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高い費用、自由がきかない法定後見リスク|家族信託で解決

🟩この記事で得られること

成年後見制度(法定後見)のリスクを知ることができます。

🟩はじめに

こんにちは、じゃいあんです。両親の終活・介護対策で家族信託を締結した体験談をシェアします。
※私は、両親の終活を通じて独学で学んだ体験談がベースになります。法曹資格は持っておりません。制度利用時は必ず専門家と相談してください。



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🟩私が家族信託を選んだ最大の理由『法定後見人当たりはずれリスク』を回避したい

両親の介護・終活を開始した際に、数冊の書籍を読みました。両親の介護・終活に備えるための制度として、成年後見制度(法定後見)というものがあるということを知りました。

勉強を進めるうちに、この成年後見制度(法定後見)というものが、使いにくい制度であることがわかりました。

この法定後見人は、家庭裁判所が選ぶんですが、どんな人が選ばれるかで結果が大きく左右されます。

ちょっと、皆さんにYouTubeで「法定後見人 リスク」とか調べてみてほしいです。以下のような動画が出てきます。

5年で300万円”報酬を支払って得た「自由の制限」 利用した夫婦が語る「成年後見制度」

「お金を払って、自由の制限を受ける」「ただ、苦しめられた9年間でしたね」という言葉が印象的です。


どうですか?これを見た皆さんの感想を教えてほしいです。

少なくとも私はビビりました。

「何じゃ、この制度は?」と。

なに?両親の財産使えないの?アイス一本買ってあげられないの?

あんなに父さん・母さんが頑張って、お金貯めて老後に備えていたのに。

父さん・母さん、温泉旅行好きだったのに、人生の最後に好きなことやらせてあげたい。

でも、できない。後見人がお金出す許可をくれない資産額すら教えてくれない

誰のための制度?誰得なの?



両親の終活なんて面倒だなーと、ちょっとのんきに考えていた私に火が付きました。

「この当たりはずれのリスクを回避するために、どうにかしなければ」と。

そして、成年後見制度(法定後見)やその他の制度を勉強し、最終的に家族信託を選んで、両親と契約を締結しました。

ただ、一言、お断りすると法定後見人全員がこういうケースではありません。まともな後見人の方が圧倒的に多いはずです。ごく一部のケースと思われます。もう一度言います。全員がこういう後見人ではありません。

ただ、家庭裁判所が選ぶという仕組み上、どうしても自分でコントロールできないのです。

介護・終活に対して、対策を取らなければ、この“当たりはずれリスク”は消えません。もちろん、法定後見人が全部だめだというつもりはありません。リスクを知ったうえで、納得しているのであれば問題はありません。



まず、いきなり怖い話をしてしまいましたが、大丈夫です。しっかり勉強して備えていけば。

では、本記事で、知識を得て、介護・終活に備えていきましょうね。



🟩成年後見制度(法定後見)の概要

▶️概要

  • 判断能力がなくなってしまった人を保護する制度です。

  • 本人のお金の管理や契約行為を代わりにやります。ただ、日常の生活のお世話はしません。

  • 保護する人を家庭裁判所が決めます。

  • 開始するためには、家庭裁判所に申請する必要があります

  • 本人・配偶者・4親等内の親族、検察官、市町村長が申請できます。


▶️制度の内容

成年後見制度(法定後見)は、以下のような制度です。

認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度

要するに、判断能力がなくなってしまった人を保護する制度です。


また、後見制度には、任意後見と法定後見の2つがあります。法定後見については、以下の制度となります。

本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人を法律的に支援する制度

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q1~Q2 「成年後見制度について」

つまり、誰が本人を保護するのか、家庭裁判所が決めます。(任意後見人は、本人が判断能力を失う前に選んでおく仕組み)


▶️何をする役割なの?

成年後見人等は、本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身のまわりの事柄にも目を配りながら本人を保護・支援します。具体的には、本人の不動産や預貯金などの財産を管理したり、本人の希望や体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、介護契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。もっとも、食事の世話や実際の介護などは、一般に成年後見人等の職務ではありません
また、成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q11

本人のお金の管理や契約行為を代わりにやります。ただ、日常の生活のお世話はしない」という役割ですね。


▶️後見制度を利用するには?

