷面と反対の面で反射させた後,
超音波ビームを試験体の探傷領域に入射させる探傷方法。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
多数回反射法
試験体の表裏面で二回以上の反射の後,試験体の探傷領域に
超音波ビームを投射する探傷方法[“スキップ距離(2341)”
の図参照]。
注記 二回反射法などがある。
一探触子法
超音波の送信及び受信を1個の探触子を用いて行う探傷方
法。
端部エコー法
一つの斜角探触子を用いて,きず上端部及びきず下端部,又
はルートエッジ部から得られる端部エコーのビーム路程と屈
折角とから幾何学的にきず高さを求める方法。
二探触子法
送信用及び受信用の2個の探触子を用いる超音波探傷法。
斜角二探触子法
送信及び受信の二つの斜角探触子を使用して,対象とするき
ずの形状・方向性を考慮した適切な配置で探傷する方法。
注記 広義には,“タンデム探傷法(2326)”も含まれる。
TOFD法(とふど
ほう)
きずの検出及び寸法測定のために,探触子の位置及び入射角
を変化させ,きず端部からの回折波を利用する超音波探傷方
法。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
タンデム走査,
タンデム探傷法,
タンデム走査探傷
法
探傷面に垂直なきずを検出するために,2個の探触子を前後
に配置し,一方を送信用に,他方を受信用にして行う探傷方
法。
タンデム基準線
タンデム探傷において,探触子を移動するときの基準となる
線。
注記 通常,探傷断面から0.5スキップ距離の位置に設ける。
タンデム参照線
タンデム探傷のため,溶接に先立ち,I形開先の開先面から一
定の距離の探傷面上に印した線。
注記 タンデム基準線を決定するときの基準となる。
探傷断面
探傷の対象とする試験体の断面。
探傷方向
探傷面に投影した超音波ビームの伝搬方向又は探触子から放
射された超音波ビームが伝搬していく方向。
走査
探傷の目的に応じて,探傷面上で探触子を移動させる動作又
は試験体における超音波ビームの方向及び位置を移動させる
動作。
走査範囲
探傷の目的に応じて探触子の走査を行う範囲。
走査方向
探傷面上で探触子を走査する方向。
走査速度
探傷面上で探触子を移動させる相対的速さ。
走査ピッチ,
走査間隔
探傷面上で探触子を走査する線の間隔[“方形走査(2350)”
及び“ジグザグ走査(2353)”の図参照]。
ビーム入射点
超音波ビーム軸が試験体に入射する探傷面上の点[“接触媒質
(2137)”の図参照]。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
エコー受信点
超音波ビームが受信される探傷面上の点。
ビーム路程
超音波が入射点から反射源まで試験体中を伝搬した距離。
投影ビーム路程
探傷面に投影されたビーム路程[“偏り角(20119)”の図参照]。 projected beam path,
肉厚半値ビーム路
程
探傷方向に曲率をもつ試験体の斜角法において,肉厚の中央
に存在するきずに対するビーム路程。
スキップ距離
斜角探触子の入射点からスキップ点までの探傷面上の距離。1
スキップの距離は,1Sというように表記してもよい。
スキップ点
斜角法において,超音波ビームが探傷面又は探傷面と反対側
の面で反射する点[“スキップ距離(2341)”の図参照]。
探触子きず距離
斜角法において,斜角探触子の入射点から,きずまでの探傷
面上に投影された距離[“屈折角(2061)”及び“きずエコー,
F(2075)”図参照]。
肉厚半値探触子距
離
探傷方向に曲率をもつ試験体の斜角法において,肉厚の中央
に存在するきずに対する探触子きず距離。
探触子溶接部距離
斜角探触子の入射点から,溶接部の基準線までの探傷面上の
距離。
探触子オリエンテ
ーション
探触子の走査中に探傷面上において,ビーム軸の投影線と基
準線との間で維持されている角度[“走査方向(2333)”の図
参照]。
探傷不能領域
斜角探触子の接近限界長さ及び最小入射点間距離のために,
試験体の形状に依存して発生する,探傷断面上で超音波ビー
ムの中心軸が通過しない領域。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
左右走査,
横方向走査
斜角法において,探傷面上で超音波の進行方向に対して直交
する方向に探触子を移動する走査[“走査方向(2333)”の図
参照]。
注記 溶接部探傷の場合は,探触子と溶接線との距離を一定
にする走査をいう。
前後走査,
縦方向走査
斜角法において,探傷面上で超音波の進行方向に沿って,探
触子を移動する走査[“走査方向(2333)”の図参照]。
注記 溶接部探傷の場合は,溶接線に対して直交する走査を
いう。
方形走査
斜角法において,探触子を溶接線と直角方向又は平行方向に
移動させて行う走査に加え,溶接線に平行又は垂直に一定の
間隔で送り,これを繰り返す走査。
注記 縦方形走査と横方形走査とがある。
首振り走査
斜角探触子の入射点を通り,探傷面に垂直な軸を中心に探触
子を回転させる走査。
振子走査
斜角法において,きずを中心とする円周上の中心点に向けて
時計の振子のように探触子を移動させて行う走査。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ジグザグ走査
斜角法において,多少の首振り走査を交えて,前後走査しな
がら,溶接線に平行に探触子を移動する走査。
またぎ走査
斜角法において,2個の探触子を溶接線の両側に1個ずつ配
置し,これらを同時に移動させて行う走査。
注記 溶接線に直角方向のきずを検出するために使用する。
K走査
斜角二探触子法において,試験体の両面に探傷方向が同じに
なるように斜角探触子を配置し,これらの超音波ビームの交
束範囲で探傷を行う走査。
55
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
斜め平行走査
斜角法において,1個の探触子だけを用い溶接線に対して,
ある角度αをもたせておき,これを溶接線に平行に移動させ
て行う走査。
溶接線上走査
斜角法において,横割れなどのきずを検出するため,余盛が
削除された溶接部及び熱影響部の上に探触子を置いて,超音
波ビームを溶接線方向に向け,溶接線方向に移動させて行う
走査。
線上走査
全面探傷を必要としない厚板の探傷において,規定された一
定間隔に描いた線上に沿って探触子を移動する走査。
格子点探傷法,
交点探傷法
鋼板などの探傷面に一定間隔で縦横の線を引き,その交点の
箇所を垂直探傷する方法。
スパイラル走査
試験体がパイプ状又は円柱状の形状の場合に,超音波ビーム
の試験体上における入射点の軌跡がスパイラル状となる走
査。
注記 探触子を回転させながら試験体の軸方向へ移動させる
又は試験体を回転させながら探触子を軸方向に移動さ
せる走査形態がある。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
セクタ走査
超音波ビームの軌跡が扇形となる走査。
注記 フェーズドアレイ探触子を用いた超音波ビームの走査
方式の一つである。
リニア走査
超音波ビームを振動子の配列方向に沿って平行に移動させる
電子的走査。
注記 フェーズドアレイ探触子を用いた超音波ビームの走査
方式の一つである。
手動走査法,
手動探傷法
探触子を手で動かして探傷する方法。
自動走査法
超音波ビームを試験体に対して自動的に相対移動させること
によって探傷を行う方法。
自動探傷法
超音波ビームを試験体に対して自動的に相対移動させること
によって探傷を行い,探傷結果の記録を自動的に行う方法。
注記 超音波ビームの走査は,探触子の機械的走査によって
行われるだけでなく,フェーズドアレイ探触子を用い
て電子的に行う走査もある。
フェーズドアレイ
法
複数の振動子から放射する音波の位相(時間)を電子的に制
御して超音波ビームを形成し,受信においては複数の振動子
で受信した信号の位相(時間)を電子的に制御して受信波形
を形成する方法。
開口合成,
広がりの大きい指向性をもつ開口の小さい探触子を用いて,
複数の異なる位置で超音波を送受信することで収集した超音
波信号を利用し,同じ反射源からの複数の超音波エコーが一
点に重なるように加算する信号合成処理を行うことによっ
て,開口の大きい集束探触子による探傷と同等の空間分解能
及び信号品質を得る方法。
シングアラウンド
法
試験体を伝搬した超音波パルスを受信したタイミングで次の
超音波パルスの送信を行うようにし,この動作を繰り返し行
うことによって,その周期から音速を求める方法。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
パルスオーバーラ
ップ法
試験体からの多重エコーのうち,2個のエコーを選び,一方
のエコーの表示時間を遅延させ,他方のエコーと同時に表示
させ,両者の位相が合い,互いに重なり合うよう遅延時間を
調整し,その遅延時間から音速を求める方法。
空気結合超音波法
空気を音響結合媒質として超音波を送受信して,試験体のき
ず又は材質を調べる方法。
非線形超音波法
超音波を試験体中に伝搬させたときの,きず又は組織の非線
形弾性特性に起因する応答を利用して,試験体内部のきず又
は材料特性を調べる非破壊試験方法。
注記 主に通常の超音波法では困難な探傷及び材料特性評価
に利用される。
e) 判定・評価
番号
用語
試験片方式
標準試験片又は対比試験片における既知の反射源からのエコ
ー高さと,きずからのエコー高さとを比較することによって,
きずを評価する探傷方法。
定義
対応英語(参考)
底面エコー方式
試験体の健全部の底面エコー高さBGを基準として,きずから
のエコー高さFを検出し,F/BGで評価する探傷方法。
注記 きずを含んだ部分の底面エコー高さBFを用いたF/BF
で評価する探傷方法,及びBF/BGで評価する探傷方法も
ある。“試験片方式(2401)”と対比して用いられる。
基準エコー
一定の反射源から得られる評価の基準となるエコー。
注記 底面エコーなどの境界面エコー又は平底,横穴などか
らの人工きずエコーがこのエコーとして用いられる。
基準レベル
探傷感度の調整及びきずエコー高さの評価の際に基準とする
エコー高さ。
DAC法
