⭐️社員を雇っても忙しい社長へ――職人から経営者へ変わる7つの壁
社員を雇った。
売上も増えた。
会社も少しずつ大きくなった。
それなのに、
なぜか社長だけが、ずっと忙しい。
そんな会社は少なくありません。
社員を雇えば、自分の仕事は減ると思っていた。
ところが実際には、
社員への指示。
質問への回答。
進捗確認。
品質チェック。
顧客対応。
トラブル対応。
採用。
育成。
仕事は減るどころか、むしろ増えていく。
私は、この問題を単なる「時間管理」の問題だとは考えていません。
多くの場合、
社長自身の役割が変わっていないこと
に原因があります。
独立した当初は、職人でよかった。
自分で営業し、自分で作り、自分で納品する。
自分が成果を出せばよかった。
しかし、人を雇った瞬間から、社長には別の役割が加わります。
人を育てる。
仕事を任せる。
判断基準を伝える。
仕組みをつくる。
そして最終的には、
会社の未来を考える。
職人から管理者へ。
管理者から経営者へ。
会社が成長するなら、社長自身の時間の使い方も変わっていかなければなりません。
この7回シリーズでは、その流れを順番に整理しました。
第1回 社員を雇ったのに、なぜ社長はもっと忙しくなるのか
社員を雇えば、自分の仕事は減る。
そう考えていたのに、現実は逆だった。
社員への指示、質問、確認、教育、トラブル対応。
人を雇ったことで、新しい仕事が増えていきます。
問題は、人を雇ったことではありません。
社員を雇ったのに、社長自身の仕事を変えていないこと。
まずはここから考えます。
▶︎ 第1回
第2回 「自分でやった方が早い」が、会社の成長を止める
腕のいい社長ほど、自分でやった方が早い。
社員に教えるより、自分でやる。
その方が早いし、品質も高い。
短期的には正しい判断です。
しかし、それを繰り返すと社員は育ちません。
社長も、いつまでも同じ仕事を続けます。
ここでは、
職人は自分で成果を出す人。
管理者は、人を通じて成果を出す人。
という違いを考えます。
▶︎ 第2回
第3回 仕事を任せたのに、なぜ最後は全部社長に戻ってくるのか
作業は社員に任せた。
でも、
「社長、これでいいですか?」
「この場合どうしますか?」
「最後に確認してください」
と、判断は全部社長に戻ってくる。
これでは、
作業を渡しただけで、仕事を任せたことにはなりません。
どこまでスタッフが決めていいのか。
どこから社長に相談するのか。
どこまでの失敗なら許すのか。
仕事を任せるためには、権限と判断の境界線が必要です。
▶︎ 第3回
第4回 社長の頭の中にしかない「完成基準」
「なんか違う」
「もう少しスッキリさせて」
「うちっぽくない」
社長には違いが分かる。
でも社員には分からない。
なぜなら、社長は10年、20年という経験から、無意識に判断しているからです。
問題は、
その判断基準が社長の頭の中にしかないこと。
何を見るのか。
何を優先するのか。
何ならOKなのか。
何ならNGなのか。
「センスだから教えられない」で終わらせず、
判断基準を見える化することが、仕事を任せる第一歩です。
▶︎ 第4回
第5回 一番仕事ができる社員が、明日辞めたらどうなりますか?
社員を育て、仕事を任せられるようになる。
これは大切なことです。
ところが、次の問題が出てきます。
「あのお客様はAさんしか分からない」
「その案件はBさんに聞いて」
「その仕事はCさんしかできない」
社長依存を解消したら、
社員依存になっただけ
という会社もあります。
その優秀な社員が辞めた瞬間、仕事、顧客、情報、ノウハウが社長へ戻ってきます。
人が辞めない会社をつくること。
人が辞めても回る会社をつくること。
これは別の経営課題です。
▶︎ 第5回
第6回 社長の技術・センス・経験を「個人技」で終わらせない
では、どうすればいいのか。
社長が10年、20年、30年かけて身につけた、
技術。
センス。
判断基準。
成功事例。
失敗事例。
顧客対応。
見積もりの考え方。
品質基準。
これらを社長一人のものにしておくのは、もったいない。
大切なのは、
社長の個人技をなくすことではありません。
社長の個人技から、社員が学べる会社にすること。
マニュアルだけでなく、動画、事例共有、同行、振り返り、チェックリストなど、方法はいろいろあります。
職人の財産を、会社の財産へ変えていきます。
▶︎ 第6回
第7回 職人社長から経営者へ――あなたは何に時間を使っていますか?
最終回では、社長の仕事を三つに分けます。
職人
自分で価値を生み出す。
管理者
人を育て、人を通じて価値を生み出す。
経営者
会社の未来をつくる。
採用。
商品。
顧客。
投資。
組織。
戦略。
3年後の会社。
忙しい社長ほど、職人の仕事で一週間が埋まっています。
だから最後に考えてほしいのです。
あなたは先週、
職人として何時間使いましたか?
管理者として何時間使いましたか?
そして、
経営者として何時間使いましたか?
社長の時間を見える化すると、会社の課題も見えてきます。
▶︎ 第7回
全7回を通じてお伝えしたかったこと
このシリーズは、
「仕事を減らしましょう」
という話ではありません。
まして、
「社長は現場に出てはいけない」
という話でもありません。
職人として仕事をすることは悪くありません。
現場が好きなら、現場に出てもいい。
お客様と話したいなら、話していい。
大切なのは、
自分で選んでやっているのか。
自分しかできないから、やらざるを得ないのか。
という違いです。
会社が社長一人の力で動いているうちは、社長の時間以上には仕事を増やせません。
だから、
社長自身が持っている技術や判断を社員に伝える。
スタッフが自分で考えられるようにする。
一人に仕事を集中させない。
会社の中に知恵を残す。
そして、社長自身の時間を、
今日の仕事から、会社の未来へ少しずつ移していく。
これが、職人社長から経営者へ移っていくということだと私は考えています。
あなたの会社は、今どこにいますか?
最後に、三つだけ確認してみてください。
社員を雇う前と比べて、あなたが「やらなくなった仕事」はありますか?
あなたがいなくても、社員だけで判断して進められる仕事は増えていますか?
そして、
あなたは毎週、会社の未来を考える時間を確保していますか?
もし、
「社員を雇ったのに、ずっと忙しい」
「自分がいないと会社が回らない」
「人に任せても、最後は自分に戻ってくる」
という状態なら、
時間の使い方だけではなく、
仕事の持ち方そのものを、一度整理してみる必要があるかもしれません。
私は、社長が何に時間を使っているのか。
どの仕事を残すのか。
どの仕事を任せるのか。
どの仕事をやめるのか。
そして、これから何に時間を使うのか。
これらを整理することを、
「時間と業務の棚卸し」
としてご一緒しています。
忙しさをなくすことが目的ではありません。
社長が、本来やるべき仕事に時間を使える会社に変えていく。
そのための第一歩は、
自分の時間と仕事を、正しく見ることから始まります。
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