「家族信託」って何?利用者目線でざっくり解説
🟩この記事で分かること
ざっくり家族信託という制度がわかります。
🟩はじめに
子供は手がかかるし、仕事も忙しい。ほんとはスイッチ2でマリオカートやりたいのよね。(上司には資格合格してねと言われてるのは置いといて)
こんな時間のない中で、両親の終活かぁ。
絶対に、今すぐやらなきゃいけないというわけでもないし、後回しにしてしまうんだよね。
最近ニュースで、家族信託っていう制度があるって聞いたけど。
試しに専門家(行政書士・司法書士さん)の書いたブログ記事をちょろっと読んだんだけど、専門用語オンパレードで、途中でブラウザの×ボタン押しちゃったんだよね。
結局よくわからないんだよなぁ。
と感じておられる方も多いかと思います。
そうですよね。私もまったく同じ状況でした。
そうはいっても、両親も元気がなくなってきたし、あまりお金の扱いに詳しくないから、変な詐欺とかに引っかかっても大変。介護費用が足りるのかどうかもわからないし。相続もどうしよう。そもそも本人たちはどう思っているのかな?
当時の私は、こんな不安を感じていました。
そして、忙しいながらも、一念発起して、書籍を読んだり、セミナーに参加して家族信託というものを勉強したのです。
専門家が制度を説明すると、どうしても専門用語を使ったカチっとしたお堅い説明になりがちです。
今回、自分で家族信託を勉強し、契約を締結した実体験をもとに、できる限り専門用語を使わずに、ざっくり家族信託の制度をお伝えできればと思います。
ただし、ざっくり説明であること、私が専門家ではないこともあるので、間違っているところもあるかもしれません。最終的な判断はかならず専門家に確認してくださいね。
では、家族信託を説明していきます。お付き合いください。
🟩終活関連の制度
∟ 終活関連制度の基礎知識を学んでおこう
∟ 銀行の代理人カードを知ろう
∟ 銀行の予約型代理人制度を知ろう
∟ 財産管理委任契約を知ろう
∟ 成年後見制度(任意後見)を知ろう
∟ 高い費用、自由がきかない法定後見リスク|家族信託で解決
∟ 遺言を知ろう
∟ 家族信託って何?利用者目線でざっくり解説 ← いまここ
∟ 結局、どの制度を使えばよいの?
🟩ざっくり!家族信託とは?
ものすご〜〜〜くざっくりに言うと、
父さん・母さんのお金やお家などの財産を、私が代わりに管理しますよ。
そして、父さん・母さんのために使いますよ
預かった財産から、利益が出たら、父さん・母さんに渡すね。
もし、死んだときはあらかじめ誰に残すか決めておこう。
という制度です。シンプルに説明するために上記の前提で説明を進めていきますね。
イメージするとこんな感じです

両親の財産を管理する権利を私が預かります。この権利を私が使うことで、預かったお金で両親の家を直したり、介護サービスの費用を出せます。
この財産を管理する権利は、両親が認知症になって判断能力を失っても、そのまま権利を持ち続けることができます。
ただ、わたし自身が正常に管理できない状態になった場合は除きます。
なので、わたし自身に何かあった場合に代わりに管理してくれる人を設定しておくと安心です。

預かった財産を売却するなど、利益が出た場合は、その利益は父さん・母さんに返す仕組みになります。(ほかの人に渡す契約もできるのですが、ややこしくなるのでここでは省きます)

あと、もし、父さんが死んだら、自宅は母さんに、株式は息子に、現金は弟にといったふうに、預かった財産を誰にどう分けるか決められます。
ただし、各相続人には最低限の遺産をもらう遺留分という権利があります。
遺留分より少なく配分するような内容にすると、かえって揉めてしまいますから気を付けてくださいね。
実際に進めるときには、専門家に確認したほうが無難です。
預かった財産を管理する機能、両親が死んだ時に誰に渡すか決めておく機能、これが家族信託の機能になります。
🟩そもそも介護・相続で出てくる問題って?
ところで、そもそも親が高齢になった時の問題ってなんでしょうか?
各ご家庭で千差万別の困りごと・不安・問題があるかと思いますが、私が終活を思い立った時に感じていた不安をご紹介しますね。
▶️両親が詐欺に遭ってしまうんじゃないか?