反射源からのエコー高さを距離振幅特性(補正)曲線(DAC
曲線)と関連付けて評価する方法(JIS Z 3060参照)[“距離
振幅補正(2406)”の図参照]。
距離振幅補正
同一きずの評価が,探触子からの距離によって変化すること
がないように行う補正。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
エコー高さ区分線
きずエコー高さを領域で区分して評価するための線。
注記 一般的には,数本の距離振幅特性曲線によって構成さ
れる。
エコー高さの領域
きずを評価するために,ビーム路程に応じてエコー高さを区
分した範囲(JIS Z 3060参照)。
走査グラフ
探触子位置とエコー高さとの関係を直角座標などに描いたグ
ラフ。
検出レベル,
評価レベル
欠陥として評価するために定めたきずエコー高さのレベル。
合否判定レベル
基準感度を基にして定めたきずエコーの合否判定を行う基準
となるレベル。
警報レベル
警報を行うためにゲート装置によって設定されたレベル。
DGS法
DGS線図を用いて,反射源エコー高さを等価な円形平面きず
の寸法として評価する方法。
DGS線図
異なる寸法の円形平面反射源と無限大反射源に関し,振動子
から反射源までの距離と相対的なエコー高さとの関係を表す
曲線群。
等価きず直径
DGS線図によって求めた円形平面きずの直径。
デシベルドロップ
法,
デシベル低下法
反射源の寸法(長さ,高さ及び幅)を,最大エコー高さを示
す位置からそのエコーの高さが最大エコー高さより所定のデ
シベル値になるまで探触子を移動させて評価する方法。
注記 6 dB低下法又は20 dB低下法がよく用いられる。
a) 6 dB低下法:反射源の寸法(長さ,高さ及び幅)
を,最大エコー高さを示す位置からそのエコーの高
さが,半分(−6 dB)の値になるまで探触子を移動
させ,その移動距離で評価する方法である。
b) 20 dB低下法:反射源の寸法(長さ,高さ及び幅)
を,最大エコー高さを示す位置からそのエコーの高
さが,1/10(−20 dB)の値になるまで探触子を移
動させてその移動距離で評価する方法である。
きずの指示高さ
探触子の移動距離によって推定したきずの板厚方向の寸法。
きずの指示長さ
探触子の移動距離によって推定したきずの探傷面に平行な方
向の長さ。
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Z 2300:2020
4.4
アコースティック・エミッション試験
a) 一般
番号
用語
定義
アコースティッ
ク・エミッショ
ン,
ある材料の内部の局部的音源の急速なエネルギー放出によっ
て非定常的な弾性波が発生する事象。a)〜c)の類似の用語があ
るが,一般的用語としては,この“アコースティック・エミ
ッション”を使用するのがよい。
a) 弾性波放出(stress wave emission)
b) ミクロサイズミック・アクティビティ(microseismic
c) 他の限定詞による修飾を伴う,エミッション又はアコー
スティック・エミッション
対応英語(参考)
AE波
AEによって生じる弾性波。
AE特性
定められた試験条件の下で所定の計測システムによって観測
される,個々の試験体に関わるAE信号の再現可能な一連の
特性。
有効音速
人為的に発生させたAEによって得られた到着時間と伝搬距
離とから計算される速度。
注記 計算による位置標定に用いる。
AE減衰
振幅値の単位長さ当たりの低下。
注記 通常は,単位長さ当たりのデシベル(dB)値で表す。
UTの減衰は,“音圧の減少”として定義されるが,AE
試験においては,“振幅値の減少”と定義される。
AE信号,
エミッション信号
一つ以上のAE事象を検出して得られる電気信号。
AE事象,
エミッション事象
AEを生じさせる,材料の局部変化。
AE事象のエネル
ギー
一つのエミッション事象によって放出される弾性エネルギー
の全量。
突発形AE
材料内に起きる個々のAE事象に関連する,単発性が認めら
れる信号の定性的表現。AE信号の様相を定性的にいう場合に
だけ用いる。
注記 次の図は,2種類の掃引時間で得られた突発形AEのオ
シロスコープ表示例である。
60
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
連続形AE
次々と急速に起きるAE事象によって生じる持続性信号の定
性的表現。AE信号の様相を定性的にいう場合にだけ用いる。
注記 次の図は,2種類の掃引時間で得られた連続形AEのオ
シロスコープ表示例である。
AE信号の開始
システム・プロセッサによって認識されたAE信号の開始。
注記 通常は,振幅が最初にしきい値を超えることによって
定義される。
AE信号の終了
AE信号の認識された終了を意味し,通常は,当該信号がしき
い値を最終的に通過すること。
疑似AE源
AEセンサ又は計測装置の校正,感度設定などの目的に使用さ
れるAE波を模擬した弾性波の発生源。
カイザー効果
応力を負荷してAEを発生させた材料に,再び応力を負荷す
ると,前に使用した応力レベルを超えるまでの間,あらかじ
め設定した感度レベルで検出可能なAEが発生しない現象。
フェリシティ効果
あらかじめ設定した感度で検出可能なAEが,再び応力を負
荷したときに前に使用した応力よりも低いレベルで検出され
ること。
音響・超音波法,
AU法
弾性波を発生させて,供試構造体のきず分散状態,損傷状況
及び機械的特性変化を検出し評価する非破壊検査方法。
注記 このAU法は,AE信号による解析手法と,超音波を用
いた材料特性検査手法とを組み合わせたものである。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
AEチャンネル
次の機器の組合せによって構成されるAEを計測するシステ
ム。
a) センサ
b) 前置増幅器又はインピーダンス整合トランス
c) フィルタ二次増幅器及びその他の必要機器
d) 接続ケーブル
e) 検出器又はプロセッサ
AE信号発生器
AE計測器に,設定した過渡信号を繰り返して入力できる装
置。
AEウェーブガイ
ド
AEモニタリングのときに,構造体又はその他の試験体から発
せられる弾性波を,遠隔点に置かれたセンサに結合するため
の装置。
例 線又は棒端を監視すべき試験体に結合し,他方の端をセ
ンサに結合した装置。
61
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
接触媒質
AE計測のときに,音響エネルギーの伝搬をよくする目的で, couplant
構造体とセンサとの境界部分に使用する材料。
AEセンサ,
AE変換子
弾性波を電気信号に変換するための,通常,圧電方式の検出
器。
AE変換素子
AEセンサーに使われる,通常,圧電式の変換素子。
絶対感度校正法
AEセンサの受波感度又は送波感度を定量的に求める校正方
法。
相互校正法
AEセンサについて校正媒体を介して送受波の組合せを構成
し,送波の電流及び受波の電圧の電気測定だけを行って絶対
感度を求める校正方法。
相反定数
AEセンサを受波に用いたときと送波に用いたときとの感度
の比。
受波電圧感度
受波に用いたAEセンサの出力開放電圧と,その位置にセン
サを置かない状態での変位速度の垂直成分との比。
AE表面波校正法
送受波にレイリー表面波を用いて表面波感度を求める校正。
縦波校正法
送受波に縦波を用いて縦波感度を求める校正。
c) 試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
システム検査しき
い値
データが検出される電子計測器のしきい値[“評価しきい値
(3303)”参照]。
電圧しきい値
振幅の信号が認識される比較器の電圧レベル。
注記 この電圧しきい値は,ユーザが調整,固定することが
でき,また,自動浮動型とすることもできる。
評価しきい値
検査データの解析に用いるしきい値。
注記 データは,この評価しきい値よりも低いシステム検査
しきい値でだけ,記録される。解析では,システム検
査しきい値が測定データに与える影響を考慮する必要
がある。
浮動型しきい値
入力信号の時間平均振幅で設定されるしきい値。
不感時間
データ取得中に,計測器又は装置が新たなデータを受け入れ
得ない時間。
ヒット
しきい値を上回り,システム・チャンネルのデータを加算す
る信号。
事象計数
一つ以上のセンサで検出されたAE信号(ヒット)から,一
つのAE事象と認識されたものを数えて得られた数値で,位
置標定を行った場合は,位置標定されたAE発生数[“評価し
きい値(3303)”及び“位置標定(3401)”参照]。
事象計数率
事象計数を単位時間で積分した時間率。
AE計数,
エミッション計数
ある試験期間において,AE信号が,あらかじめ設定したしき
い値を超える回数。
AE計数率,
エミッション率
AE計数を単位時間で積分した時間率。
AE信号の持続時
間,
AE信号の継続時
間
AE信号の開始から終結に至るまでの時間。
62
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
AE信号の立上が
り時間
AE信号の開始から,そのAE信号が最大振幅に至るまでの時
間。
信号過負荷点
そのポイントで,出力と入力との比が所定の直線動作範囲内
にあるとみられる,入力信号振幅の最大値。
信号過負荷レベル
信号がゆがんだり,オーバヒートしたり,損傷が起きて,満
足な動作が行われなくなる信号レベル。
過負荷回復時間
信号の振幅が測定器の直線動作範囲を超えることによって起
きる測定器の非直線動作の時間で,線形性が崩れた状態から
線形性を示す状態に戻るまでの時間。
ダイナミックレン
ジ
システム又はセンサにおいて,過負荷レベルと最小信号レベ
ル(通常は,雑音レベル,低レベルひずみ,干渉又は分解能
の一つ以上の組合せによって決まる。)との差を,デシベル
(dB)で表した値。
AE信号振幅
一つのエミッション事象における信号波形の最大電圧。
dBAE(でしべるえ
ーいー)
1 µV(マイクロボルト)を基準に取ったときの,AE信号振幅
の対数値。信号の最大振幅値[(dBAE)=20 log10(A1/A0)]で表
され,センサ出力端電圧比に対応する。
ここに, A0: 1µV
A1: センサ出力端(増幅される前)において
