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バジールのアトリエはなぜ特別なのか-4つのオルセー展で聞く絵の声

数々のnoteの中から
おいでいただきありがとうございます。

ここで
絵の「声」を
わたしと一緒に。
少しだけ聞いていただけたら嬉しいです。

西洋美術館で行われたオルセー展で
「バジールのアトリエ」が展示されておりました。

そのテーマで
1本記事を書き進めておりましたが
完成まで行く前に
タイミングが過ぎてしまったので、
最近立て続けに開催された
3つのオルセー展で
それぞれの絵が、何を語っていたのか
その「声」をまとめてみたいと思います。


最後には2026年11月にくる
オルセーの絵も紹介しております。
ぜひさいごまでお楽しみください。


オルセー美術館とは

オルセー美術館(オルセーびじゅつかん、: Musée d'Orsay)は、フランスパリにある19世紀美術専門の美術館である。印象派の画家の作品が数多く収蔵されていることで有名。

ウィキペディアより

フランスには印象派の美術館が多数ありますね。
オランジュリーやマルモッタンなど…

当初、サロンなどの正統派からは
印象派は評価されておらず
だいぶ後世までルーブル美術館に印象派を入れることを
拒んだとのことで。
印象派近辺の美術館が多いのは
そう言った事情もあったのかもしれません。

そんな中でもオルセーは印象派を代表する美術館です。
そして、印象派の画家たちの「声」が
最も濃く集まっている場所でもあります。

東京は「オルセーとマブダチなのか」ってくらい
オルセー美術館展が続きました。

3つの振り返りと1つのオルセー展を予習したいと思います。


三菱一号館 ルノワール×セザンヌ

2025年5月29日(木)〜9月7日(日)に
東京丸の内の三菱一号館美術館で開催された

オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより
ルノワール×セザンヌ ―モダンを拓いた2人の巨匠

です。

オルセー主ではなく
オランジュリーの企画する展示だったのですね。

本展は、フランス、パリのオランジュリー美術館が、ルノワールとセザンヌという印象派・ポスト印象派の画家に、初めて同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展です。
ルノワールの代表作《ピアノの前の少女たち》やセザンヌの代表作《画家の息子の肖像》をはじめとし、2人の巨匠による肖像画、静物画、風景画、そして、2人から影響を受けたピカソを加え約50点の作品から、モダン・アートの原点を探ります。
また、この世界巡回展はオランジュリー美術館とオルセー美術館の協力により、ミラノ、マルティニ(スイス)、香港を経て来日し、三菱一号館美術館が日本唯一の会場となります。
ルノワールとセザンヌの交遊と合わせて、自在で多様な表現が生み出されるモダン・アートの誕生前夜に立つ2人の巨匠の、卓越した芸術表現を存分にお楽しみいただけます。

オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ
―モダンを拓いた2人の巨匠 より

日本国内巡回も面白い展示が多いですが
こちらは世界巡回展
ワールドレベルの巡回展は
格別良いものが多い印象です。

こちらの展覧会は、
「桃」や「沐浴」など
ルノワールとセザンヌの同じ主題の絵を
隣同士において比較できるような贅沢な展示で
オルセーとオランジュリーの
潤沢な所蔵があってこその
展示方法だと思います。


この後の西洋美術館でも
ルノワールのピアノを弾く少女の絵が来て
大人気となりましたが、
三菱一号館で展示されたのは
オランジュリー蔵の絵。
東京で2枚も
ルノワールのピアノの絵が見れるなんて幸運です。


File:Paul Cézanne - Portrait of Madame Cézanne - Google Art Project.jpg 1890年

(Googleのプロジェクトより)

こちらの
「セザンヌ夫人の肖像」は
まるで全く感情が入っていない描き方のよう。
やわらかく女性を描くルノワールとは
まるで真逆。
ここまで冷たく、どうやったら描けるんだろう、
と不思議な気持ちになりました。
まるで、感情ではなく
「構造そのもの」が語っているような絵です。