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度

上記画像にある通り、家庭裁判所に申し立て、つまり申請する必要があります本人・配偶者・4親等内の親族、検察官、市町村長が申し立てできます。

🟩法定後見人のデメリット

▶️家族が後見人になれるとは限らない

本人も家族も、家族が法定後見人になってほしいと思っていても、家族が後見人になれないことがあります。法定後見人の最大のデメリットになります。

ちなみに家族以外が後見人になっている割合は、以下の調査資料によると「2024年(令和6年)1~12月」の統計では 82.9% が親族以外(弁護士・司法書士等)でした

令和6年(2024年)成年後見関係事件の概況

家族以外で選ばれる場合、具体的には、法律・福祉専門家、公益法人、その他の法人が選ばれます。

成年後見人等は、本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて、家庭裁判所が選任することになります。本人の親族以外にも、法律・福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。また、成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります。

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q10:成年後見人等には、どのような人が選ばれるのでしょうか?


▶️解任は不正・著しい不適任がある場合に限られ、ハードルは高い

もし、希望しない人が法定後見人に選ばれた場合でも、それを理由に法定後見をやめることはできません。

なお、後見開始等の審判を申し立てた人において特定の人が成年後見人等に選ばれることを希望していた場合であっても、家庭裁判所が希望どおりの人を成年後見人等に選任するとは限りません。希望に沿わない人が成年後見人等に選任された場合であっても、そのことを理由に後見開始等の審判に対して不服申立てをすることはできませんので、ご注意ください。

法務省 成年後見制度・成年後見登記制度

また、就任後の後見人を変更する制度はあるものの、選ばれた法定後見人を解任することは著しく困難です。実際の運用では不正等がなければ解任は認められにくいです。(民法846条)

成年後見人等の解任を求める場合は、裁判所に対し、解任の申立てを行っていただく必要があります。なお、解任は、成年後見人等に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときに限られます。

裁判所 後見人等に選任された方、開始後の各種申立てをお考えの方へ


いやいや、なかなか恐ろしいですね。選ぶこともできなければ、やめさせることも困難。うーん、なかなかの制度ですね……


▶️両親の財産を両親のために自由に使えない?

私が家族信託をお願いした司法書士の先生によると、法定後見人が付くと多くの場合、通帳や印鑑は後見人が保管し、一元管理する形になるそうです。(家庭裁判所の指示や親族との協議で共有管理にするケースもあります。義務ではありません)。

日用品の購入や医療・介護費など日々欠かせない支出については、後見人が通常問題なく承認してくれますが、温泉旅行や高額家電といった“生活維持を超える支出”は「本人の利益になるか」を慎重に判断され、不許可となることもあります。

ただ、ごくまれに先ほどの動画のようにアイス一本買うことができないという例外があるようですね。

本人の財産を守るために、親族が自由に使えなくする仕組み自体は理解できるものの、「親のお金を親のために柔軟に使えない」という不便さを感じるのも事実です。


▶️費用の支払いは原則一生続く

専門家や法人が選ばれた際は、当たり前ですが、費用は掛かります。
そりゃ、専門家の方々も、生きていかなければいけませんから、無料ではやってくれません。

問題はその金額です。

管理する資産額によって決まるようです。月額2万円~6万円が目安になります。

  • 1千万円以下:2万円

  • 1千万円超〜5千万円:3~4万円

  • 5千万円超:5~6万円

成年後見人が、通常の後見事務を行った場合の報酬(これを「基本報酬」と呼びます。)のめやすとなる額は、月額2万円です。 ただし、財産管理額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)が高価な場合に は、財産管理事務が複雑、困難になる場合が多いので、管理財産額が1000万円を 超え5000万円以下の場合には基本報酬額を月額3万円~4万円、管理財産額が5 000万円を超える場合には月額5万円~6万円とします。

成年後見人等の報酬額のめやす

この費用は、本人が死ぬまでかかり続けます。ただし、 後見が終了(判断能力回復・取消等)すれば報酬も終了します。

ちなみに、介護状態になってから、死亡までどれくらい介護状態が続くのかということも気になります。

成年後見制度を利用している期間(「後見等の審判を受けた日」から算出) 被後見人等が成年後見制度を利用している期間は、4年以内が54%を占めた。

厚生労働省 平成29年度障害者総合福祉推進事業 成年後見制度の利用実態把握及び 法人後見の活用に関する研究 報告書

上記の資料からすると、H29の調査では、だいたい4年くらいを想定したほうが良いのかもしれませんね。(最新の利用期間統計は見つからなかった<2025年7月時点>)