測定されたAE信号電圧の最大値
dBAE値及び前置増幅器の入力端電圧
dBAE値
センサ出力端電圧
平均信号レベル
整流され,かつ,時間平均された対数AE信号であり,dBAE
単位で報告された値。ただし,前置増幅器の入力端で1 µV(マ
イクロボルト)を0 dBAEとする。
AE RMS値
AE信号の実効値。
AEセンサ配置
音源を検出し,かつ,その位置を標定する目的で構造物に配
置された2個以上のAEセンサの群。
注記 音源は,通常,アレイ内にある。
到着時間差
複数の異なる位置に設置されたセンサで検出された,AE波の
順番がi番目とj番目とのAE波の到着の時間差。
(AE試験の)処理
速度
データ移動のための割込みを掛けなくても,システムによる
AE信号の連続処理が可能である1秒当たりに取り込む信号の
数(hits/s)。
注記 パラメータ集合及び活動チャンネル数によるデータ量
の関数である。
AE平均周波数,
カウントを継続時間で除した値。見かけの平均的周波数で,
しきい値に依存した値である。
RA値
立上がり時間を最大振幅値で除した値で,波形の初期勾配の
逆数。
63
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d) 判定・評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
位置標定
AEデータを評価し,試験体上の音源の位置を決定する方法。
注記 位置標定へのアプローチとして,ゾーン標定,計算標
定,連続標定などがある。
位置標定精度
AE源(又は人為的に発生させたAE源)と,計算位置標定と
の比較。
クラスター位置標
定
指定された長さ又は面積の範囲内に位置標定された,事象計
数のある量をもって位置を標定する方法(例えば,305 mmの
線分内又は305 mm2の面積内に5事象)。
計算ロケーション,
AEセンサ間の到着時間差から解析して行う位置標定の方法。
計算位置標定
注記 計算位置標定には,直線位置標定,平面位置標定,立
体位置標定,複合位置標定などがある。
ゾーン標定
AE源の発生した領域を判定する方法(例えば,事象計数,
AE事象のエネルギー,ヒットなどの総数を用いる方法があ
る。)。
注記 ゾーン標定へのアプローチとしては,独立チャンネ
ル・ゾーン標定,第1ヒット・ゾーン標定,到着順位
ゾーン標定などがある。
独立チャンネル・
ゾーン標定
各チャンネルのヒットの総量を比較するゾーン標定方法。
第1ヒット・ゾー
ン標定
チャンネル群のうち,第1ヒット・チャンネルからのヒット
だけを比較するゾーン標定方法。
到着順位ゾーン標
定
AEセンサへの到着順位で比較するゾーン標定方法。
直線位置標定
二つ以上のチャンネルを必要とする一次元の位置の標定。
平面位置標定
三つ以上のチャンネルを必要とする二次元の位置の標定。
立体位置標定
四つ以上のチャンネルを必要とする三次元の位置の標定。
信号減衰による位
置標定
AE信号の距離と減衰との対応関係を利用する位置標定方法。 signal attenuation-based
注記 対象物上の様々な箇所で,連続信号のAE信号強度を監
視すれば,その信号強度の最大値から,又は複数の測
定値を内挿又は外挿することによって,音源位置を決
定することができる。
連続AE信号標定
ヒット又は到着時間差による方法と異なり,連続AE信号を
用いて行う位置の標定方法。
注記 このタイプの位置標定は,連続形AEが発生するリーク
の位置標定に広く用いられる。連続信号位置標定方法
の一般的なタイプとして,信号減衰解析法,信号相関
解析法などがある。
累積しきい値通過
分布,
累積AEしきい値
通過分布
任意のしきい値電圧(V)を上回るAE信号の数の,しきい値
電圧(V)による変化。
累積振幅分布,
累積AE振幅分布
任意の振幅(dBAE)を上回るAE信号の数の,振幅(dBAE) cumulative amplitude
による変化。
64
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
微分振幅分布,
微分AE振幅分布
振幅(dBAE)と増分振幅(dBAE+・dBAE)との間のAE信
号の数の,振幅による変化。微分振幅分布の勾配f(dBAE)
は,累積振幅分布の導関数F(dBAE)の絶対値で示す。
微分しきい値通過
分布,
微分AEしきい値
通過分布
しきい値電圧(V)と増分しきい値電圧(V+ΔV)との間の differential threshold
AE信号の数の,増分しきい値電圧による変化。微分しきい値
通過分布の勾配ft(V)は,累積しきい値通過分布の導関数Ft
(V)の絶対値で示す。
対数振幅分布,
対数AE振幅分布
振幅(dBAE)と増分振幅(dBAE+・dBAE)との間のAE信
号の数を対数で表した,振幅による変化。
フェリシティ比
フェリシティ効果が起きるときの応力と,併用時の最大応力
との比。
注記 感度レベルは,通常は,前回の定期試験などで実施し
た感度と同じである。
4.5
磁気探傷試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
反磁界
磁界の中に置かれた強磁性体に形成される磁極によって生じ
る逆向きの磁界。
反磁界係数
反磁界の大きさを表す係数。
注記 試験体の長さ(L)と径(D)との比L/Dによって決定
される。
漏えい(洩)磁束
磁気回路の不連続部又は断面形状の変化部で,試験体表面に
出入りする磁束。
探傷有効範囲
1回の探傷操作(検出媒体の適用)で試験できる範囲。
磁化電流,
励磁電流
試験体を磁化するために用いる電流。
軸方向磁化
試験体の長手軸と平行な磁界を用いて帯磁させること。
多軸磁化
試験体に異なる方向の磁界を同時に適用する磁化方法。
パルス磁化
瞬間的に大電流(衝撃流)を用いて帯磁させること。
円形磁化
電流の周りに形成される円形磁界を用いた磁化方法。
間接磁化
試験体に直接電流を流さずに間接的に帯磁させること。
局部磁化
試験体の限定された体積又は表面を帯磁させること。
起磁力,
アンペアターン
コイルの巻き数とコイルを流れる電流(アンペア)との積。
アークストライク
放電による部材の局部的焼損。
円形磁界
電流が試験体又は貫通導体を流れるときに電流を取り囲むよ
うに生じる円形の磁界。
蛍光安定性
検出媒体が安定して蛍光性能を維持する能力。
残留磁束密度,
残留磁気
外部磁界が取り去られた後に強磁性材料に残った磁束密度。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
磁気履歴,
磁気ヒステリシス
強磁性材料における磁界の変化に起因する,磁化の強さ又は
磁束密度の履歴。
磁粉濃度
検出媒体のある体積の中に含まれる磁粉の量。
パルス電流,
衝撃流,
衝撃電流
瞬間的に衝撃的に流れる電流。
磁力線
磁界内において,その点の磁界の接線方向と一致し,その密
度が磁界の強さを表している曲線。
脱磁
残留磁気を必要な限度まで減少させること。
通電時間
励磁するために電流を流し続ける時間。
保磁力
磁化曲線において,磁束密度がゼロに等しいところの磁界の
強さ。単位はアンペア毎メートル(A/m)。
リフティングパワ
ー試験
極間式磁化器の吸引力による性能確認試験。
暗順応
人が明るい所から暗い所へ移ったときに目が行う順応。
暗順応時間
暗順応に要する時間。最小で10分,最大で30分。
(磁粉の)凝集
検査液中又は空気中に懸濁させた磁粉が集まり固まる現象。
検出媒体の機械的
安定性
作業下において検出媒体が機械的に安定して性能を維持する
能力。
合成磁界
複数の磁界を同じ場所に加えた場合の合成された磁界。
バイポーラ磁界
きずの両端などに生じる両極性の磁界。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
磁粉探傷装置
試験体に磁束を投入して磁化する極間式磁化器,通電によっ
て磁化するプロッド又は磁化,検査液供給,観察などの機能
を備えた定置式磁粉探傷装置など磁粉探傷試験に用いられる
装置。
極間式磁化器,
ヨーク
磁石によって試験体に磁束を投入して磁化する装置。
注記 極間式磁化器は,永久磁石,又は電磁石で構成される。 magnetic yoke,
定置式磁粉探傷装
置
磁化,検査液供給,観察などの機能を備えた定置式の磁粉探
傷装置。
磁化コイル
試験体に磁界を印加するコイル。
電流貫通棒
試験体の開口部中心を貫通するように配置された導体。
プロッド
試験体を通電によって磁化する可搬型の電極。
磁化電源
磁化に用いる電流の発生装置。
脱磁コイル
磁化した試験体を脱磁するためのコイル。
接触器ヘッド
通電法において,電流を試験体に流すために,試験体を固定
したり,支えたりする電極。
接触パッド
電気的接触をよくするために電極に取り付けた交換可能な金
属パッド。
注記 それによって試験体への機械的な損傷(焼損)を防止
する。
66
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
継鉄棒
反磁界を低減するため,試験体の両端に接触する強磁性体。
磁粉散布器
乾式法において試験体表面に磁粉を適用するために用いられ
る器具。
定置式磁化台
通電法及び/又は磁束投入法を用いて試験を行う定置式の汎
用装置。
検査液
分散媒に磁粉を懸濁した湿式検出媒体。
検出媒体
検査に使える状態になっている,液体に磁粉を分散したもの
(湿式検出媒体)又は空気中に磁粉を分散したもの(乾式検
出媒体)。
非蛍光検出媒体
可視光を用いた試験に使用される検出媒体。
蛍光検出媒体
A領域紫外線を用いた検査に使用される検出媒体。
蛍光磁粉
A領域紫外線を照射すると蛍光を発する磁粉。
非蛍光磁粉
可視光を用いた試験に使用される磁粉。
湿式磁粉
液体に懸濁・分散して用いる磁粉。
乾式磁粉
空気を分散媒として用いる磁粉。
濃縮磁粉
使用前に希釈を要する,高濃度に濃縮された液状又はペース
ト状で供給される磁粉。
分散媒
磁粉を分散(懸濁)させる液体又は気体。
分散剤
適度のぬれ性,分散性又は防食性のような特殊な特性を与え
るため,水性の検査液に添加する物質。
磁束指示器
人工きずによる磁束の検出器(試験面に接触して使用する。)。 flux indicator
コントラストペイ
ント
