見出し画像

銀河フェニックス物語<出会い編>  第一話 永世中立星の叛乱 (48)

第一話のまとめ読み①~(10) ②~(20)  ③~(30) ④~(40)
 (41) (42) (43) (44) (45) (46) (47)

「衛兵無礼じゃぞ」
 ガーディ王弟は驚きながら強い口調でレイターを制した。

ガーディ社長口開ける

「アリオロンと手を組むの、やめてくんねぇかな」
 王室の言うことを聞かない近衛兵はありえない。王弟もおかしいことに気が付いたようだ。

「な、何者じゃ?」
「俺も内政干渉はしたくねぇんだ。でもアリオロンと組むっつうならこの星消えてもらう」

n205レイター横顔@2近衛前目口開く

「気は確かか」
「重力制御装置の管理権は俺が持ってる。制御をストップしたらどうなるんだっけ? みんなぺしゃんこだっけ?」
 軽い口調で恐ろしいことを言う。

「バカな、兄殿これは一体どういうことじゃ」
 王弟は教皇とレイターの顔を交互に見た。

 教皇は静かに答えた。
「重力制御装置の管理権を銀河連邦に奪われた。パスワードが書き換えられてしまったのだ」
「ひぃいぃぃ。この星はもう終わりじゃ。兄殿は一体何をしておったのじゃ。重力制御装置の管理は兄殿の仕事・・・」

「まあまあ、落ち着いて。俺はこの星が崩壊しねぇ方にさっき賭けたんだから」
 レイターは手のひらを広げ、戦意の無いことを示しながら王弟に近づいた。

「どうしろと言うのじゃ、アリオロン同盟ではなく銀河連邦に加盟しろと言うのか」
 王弟がレイターにくってかかる。

「そうは言ってねぇだろ。ほんとにあんたら自力で何とかなんねぇのかよ」
「それが難しいから援助を求めておるのじゃ」

 ガーディ王弟の言葉に俺は思わず叫んでいた。
「そんなことはない! ラールの民には力がある」

n160オルダイ逆叫ぶ

 全員が俺を見た。

 俺は続けた。
「ラール王室と民が手を取り合えばこの国難を乗り越えられる。国民議会はその橋渡しになりたいんだ」

 一瞬の沈黙の後、教皇が王弟に強い口調で命じた。
「ガーディ。御前会議を開け」
「ぎょ、御意」

 御前会議。この星の最高意思決定機関。

 普段は出席しない王室の円卓会議に教皇が参加する。
 御前会議の開催は三十年前の教皇の代替わり以来だ。近衛隊長を務めた俺も見たことは無い。

 教皇が言った。
「ガーディ、そちが言ったように、もう我々一族だけでこの星の統治は無理だ」
「では兄殿、この決議にサインを」

 教皇は、王弟を無視して俺に顔を向けた。
「我らに必要なのは他者の知恵だ。オルダイ・バルボア、そちは国民議会の代表者として御前会議に参加せよ」
「はっ」
 俺は深く頭を下げた。

 苦虫をかみつぶしたような表情のガーディ王弟にレイターが話しかける。
「頼みがあんだけど」
「な、なんじゃ?」
「あんたアリオロンの工作員と知り合いだろ。あいつらにしばらく俺を殺しに来ねぇように頼んでくんない?」
 王弟がいぶかしげにレイターを見ている。

「今、重力制御装置のパスワードは俺の頭の中にしかねぇからさ。俺が死んだら装置のメンテナンスができなくなっても知らねぇぜ」
 もし、レイターが死んだら大変なことになる。この星は崩壊する。

 教皇が口を開いた。
「ガーディ、彼のものの言うとおりにせよ」
「は、はい」
 レイターの奴、王室を脅している。 

 そして、認めたくないがこいつは今、わが星を崩壊させる力を持って教皇の上に君臨しラールシータの神となっている。     (49)へ続く

第一話からの連載をまとめたマガジン 
イラスト集のマガジン

いいなと思ったら応援しよう!

48ノ月(ヨハノツキ) ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」