セザンヌは夫人を長きにわって
たくさん描きました。

ウィキペディアで見る限りでも24枚です。
(29枚と言われています。)
人物画は200枚近く描いたといわれるセザンヌですが
奥さんの絵が一番多かったようです。

こちらの作品は1890年。
奥様との関係も冷え切っていたらしいので
この冷え冷えの夫人像も納得なわけですが。


ルノワールとセザンヌ、
人物の書き味は両極のようですが
意外とウマがあったらしく。

柔らかい人物画を得意とするルノワールは
実はストイックで研究熱心。

気難しそうに見えるセザンヌは
柔らかい絵を得意とするルノワールと仲良し。
絵はまったく異なる語り口の画家同士。

どちらの意外性も見える展示でした。


国立西洋美術館 オルセー美術館所蔵 印象派 -室内をめぐる物語-

2025年10月25日〜2026年2月15日に
東京・上野の国立西洋美術館で開催された
オルセー展です。

外光派からの流れで
外で描くことに精力的だった印象派。
でも、あえての室内画展ということで
面白い構成だったと思います。
外光ではなく室内という
“閉じた空間”だからこそ
画家の声がよりはっきり聞こえてくる展示でした。

印象派といえば、移ろう光や大気をとらえた風景画がまず思い浮かぶのではないでしょうか。とはいえ、彼らが最初のグループ展を開催したのは、近代都市へと急速に変貌しつつあった1870年代のパリでした。現代生活の情景を画題とするなかで、画家たちは都市での暮らしにおいて重要性を増してきた、私的室内を舞台とする作品も多く手がけました。
とりわけ生粋のパリジャンであったエドガー・ドガは、鋭い観察眼でとらえた室内の人物画に本領を発揮します。またピエール=オーギュスト・ルノワールは、穏やかな光と親密な雰囲気をたたえた室内画を多数描きました。ほかにも印象派の画家たちは、個人邸宅の部屋を彩るための壁面装飾や装飾品の制作にも携わりました。このように印象派と室内は、思いのほか深い関係を結んでいたのです。
本展では、印象派の画家たちが室内空間に向けた関心をたどるべく、「印象派の殿堂」とも呼ばれるパリ・オルセー美術館所蔵の傑作およそ70点を中心に、国内外の重要作品を加えた約100点の絵画・素描・装飾美術品を展示します。オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのはおよそ10年ぶりとなります。さらに今回は、若きドガの才気みなぎる代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》が初来日を果たします。エドゥアール・マネ、クロード・モネ、ポール・セザンヌ、カミーユ・ピサロ、ベルト・モリゾらの名作も一堂に会する本展で、室内というテーマを通して印象派のもうひとつの魅力をご堪能いただければ幸いです。

公式サイト より

良作が多かったのですが
個人的にはカイユボットの絵が多かったのが嬉しかったです。


私の書いたオルセー展のレビュー記事は
超絶気になる画家
エドゥアール・イポリット・マルゴテ
に焦点を充てて書かせていただきました。

私も知らない画家なんですが。
あまりに気になったので
マルゴテさんのレビューのみで終わっちゃいました。

本当はオルセー展は続きを書いていて
テーマはバジールを予定していました。

バジールのアトリエ フレデリック・バジール 1870年 オルセー美術館蔵

《バジールのアトリエ》(L'atelier de Bazille)は、フランスの印象派画家 フレデリック・バジール によって1870年に制作された油彩画(カンヴァス)である(エドゥアール・マネ の加筆を含む)。1986年以来、オルセー美術館 のコレクションに所蔵されている。画面には、画家自身が友人や自身の作品に囲まれてアトリエにいる様子が描かれており、1870年当時のパリの芸術的および社会的状況を捉えている。

ウィキペディア バジールのアトリエより 日本語訳

こちらの絵、
印象派好き界隈にはけっこう有名な絵です。
バジール自体が
モネやルノワールより知名度は低いものの
印象派の立役者として
印象派ファンには一目置かれているイメージです。

バジールは裕福な家庭に生まれ、
絵が描きたくてパリの画塾に入りました。
どうやら、家には医学を勉強すると約束し、
絵を描くことを許されていたようです。

モネととても仲が良くて
他にもルノワール、シスレー、ピサロ、セザンヌ
といった仲間と絵を描きました。

1870年の普仏戦争で戦死しているので
1874年から始まる
印象派グループ展には参加できなかったのですが
ここまでの流れは
バジールのお金と熱意があってこそ、だと思います。

