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Quantum Observation Lab通信vol.27『ホログラムを生み出す脳』

Quantum(量子)Observation(観測)Lab(研究所)量子という目に見えない世界を観測により具現化する研究所として、発信していこうと思います。

略するとQOLとなり「Quality of LIFF(生命の質)」にも繋がります。
今回は「ホログラムを生み出す脳」です。

前回は、記憶について考えてみました。
私たちは過去の経験や記憶をもとに世界を理解しています。しかし同時に、その記憶が新しい可能性を見えなくしてしまうこともあります。

では、脳はどのように世界を見ているのかについて、車庫のシャッターの例題から探求を進めていきます。

ある日、車庫のシャッターが閉まらなくなりました。
このシャッターには安全装置がついていて、障害物があると自動的に停止する仕組みになっています。
ところが、何度スイッチを押しても閉まりません。
周囲を見ても障害物はありません。
それなのに、安全装置だけが反応していました。

調べてみると・・・
左右についているセンサーの片方が外れていて、本来見るべき方向ではない場所を見ていたのです。
シャッターの前には何もありません。
しかしセンサーは、「障害物がある」と判断していました。

また別の日には、センサーのレンズが曇っていました。
こちらも障害物はありません。
しかし曇ったレンズ越しの世界では、正常な判断ができません。
レンズを拭くと、問題なくシャッターは動き始めました。

つまり、シャッターを止めていたのは障害物ではありませんでした。
「障害物があると認識していたこと」だったのです。

これは人間の脳にも少し似ていて、私たちは普段、自分の目で世界を見ていると思っています。
しかし脳科学的には、私たちは世界そのものを見ているわけではありません。
目に入った光。耳に入った音。皮膚が感じた振動や圧力。
そうした情報を脳が統合し、「世界」として再構成しています。

つまり私たちが見ているのは、外の世界そのものではなく、脳が作り上げた世界とも言えるのです。

ここで興味深いのがホログラフィーという考え方です。
ホログラムには、一部分の中に全体の情報が含まれているという特徴があります。例えばホログラムフィルムを割っても、それぞれの断片に元の像の情報が残っています。
鮮明さは落ちますが、全体像そのものは失われません。

脳もまた、似たような働きをしているのではないかと言われています。
脳は膨大な情報をそのまま保存しているのではなく、断片的な情報から全体像を再構成しています。

私たちが見ている色。
聞いている音。
感じている空間。
それらは脳が作り出している認識の世界です。

実際、私たちには盲点があります。
視界の中には本来見えていない部分が存在しています。
しかし脳は周囲の情報から補完し、あたかも見えているかのように処理しています。
私たちは世界を見ているというより、脳が作り出した世界を体験しているとも言えるのかもしれません。

そう考えると、先ほどのシャッターの話が重なって見えてきます。
センサーの向きがズレる。
レンズが曇る。
すると本来存在しない障害物が現れます。

人間も同じかもしれません。
過去の失敗。
思い込み。
固定観念。
誰かに言われた一言。
自分で決めてしまった限界。

それらが知らないうちに、脳のセンサーの向きを変えたり、レンズを曇らせたりしていることがあります。

本当は進める道があるのに、本当は挑戦できるのに、本当は可能性があるのに、障害物があるように見えてしまう。

前回の記事で、「記憶は私たちを助ける一方で縛ることもある」と書きました。
今回改めて感じたのは、問題は現実そのものではなく、現実をどう観測しているかにある場合も多いということです。

私たちは世界をそのまま見ているのではありません。
脳というフィルターを通して見ています。
だからこそ、人生を変えるとは現実を変えることだけではなく、観測するセンサーの向きを整えること。レンズの曇りを拭くこと。
そういうことでもあるのかもしれません。

次回は、「観測することで世界は生まれる」というテーマについて考えてみたいと思います。
同じ出来事でも、人によって意味がまったく変わることがあります。
失敗に見える出来事が学びになることもあれば、チャンスになることもあります。
世界を変えているのは出来事そのものなのか。
それとも観測する私たちなのか。

Quantum Observation Lab の「Observation(観測)」というテーマを、さらに深く探究してみたいと思います。

今までのテーマのバックナンバー
vol.1『観測する自己を上げること』
vol.2『見ている先の情報が入ってくる』
vol.3『空間を意識する』
vol.4『結果に反応しない』
vol.5『無思考の潜在意識がもたらす影響』
vol.6『仕方ないからの脱却』
vol.7『振り返り、カタチにする』
vol.8『アフォーダンスと観測』
vol.9『情報の地と図を動かす』
vol.10『流れは行き先を知っている』
vol.11『地下の見えない世界が地上の見える世界を守っている』
vol.12『今までの延長線上にない”これから” 』
vol.13『 回転と光の照射』
vol.14『エネルギーの流れを見ようとする』
vol.15『強みを抽出する』
vol.16『偶察力』
vol.17『”ない”に潜むチャンス』
vol.18『エネルギーとは何か?』
vol.19『エネルギーの差が流れを生み出す』
vol.20『物理法則と共に生きる』
vol.21『私たちは何を見ているのだろう』
vol.22『情報は世界を書き換える』
vol.23『生命とは情報とエネルギーである』
vol.24『生命はなぜ秩序を維持できるのか?』
vol.25『生命とAI ~似ているからこそ違いが見えてくる〜』
vol.26『記憶とは?』


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