実家に帰省した時に、両親がよくわからん要らない保険に加入してたことがあったんです。
で、「なんでそんな保険に入ったの?」って聞いたら、
「郵便局の保険担当の人が家に来てさ、いい保険だから加入しましょう」
って言われたと。
おいおい、家の中に入れんなよって、心のなかでツッコミながら
「なんで?加入する必要ないんじゃない?」
とさらに聞くと
「だって、いつもお世話になっているから」
とのこと。
いやいやいや、お世話になんかなっていないでしょ、ただ保険を売りに来ただけだって。
このエピソード以来、いつか詐欺に遭うぞと、不安が一気に膨れ上がりました。
いやー。マネーリテラシーのない高齢者は、金融機関のいいカモですね。そういう要らん営業やめてよと思いました。皆さんのご両親は大丈夫でしょうか?
▶️認知症になったときどうしよう

ご存じの方が多いかと思いますが、日本人の5人に1人は認知症になると言われています。
平成29年度高齢者白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが2025年には5人に1人、20%が認知症になるという推計もあります。認知症の要因は加齢にあることから、超高齢社会で暮らす私たち誰もが認知症になりうる、他人ごとではないということです。
認知症になると何が困るって、銀行口座の凍結です。認知症になったことが銀行に伝わってしまうと、口座からお金が引き出せなくなってしまうんですね。
当然、両親のお金を使って、介護しようと思ったときに、お金が引き出せないんですね。だって、口座凍結されているから。
そして、何も対策していなかった場合、法定後見人という人が決まるまでお金の出し入れができなくなります。
その後の財産管理は法定後見人の方が行います。つまり、お金をどう使うかは法定後見人の方が決定権を持ちます。
下手すると、介護費用を自分たちが出さなければいけなくなるかも。
せっかく両親が頑張って貯めてきたお金があるのに、両親のために自由に使えない状態になったら困りますよね。
▶️介護費用はどこから出す?

家と車のローンに、子供の塾代、節約も頑張っているけど、物価高もあるから余裕はないよね。それこそ、自分の将来の年金も不安だし。
さらに、親の年齢から考えて、ちょうど子供が大学で出費がピークの時に、両親の介護が始まったとしたら…… どうなっちゃうんだろう。
育ててくれた恩があるから、見捨てるってことはないけど、自分たちから持ち出しとなったら家計きついよな。
両親のお金があるのなら、しっかりそこは両親のお金でやり切ってほしいというのが正直な気持ち。
いま、両親のお金があるなら、それはしっかり介護の費用として確保しておいてほしいよね。
▶️争族になったらどうしよう。

わたしには2歳年下の弟がいます。小さいころはまだよかったのですが、高校くらいからは、疎遠になってしまいました。弟は独身で、実家で両親と住んでいて会社をやっています。
ここ10年間、ほぼ毎月のように実家に帰省はしているのですが、こっちから挨拶しても無視されます。
両親とも同居しているのに、両親とも会話はないようです。お金は家に入れているみたいだけど、家事は一切やってはいません。
今は同居しているけど、介護状態になったら出ていくのかな?相続後はどこに住むつもりなんだろう。
さあ、これは困った。正直、何を考えているのかわかりません。なんせ会話できませんから。私と弟で両親を支えていくことになりますが、こんな状態でうまくいくだろうか……
両親の介護は弟にはそんなに期待はしていないものの、相続となったときに、介護は私が中心になってやっていたにもかかわらず、平等に分けてと主張してきたら、モヤっとしそうだな。
こうして並べてみると、当時かかえていた心配事は
詐欺被害
「変な保険や投資に巻き込まれないかな?」認知症による口座凍結
「親のお金なのに、いざという時に引き出せないかも…」介護費用の捻出・確保
「子どもの教育費と介護費が重なったら、さすがにツラい…」争族になる可能性
「将来“平等に分けてよ”と言われたら、素直に頷けるのかな…?」
でした。
「かならず起きるとは限らないけど、ほっとくと問題が大きくなりそうな心配事」です。
じゃあ、どうする?と感じておられるかと思いますが、ご安心ください。
ここで家族信託の出番になります。
🟩家族信託を使えば、4つの心配事が解消できる?

