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♣︎39 保育者が守る仕事

保育者が守る領域
任せていい領域

一人の保育者が少し申し訳なさそうに言った。

「それでも最後は私たちが全部やるんですよね」

周りの先生たちも静かにうなずきだした

保育プランナーはその様子を見ながらゆっくり話し始める

「全部やらなきゃ」は責任感の裏返し

「先生たちはとても責任感があります
だからこそ
誰かに任せることが不安になるんです」

「自分が見た方が安心」
「最後は自分で確認したい」
「もし何かあったら自分の責任」

そんな思いを抱えている先生は本当に多い

でもそこで一つ質問したい

『先生たちが本当に全部やる必要がありますか?』

保育者たちは少し考え込んだ

なぜ保育者が全部抱えてきたのか

プランナーはホワイトボードに「これまでの保育現場」と書く

そしてこう続ける

「これまで保育現場ではこんな考え方が当たり前です」

  • 子どものことは現場が一番わかっている

  • 外部の人には任せにくい

  • 最後は現場が責任を負う

「だから自然と…」

『行事も全部を保育者がやるもの』

そんな空気ができてきた

「でも実は
この中には一つ
大きな思い込みがあルト考えたら?」

保育者にしかできない仕事

プランナーは少し力を込めて言う

「まず最初にはっきりお伝えします」

そして一つずつ挙げていった

子どもの発達を理解すること

「この年齢ならここまでできる」
「今日は少し疲れているかな」

そんな小さな変化に気づけるのは毎日子どもと関わっている先生だから

子どもの気持ちを受け止めること

「朝は元気だったのに急に静かになった」
「今日は少し甘えたい日なんだな」

そんなサインを感じ取れるのも保育者の専門性

安全を守ること

危険を予測する
子どもの動き読む
安心できる環境をつくる

これは経験だけではなく
保育の専門知識があるからこそできること

日常とつなげること

「今日の経験が明日の遊びにつながる」
「行事だけで終わらせない」

これも保育者だからできる大切な仕事

プランナーは保育者を見渡しながら言った

「これが先生たちの専門領域です」

「ここは誰にも代われません」

「そして先生たちが一番力を発揮できるところ」

行事には別の仕事もある

少し間を置いてプランナーは続けた

「でも行事にはもう一つの仕事があります」

ホワイトボードに書かれた言葉は

  • 全体の流れを整理する

  • 見せ場を決める

  • 時間を調整する

  • 人の配置を考える

  • 削る判断をする

保育者の一人がつぶやきます

「これって……イベントの仕事ってこと?」

プランナーは笑顔でうなずきました

「その通りです」

「これは保育ではなく
イベント設計の専門性なんです」

混ぜてしまうから苦しくなる

「先生たちは今まで
この二つを全部一人で抱えてきました」

保育を考えながら
演出も考える

子どもを見ながら
進行も考える

安全を確認しながら
時間も管理する

「だから苦しくなるんです」

「先生の力が足りないからではありません」

「役割が増えすぎているだけなんです」

任せることは責任を放すことではない

保育者が少し不安そうに聞く

「でも任せるのって無責任じゃないですか?」

プランナーは静かに首を振った

「任せることと責任を放すことは別です」

「先生たちが守るべきものは子どもの育ちです」

「イベントの進め方や見せ方は仕組みや考え方を借りてもいいんです」

保育者は保育に集中していい

最後にプランナーはこう締めくくる

「先生たちにイベント会社になってほしいとは思っていません」

「先生たちは保育の専門家です」

「だからこそ子どもを見る時間を増やしてください」

「行事に迷う時間を減らしてください」

「イベントの考え方は借りればいい
その領域の専門家に頼ればいい」

「子どもを見つめる力は先生たちにしかありません」

保育者が守るべき仕事は子どもの育ちを支えること

一方で進行や演出
見せ方
全体設計などは
イベントの考え方や仕組みを借りてもいい領域

全部を一人で抱える必要はありません

保育は保育者の専門性

イベントは仕組みの力も借りながらつくるもの



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