もし、仮に資産が5000万円以上あった場合、
6万円×12ヶ月×4年=288万円
となります。

上記の資料では、17.9%の人は10年以上利用しています。
仮に10年にしたとしても、
6万円×12ヶ月×10年=720万円
です。

もう、ちょっとした財産ですよね。


▶️ごく稀に横領リスクあり

で、まあ、ここまではいいんです。報酬に見合った仕事をしてもらえるなら、それは専門家の正当な対価ですから。喜んで(とは言えないけど)お支払いいたします。

ただし、笑えないケースがあるんですよね。

それは、法定後見人による横領・使い込みです。

ごくごく少数ですが、こういったケースもあるみたいですね。

裁判所が後見人等による不正事例のケースを公表しています。H23年からR6年の過去14年間累計で合計303件、総額24.4億円ほどの被害額だそうです。

後見人等による不正事例 (最高裁判所事務総局家庭局実情調査)専門職の内数



資料を見ればわかるのですが、専門家以外の法定後見人による不正のほうが圧倒的に多く、専門家が横領するケースは、全体からすればごく少数です。

ですが、本人の権利・財産を保護する立場として家庭裁判所が選んだ専門家が、横領してどうすんだよって感じです。

確率は非常に小さいですが、実際にこういうことが起きうることは、踏まえておかなければいけません。


🟩法定後見人のメリット

ただ、デメリットばかりではありません。法定後見人にもメリットはあります。

▶️他の相続人に使いこまれることがない。

法定後見人の方が管理しますので、悪意のある相続人が勝手に財産を使ってしまうということはできません。

家族間で信頼関係がなく、お互いが使い込んだのでは?と疑うような場合は、利用する価値はあります。

▶️本人がした契約を取り消せる。

成年後見開始後に本人(被後見人)が結んだ売買・借金・リース契約などは民法120条の「取消権」で後見人が無効化できます。

たとえば、判断能力がなくなった本人が、悪質リフォーム業者と3,000万円の工事契約してしまったというケースの場合、後見人がその契約を取り消せます。

これは法定後見人にしかないメリットとなります。



🟩家族信託を選択した決め手

この成年後見制度(法定後見)を知ってから、後見人当たりはずれのリスクを回避する方法はないのかと真剣になりました。

だって、ただでさえ、両親の介護に忙しいところに、お金使おうとするたびに、法定後見人に「〇〇のためにXXX円、お金使いたい」ってお伺いを立てるのでしょう?

で、そのうえ、お伺いが却下されて、代わりに私が費用を払わなきゃいけないこともあるんかい。

さらには、その申請する手間と却下されるために、報酬を一生支払いつづける。

家庭裁判所が勝手に決めた後見人を変えることもできない。

トータルでみて、「どう考えても使いたくないな」正直にそう感じました。制度自体が悪いわけではありませんが、私は使いたくないなと。


で、この成年後見制度(法定後見)を回避する対策の1つが家族信託なんですね。


▶️法定後見人が設定されると、家族信託の財産は管理されてしまう?

結論から言うと、原則、家族信託で預かった財産は、後見人に管理はされません。財産を管理・処分する権限は受託者にあります。

一般的に後見制度というのは「人」につくもので、その人に対して代理をする事ができる制度です。
信託というのは「物」につくもので、受託者というのは信託財産になっている物に対して権限をもつ制度になる訳です。
実は全く役割が違うので、信託したら後見人がいらない訳ではないのですね。
また、留意しなければいけないのは、信託財産になっているものは後見人の管理下には及ばない事です。

   よつばグループ(協同組合 親愛トラスト)信託制度と後見制度の違い

とのことです。


🟩まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

  • 法定後見制度は、家庭裁判所が選んだ後見人が、本人の財産を管理する仕組みです。

  • お金の管理はしてもらえますが、その分自由度が下がったり、コストがかかったりします。

  • 後見人次第で大きく変わってしまうリスクがあります。

  • リスクを回避する対策の1つが家族信託です。

制度とリスクに納得したうえで、法定後見制度を使うことには全く問題はありませんが、なーんにも対策せずに両親が認知症になってしまうと、法定後見制度を使うしかなくなってしまいます。

みなさま、少しでも行動して対策を練っていきましょう。

少しでもこの記事がみなさまのお役に立てていれば幸いです。


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じゃいあん@親の終活×家族信託|利用者目線の体験談を発信 最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます! この記事が少しでもお役に立ったら幸いです。 今後も役に立つ情報を届けられるよう頑張りますので、よろしくお願いします!