磁粉模様の識別性をよくするために表面に適用するコーティ
ング又はフィルム。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
定義
対応英語(参考)
A型標準試験片
試験方法の適否などを調べる試験片であって,薄板に標準溝
を加工した試験片。
C型標準試験片
試験部分が狭くてA型標準試験片の使用が困難な場合に,代
わりに用いる試験片。
B型対比試験片
装置,磁粉,及び検査液の性能を調べるためのリング状試験
片。
対比試験片タイプ
検出媒体の性能を調べる試験片であって,自然割れをもつデ
ィスク状の永久磁石。
67
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
対比試験片タイプ
閉磁気回路を構成する永久磁石と2本の平行な強磁性体(狭
い空隙あり)からなる検出媒体の性能を調べる試験片。
注記 検出媒体を適用すると,空隙間の漏えい(洩)磁界に
沿って磁粉が並び,性能がよい場合,その範囲(強磁
性体端部からの距離)が広くなる。
シムタイプ試験片
磁粉探傷試験の検査性能を確認するための試験片であって,
薄板の試験片を指し,標準溝として線,円,十字などの溝が
ある試験片。
d) 試験方法
番号
用語
定義
蛍光磁粉探傷試験
蛍光磁粉と紫外線照射装置とを用いる磁粉探傷試験方法。
対応英語(参考)
通電法
軸通電法,直角通電法,プロッド法,磁束貫通法などがあり,
プロッド又は接触ヘッドなどを通じ,検査部分に電流を流す
ことによって探傷する方法。
軸通電法
電極の間に試験体を挟んで軸方向に電流を流して探傷する方
法。
直角通電法
試験体の軸に対して直角な方向に直接電流を流して探傷する
方法。
プロッド法
試験体の表面に2個の電極(プロッド)を押し当て,電流を
流して探傷する方法。
磁束貫通法
リング状試験体の空洞部に配置した磁性体(磁束貫通棒など)
に外部から交番磁界を供給し,試験体内に誘導される環状電
流によって試験体を探傷する方法。
磁束投入法
電流貫通法,隣接電流法,極間法,コイル法など外部から試
験体に直接,磁束を投入する探傷方法。
電流貫通法
試験体の孔部又は開口部を貫通する,棒(電流貫通棒)又は
ケーブルによって探傷する方法。
隣接電流法
試験体表面に近接させて配置した,棒状導体又はケーブルに
通電して試験体を探傷する方法。
極間法,
ヨーク法
極間式磁化器(ヨーク)を用いて探傷する方法。
コイル法
コイルに流した電流によって試験体に磁束を投入し,探傷す
る方法。
注記 固定式及びケーブル式がある。
固定式コイル法
試験体を形状の固定したコイルの中に入れて探傷する方法。
ケーブル式コイル
法
試験体の周りに近接して巻きつけた,柔軟性のある導体を用
いて探傷する方法。
急速遮断法
電流を瞬間的に遮断することによって試験体を磁化する探傷
方法。
連続法
磁化しながら,磁粉の適用を行う磁粉探傷試験方法。
残留法
磁化終了後に磁粉を適用する磁粉探傷試験方法。
湿式法
液体の分散媒中に分散された磁粉を用いる磁粉探傷試験方
法。
68
Z 2300:2020
番号
用語
乾式法
定義
空気を分散媒として粉状の磁粉を適用する磁粉探傷試験方
法。
対応英語(参考)
e) 判定・評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
磁粉模様
試験体上に出現した磁粉によって生じる模様。
きず磁粉模様
きずによって生じる磁粉模様。
評価対象磁粉模様
磁粉探傷試験における評価対象となる磁粉模様。
評価対象外磁粉模
様
磁粉探傷試験における評価対象外となる磁粉模様。
疑似模様
きず以外の原因によって生じる磁粉模様。
すりきず指示
試験面に生じたすりきず及び打痕のうち,有害ではないきず
によって生じる疑似模様。
磁気ペン跡
磁化された試験体が,他の強磁性体と接触したときに局所的
な磁化によって生じる疑似模様。
断面急変指示
試験体の磁束の流れる断面が,急激に変化したところに生じ
る疑似模様。
電流指示
大電流の流れている磁化ケーブルが試験面に接触又は近接し
た箇所に生じる疑似模様。
電極指示
プロッド法などの電極周辺に生じる疑似模様。
磁極指示
極間法で磁極周辺部の漏えい(洩)磁束によって生じる疑似
模様。
表面粗さ指示
試験面の肌の粗い所に生じる疑似模様。
材質境界指示
透磁率の異なる材質の境界に生じる疑似模様。
表面近傍不連続部
幅広く,不明瞭な磁粉模様が形成される,表面近傍で開口し
ていない不連続部。
4.6
浸透探傷試験
a) 一般
番号
用語
蛍光光度
定義
A領域紫外線(UV-A)によって励起されたときに浸透液から
放出される明るさ。
注記 非破壊試験分野では,蛍光輝度ともいう。
対応英語(参考)
b) 機器・材料
番号
用語
浸透探傷剤
浸透探傷試験に使用する浸透液,乳化剤,除去剤及び現像剤
の総称。
定義
対応英語(参考)
浸透液
試験体に塗布されると,きず内部に浸透し,その後に余剰な
浸透液を表面から除去する間,検出可能な量がそこにとどま
るような性質をもつ液体。
蛍光浸透液
A領域紫外線の下で蛍光を発する浸透液。
染色浸透液
液体に染料(一般に赤色)を溶解させた浸透液。
69
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
水洗性浸透液
直接水洗ができる浸透液。
後乳化性浸透液
水洗性を付与するため浸透処理後に乳化剤を適用する浸透
液。
溶剤除去性浸透液
探傷面から余剰な浸透液を除去するために使用する適切な溶
剤。
二元性浸透液
可視光の下でもA領域紫外線の下でも見ることのできる指示
模様が得られる浸透液。
除去剤
探傷面から余剰な浸透液を除去するために使用する溶剤。
乳化剤
後乳化性浸透液に水洗性を付与するために使用する探傷剤。
油ベース乳化剤
親油性の界面活性剤を主成分とし,そのまま使用する乳化剤。 lipophilic emulsifier
水ベース乳化剤
親水性の界面活性剤を主成分とし,水で希釈して使用する乳
化剤。
現像剤
浸透液をきずから吸出し,きずより大きな指示模様を形成さ
せることによって,よりきずを検出しやすくする作用をもつ
探傷剤。
乾式現像剤
蛍光浸透探傷試験に使用する乾燥した微粉末状の現像剤。
水懸濁性湿式現像
剤
乾燥すると現像剤塗膜を形成する水に微粉末を懸濁させた現
像剤。
水溶性湿式現像剤
乾燥すると現像剤塗膜を形成する水に粉末を溶解させた現像
剤。
速乾式現像剤,
非水湿式現像剤
揮発性溶剤中に微粒子を懸濁させた現像剤。
剝離性現像剤
指示模様を固定し薄膜の複製として得るために用いる液体現
像剤。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
定義
(浸透探傷用)対
比試験片
浸透探傷剤の感度の性能の比較及び探傷工程の適不適を調べ
るために使用する人工的な既知のきずを含んでいる試験片。
対応英語(参考)
d) 試験方法
番号
用語
蛍光浸透探傷試験
蛍光浸透液を使用する浸透探傷試験方法。
定義
対応英語(参考)
染色浸透探傷試験
染色浸透液を使用する浸透探傷試験方法。
浸透指示模様
浸透探傷試験における浸透液による指示模様。
浸透時間
浸透液が試験面をぬらしている時間。
静電塗布法
帯電した探傷剤粒子を接地した探傷面に適用する方法。
余剰浸透液の除去
きずに入った浸透液以外の浸透液を探傷面から除去する操
作。
浸せき洗浄処理
余剰浸透液を除去するために試験体を水タンク中に入れる処
理。水タンクは,かくはんさせてもよい。
浸透液の乳化処理
後乳化性浸透液に水洗性を付与するため,浸透処理後に乳化
剤を適用する処理。
乳化時間
後乳化性浸透液に水洗性を付与するために乳化剤を適用して
いる時間。
70
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
乳化停止
乳化時間経過後に試験体を水に浸せきするか又は水をかけて
乳化剤の作用を停止させる操作。
(浸透探傷の)現
像時間
速乾式現像法及び湿式現像法の場合は,塗膜が乾いてから観
察を開始するまでの時間,乾式現像法の場合は,現像剤が適
用されている時間。
無現像法
現像剤を使用しないで観察を行う浸透探傷試験。
感度レベル
浸透探傷試験の微細なきずに対する検出感度の程度。
浸透探傷試験感度
浸透探傷試験においてきずを検出できる能力の尺度。
水分許容量
水洗性浸透液及び油ベース乳化剤が所定の温度において含有
が許容される水の量(質量分率%又は体積分率%)。
e) 判定,評価
番号
4.7
用語
ワイプオフ法
定義
指示模様を溶剤を湿らせた綿棒,筆などで拭き取った後,そ
の部分に再度現像剤を適用して指示模様の再出現の有無を見
る技法。
注記 指示模様がきずに起因するか,疑似指示かの判断に役
立つ情報を得るための技法で,場合によっては現像剤
を使用しないこともある。
対応英語(参考)
渦電流試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
渦電流
時間的に変化する磁束によって導体中に誘導される電流。
渦電流分布
渦電流の方向及び強さの分布。
増分透磁率,
変分透磁率,
インクリメンタル
透磁率,
作用する直流磁界に小さな交流磁界が重畳したときの,交流
磁界の変化に伴う磁束密度の変化量ΔBを交流磁界の変化量
ΔHで除した値(Δμ)。
励磁電流
磁界を発生するためにコイルに流す電流。
試験周波数,
励磁周波数
プローブに印加する励磁電流の周波数。
特性周波数
試験体の物性値と寸法とを考慮した周波数fc。貫通プローブ
の場合,次の式によって計算される。
ここに, μ: 透磁率
σ: 導電率
b: 試験体の半径
同期検波
プローブ信号から励磁周波数と同期した成分を取り出す手
法。
インピーダンス解
析
試験に及ぼす影響因子によって試験コイルのインピーダンス
がどのように変化するかを,インピーダンス平面図を用いて
解析する方法。
インピーダンス平
面図
試験条件による試験コイルのインピーダンス変化の軌跡を描
画した図。
位相角
複素平面上で信号ベクトルと基準とする参照ベクトルとのな
す角度。
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Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
