遺言って何?実際に作った利用者目線で超ざっくり解説
🟩聞いたことはあるけど。。。
皆さん、「遺言」って、一回くらい聞いたことありますよね?
でも、なんとなくイメージはつくけど、実際のところどんなものかよく分からないという人が多いのではないでしょうか?
私も最初は皆さんと同じでした。
でも、実際に親の終活で、遺言書を作ってみると、知らなかったこともあったし、大事な制度だなぁと実感しました。
そして、何より『家族全員で遺言を作る過程』がとても重要だと感じました。
今日は遺言について、利用者目線で、超ざっくりお話しますね。
ただ、私は専門家ではないですし、超ざっくり説明なので、実際に遺言を書くときは専門家に相談してくださいね!
🟩終活関連の制度
∟ 終活関連制度の基礎知識を学んでおこう
∟ 銀行の代理人カードを知ろう
∟ 銀行の予約型代理人制度を知ろう
∟ 財産管理委任契約を知ろう
∟ 成年後見制度(任意後見)を知ろう
∟ 高い費用、自由がきかない法定後見リスク|家族信託で解決
∟ 遺言を知ろう ← いまここ
∟ 家族信託って何?利用者目線でざっくり解説
∟ 結局、どの制度を使えばよいの?
🟩遺言ってそもそも何?
超ざっくり言うと、財産の分け方を書いたメモだとお考えください。

親が元気なうちに「誰に何をどれくらい渡したいか」を紙に書いておく。
それだけで、親が亡くなったときに残された家族が揉めずに済むんです。
遺言の効力が出るのは本人が亡くなってからです。
ちなみに、本人が生きている間は何度でも書き直せます。
🟩なんで遺言って大事なの?

想像してみてください。
親が亡くなって、悲しみに暮れる中、
葬儀のドタバタが終わって、疲れ切った後に、
こまめにコンタクトを取り合っていない兄弟姉妹同士の
「誰が家を継ぐ?」
「預金・株式はどう分ける?」
って話し合い。
さらに、
妹:「介護を頑張ったから、遺産は多くもらうべきだ」
兄:「俺は長男だぞ、家を引き継いでいく権利がある」
とか言い出して、争いが始まっちゃうわけですよ。
いやはや、想像するだけで恐ろしいですね。
こんな状況、はたして両親は望んでいるでしょうか?
遺言があれば
ケンカを防げる
手続きがスムーズになる
そして何より「親の思い」を残せる
という効果があります。
では、もう少しだけ詳しく説明していきます。
🟩一般的な遺言の種類
遺言には、いくつか書き方のパターンがあります。
(特殊な状況で書く遺言もあるみたいですが、ここでは割愛)
ざっくり分けると次の3つ。

▶️ 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
その名の通り、自分で紙に手書きするやり方。
一番身近で、お金もかかりません。
ただし注意点もあります。
「日付」「署名」「押印」など、決まりを守らないと
その遺言書が無効になることもあるんです。
▶️ 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
これは公証役場という“公式の場所”で作るタイプの遺言です。
公証人(法律の専門家)が、法律的に形式が正しいかチェックしてくれます。
開けてみたら「無効な書き方でした」という可能性はほぼありません。
そして、公証人が本人の面前で、「この内容であってるよね?あなたの意思ですよね?」ときちんと確認します。
その上で、国の公的機関(公証役場)が、その遺言書を保管してくれます。
なので、「これは本人の意思で書いたものか?誰かが改ざんしたりしていない?」と揉める心配もほとんどありません。
お金はかかりますが、きちんと残したい人に向いています。
ちなみに私はこれで作りました。
▶️秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)
公証役場で、遺言書の存在と封印の正当性を公証人に証明してもらう形式です。
簡単に言えば
「内容は他の人に見られたくないけど、遺言書があることはしっかり残しておきたい。ちゃんと封をしたからね。死んだあとに開けてみて。」
という遺言書になります。
▶️その他
・検認
検認とは、遺言の状態を家庭裁判所で確認して記録に残す手続き(有効・無効を決めるものではありません)。
つまり、遺言が本当に本人のものかどうかを、家庭裁判所で確認する手続きのことです。
公正証書遺言は、この検認は不要です。
・法務局の自筆遺言保管制度
自筆遺言書を失くさないように公的機関に遺言を預かってもらう制度があります。
紛失・改ざんの心配が減ります。
▶️まとめると
一覧表にしてまとめてみます。