特に資金の援助が大きかったでしょうか。
苦しかったモネの絵も買っていますし
みんなが集まれるアトリエも用意していました。

詳しくはウィキペディアでも。

バジールのアトリエ

 バジールのアトリエ より 加筆バージョン(自作)

バジールのアトリエは
見るところがいっぱいあって面白いです。

印象派界隈の有名どころがざくざくでてきます。

ちょっと解説画として加筆してみました。
中心のバジール(赤)は
マネが描きいれたと言われています。

そんなマネ(黄)はバジールの隣。
絵の助言をしているんでしょうか。

右のモネの静物画「果物」の下
ピアノを弾くメートルはバジールの友人です。

階段の人物(水色)は
モネ、ルノワール、シスレー、
エミール・ゾラ、ザカリー・アストリュク
のいずれかと言われています。
(私はモネ・ルノワール説をとってみました)

絵の方もけっこう特定できている部分が多くて
みいってしまいますね。
中心にある「村の眺望」はサロンでも入選している
バジールの自信作。

右上のルノワールの絵は浴女ではなく
どうやら「二人の人物のいる風景」ではないかと。
現存するのは左下部分「鳥を持つ女」とのこと。
(Wikipediaより)

この絵のアトリエは
マネの通うカフェゲルボアからも近く
モネ、ルノワール、マネのほか、
カミーユ・ピサロ、セザンヌ、クールベも
訪問したそうです。

セザンヌクールベも訪問した、
というところがアツいポイントです。
お互いが重なる時期はないかもしれませんが
二人が逢っていたら…面白いのに。
(ただ、けっこう年は離れています)

ちなみにこの絵、
さらにもう一つエピソードがあって、
X線写真鑑定の結果、
作品の下に隠された構図があったのです。

ルノワールの「狩人ディアナ」に似た絵が
下にあったそうです。
バジールがルノワールと
アトリエを共有していた時期がありますので
バジールがルノワールの作品を
模写や研究のためのモデルとして用いたのでは、
と言われています。

バジールの絵は
印象派が好きな方、絵が好きな方にとっても
重要なポイントとして愛されている作品です。
ここに描かれているのは
ただの「重要人物」ではなく
「これから始まる何か」そのもの。
これからはじまる「印象派」を予感させます。
その場に満ちている熱や気配が
ざわめきのように
絵の中から確かに伝わってくるのです。

アーティゾン美術館のモネ回顧展
「モネ没後100年 クロード・モネ ー風景への問いかけ

2026年2月7日〜2026年5月27日に
東京・京橋のアーティゾン美術館で開催された
モネ展です。
記事をアップした現時点では
まだ開催中ですので
気になる方はぜひ行かれてみてください。
(日時予約券が略奪戦のようなので購入はお早めに)


印象派立役者のバジールですが、
アーティゾンのオルセー展(モネ展)にも
絵が2点ほど来ていました。

バジールのモネを描いた絵
「野戦病院」については
記事を書いておりますので
よければご覧ください。

先ほどのアトリエ仲間の
シスレーについても
書かせていただいています。

オルセー美術館 モネ展
のモネの絵に関しては
二つ目の記事に書かせていただきました。

こちらの展示も
オルセーが貴重な絵を全部貸してくれたような
素晴らしい展示です。


でもさらに、
貴重な絵を貸してくださる展示が
この秋、開催予定なのです・・・!


