ソウルフルリズムマシーン
コテコテミュージシャン集第四弾はリズムセクション編です。リズムがキモのこのジャンルですがコテコテだと同じメンツばかりで案外いないのでベース、ドラム、パーカッションをまとめて紹介します。
ベース
オルガンだとベースを弾けるしラテンだとパーカッションがリズムの花形なのもあってコテコテ界ではそこまで多くはないですがJBのファンキー化以降オルガンやラテンでもその影響でベースが入ることがふえます。なので皆60年代後半以降の人物。
チャックレイニー
エレクトリックベースの始祖の1人。ウッドベースそのままの奏法とエレキベースならではの奏法をミックスさせたグルーブを作り出した第一世代の1人。洗練された作品から武骨な作品まで活躍は多岐にわたります
ジェリージェモット
チャックと比べるとゴツゴツしたいい意味で洗練されてないベースが持ち味。なので練られたA級作品より出た所勝負のB級作品とか荒くれもの共を音楽監督が引き締めた作品によく似合いますが流石はAチーム。なんだかんだ言ってもなんでも似合います
ゴードンエドワーズ
ジェリーよりも武骨なベース弾き。ウッドベースのようなフレージングが持ち味で縁の下の力持ち的なプレーヤー。派手さはないけど渋いおっさん。スタッフの演奏も忘れがたい。特にモントルーでのライブ映像。がっしりした体系に坊主頭のいかつい風貌の普通のおっさんが気持ちいいグルーブを作る姿がめちゃくちゃかっこいいです。派手なパフォーマンスや整ったルックスもそれはそれでいいですが音だけで勝負する姿のほうが僕は好きです
ロンカーター
エレキベースも実は上手い。めちゃくちゃボトムの低いうえに音数も多くないから渋くてドープ。エスターフィリップスのFrom a Whisper to a Scream ALONE AGAIN NATURALLYやCTIオールスターズでの演奏を聴けばもっとエレキも弾いて欲しかったと思うこと間違いなし
ジミールイス
カウントベイシーやビリーホリディとも共演した古老ですがキングカーティスバンド在籍時にエレキベースに転向。その後はプレスティッジのハウスベーシスト的な活動で同社のソウルジャズ、ジャズファンク路線を支えプレスティッジなき後もミューズやマイルストーンといったプレスティッジの後を継いだようなレーベルをメインに活躍。地味だけど参加作多数の本当の意味で縁の下の力持ちです。
ボブブッシュネル
彼もプレスティッジのハウスベーシスト的な人物。初期はでルイジョーダンやキングカーティスのバンドに在籍してヴァーブのハウスベーシストに。プレスティッジで10000番台(品番が10000番台の作品。時代柄コテコテが多い)が始まるとエレキベース需要増加でプレスティッジ入り。ジミールイスと同じく裏方に徹するグルーヴを刻みます。
この作品はジェリージェモット、ジムフィールダーも参加
ウィルバーバスコム
こうしたセッションミュージシャンたちは基本フリーランスですがなんとなくこのレーベルだとこの人が多い気がするというのがあります。プレスティッジなら前述の二人、CTIならロンカーター、マーチャントならジェリージェモット、ブルーノートならリチャードデイヴィスといった感じでしょうか。ウィルバーバスコムはメインストリームとカデットの人。お父さんはトランペット奏者でエリントンバンドにいたのですが息子はベーシスト。リューベンウィルソンやジャックマクダフ、JBと共演。さらにジェフベックのWiredにも参加。80年代以降はハンククロフォードのバンドでベースを弾くなど地味ながらもグルーヴメイカーとしてのお墨付きは十分です。
ウィルトンフェルダー
テナー奏者だった彼がなぜベースを弾くようになったのか。その理由は不明ですが初録音は68年発表のリチャードホルムズのWelcome HomeあるいはビリーラーキンのDr. Feelgoodのどちらかと思われます。70年になると一気に売れっ子ベーシストとなりコテコテだけでしぼってもジミースミスのRoot Down!やグラントグリーンのLive At The Lighthouseがあります。このシリーズは日本人との関わりが少ない人物ばかりですが彼は井上陽水、小椋佳、五輪真弓、フィンガー5と日本人のセッションにも参加しています。とはいえ僕は小椋佳以外聞いたことがないですが…ちなみにおすすめしません。コーラスがひどいです
キャロルケイ