とはいえ「本当にそんなに便利なの?」と感じる方もいるでしょう。なので、私が感じていた4つの不安を例に、家族信託がどう効くのかを説明します。
【詐欺被害】
わたしに管理を預ける財産は、通常の親の口座とは、別の口座に完全に分けて管理します。そして、口座のキャッシュカードや通帳、ログインID/パスワードなどは私が管理します。
そのため、両親が詐欺に遭ったとしても、預けた財産には影響がありません(もちろん私が詐欺に遭ったらその限りではないですけどね)
【認知症による口座凍結】
わたしに管理を預けた財産に限っては、自分の権限で管理できます。そのため、親が判断能力がなくなっても、そのまま管理することができます。これなら慌てずに済みます。
【介護費用の捻出・確保】
先ほど述べた通り、預かった財産に限っては、自分の権限で管理できますので、必要になったら、誰かの許可を得なくても、費用を支払えます。
自分の家族に仕事に忙しい中で、いちいち誰かに許可をもらったりする必要はありません。これで介護の負担を少しでも減らせます。
【争族になる可能性】
預かった財産については両親が死亡した時に、誰に何を分けるのか、あらかじめ決められます。
家族信託を使うことで4つの心配ごとは、あらかた解消できそうです。
🟩家族信託のその他のメリット

実は、4つの心配事が解消できるだけじゃないんです。終活でやってみて感じた、「そうそう、ここも他の制度にはないメリットだよね!」というポイントをお伝えします。
1️⃣積極的な資産運用ができる。
2️⃣ランニングコストがほとんどかかりません。
順番に見ていきましょう。
1️⃣ 積極的な資産運用ができる。
預かった信託財産を資産運用で増やすことも可能です。
せっかく預かった資産をそのまま放置して、インフレで目減りしていくってなんとなくモヤっとするなぁ。
いくらかかるかわからない介護費用の足しにできるよう、資産運用でせめてインフレ分くらいは増やしていきたい。
私はそう感じておりました。
他の対策・方法だと資産運用することは難しいですが、家族信託なら可能です。実際に私もやっております。どこの証券会社で何を買っているなどは別の記事でご紹介しますね。
ちなみに契約内容次第では、賃貸用不動産を買ったりすることもできます。
ただ、もし、減らしてしまうと取り返せる期間があまりありませんので、投資しすぎには注意です。(両親からの信頼も激減しますしね。)
あと、契約内容の中に投資方針・リスク許容度を記載しておくと安心ですね。
2️⃣ ランニングコストがほとんどかかりません。
家族信託は、契約を締結してからは、ほとんど費用は掛かりません。
これは大変ありがたいポイントです。実際私もやっておりますが、ほかの第3者に費用は払っていません。(お金の振込手数料とかはかかりますよ)
ただし、父さん・母さんの意見・意思を代理で私に伝える受益者代理人、私が預かった資産を正しく管理しているかチェックする信託監督人、これらの役割を専門家に依頼すると費用は掛かってしまいます。
この記事では説明していませんが、後見制度という制度の場合、後見人もしくは後見監督人という役割を専門家にお願いすると、毎月費用を支払う必要があるのです。
この後見制度の費用が安ければいいのですが、これがバカにならない金額でして。資産額にもよるのですが、毎月1万円~6万円の費用を支払うことがあるのです。
たとえ1万円でも年間12万円、10年間あったら、120万円もかかります。
もし、6万円だったら、年間72万円、10年間あったら、720万円ですよ……
その分、介護に充てさせてくれよ。
もちろん、費用に見合うだけのことをやってくれる専門家の方であれば、何も問題はありません。
🟩家族信託のデメリット

