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本場バイエルンのクリスマス:Advent(待降節)の説明書

11月下旬、長く寒い冬の始まりと同時に、外には温かい橙色の灯りがともされていきます。人々はせわしく、しかし嬉しそうにクリスマスを祝う準備を始めます。ドイツ各地でクリスマスマーケットが始まり、街はクリスマス一色に。アドヴェンツクランツ(アドベンツクランツ)に灯りをともしたり、アドヴェンツカレンダーを毎日開いたり…誰もが心を躍らせる一大イベント、それが“Adventアドヴェント”です。私にとってもこの時期は一年の中でも特別で、子供に返ったようにわくわくした気持ちでいっぱいになります。


【なぜバイエルンのAdventは魅力的なのか】

ドイツ国内でも『バイエルンのアドヴェントは特別』と言われています。

その理由の一つは
バイエルンには深いカトリック信仰がある”という事です。

こちらの図はドイツ国内のカトリック教徒の数を表したものです。色が濃いほどカトリック教徒のが多くなります。南東に位置するバイエルン州を見ると、カトリック色が特に強いことが分かります。

ドイツ国内のカトリック教徒の数 引用:fowid

バイエルンでは強いカトリック信仰から、イエス・キリストの誕生を厳かに祝う伝統的なアドヴェントが今も受け継がれています。そして、ここでは厳粛で趣深いアドヴェントの雰囲気を楽しむことができます。

理由の二つ目は、
“アルプス地域の風習が今も色濃く残っている”ためです。

南バイエルンはアルプスに面し、古くから伝わるアドヴェントの風習が多く残されています。もとは地域の風習だったものが、現代ではアドヴェントのイベントとして定着しているというケースもあります。

そんなバイエルンの伝統的で魅力的なアドヴェント、クリスマスの風習についてテーマ別に触れていきたいと思います。

今回は“Adventアドヴェント”についてです。

小さな村のクリストキンドルマルクト

【Adventアドヴェント(待降節)とは…】

そもそも“Adventアドヴェント”とは何でしょう…

アドヴェントとはキリスト教においてクリスマスの前、「イエス・キリストの到来、降誕を待ちわびる準備期間」のことです。

それはラテン語のAdventus(アドヴェントゥス)=「到来」が語源となっています。

アドヴェントは12月24日の四つ前の日曜日からスタートし、4週間に渡ってお祝いムードを高めます。
各日曜日は、

・待降節の第1主日 Der erste Advent
・待降節の第2主日 Der zweite Advent
・待降節の第3主日    Der dritte Advent
・待降節の第4主日    Der vierte Advent

(※24日が日曜日の場合は24日が第4主日)
と定められています。


【四つのアドヴェント主日のテーマ】

私の中で待降節の四つの主日は「アドヴェンツクランツのロウソクに灯をともす日」という認識しかありませんでした。しかし、実際には各主日に明確なテーマがあるそうです。

4本のロウソクが立てられたアドヴェンツクランツ(アドベンツクランツ)

・待降節の第1主日:キリストの再臨(Wiederkunft Christi)
イエスの再臨が中心テーマとなります。朗読箇所は、黙示録と最後の審判について語られます。

・待降節の第2主日:洗礼者ヨハネ(Johannes der Täufer)
預言者としての洗礼者ヨハネにフォーカスされます。

・待降節の第3主日:ガウデーテ(Gaudete)
『Gaudete』は『喜びなさい』という意味で、この日も洗礼者ヨハネを中心にお祈りが行われます。この日の典礼色はピンク色になることがあります。

・待降節の第4主日:聖母マリア(Maria)
聖母マリアに祈りが捧げられます。

クリスマスを迎えた村の小さなカトリック教会

【アドヴェントの歴史】

アドヴェントはいつからあったのでしょうか…。そしてその変遷とは…。

📙アドヴェントは 4世紀末にはすでにガリアやスペインで存在していたとされています。

📙5世紀後半には、クリスマス前の断食の時期として、11月11日の聖マルティヌスの日が開始日と定められました。※当時は6週間

📙教皇グレゴリウス1世(540年頃 - 604年)の時、6週間あったアドヴェントを 4週間に短縮しました。

📙この4週間制は西暦1000年前後に一般市民にも広がっていき、教皇ピウス5世の時(1566年-1572年)にトリエント公会議典礼書で正式に文書化されました。

📙例外として、ミラノのアンブロジアーノ典礼では現在もアドヴェントは6週間とされています。


【今年のアドヴェントはいつ?】

西方教会では、アドヴェントから教会の1年が始まると定められています。
アドヴェントは11月30日の「聖アンデレの日」に最も近い日曜日からスタートするので、

最も早い年は11月27日
最も遅い年は12月3日

となります。

2025年11月30日が待降節の第1主日(第1アドヴェント)となります。

バイエルンのアドヴェントに関する予定も合わせて

【代表的なバイエルンのAdvent の風習】

以下は主に、私の住むバイエルン州の中でもアルプスに近いオーバーバイエルン(Oberbayern)地域の資料からピックアップしたものです。地域ごとの違いもあります。

・Adventskalender(アドヴェンツカレンダー)
―12月1日から24日まで小さな贈り物が入ったカレンダーを一つずつ開けていきます。

 ・Christkindlmarkt(クリストキンドルマルクト)
―クリスマスマーケットはバイエルン地域ではクリストキント(幼子キリスト)のマーケットと、名付けられています。

AdventskuranzParadeisl(アドヴェンツクランツ、パラダイスル)

・Barbarazweige(バルバラの枝)

・Nikolaus(聖ニコラウス)

・Krippe(クリッペ:クリスマスの馬小屋飾り)

・Christbaum(クリスマスツリー)

・Krampus und Perchtenlauf(クランプスとペルヒテンの行列)
―アルプスの伝統行事で、怖い仮面の人物たちが練り歩き「冬の悪霊を追い払う」をするというものです。

・Die Klöpfelnächte(クロプフェルの夜)
―悪霊を追い払うために、子どもたちが家々を回りクロプフェルの詩や歌を唱えます。

・Christkindlschießen(クリストキンドル射撃)
―キリストを迎えるために12月24日に聖夜の射撃が行われます。

・Christmette(クリストメッテ:クリスマス深夜のミサ)
―カトリック教会では12月24日の深夜0時にミサが行われます。

・Die Rauhnächte(ラオナハト)
―古ハーブや樹脂の煙で、古い年の汚れや悪いものがつかないよう、家や家畜小屋を浄める儀式です。

・Sternsingerge(シュテーンジンガー)
―東方の三博士に扮した子どもたちが歌いながら家々を訪れる習慣です。


【終わりに】

上記の風習は私の住む地域を中心に紹介していますが、バイエルン州全体に共通するものもあれば、地域で異なるものもあります。

皆さんの住む地域にも、アドヴェントやクリスマスにまつわる特別な風習がございましたら、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。

私自身、文化としては知っていたけれど「なぜそうなのか?」と、今まで突き詰めて考えた事がありませんでした。今回このように改めてアドヴェントにフォーカスを当ててみて、知らなかった事にたくさん出会う事ができました。

我が家の子供たちはカトリックの教育を受けていないため、伝統的な風習に触れる機会は少なくなっています。せっかくこの地に住んでいるのだから、子供たちと一緒に古い習わしなどについてもっと勉強していけたらと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました✨
【自己紹介】


参考:

Weihnachten wie es früher war - Weihnachtsbräuche Bayern

https://www.chiemsee-alpenland.de/entdecken/winterurlaub/advent-und-weihnachten/weihnachts-adventsbraeuche


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