2026年11月〜 東京都美術館 オルセー美術館所蔵展

「東京都美術館 開館100周年記念
オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」展
(東京・上野)

2026年11月14日〜2027年3月28日
開催予定です。

こちらは都美100周年記念、
オルセー美術館開館40周年記念
主催の日本経済新聞者は創刊150周年記念と
アニバーサリーイヤーが重なり
相当気合いの入った展覧会です。

気合いの入り方は、目玉となる2点からも
みることができます。

サイトトップの画像が2枚。
ミレーの「落穂拾い」と
ゴッホの「ローヌ川の星月夜」です。

Jean-François Millet Des glaneuses 1857
huile sur toile H. 83,5 ; L. 110 cm avec cadre H. 116 ; L. 143,5 ; EP. 8 cm Donation sous réserve d'usufruit Mme Pommery, 1890
© Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt
ジャン=フランソワ・ミレー 落穂拾い 1857年
Vincent van Gogh La Nuit étoilée 1888
huile sur toile H. 73,0 ; L. 92,0 cm. Donation sous réserve d'usufruit M. et Mme Robert Kahn-Sriber, en souvenir de M. et Mme Fernand Moch, 1975
© RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Adrien Didierjean
フィンセント・ファン・ゴッホ ローヌ川の星月夜 1888年

ミレーが好きだったゴッホも、
2大絵、として
ミレーの隣においてもらって
喜んでいるのではないでしょうか。

作品名は
「La Nuit étoilée(ラ・ニュイ・エトワレ)」で、
フランス語で「星月夜(ほしづきよ)」
または「星の降る夜」。
素敵!

有名な方の星月夜(アメリカ・ニューヨーク)
と分けるために
ローヌ川、を加えているのでしょう。

こちらの2点が一挙にみれるって
贅沢すぎませんか・・・

でもまだまだ来るんです。
モネ、ルノワール、ドガ、
ゴッホ、ゴーガン、ナビ派など。

ルノワールからは
「読書する女性」。

読書する女性はバージョン違いが
たくさんあるそうですが
オルセー美術館所蔵のこちらが
一番有名な作品のようです。
こちらの作品は
前述したオルセー室内展にも
きておりました。

Auguste Renoir La Liseuse entre 1874 et 1876
huile sur toile H. 46,5 ; L. 38,5 cm avec cadre H. 72,2 ; L. 63,7 ; EP. 9 cm
Legs Gustave Caillebotte, 1896
© GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) /
Hervé Lewandowski Auguste Renoir - La Liseuse Copier la légende
ピエール=オーギュスト・ルノワール 読書する女性 1874年-1876年

オルセーから所蔵を調べていて気づいたのですが

Legs Gustave Caillebotte

https://www.musee-orsay.fr/fr/oeuvres/la-liseuse-495

と書いてありますね。
カイユボットの遺産(所蔵)だった、
ということでしょうか。


そんなカイユボットからはこちら。
じゃじゃーん!です。

Gustave Caillebotte Raboteurs de parquets 1875
huile sur toile H. 102,0 ; L. 147,0 cm. Don, 1894
© GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Franck Raux
ギュスターヴ・カイユボット 床に鉋(かんな)をかける人々 1875年

カイユボットといえばこの絵!
といった感じなんですよね。
ずっと見たかった絵ですので、嬉しい。

カイユボットといえばこの「床に鉋…」か
「パリの通り、雨」が有名かと。

雨の方はシカゴ美所蔵です。

ちなみにもう一枚来ることが紹介されていました

Gustave Caillebotte Les Soleils, jardin du Petit Gennevilliers,
vers 1885 Musée d'Orsay Dation, 2022
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Franck Raux See the notice of the artwork
ギュスターヴ・カイユボット ひまわり、プティ・ジュヌヴィリエの庭 1885年

カイユボットは前回の
西洋美術館の室内オルセー展でも
何枚かきてくれていていましたが
とても良い絵でした。

カイユボットは
風景画がとりわけ良いのですよね。

実際に絵の前で
筆致が細かく見れると
カイユボットらしいなあ、という感じとれる絵です。
(ドイツでみた風景が特にいい絵だったので
改めてカイユボットの回を書きたいと思っています。)

今回はオルセー所蔵の代表作「床に鉋…」がきますので
今まで見た風景画とどのように違うのか。
待ち遠しいです。


他にも、
終焉のゴッホ。

Vincent van Gogh La Méridienne entre 1889 et 1890
huile sur toile H. 73 ; L. 91 cm avec cadre H. 91,5 ; L. 118 ; EP. 15 cm Donation sous réserve d'usufruit Mme Fernand Halphen, 1952
© Musée d’Orsay, dist. GrandPalaisRmn / Patrice Schmidt
フィンセント・ファン・ゴッホ 昼寝(ミレーにもとづく) 1989年-1990年