家族信託のメリットを説明しましたが、残念ながらいいことばかりではありません。デメリットもあります。
1️⃣初期コストがかかる
2️⃣家族信託に詳しい専門家が少ない
3️⃣両親の判断能力があるうちしか使うことができない。
4️⃣預かった財産以外は別途対応が必要
5️⃣家族信託開始までに手間と時間がかかる
順番に説明しますね。
1️⃣初期コストがかかる
ランニングコストはかかりませんが、初期コストはかかります。
父さん・母さんが私に財産を預けて、生じた利益は父さん・母さんに返すという信託にした場合は
専門家に支払うコンサルティング報酬
相続税試算の税理士への報酬(やってもらった場合)
公証役場手数料
登記費用(実家を管理する財産に含めた場合)
などの初期コストがかかります。
専門家へのコンサルティング報酬は仕方ありませんね。自分だけで契約書を作るツワモノもいるらしいですが、万が一、実際に使うときに、役に立たない信託内容の契約書を作ってしまったら取り返しがつきません。
専門家に支払う費用はケチらない。大事です。
そして、その契約内容は、「この人にこの内容で財産の管理を預けますよ」と公的に認めてもらうために、公証役場で公正証書を作ってもらう必要があるんですね。で、その費用が掛かります。
また、実家を預ける場合には、登記簿にも管理する人の名前が載ります。なので、登記手続きが必要になりますので、その費用も掛かってしまいます。
また別の記事で、具体的にいくらかかったのかお伝えしたいと思います。
2️⃣家族信託に詳しい専門家が少ない
そんなに古くからある制度ではないので、確かに専門家は少ないかもしれませんが、じっくり丁寧に探せば見つかります。
私がどうやって専門家を見つけたか、選んだかということは別の記事でご紹介します。
3️⃣両親の判断能力があるうちしか使うことができない。
介護・相続の問題に対応する制度・仕組みはほとんどが認知症になってからではできないものばかりです。なので、皆さん、面倒だとは思いますが、両親が元気なうちに、気合を入れてやるしかないです。今だったら、両親の思いや要望を織り込んで対策できます。
4️⃣預かった財産以外は別途対応が必要
いろんなメリットがある家族信託ですが、その契約の中で守られるものは、あくまで預かった財産に限られます。預けなかった財産については、なにも守られません。別途、ほかの対策を実施する必要があります。
5️⃣家族信託開始までに手間と時間がかかる
もしかしたら、これが一番のデメリットかもしれません。
強力な財産管理機能・遺言機能がありつつ、さらに、自由な信託の内容にカスタマイズできる分、決めなければならないことはたくさんあります。
・預金はいくら預ける?
・有価証券は預ける?資産運用する?
・不動産はどうする?実家は預けるか?
・誰に預ける?
・受益者代理人、信託監督人を設定する?
・信託が終わった後、誰にいくら渡す?
などなど
そして、そもそも、両親・その他相続人がこの制度を使うことに納得してもらわなければいけませんので。
「うへぇ~、なんか大変そうだな―。もうやめたい。」と感じられたかもしれません。
でも大丈夫です。私は1人で手探りで進めて、たくさん地雷を踏んできました。私の記事で、皆さんが少しでも楽になるように、情報を提供したいと思います。一緒に頑張っていきましょう。
🟩まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます!
家族信託とは、両親の財産を預かって管理して、利益は両親に返す。そして、両親死亡時に誰に相続するか決めておくことができる制度です。
私もやる前は皆さんと同じ、「なんか難しそうだ。やるの大変そうだな」とあきらめかけていました。
でも家族信託は締結するまでが大変ですが、締結してしまえば、メリットも多い制度です。
この Note が、皆さんの負担を軽くできたら幸いです。
わからないこと・不安なことがあれば、コメント欄で気軽に聞いてくださいね。一緒に両親の終活を進めていきましょう!
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「親の終活×家族信託の体験談、いつかやろうじゃ遅い!」
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最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!
この記事が少しでもお役に立ったら幸いです。
今後も役に立つ情報を届けられるよう頑張りますので、よろしくお願いします!