正規化インピーダ
ンス
正規化抵抗と正規化リアクタンスとを合成したインピーダン
ス。
正規化抵抗
試験体の存在しない試験コイルの抵抗をR0,リアクタンスを
ωL0,試験コイルの抵抗をRとしたとき,(R−R0)をωL0で
除した値。
正規化リアクタン
ス
試験コイルのリアクタンスωLを,試験体の存在しないコイ
ルのリアクタンスωL0で除した値。
正規化インピーダ
ンス平面図
試験条件による試験コイルの正規化インピーダンス変化の軌
跡を描画した図。
定義
対応英語(参考)
b) 機器・材料
番号
用語
渦電流試験器
渦電流試験で用いられる装置。発信器,信号増幅器,移相器,
検波器,フィルタ,表示器などから構成される。
渦電流試験システ
ム
渦電流試験器,プローブ,附属装置を含み,渦電流試験又は,
渦電流を用いた測定のためのシステム。
渦電流プローブ,
プローブ
導体に渦電流を発生させ,その変化を検出するトランスジュ
ーサ(変換器)。同軸プローブ及び上置プローブがある。
自己誘導形プロー
ブ
励磁と検出を兼ねたコイルで構成されたプローブ。
相互誘導形プロー
ブ
交流磁界を発生する励磁コイルと磁界の検出を行う検出コイ
ルとで構成されたプローブ。
励磁コイル,
一次コイル
相互誘導形プローブにおいて励磁を行うコイル。すなわち,
磁界を発生して試験体内に渦電流を誘起するために用いられ
るコイルをいう。
検出コイル,
二次コイル
相互誘導形プローブにおいて,励磁を行う励磁コイルに対し
て磁界を検出するコイル。
絶対値プローブ
絶対値測定用のプローブ。
差動プローブ
差動測定用のプローブ。
空心プローブ
磁性体のコアがないコイルを用いたプローブ。
上置プローブ
一般的に,試験体の表面に垂直軸をもち,局所的な影響範囲
を与えるプローブ。
同軸プローブ
丸棒,管などの試験体と同軸なコイルを用いたプローブ。
貫通プローブ
丸棒,管などの試験体の外側に置かれた円筒形の同軸プロー
ブ。
内挿プローブ
管又は孔(穴)を内面側から試験するため,内部に挿入して
用いるプローブ。
回転プローブ
試験体の周囲を回転する形式のプローブ。丸棒,管及び孔の
探傷試験に用いる。
磁気飽和コイル
強磁性体の探傷における磁気ノイズの影響を減らすために使
われる磁気飽和領域の磁界を発生するコイル。
磁化プローブ
強磁性体の試験体の磁気ノイズを軽減するために,磁化コイ
ル又は永久磁石を組み込んだプローブ。
アレイプローブ
試験コイルを周期的に配列したプローブ。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
(探傷用同軸プロ
ーブの)充塡率
同軸プローブを用いた試験における試験体の断面積(内挿の
場合は内面積)とコイルの内面積(内挿の場合は外面積)と
の比。コイルの平均径を用いる。
プローブポジショ
ンマーク
プローブが参照欠陥を走査したとき,信号中心を示す渦電流
プローブにつけるマーク。
バランス補正信号
信号のアンバランスを補正するために入力される電気信号。
複素平面表示器
渦電流信号の同相復調結果を水平軸,直交復調結果を垂直軸
とした表示。
c) 試験方法
番号
用語
絶対値測定
定義
標準比較コイル,又は単一コイルを用いて,試験体における
材料諸因子の変化を測定する方法。
対応英語(参考)
差動測定
同じ距離で同じ場所を走査させた二つの測定の差を検出する
方法。
標準比較方式
絶対値測定の一種で,同一の二つのプローブを用いて片方を
基準とする標準試験片に,他方を検査する試験体にあてがい,
両者の差を検出する方式。
ブリッジバランス
渦電流変化を検出するために用いるブリッジの調整。
リジェクション
ある電圧レベル以下の信号又は表示を電気的に除く処理。
(プローブ走査方
向の)応答長さ
試験体におけるプローブの走査方向の影響範囲。
注記 定量化のための測定手法は,JIS Z 2316-3参照。
(プローブ走査方
向と直交方向
の)応答幅
試験体における走査経路に対し直交方向のプローブの影響発
生範囲。
注記 定量化のための測定手法は,JIS Z 2316-3参照。
幾何学的効果
プローブと試験体間との相対位置,形状によって生じる渦電
流信号への影響。
ガタ信号
プローブの振動又は試験体の振動によって生じる幾何学的効
果。
プローブクリアラ
ンス
プローブと試験体表面との間の設定された空間。
リフトオフ効果
プローブと試験体との間の距離の変化によって生じる幾何学
的効果。
エッジ効果
渦電流試験において,試験体の端によってプローブに生じる
幾何学的効果。
エッジ不感帯
エッジ効果によって探傷が不可能となる試験体の領域。
端末効果
同軸プローブの使用において,試験体の端部によって生じる
幾何学的効果。
端末不感帯
端末効果によって探傷が不可能となる試験体の領域。
速度効果
試験体とプローブとの相対的な動きによって生じる渦電流分
布の信号への効果。
電磁誘導試験
電磁誘導現象による渦電流(誘導電流)の変化を用いた試験
方法。材質試験,膜厚測定などが含まれる。
多重周波数法
プローブに複数の周波数の交流電流を重ね合わせて又は時分
割して印加し,各々の周波数での検波出力を演算してノイズ
成分を除去する方法。
パルス渦電流試験
励磁電流にパルス波,く(矩)形波などを用いる渦電流試験
方法。
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番号
用語
定義
リモートフィール
ド法
励磁コイルが作り出す間接磁場を利用した渦電流試験方法。
一般的に強磁性体の管の内挿試験に用いられる。
対応英語(参考)
d) 判定・評価
番号
4.8
用語
複素平面解析
定義
対応英語(参考)
復調された渦電流信号の振幅及び位相情報を利用する解析方
法。
定義
対応英語(参考)
漏れ(リーク)試験
a) 一般
番号
用語
漏れ,
リーク
壁の両側の圧力差又は濃度差によって液体又は気体が通過す
る現象。孔,多孔質などの透過性要素が原因となる。
漏れ量,
リーク量
ある条件下で漏れ箇所を通過する,定められた液体又は気体
の流量。
標準空気換算リー
ク量
種々の条件(ガスの種類,温度及び圧力)で測定したリーク
量を“標準空気リーク量”に換算した値。
標準空気リーク量
標準条件の下で−25 ℃より低い露点をもつ空気がリーク部
を通過する流量。
標準条件とは,入口の圧力は100 kPa±5 kPa,出口の圧力は1
kPa未満,温度は23 ℃±7 ℃である(JIS Z 8754参照)。
総リーク量
試験体のリーク量の総和。
仮想リーク
系内の気体又は蒸気の放出による見かけのリーク。
許容リーク量
実用上影響しない小さなリーク量で,仕様書に規定されてい
るリーク量。
最小可検リーク量
リークディテクタによって,検出できる最小リーク量。
コンダクタンスリ
ーク
流体が通ることができる一つ又は複数個の分離した経路(多
孔質構造も含む。)からなるリーク。
粘性流リーク
通過する気体の質量流量が,粘性係数の逆数に実質的に比例
するリーク。
分子流リーク
通過する気体の質量流量が,分子質量の平方根の逆数に実質
的に比例するリーク。
キャピラリーリー
ク
直径が,リーク経路長に比べて小さい形状のリーク。一つの
経路をもつチャンネルリークと同義である。
メンブレンリーク, 非多孔性の壁をガスが透過することによってガスの流れを作
メンブランリーク,
るリーク。
透過リーク
透過係数
透過率と障壁の厚さとの積を障壁の面積で除した値。
透過率
障壁を通過する気体の流量を壁の両側における圧力の関数で
除した値。
チャンネルリーク
長いキャピラリーとして概念的に扱われる一つ以上の分離し
た経路をもつリーク。
74
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
応答時間
ゼロ若しくは小さな漏れ量の表示から正若しくはより大きな
漏れ量の表示へ変化したとき,又は正の漏れ量の表示からあ
る小さな若しくはゼロの漏れ量表示へ変化したときの時間
で,前者の場合は最大値の90 %,後者の場合は最大値の10 %
になるまでの時間。
注記 時定数で考えるときは,前者の場合は最大値の63 %,
後者の場合は最大値の37 %になるまでの時間が多い。
クリーンアップ時
間,
クリアリング時間
正のリーク量表示から,ある小さな又はゼロのリーク量表示
へ変化したときの時間。
イオン化ポテンシ
ャル
原子又は分子を電離するのに必要な最小エネルギー。単位は
電子ボルト(eV)。
外部トレーサガス
ドリフト
吹き付け法において,吹き付け箇所以外の漏れ箇所から侵入
したサーチガスによるドリフト。
(圧力変化漏れ試
験の)等価内容
積
圧力変化試験において,試験体又は試験回路の内容積が,加
圧,減圧及び/又は漏れによる圧力変化に伴い,膨張又は収
縮して検出中に変化する場合に,その容積変化を包括して漏
れ量の計算を行うための見かけの内容積。
背圧側空間,
バッキングスペー
ス
主ポンプ(拡散ポンプ,ターボ分子ポンプなど)と補助ポン
プ(前段ポンプ)との間の空間。
排気時間
系を大気圧から所定の圧力まで排気するのに要する時間。
フォアプレッシャ,
高真空ポンプの吐出側における全圧。
前段圧力,
背圧(はいあつ)
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
発泡液
発泡漏れ試験で塗布する発泡性の優れた試験液。
指示材料
サーチ流体と作用して漏れの存在を示す物質。
発泡液試験片
発泡液の発泡性能を確認するための試験片。
発色現像剤
試験体表面に塗布し,漏れ部の液体を毛管現象で吸い出し,
識別性のよい色調の漏れ指示模様形成させる薬剤。
真空箱
漏れ試験に使用する一端に開口部を要し,内部を減圧できる
容器。発泡漏れ試験では,のぞき窓がある。
マスタ容器
マスタ容器対比法及び差圧法で,試験体と同時に測定し,測
定値を比較するための,試験体と同じ内容積の漏れのない容
器。
気密チャンバ
試験体を容器内に入れて試験をするための気密容器。
リークディテクタ,
漏れの有無,漏れ箇所又は漏れ量を検出する装置。
リーク検出器
ヘリウムリークデ
ィテクタ
サーチガスとしてヘリウムを使用するリークディテクタ。
スプレイガン,
スプレイプローブ
サーチガスを試験体に吹き付ける器具。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
