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【5大ジュエラー編|第4話:ヴァン クリーフ & アーペル(Van Cleef & Arpels)—愛と詩情が紡ぐ魔法のジュエリー(前編)】

「恋愛が生んだメゾンとミステリーセッティングの魔法」
創業自体が宝石職人と宝石商の娘の“愛の結婚”から始まったヴァンクリ。そのロマンティックな出自が、詩的なモチーフや“ミステリーセッティング”という画期的技術と結びつき、世界をどのように魅了していったのか。アルハンブラの四葉のクローバーモチーフがもたらす幸運伝説や、妖精ブローチが織り成す夢のようなジュエリーの世界を、そっと覗いてみませんか。

●ハイブランド・ジュエリー編
①5大ジュエラー 
前編 / 後編
②ティファニー 
前編 / 後編
③カルティエ
前編 / 後編
④ヴァンクリーフ&アーペル
前編 / 後編
⑤ハリーウィンストン
前編 / 後編
⑥ブルガリ
前編 / 後編
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四回目はヴァンクリーフ&アーペルです!

パリ・ヴァンドーム広場が育んだロマンティックメゾン

「ユキくん、前回まではカルティエとティファニーを中心に語ったけど、いよいよ今回はヴァン クリーフ & アーペル(Van Cleef & Arpels)だよ。ファンタジックなモチーフや“ミステリーセッティング”で知られる、フランスのもう一つの名門メゾンだね」

夜ふかしの部屋でノートPCを開きながら、私は“うさぎ先生”の声に耳を傾ける。先生は闇の組織によってウサギの姿に変えられてしまった元大学教授で、私(ユキ)の「ビジネスモデル調査ノート」を手伝ってくれる相棒だ。5大ジュエラー編としては、すでにティファニー(Tiffany & Co.)やカルティエ(Cartier)を深掘りしてきたが、今回第4話の主役は愛の物語から始まったと言われるヴァンクリ――正式にはヴァン クリーフ & アーペル(VCA)。

「ヴァン クリーフ & アーペルって、四葉のモチーフのアルハンブラや、爪が見えないミステリーセッティングが有名ですよね。あと“妖精ブローチ”や自然の花や蝶々モチーフなど、すごく夢のあるイメージが…」
私がそう言うと、先生はウサギの耳をぴょこんと動かしながら微笑む。

「まさに詩情ロマンティックという言葉が似合うブランドだね。今回は前編として、ヴァンクリがなぜ“愛のメゾン”と呼ばれるほどロマンティックなのか、そして最も革新的な技術であるミステリーセッティングを中心に、創業期からアールデコ期までの姿を掘り下げてみよう。後編ではアルハンブラや現代のハイジュエリー展開、Poetry of Timeなどの時計コレクションをさらに紹介する予定さ」


夫婦のブランドって素敵ですよね!

【1】ヴァン クリーフ & アーペル――恋愛から始まったロマンティックメゾン

1.1 1896年、宝石職人と宝石商の娘が結婚して誕生

「ヴァン クリーフ & アーペルが他のメゾンと違うポイントの一つは、創業自体が“恋愛結婚”から始まっていることだよ。1896年、宝石職人のアルフレッド・ヴァン クリーフと宝石商の娘エステル・アーペルが結婚したのがブランドの原点と言われているんだ」と先生が声を弾ませながら解説する。
当時、パリの宝石商たちは職人的技術と商才を分業することが多かったが、ヴァンクリの場合は双方の家系が結婚という形で結ばれ、それを機に家業を統合するかたちでブランドが誕生。1906年にはパリ・ヴァンドーム広場に本店を構え、上流階級や貴族層をターゲットに“優雅で詩的なジュエリー”を提供し始めた。
私(ユキ)は思わず「そんなロマンチックなスタート、まるで宝石のラブストーリーそのものじゃないですか…」と感嘆する。先生は「そうさ。‘恋愛から生まれたメゾン’という事実自体がブランドイメージに大きく貢献しており、後の“愛や詩情を宿すデザイン”とも結びついていくんだよ」と耳をピョンと揺らす。

1.2 パリ万博や王侯貴族の注目で急成長

創業期には、パリ万博などの国際展示会が盛んで、ヨーロッパ王室やロシアの貴族などがパリに集まっていた。カルティエショーメなど強豪メゾンが軒を連ねるなか、ヴァンクリは恋愛をモチーフにした優雅なジュエリーや、上質な宝石を活かした技巧的デザインで好評を得る。先生いわく「王室や富裕層向けに、実用性より美しさを追求したティアラやネックレスを相次ぎ制作したんだ。そこに創業者の技術と商才がマッチして、若いブランドながら早くから国際的に知られるようになった」という。
特にアールデコ期を迎える1920年代には、ヴァンクリもカルティエらと同様に幾何学的デザインや鮮やかな宝石のコントラストを取り入れつつ、自社らしい詩的モチーフをアレンジして差別化を図った。私が「カルティエがアールデコをモダンに引っ張ったイメージありますが、ヴァンクリはそこでどういう特徴を出したんでしょう?」と尋ねると、先生は「まさに次のミステリーセッティングなど独自の技術で差別化しつつ、花や蝶のような有機的なモチーフを多用してロマンティックな世界観を演出していたんだ」と応じる。


お値段も見た目もとんでもないです!

【2】ミステリーセッティング――爪が見えない魔法の技術

2.1 1933年に特許取得。“宝石が浮いて見える”革命

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