ひまわりの模写で
「どす昏い黄色」の技術を手に入れ
死に向かっていくゴッホは
この「どす昏黄色」を使って
「もう一度ミレーをなぞってみよう」と考え
晩年にまた、ミレーの絵を模写しています。

その一枚。
都美で開催されたゴッホ展でも
他のバージョンのミレー模写がありました。
(「羊毛を刈る人(ミレーによる)」 1889年9月
公式サイトの第三章、「サン=レミ / オーヴェール= シュル=オワーズ」の
タブの中に該当の絵があります。)
https://gogh2025-26.jp/works/

ゴッホ展のレビューを見ると
noterさんによっては
この時期のミレー模写
明るい黄色が明るくて良い、
という方もいらっしゃるみたいです。

名画こそ、いろんな視点が生まれるものですね。
面白いなと思います。

わたしには、みているだけで
精神を持っていかれるような
ずーんと憂鬱になるような、
どすぐろさ、と感じます…

ゴッホの晩年の病院以降の絵は
何度展覧会に行っても慣れず
鑑賞には辛いものがあって。

この時期の絵は
「声を聞こうとすると、深く入りすぎてしまう」
そんな危うさを感じています。

自分から、声を聞くための心の扉を
意識的にピシャリと閉めています。
(防衛本能的なところで)

ときどき、目の前に立つのも危なくて
絵と目を合わせず
素通りすることもあるのですが。

でも秋には、こちらの貴重な絵も
展示されるということですので
その時にはぜひ
深く潜って、声を聞いてみようかな。
挑戦してみたいと思っています。

今回は
そんなゴッホの心の友でいてくれた
ロートレックの絵もくる予定。

Henri de Toulouse-Lautrec Henri Samary 1889
huile sur carton H. 75,0 ; L. 52,0 cm. Donation sous réserve d'usufruit Jacques Laroche, 1947
© Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック アンリ・サマリー 1989年

ロートレックが若き俳優を描いた作品。
1890年代から花のリトグラフ時代なので
一番脂の乗っている時期の油絵です。
人物を捉える力は
さすがロートレックといった作品です。

他にもボナール

Pierre Bonnard Intérieur vers 1920
huile sur toile H. 53,0 ; L. 57,0 cm. Donation Max et Rosy Kaganovitch, 1973
© Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt
ピエール・ボナール 室内 1920年ごろ

ドニの絵もくるようです。

Maurice Denis La Famille Mellerio 1897
huile sur toile H. 118,5 ; L. 110,6 cm. Achat en vente publique, 1943
© RMN-Grand Palais (Musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski
モーリス・ドニ メレリオ一家 1897年

ボナールとドニ。
二人はナビ派と紹介されることが多いです。

ただ、ボナールは最近はナビ派ではなく
アンティミスト(親密派)
というらしいのですが
国立新美術館でボナール展を開催した2018年のサイトでは
どちらもナビ派だと解説されていて
親密派とは一言も書いていません。
「親密さ」を大切にしていたという解説でした。

「親密さ」というテーマは、ナビ派の一員であった1890年代から晩年までボナールを魅了し続けました。一見するとありふれた室内には、人工的な照明や独特のフレーミングによって、親密さと同時にどこか謎めいた雰囲気がただよっています。そこでは、燃えあがる色彩によって、慣れ親しんだモティーフが未知のものへと変貌を遂げているようです。日常世界の微細な変化にも目を向け続けたボナールは、それをカンヴァス上に定着させることを「時間の静止」と捉えていました。

オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展 解説より

時とともに分類も変わってくるのでしょうかね。

時間の静止、は
ボナールの絵の最大のテーマだと思います。
今回の絵もテーマにそった良い絵だと思います。
そしてわたしが勝手に「良いボナール絵」
と思っている絵の重要ポイント
「奥さん」「犬猫(動物)」「赤色」の
全部入り、のような絵で、見応え十分ですね。
楽しみです!