サーチガス,
トレーサガス
漏れを検出するために用いる特定の気体。
注記1 真空法の場合は,漏れ試験をする試験体の外表面に
吹き付け,漏れ箇所を通して試験体に導入される。
注記2 加圧試験の場合は,漏れ試験をする試験体の中に導
入して,漏れ箇所から外部に放出される。
トレーサ流体
漏れ試験に使われる気体又は液体。
混合ガスプローブ, 希釈気体(乾燥空気又は窒素)に対するサーチガスの割合を
プロポーショニン
可変できる器具。
グスプレイガン
サンプリングプロ
ーブ,
スニッファプロー
ブ
試験体の漏れ箇所からサーチガスを吸引してリークディテク
タに供給する器具。
圧力プローブ
試験体にサーチガスを吹き付ける器具。
サクションカップ
試験体に押し当て漏れてきたサーチガスを収集するカップ。
順方向リークディ
テクト
試験体が高真空ポンプの高真空側に接続される漏れ測定法。
直接導入法ともいう。
超音波リークディ
テクタ
超音波を利用して漏れを検出するリークディテクタ。
ハロゲンリークデ
ィテクタ
ハロゲンガスをサーチガスとして用いるリークディテクタ。
放電形リークディ
テクタ
放電の変化で漏れを検出するリークディテクタ。
電子捕獲形リーク
ディテクタ
負イオンを形成する傾向のあるサーチガスを検出するリーク
ディテクタ。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
校正リーク
機器の校正に当たって流量を供給するために使用するリー
ク。
定義
対応英語(参考)
標準リーク
国家標準又は国際標準と切れ目のない比較の連鎖によって結
び付けられるリーク量を供給するリーク。
d) 試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
発泡漏れ試験
気体の漏れを発泡現象で検出する漏れ試験。
液圧試験,
水圧試験
試験体に水又は他の液体を一杯に充塡する圧力試験。液体が
水の場合,特に,水圧試験という。
注記 必要があれば,所要時間の間,液体に圧力を加え,漏
れがないか,試験体の外面を目視する検査が行われる。
加圧浸透漏れ試験
加圧して行う浸透漏れ試験法[“浸透液漏れ試験(7304)”参
照]。
浸透液漏れ試験
試験体の片側に浸透性のよい赤色又は蛍光色の浸透液を適用
し,反対側に白い現像剤を適用するなどで漏れ箇所を明瞭な
指示模様で検出する漏れ試験方法[“加圧浸透漏れ試験
(7303)”参照]。
気密試験
装置内部の気体の漏れ,真空の場合は外部からの流入の有無,
及びその箇所を調べる試験。気体を対象とした漏れ試験と同
意語である。
76
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
液浸法
液体の中に,内部を加圧した試験体を沈めて行う漏れ試験方
法。用いる液体が水の場合,水没試験ともいう[“発泡漏れ試
験(7301)”参照]。
(圧力変化漏れ試
験の)流量測定
法
試験体外部又は内部を加圧又は減圧し,安定した後に漏れに
よって移動する気体の流量を測ることで気体の漏れ量を測定
する漏れ試験。
差圧漏れ試験
同条件で加圧又は減圧したマスタ容器と試験体との一定時間
後の圧力差を差圧計で測定することによって漏れを検出する
漏れ試験。
マスタ容器対比法
試験体とマスタ容器とを同時に圧力変化試験を行い,測定値
を対比させることで,温度及び/又は気圧の変化影響を軽減
する試験(技法)。
ライズアップ法
圧力変化漏れ試験で排気後に試験体を排気系から隔離し,圧
力上昇速度によって漏れの有無及び漏れ量を調べる方法。
ヘリウム漏れ試験
ヘリウムをサーチガスとして用いる漏れ試験。
カウンタフロー法, リークディテクタの主ポンプの背圧側に漏れたトレーサガス
逆拡散法
を,主ポンプを逆拡散させてセンサ部に導入して行う試験方
法。
スニッファ法
試験体の内部をサーチガスで加圧して行う漏れ試験。漏れ箇
所から漏れるサーチガスをスニッファプローブで吸引して検
出する。
(ヘリウム漏れ試
験の)スプレー
法
スプレーガンを使う漏れ試験方法。
蓄積試験
サーチガスを既知の容積に蓄積させて行う漏れ試験。
注記 漏れによる分圧上昇を校正リークと比較するか濃度の
分かっているガスと比較することによって求めること
が可能である。
真空チャンバ法
ヘリウム漏れ試験で試験体の一部又は全部にサーチガスを充
塡し,その試験体を真空チャンバ又は真空容器内に入れて漏
れを検出する試験。
外覆法試験
試験体の一部又は全部を覆って行う漏れ試験。
注記1 対象物が真空下にある場合は覆いにサーチガスを充
塡し,リークディテクタを対象物の内部容積部に接
続する。
注記2 対象物がサーチガスによって加圧される場合は,プ
ローブを覆いの内部に挿入した状態で試験を実施す
る。
標準リーク対比法
標準リークを用いた疑似漏れの試験結果と対比することで,
試験条件による差異を軽減し,測定精度を向上させる試験(技
法)。
ボンビング
密閉した試験対象物を高圧の試験ガス(通常はヘリウム)に
さらす操作。
ボンビング法漏れ
試験
真空チャンバ内での試験に先立ち,密閉した試験体に対して
“ボンビング”を行う漏れ試験。
ハロゲン漏れ試験
ハロゲンガスをサーチガスとして用いる漏れ試験。
アンモニア漏れ試
験
サーチガスとしてアンモニアガスを用い,指示薬としてアン
モニアと化学的に反応する物質を使用する漏れ試験方法。
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4.9
ひずみゲージ試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ひずみゲージ,
電気抵抗ひずみゲ
ージ
電気抵抗体にひずみを与えたとき,その抵抗値が変化する現
象を応用して,ひずみを測定するために使用するセンサ。
静ひずみ
大きさが時間的に変化しない単位長さ当たりの変形量又は変
化しないとみなすことができる単位長さ当たりの変形量。
動ひずみ
大きさが時間的に変化する単位長さ当たりの変形量。
ピエゾ抵抗効果
導体又は半導体の比抵抗が応力によって変化する現象。
圧力効果
取り付けたひずみゲージにおいて,圧力が加わった場合にひ
ずみが発生する現象。
磁気抵抗効果
取り付けたひずみゲージの電気抵抗が,磁気によって変化す
る現象。
ピエゾ抵抗係数
ひずみゲージによる測定時の単位応力当たりの比抵抗の変化
率。
ゲージ受感部
ひずみゲージの抵抗素子で,ひずみを受けて抵抗変化を生じ
る部分。
ゲージ長,
ゲージ長さ
ゲージ受感部のゲージ軸方向の長さ。ただし,折返し部分の
長さは除き,折返し部分をもたないものでは,ひずみゲージ
の電極間の内側長さである。
ゲージ幅
ゲージ受感部のゲージ軸と直交する方向の長さ。
ゲージ軸
ゲージ受感部の測定方向の中心軸。
ゲージベース
ゲージ受感部の形状を保ち,ひずみの伝達,電気絶縁などの
役目を果たす薄い膜状又は板状の部分。
ゲージ基準線
ゲージ受感部の中心位置,方向などを示すために,ゲージベ
ースに表示された線又は記号。
ゲージリード
ゲージ受感部又はゲージタブから引き出された細い導線。
ゲージタブ
はく(箔)ひずみゲージにおいて,ゲージリード又は導線を
取り付けるためにはく(箔)が広くなった部分。
折返しタブ
はく(箔)ひずみゲージにおいて,ひずみ受感部の折返し部
分。
リード線
ゲージリードとひずみ測定器又はブリッジボックスとを電気
的に接続する電線。
ゲージ端子
ゲージリードとリード線とを接続するための端子。
ゲージ形式
ひずみゲージの形状,特性などの識別記号。
単軸ゲージ
1方向のひずみを測定するためのひずみゲージ。
2軸直交ゲージ
二つの受感部が直交する方向に配置されたひずみゲージ。
多軸ゲージ
二つ以上の方向のひずみを測定するために,二つ以上の受感
部が配置されたひずみゲージ。
ロゼットゲージ
三つの受感部が特定の3方向に配置されたひずみゲージ。
大ひずみゲージ,
塑性域ゲージ,
塑性ゲージ
通常のひずみゲージに比べて大きなひずみに追従できるひず
みゲージ。
シールドゲージ
電界による影響を低減したひずみゲージ。
78
Z 2300:2020
番号
用語
定義
対応英語(参考)
自己温度補償ゲー
ジ
規定された温度範囲で温度変化による見かけのひずみを低減
したひずみゲージ。
抗磁性ゲージ
磁気抵抗効果による影響を低減したひずみゲージ。
無誘導ゲージ
誘導電圧の影響を低減したひずみゲージ。
はく(箔)ひずみ
ゲージ
ゲージ受感部に,はく(箔)状の金属抵抗体を用いたひずみ
ゲージ。
半導体ひずみゲー
ジ,
半導体ゲージ
ゲージ受感部に半導体を用いたひずみゲージ。
応力ゲージ
任意方向の応力を直接測定できる形状のひずみゲージ。
応力集中測定用ゲ
ージ
ひずみ分布が急激に変化する部分のひずみを測定するため
に,複数の受感部を近接配置した多連ひずみゲージ。
温度測定用ゲージ
ひずみゲージと同様な構造で,温度による抵抗変化を利用し
て温度を測定するゲージ。
クラックゲージ
クラックの進展距離及びその速度を測定するゲージ。
摩擦形ゲージ
摩擦によってひずみを受感部に伝達させるゲージ。
ダイヤフラムゲー
ジ
圧力変換器などのダイヤフラムに生じるひずみを検出できる
ひずみゲージ。
ダブルデッキゲー
ジ,
曲げひずみゲージ
試験体の片面に接着し,軸ひずみと曲げひずみとを分離して
検出するひずみゲージ。
埋込みゲージ
モルタル,コンクリートなどに埋め込んで,内部のひずみを
測定するひずみゲージ。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ひずみ測定器
電気抵抗ひずみゲージを用いて,ひずみを測定するための機
器。
静ひずみ測定器
ブリッジ回路からの微小電圧信号を増幅して,指示器にひず
み値を表示する機器。
動ひずみ測定器
ブリッジ回路からの時間的に変化する微小電圧信号を増幅し
て,ひずみ値を出力する機器。
交流式動ひずみ測
定器
ブリッジ電源に交流を用い,ノイズに強く感度が高い特徴を
もつ動ひずみ測定器。
直流式動ひずみ測
定器
ブリッジ電源に直流を用い,応答周波数が高く直線性に優れ
た特徴をもつ動ひずみ測定器。
ブリッジボックス
ブリッジ回路を構成するための機器。
スイッチボックス
1台のひずみ測定器で多数点のひずみ測定を行うため,ひず
みゲージの切換えを行う機器。
ひずみ測定器用コ