🟩知っておくと安心なこと
ここはざっくりで大丈夫です。
・遺留分(いりゅうぶん):配偶者・子・直系尊属に保障される遺産の“最低限の取り分”です。(兄弟姉妹には遺留分はありません。)
そのため、たとえば「長男に全部あげる!弟には一切あげない」は揉める原因になります。
なお、請求してはじめて取り戻せる権利です。
・遺言執行人:これは遺産分割の“進行役”です。誰か一人が決まっていると、手続きがスムーズになります。遺言執行人が代表して銀行などの手続きできます。
遺言執行人がいない場合、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要で、その手配や連絡調整が非常に手間になります。
・付言事項(ふげんじこう):「ありがとう」とか「母さんをよろしく」なんて本人の気持ちを書けます。財産以外の思いを残せます。
・負担付き遺贈:たとえば「家をあげる代わりに介護をよろしくね」と条件をつけることも可能です。
🟩実際に作ってみて気づいたこと
▶️親の意思表示能力がないと作れない。

認知症になって、判断能力を失い、自分の意思を表示できない状態になってしまうと、遺言は作れません。
親が元気なうちに作りましょう。
▶️親の意見を直接聞いたのがよかった
遺産の配分を決めるのは、あくまで親の権利です。
私は、遺言書を作ってもらうときに、親に任せきりにするのではなく、ヒアリングして、どう残したい?と直接聞き出しました。
父が「お前たちにも残すが、まずは、残される母さんの生活が心配ないようにしたい。」
母は「とにかくケンカしないように仲良く分けてほしい」
との言葉を直接聞くことができました。
その思いをもとに、相続する配分を決めました。
▶️家族全員で聞くことに意味があった

私は弟がいるのですが、両親・弟もいる場で、両親の思いを直接聞いて、弟と共有することを徹底しました。
兄弟間では特に揉めることなく、相続する配分を決められたのは、これが大きかったかもしれません。
仮にですよ、弟が遺産独り占めしたいと思っていたとしても、
両親を目の前にして、両親から公平に分配するという意思を聞けば、
自分だけたくさんもらいたいという要望は通らないだろうと
思いとどまるかもしれません。
兄弟間で仲が悪い場合は、なおさら、親が元気なうちに、意思を共有した方が良いでしょう。
▶️付言事項にもきちんと書けた
単なる分け方だけじゃなく付言事項として、「仲良く分けてください」と両親の思いを記載しました。
いざ実際に相続が発生した際に見返すことで、揉める要素が軽減できると思います。
▶️家族信託に預けた資産には遺言の効力はない
私は、家族信託という制度(親の財産を預かって財産管理する)を使いました。
家族信託に移した財産は、契約書の通りに相続されます。遺言で配分の変更はできません。
家族信託で預けた財産をどう分配するかは家族信託の契約書に記載する必要があります。
ご注意ください。
▶️明確に分け方を書かなければいけない

私のケースでは、まだ、弟と私とどちらが両親の介護をするか決まっていませんでした。
私は介護の負担が多い方が、多くもらうべきだという考え方だったので、
介護を頑張ったほうが多くもらえるような遺言にしたかったのです。
しかし、司法書士の先生に確認したところ、
そういった書き方はできません。
明確に分け方を書く必要があるといわれてしまいました。
具体的な分け方を遺言の本文に書く必要があります。
たとえば「自宅は長男に」「預金の3分の1は長女に」など、誰に何をどのくらい渡すかをハッキリ指定する。これなら確実に効力があります。
詳細は、実際にやるときに専門家の方に聞いてくださいね。
🟩まとめ
ここまでざっくりと遺言のお話をしてきました。
要するに遺言とは、
「本人が亡くなったときに、残された家族が揉めないように財産配分メモ」
です。
むずかしい法律用語や仕組みを完璧に覚える必要はありません。
大事なのは、
親の意思表示能力がないと作れない。
効力が出るのは亡くなった後
書き直しは何度でもできる
法律で決められた方式で書かないと無効
具体的に“誰に・何を・どのくらい”と書かないと効力は出ない
家族信託に預けた資産は、遺言の範囲から外れる
このくらいをイメージで押さえておけば十分です。
そして、私が実感したのは “遺言を作る過程そのものが大切” ということ。
家族で集まって親の思いを直接聞く、それが一番の安心につながります。
この記事で「遺言って、だいたいこんなものなんだな」とつかんでもらえたらOKです。
実際に作るときは、必ず専門家に相談してくださいね。
🟩次に読む記事
親の終活をスムーズに進めるには、制度の知識と家族の信頼関係づくりの両方が大事。
そこで次に読んでいただきたい記事を2つ紹介します。
▶️ [終活に関する制度まとめ記事]
「制度っていっぱいあって、正直よくわからない…」という方のために、その他の制度の概要はこちらです。
工事中
▶️親子の信頼関係づくりまとめ記事
親に「どう切り出せばいい?」「親が嫌がったらどうしよう?」と悩む人はこちらです。
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