まとめ

今回は
オルセー美術館を軸に
絵の「声」を追いかけてみましたが
いかがでしたでしょうか。

バジールのアトリエを
主にご紹介したかったのですが
11月にくるオルセー展が重量ありすぎて
最後の方が大きめになってしまいましたね。。

次に来るオルセーの絵たちからは
どんな声が聞こえてくるのか。
ご一緒に楽しみにしていただけたら
わたしも嬉しいです。


質問、聞きたいこと、ご感想等、
お気軽にコメントを書いていただけるとうれしいです。




記事をまとめてみました。
ご興味のある記事がありましたらぜひお読みください!

はじめに01 -絵の声を聴く、アート鑑賞について- 好きな画家さん一覧
https://note.com/killamaru/n/n0cb504116a87
書き始めた経緯やこのNoteの説明など

はじめに02 -アートの声を聴く鑑賞について-
https://note.com/killamaru/n/n3b42879699f8
「はじめに」の続きですが、私のNoteの中では、♡率が高くて、ありがたいです。

はじめに03 -審美眼は何年で身につくもの?
https://note.com/killamaru/n/ne9792bc439fe

<ドイツ旅2026>
ドイツから戻ってきました -2026.01.13 近況報告-
https://note.com/killamaru/n/nce677f79afbc

デューラーと話したくて家に2回おしかけた話 - デューラーズハウス -
https://note.com/killamaru/n/n681100d72660

フェルメール報告会 - ドイツ旅で鑑賞した絵のレポート -
https://note.com/killamaru/n/n9509726b7b11

フェルメールに隠された法則 - 嫌いだったフェルメールが好きになれた秘密 - [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/nab3fbbd02386

<若冲>
若冲からはじめて呼ばれた話 -泉屋博古館東京-
https://note.com/killamaru/n/n79a61287feed

若冲は、今日も私を呼ぶかしら - 三井記念美術館「円山応挙」展 -
https://note.com/killamaru/n/na07051e46676

若冲は、もう1人の天才にためらう、の話 - 東京藝大美術館 -相国寺展
https://note.com/killamaru/n/n85b940e93ef9

<ゴッホ>
[ディープ]ゴッホのひまわりって、おいしいの? - 西洋美術館 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
https://note.com/killamaru/n/n69330619f156

「あなたはどんな鑑賞タイプ?」と「ゴッホの死相」について ゴッホ展 -東京都美術館-
https://note.com/killamaru/n/na3e315c32ca0

ゴッホ美術館(アムステルダム)に行ってきた -美術館レビュー(絵多め)-
https://note.com/killamaru/n/n4e65dea66a63

おいしそうな絵はここにも(ピエール・ボナール) -「ひまわり」異変の後日談-
https://note.com/killamaru/n/n32920ae6c2de

<美術展>
ブラックホールを作りだせる画家 -仙厓展@出光美術館- [ディープ]
https://note.com/killamaru/n/n576fe4a903b7

絵から音がしない理由 -ユトリロ展(SOMPO美術館)-
https://note.com/killamaru/n/nd086f4b57077

定家にきゅんきゅん -国宝熊野御幸記と藤原定家展レポート(三井記念美術館)-
https://note.com/killamaru/n/ne15a8591b9e4

伊勢物語展 -根津美術館- 岩佐又兵衛に感じるもの
https://note.com/killamaru/n/n522358cdf891

僧侶の背中には、実は何があったのか -特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」-
https://note.com/killamaru/n/nb87fb034c08e

マチュピチュの展示じゃない?!けど、興味深い -マチュピチュ展-
https://note.com/killamaru/n/n5dd9d6de4666



<岡本太郎とウォーホル>
岡本太郎の絵をめくってバックヤードをのぞいた話[ディープ] - ウォーホルの続き -
https://note.com/killamaru/n/ndd21dc5e0255

アンディ・ウォーホル「SERIAL PORTRAITS」展(ルイヴィトン) - 岡本太郎のために力をお借りします -
https://note.com/killamaru/n/ndd1a969b04ba

<ランキング>
[異変の起こった美術展ランキング]2025年行った美術展の中から)
https://note.com/killamaru/n/n853c88ce272c


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