ネクタ
電気抵抗ひずみゲージ用測定器及びその周辺機器に,入出力
ケーブルを接続するためのコネクタ。
ひずみゲージ試験
の適用限界
ひずみゲージ,接着剤,コーティング剤,リード線などのひ
ずみゲージを構成する全ての要素の適用範囲が満たされる条
件。
79
Z 2300:2020
c) 試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
R(抵抗)バランス ブリッジ回路を構成する4辺の抵抗分のばらつきによって生
じる出力をゼロにした状態。
C(容量)バランス ブリッジ回路内に浮遊する電気容量によって生じる出力をゼ
ロにした状態。
初期不平衡
無負荷状態又は基準状態におけるブリッジ回路の出力。
平衡調整方式
ブリッジ回路の抵抗偏差及び容量偏差を補正する方式。
平衡調整範囲
ブリッジ回路の抵抗偏差及び容量偏差を補正できる範囲。
搬送波周波数
交流式ブリッジ電源を励振させる電圧の周波数。
指示ひずみ
ひずみ測定器に表示されるひずみ。
ひずみ入力
ひずみで示したひずみ測定器への入力。
校正ひずみ
ひずみ測定器を校正するために加えるひずみ信号。
注記 ひずみ入力として示される。
アクティブゲージ
ひずみを測定する部分に取り付けたひずみゲージ。
ダミーゲージ
ブリッジ回路を構成する抵抗としてだけ用いるひずみゲー
ジ。温度補償の目的のものも含まれる。
アクティブ・ダミ
ーゲージ法
ブリッジ回路の1辺がアクティブゲージ,その隣辺がダミー
ゲージで構成される測定法。
1ゲージ法
ブリッジ回路の1辺がひずみゲージで構成される測定法。
注記 このほかに,不要なひずみ成分を除去するために2辺
がひずみゲージで構成される2ゲージ法,及び必要な
ひずみ成分を大きく出力するために4辺がひずみゲー
ジで構成される4ゲージ法がある。
2アクティブゲー
ジ法
ブリッジ回路の相隣る2辺がアクティブゲージで構成される two active gauge
測定法。
注記 このほかに,相対する2辺がアクティブゲージで構成 half bridge technique
される対辺2アクティブゲージ法,及び4辺がアクテ
ィブゲージで構成される4アクティブゲージ法がある。
3線式結線法
温度によるリード線の抵抗変化の影響を避けるため,リード
線を3本用いる測定法。
リモートセンシン
グ
ブリッジ回路の入力側に1対のケーブルを追加して印加電圧
を監視することによって,ケーブル抵抗による電圧降下を補
正する方法。
ゲージの直線性
ひずみゲージに与えられたひずみと抵抗変化とが正比例する
性質。
ひずみ限界
ひずみゲージが測定できるひずみの最大値。
ゲージゼロドリフ
ト
取り付けたひずみゲージにおいて,温度が一定かつひずみが
加えられない状態で指示ひずみが時間とともに変動する現
象。
ゲージクリープ
環境が一定の状態で,ひずみゲージにある一定の大きさのひ
ずみを加えたとき,指示ひずみが時間とともに変化する現象。
ゲージヒステリシ
ス
ひずみゲージにひずみを加えたとき,ひずみの増加過程と減
少過程とにおいて,ひずみ及び温度が同一であるにもかかわ
らず指示ひずみが一致しない現象。
見かけひずみ,
熱出力
試験体が自由膨張できる状態で,ひずみゲージと試験体との
温度を一様に変化させたときに生じる指示ひずみ。
適合線膨張係数
自己温度補償ゲージに適合する試験体の線膨張係数。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
負荷抵抗
仕様を満足してひずみ測定器に負荷し得る抵抗。
温度補償
温度変化による試験体の形状変化,ケーブルの抵抗変化など
によって生じる見かけひずみの補正。
応答周波数範囲
変動するひずみ入力に対し,出力が仕様を満足する範囲で応
答できるひずみ測定器の周波数範囲。
d) 判定,評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
ゲージ抵抗
ひずみゲージの電気抵抗値。
ゲージ率
接着されたひずみゲージのゲージ軸方向に加えられた1軸応
力によって生じる抵抗変化率ΔR/Rと,ゲージ軸方向のひずみ
εとの比[(ΔR/R)/ε]。
縦感度
ひずみゲージのゲージ軸方向に加えた1軸ひずみεlによって
生じた抵抗変化率ΔRl/Rとεlとの比[(ΔR1/R)/εl]。
横感度
ひずみゲージのゲージ軸と直角な方向に加えた1軸ひずみεt
によって生じた抵抗変化率ΔRt/Rとεtとの比[(ΔRt/R)/εt]。
横感度比
ひずみゲージの横感度Ktと縦感度Klとの比(Kt/Kl)。
等価ひずみ
ブリッジ回路を構成するひずみゲージにひずみが加わって生
じる出力電圧を,同じ出力電圧を与える1辺のひずみゲージ
のひずみに換算した値。
注記 変換式は,次のとおりである。
ここに,ε:等価ひずみ
K: ゲージ率
e: ブリッジ回路の出力電圧
E: ブリッジ回路の入力電圧
ロゼット解析
ロゼットゲージを用いた主ひずみ及び主方向の解析。
4.10 外観試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
近方視力,
近距離視力
近くの対象を見分ける能力。検査距離は,使用される指標ご
とに定められているが,一般に30 cm〜40 cmである。
遠方視力,
遠距離視力
遠くの対象を見分ける能力。検査距離は,使用される指標ご
とに定められているが,一般に5 m〜6 mである。
動体視力,
観察者が静止した状態で,移動する目標物を連続して追い続
ける眼の能力。
動態視力,
観察者が動いている状態で移動する一つの目標物を連続して
追い続ける眼の能力。
色覚
色を識別する能力。
ジャガーチャート
番号
米国非破壊試験協会(American Society for Nondestructive
Testing,ASNT)のSNT-TC-1Aに規定する近方視力確認用ジ
ャガーチャートの指標番号。
色温度
色覚に関する光源の格付け。
定量的に表すために,黒体から放射される光の色と対応させ,
ある色の光を発するときの黒体の温度を熱力学温度であるケ
ルビン(K)で表す。
グレア
明瞭な視覚,重要な観察及び/又は適正な判断を妨げる過度
な明るさ。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
視野
頭部及び眼を固定したときに視覚できる空間位置。
注記 レンズの場合は,画面に映り得る最大限の対角線範囲
の基準点からの角度範囲をいう。
視野角
光源及び光の強度が最大値の10 %となる光線の相対する両端
間とのなす角度。
視認性
眼によって把握される内容の質及び/又は状態。
注記 視認性は,標準試験体を用いて標準化された観察条件
の下で観察したときのコントラスト又は大きさで決定
される。
被写界深度
特定の距離で最適に焦点を合わせたときの結像系が要求を満
たす解像度を与える距離の範囲。
観察条件,
目視試験条件
表面状態の目視試験を実施するために備える環境。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
目視補助具
各種の材科,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施
する場合に使用する補助具。
注記 一般的な測長器具及び観察用の照明器具のほかに,限
界ゲージ,溶接ゲージなどの特殊測定器具も含まれる。
光学的補助具
各種の材料,加工品,製品,設備及び装置の目視試験を実施
する場合に,拡大又は遠隔観察するために使用する補助具。
注記 鏡,拡大鏡,双眼鏡,ボアスコープ,TVカメラ,写真
機などが含まれる。
ボアスコープ
遠隔の直接目視の補助具として用いられる柔軟性のある又は
硬質のチューブ状の器具。
注記 ボアスコープは,複数の鏡,プリズム,レンズ,光フ
ァイバーなどの組合せで構成されるか,又は対物側先
端に取り付けられた小型CCDカメラとそれに電気ケー
ブルで結合された表示器又は記録媒体とで構成され
る。光ファイバーを使用したボアスコープは,ファイ
バスコープと呼ばれる。
溶接ゲージ
溶接部の余盛高さ,目違いなどの寸法を計測するために用い
るゲージ。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
定義
対応英語(参考)
カラーチャート,
色を表示するための色見本を配したチャート。
色標(しきひょう)
グレースケール,
無彩色スケール
白色と黒色及びその間の何段階かの明度の異なる色とを配し
たチャート。
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d) 試験方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
(溶接の)外観試
験
目視及び寸法測定によって外観の良否を調べるための試験
(JIS Z 3001-1参照)。
直接目視
直接又は光学的補助具(ただし,TVカメラ,写真機などの画
像機器を除く。)を用いて観察する方法。
間接目視
CCD,TVカメラ,写真機などの画像機器を用いて間接的に観
察する方法。
遠隔目視
観察者から直接目視では観察できない試験対象を,ボアスコ
ープのように二つ以上のレンズ系を介して形成される光の像
又はCCDカメラのように電気信号を介して変換される光の
像で観察する方法。
型取法
型取ゲージ又は型取材(印象材)を使って表面状態を測定す
る方法。
写真測量法
写真画像から対象部の幾何学的特性を二次元的(平面的)又
は三次元的(立体的)に取得する方法。
4.11 赤外線サーモグラフィ試験
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
赤外線放射エネル
ギー
赤外線,すなわち,波長が可視光の波長より長く,1 mmより
も短い電磁波として放射・伝搬するエネルギー。単位は,ジ
ュール(J)。
吸収率,
物体で吸収され熱に変わる赤外線放射エネルギーと,物体に
入射したエネルギーとの比。
透過率,
物体で吸収されずに通過していく赤外線放射エネルギーと,
物体に入射したエネルギーとの比。
反射率,
物体から反射された赤外線放射エネルギーと,物体に入射す
る全エネルギーとの比。
放射率,
物体の赤外線放射エネルギーと,その物体と同一温度である
黒体の放射エネルギーとの比。
黒体