レッキングクルーの一員ということでポップ界の裏方的なイメージがありますがエレクトリックベースの一人者ということでチャールズカイナード、クインシージョーンズ、キャノンボールアダレイ、デイヴィッドアクセルロッドとも交流があります。特にジョーパス、ポールハンフリーとは一時期トリオを組んでいてパスのBetter Daysの現行CDのボーナストラックやBefore Better DaysというLPにまとめられています。そもそもBetter Daysが金銭的に苦しんでいたパスを救うためにケイが自主レーベルからリリースしたものです。
ドラム
バーナードパーディ
オルガンとドラムの組み合わせはだいたい二種類。一つが重いオルガンに重いドラム。もう一つが重いオルガンに軽いドラム。前者がバーナードバーディです。ジャズ、ソウル、ファンク、ラテン果てはポップやロックまでNYの雑多な音楽文化を体現するような人物。正直功績がすごすぎてわざわざ語るのも野暮な気さえします。
ポールハンフリー
セッションミュージシャンとして有名ですが元はジャズドラマーであり特にレスマッキャンとの演奏はコテコテピアノの最高峰です。また60年代後期かた70年代初期にはパシフィックジャズやメインストリーム、インパルス等のコテコテに多く参加。74年頃からはセッションミュージシャンとして活動が増えますがマーヴィンゲイのLet's Get It On、ニックデカロのイタリアングラフィティ等そちらでもよい演奏を残しています。
アイドリスムハマッド(レオモリス)
ニューオーリンズ出身。この地のリズムはクセがあることで有名ですが彼もまた変わった隙間のある軽いリズムを叩きます。ただオルガンの隙間を埋め尽くすような音と合わさるとオルガンの余白と隙間だらけの軽いドラミングが上手い具合にハマるのです。ちなみに本名はレオモリスで後にイスラム教に改宗してアイドリスを名乗ります。
グラディテイト
彼も軽いリズムを叩きますが癖はなくオーソドックスなジャズドラムを確実に叩く人。というわけで本人の演奏はあまりコテコテではありませんが、彼のリズムを土台に多くの名演がされたのでコテコテには無くてはならない人物です。
パーディも参加
ビリーコブハム
テクニカルなドラマーですが手数の多さやタイトな音色はバックがコテコテでもキチンとはまります。初参加作であるホレスシルバーのSerenade To A Soul SisteのA面はコブハムやスタンリータレンタインが参加していてホレスシルバー史上最もコテコテに接近した作品であり、その後もジョージベンソンやCTIのなかでもジャズファンクよりの作品で多くリズムを叩きこんでいます。
ジョーデュークス
ジャックマクダフの子分のようなドラマーです。煽るようなドラミングはヒーティングシステムと呼ばれたこのバンドに燃料をガンガンとくべています。ジョージベンソンによると意地悪な性格で飲む買う打つが好きだったけど母親思いとクセのある人物だったそうです。
パーカッション
レイバレット
サルサで有名ですが多くのジャズ作品でもサイドマンとしてコンガを叩いています。またブーガルー作品も多く残しておりレアグルーヴ人気も高いですが本人はブーガルーはあまり語りたがらないようなのでよい印象は持っていないようです。コテコテ的にはルードナルドソンのBlues WalkとアーネットコブのParty Timeが最高です。あとホレスパーランとレッドガーランドも共演しています。二人ともハードバッパーですがパーランはピアノをパーカッションのごとく鳴らし、ガーランドはビッグバンドで映えるマンテカをスモールコンボとは思えないほどノリノリで演奏しています。
ジョニーパチェーコ
サルサの総本山であるファニアの創設者でフルート、パーカッション、MC(チーターでのスパングリッシュでのMCがめちゃくちゃかっこいい)と幅広い活動をした人物です。コテコテ界どころかジャズと接点もここで取り上げた人物のなかでは遠いですがそれでもジョージベンソンのTell It Like It Is(アレンジャーはマーティシェラー!)やシャーリースコットのGreat Scott!!なんかに参加しています。
モンゴサンタマリア
ラテンをベースにロックやソウルやジャズの美味しいとこを混ぜ合わせた音楽がめちゃくちゃ楽しい。これはモンゴ1人と言うよりアレンジャーのマーティシェラーやバーナードバーディ、ソニーフォーチュンなどのバンドメンバーらとの相互作用によるものです。どの時代も素晴らしいですがリバーサイド後期からCBS、アトランティック期がコテコテ的には最高です。
ウィリーボボ
彼もまたラテンをベースにロックやソウルやジャズの美味しいとこを混ぜ合わせた音楽がめちゃくちゃ楽しい。いわゆるブーガルーと呼ばれるノリノリ音楽をやっていました。ヒット曲を集めてなんでもブーガルーにしてしまう。楽器やスタイルは違えどやっているのはソウルジャズと同じです。