入射する赤外線放射エネルギーを,波長,入射方向及び偏光
状態に関係なく全て吸収し,放射する物体で,放射率が1と
なる理想的な熱放射体。
灰色体
放射率が波長によらず,1より小さい一定値をもつ物体。
見かけの温度
放射率を1と仮定した場合に,測定した赤外線放射エネルギ
ーから求められる物体の温度。単位は,ケルビン(K)。
大気の窓
赤外線の波長帯域において大気による吸収の少ない帯域。
背景放射
赤外線検出器が測定対象面以外の面から検出する赤外線放
射。
熱弾性効果
物体の断熱的な弾性変形に伴って温度変動が生じる現象。温
度変動は,主応力和の変動に比例し,一般的に引張りによる
温度降下と圧縮による温度上昇とが見られる。温度変動ΔT
と主応力和Δσとの関係は,次の式で示される。
ここに, ΔT: 温度変動(K)
k: 熱弾性係数(Pa-1)
T: 物体温度(K)
Δσ: 主応力和の変動(Pa)
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
熱弾性係数
熱弾性効果における温度変動と,物体温度と主応力和の変動
との積との比例係数。熱弾性係数kは,物質定数で,次の式
で示される。
ここに, k: 熱弾性係数(Pa-1)
a: 線膨張係数(K-1)
ρ: 密度(kg/m3)
Cp: 定圧比熱[J/(kg・K)]
精度定格
定められた使用環境条件で許容される計測値の最大誤差。
温度ドリフト
周囲温度の変化によって生じる赤外線放射計の出力変動。
面積効果
測定対象物の面積に依存して,赤外線放射計の出力が変化す
ること。
画像加算平均
S/N(信号レベル/ノイズレベル)改善のため,画像を重ね合
わせて,それを総数で除すること。
赤外線画像
赤外線放射エネルギーの強度分布をコントラスト又はカラー
パターンに当てはめた画像。
熱画像
赤外線放射エネルギーを見かけの温度分布としてコントラス
ト又はカラーパターンに当てはめた温度画像。
(赤外線サーモグ
ラフィの)空間
分解能
二次元センサを使用した赤外線放射計において映像化できる
最小視野角であり,二次元に配列された検出素子のピッチ間
隔を結像レンズの焦点距離で除した値。
有効画素数
二次元センサ(赤外線アレイセンサ)の総素子のうち,装置
設計上,実際に測定に使用する素子によって撮像される画素
数。
注記 有効画素数は,その装置によって撮像される画像の解
像度を表す指標となる。
瞬時視野角,
走査装置において個々の検出素子が映像化できる視野角。
表示画素数
モニター上で表示される熱画像又は赤外線画像を構成する最
小単位(画素)の数。
フレームタイム
熱画像又は赤外線画像を連続して計測するときの画像計測周
期。
温度分解能
識別可能な見かけの最小温度差。
最小検知温度差,
ある大きさの測定対象物を検出するのに必要な対象物と背景
との最小温度差。
最小検知寸法,
測定可能な,最も小さな測定対象物の寸法又は長さ。
最小分解温度差,
標準スリットパターンを識別するのに必要な標準試験片と背
景との最小温度差。
雑音等価温度差,
検出信号が雑音のレベルに等しくなるときの測定対象物と背
景との最小温度差。
測定周波数帯域
熱弾性応力測定が可能な負荷周波数の帯域。
応力分解能
熱弾性応力測定法において,測定可能な主応力和変動の最小
値。
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
(赤外線サーモグ
ラフィの)エッ
ジ効果
熱弾性応力測定法において変動荷重を負荷するときに,測定
対象物の変位又は変形のために,エッジ部で測定誤差が生じ
ること。
位置補正
測定対象物の変位・変形のために生じる位置の測定誤差を補
正すること。
ロックイン方式
温度変動の時系列データから,参照信号と同一周波数の温度
変動だけを抽出することによって主応力和の変動幅の分布画
像を作成する信号処理方式。
注記 変動幅とは,いわゆる全振幅を意味する。
温度差画像方式
周期変動する温度が最大及び最小となるときの温度分布画像
を測定し,それらから温度変動幅の画像を作ることによって
主応力和の変動幅の分布画像を作成する信号処理方式。
注記 変動幅とは,いわゆる全振幅を意味する。
位相合わせ
測定対象物への熱又は荷重負荷に同期した信号と,実際に発
生している温度変動の位相とを調整すること。
b) 機器・材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
赤外線放射計
赤外線放射エネルギーを測定する機器。
注記 赤外線カメラも含まれる。
赤外線カメラ
赤外線放射エネルギーを検出し,その強度分布を画像表示す
る装置。
注記 熱赤外線カメラともいう。
赤外線サーモグラ
フィ
赤外線放射エネルギーを検出し,見かけの温度に変換し,そ
の分布を画像表示する方法。
注記 装置を示すこともある。
赤外線サーモグラ
フィ装置
赤外線カメラのうち,赤外線放射エネルギーを見かけの温度
に変換し,その分布を画像表示する装置。
赤外線検出器
赤外線放射エネルギーを検出し,電気信号に変換するセンサ。 infrared detector
多素子形センサ
赤外線検出素子を一次元又は二次元に複数個配列したセン
サ。
単素子形センサ
1個の赤外線検出素子から成るセンサ。
非冷却形センサ
冷却器を用いなくても動作するセンサ。
冷却形センサ
赤外線放射エネルギーの検出感度を上げるために,熱雑音の
影響を軽減するための冷却を必要とするセンサ。
熱弾性応力測定装
置
熱弾性効果に基づき測定対象物の応力分布を測定するための
装置。
c) 標準試験片・対比試験片
番号
用語
定義
標準スリットパタ
ーン
最小分解温度差(MRTD)を評価するために用いる標準試験
片に存在する貫通スリットのパターン。
対応英語(参考)
d) 試験方法
番号
用語
定義
熱弾性応力測定法, 熱弾性効果による測定対象物の表面温度変化の分布を赤外線
熱弾性法
サーモグラフィ装置で測定し,表面主応力和変動の分布へ換
算・表示する方法。
対応英語(参考)
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参考文献 JIS A 0203 コンクリート用語
JIS B 0190 圧力容器の構造に関する共通用語
JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)
JIS G 0202 鉄鋼用語(試験)
JIS G 0553 鋼のマクロ組織試験方法
JIS G 0560 鋼のサルファプリント試験方法
JIS G 0582 鋼管の自動超音波探傷検査方法
JIS G 0584 アーク溶接鋼管の超音波探傷検査方法
86
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JIS K 7627 工業用X線写真フィルム−第1部:工業用X線写真フィルムシステムの分類
JIS Z 2305 非破壊試験技術者の資格及び認証
JIS Z 2306 放射線透過試験用透過度計
JIS Z 2307 放射線透過試験用複線形像質計による像の不鮮鋭度の決定
JIS Z 2316-3 非破壊試験−渦電流試験−第3部:プローブの特性及び検証
JIS Z 2344 金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則
JIS Z 2345-1 超音波探傷試験用標準試験片−第1部:A1形標準試験片
JIS Z 2345-2 超音波探傷試験用標準試験片−第2部:A7963形標準試験片
JIS Z 2345-3 超音波探傷試験用標準試験片−第3部:垂直探傷試験用標準試験片
JIS Z 2345-4 超音波探傷試験用標準試験片−第4部:斜角探傷試験用標準試験片
JIS Z 2351 超音波探傷器の電気的性能測定方法
JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法
JIS Z 2355-1 非破壊試験−超音波厚さ測定−第1部:測定方法
JIS Z 2355-2 非破壊試験−超音波厚さ測定−第2部:厚さ計の性能測定方法
JIS Z 3001-1 溶接用語−第1部:一般
JIS Z 3001-2 溶接用語−第2部:溶接方法
JIS Z 3001-4 溶接用語−第4部:溶接不完全部
JIS Z 3001-6 溶接用語−第6部:抵抗溶接
JIS Z 3001-7 溶接用語−第7部:アーク溶接
JIS Z 3060 鋼溶接部の超音波探傷試験方法
JIS Z 3104 鋼溶接継手の放射線透過試験方法
JIS Z 3105 アルミニウム溶接継手の放射線透過試験方法
JIS Z 3106 ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法
JIS Z 3110 溶接継手の放射線透過試験方法−デジタル検出器によるX線及びγ線撮影技術
JIS Z 4001 原子力用語
JIS Z 4345 X・γ線及びβ線用受動形個人線量計測装置並びに環境線量計測装置
JIS Z 4560 工業用γ線装置
JIS Z 4615 工業用X線装置の実効焦点寸法測定方法
JIS Z 4917 X線変調度伝達関数測定用テストチャート
JIS Z 8106 音響用語
JIS Z 8120 光学用語
JIS Z 8754 真空技術−質量分析計形リークディテクター校正方法
JIS Z 9211 エネルギー管理用語(その1)
JIS Z 9212 エネルギー管理用語(その2)
ISO 4968,Steel−Macrographic examination by sulfur print (Baumann method)
ISO 9712,Non-destructive testing−Qualification and certification of NDT personnel
ISO 12052,Health informatics−Digital imaging and communication in medicine (DICOM) including
workflow and data management
ASTM E2339,Standard Practice for Digital Imaging and Communication in Nondestructive Evaluation
(DICONDE)