仲間とともに「島」を詠む ~和歌と訪ねる隠岐、ふたたび 令和6年和歌大賞レポ~
2024年10月のこと
友「和歌さーん! 見てもらった和歌が、和歌大賞で入選しました!!! 」
和歌「わーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

日本で唯一の和歌の大会への応募経緯や大賞受賞までのプロセス、きゅうまんえん弱かかる表彰式ツアーに申し込むまでの葛藤などはこちらの連載をご覧くださいね。
仲間とともに「島」を詠む ~和歌と訪ねる隠岐、ふたたび 令和6年和歌大賞レポ~
無力だなんて誰が言った?
このあたりの記事の続きになりますが、
「教えることには向いていない! 一生プレイヤーに徹しよう」と一度は決めた梶間和歌、
紆余曲折を経て、2023年10月より「裕泉堂歌会」というオンライン歌会の講師を務めることに。
その歌会で、2024年夏、このようなことがありました。
6月末の裕泉堂歌会にて
「今年の和歌大賞の題は『島』ですよ。締め切りは7月末、私も応募します。短歌でなく和歌なのでハードル高く感じられるかもしれませんが、皆さんもよかったら」
と話したところ、
7月の歌会に「島」をテーマに詠まれたお歌が6首も見えたのです!!!!!
もちろん、すべてが和歌大賞のための歌とは限らないのですが、
まあ、このタイミングで同テーマの歌が6首も集まるなんて、偶然とは思われませんね。
キャッキャウフフしながら歌会を終え、後日、「和歌大賞、応募しましたよ! 」というお声を頂いた時のうれしさといったら。
「うちの歌会講師の和歌さんが大賞を取った和歌大会だよ」ということで隠岐後鳥羽院和歌大賞の存在を知り、挑戦する方が現れました!
日本で唯一の和歌の大会が少しでも盛り上がってくれたら、というおもいが間を置かず形になり、本当にうれしかったです。

もちろんこの年の大会に私も2首投稿しております。
そして、そこからは梶間和歌の通常運転。結果がいつ出るのかもたいして確認せず、日々の和歌学習に歌会にアルバイトに邁進していたのでした。
裕泉堂歌会より入選者が!
そして、2024年10月。
私の詠が入賞したという連絡と前後して、歌会メンバーの駒野繭さんが入選したとの内々のご連絡が!!!
(公式発表は11月なのでXでのポストは11月付)
令和六年 隠岐後鳥羽院和歌大賞 入選
— こまの まゆ(駒野 繭) (@komanokotoba) November 30, 2024
明石潟出ずれば見ゆる淡路島寄る白波に月かたぶきぬ
和歌で選んでいただくのは初めてです!ありがとうございます😭
参加している #裕泉堂歌会 にて梶間和歌先生に見ていただいた歌です。
和歌を詠むことになったのも、ご縁の賜物。ありがとうございます☺️ https://t.co/oxcqbXr3Zv
塾講師でもある裕子さんがいつもおっしゃる「出藍の誉れ」というのをしみじみ感じております……!
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) December 3, 2024
おめでとうございます♡♡
2泊3日は厳しいかもしれませんが、もし叶えば、表彰式ツアーもご一緒にぜひ……!
ありがとうございます😭😭私はまだまだ初心者で和歌さんの足元にも及びませんが…でもよい歌詠めるようこれからも頑張っていきたいです!
— こまの まゆ(駒野 繭) (@komanokotoba) December 10, 2024
表彰式ツアー、noteで拝見しましたがとても素敵なところですね…!お題の「島」ぴったり!いつかほんとに行ってみたいです✨️
まゆさん、入選おめでとうございます!!
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) December 3, 2024
自分がきっかけになり和歌を始める方や後鳥羽院和歌大賞に応募する方が生まれるなんて、本当にうれしいことです。
(そんな話はこちらにも書きました。 https://t.co/UvqsiUb1y5 )#waka #隠岐後鳥羽院大賞 https://t.co/HREeEmbIaE
まゆさんの作品はこちらでも見られます。pic.twitter.com/EFvK0ZxUwAhttps://t.co/CwQQjGDEJD
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) December 3, 2024
「和歌さんに出会わなければ、自分が和歌をやってみようなんて思いもしなかった」
というお言葉が、もう、なによりの喜びです。
梶間和歌、平成令和の世に孤独に和歌に取り組むどころか、自分きっかけで和歌人口が増えているではないか……。

和歌そのもの、また和歌史にとって少しでも意味のある存在であれたら、ありたい、と願い、もう10年以上黙々と活動してきました。
その黙々度合いは、ある時親友のひとりに
「多くの人は『好きなことで生きていきたい』『お金の問題じゃない。好きなことがしたい』なんて言うけど、実際そうでもないのよ。
ブログをやっても無料セッションをやっても、反応がなかったりお金にならなかったりして心折れちゃうのよ。
片や和歌ちゃん、あなたはガチ勢よ。
あなた、あの読者もコメントもつかない和歌ブログをいったい何年毎日更新していますか? 」
と言われたレベルだよ♡
(あの読者もコメントもつかない和歌ブログ。現在は毎日更新ではないです)

「反応? お金? なにそれおいしいの? 」
「昔は名声とか欲しがってた記憶があるけど、京極派を深く知っちゃったら雑念は消えるよね」
という感じで日々生きていますが、雑念の消えたぶんよりナチュラルに、私の和歌愛は関わる人々に伝わっているようです。
(そのぶん生活は苦しくなっているため、皆様の善意を全力で信頼し、私は和歌活動にフルベットしています)
結果が欲しければ、結果が欲しいという雑念が消えるほどプロセスに夢中になることだよ、過去の私よ。
Welcome to 裕泉堂歌会
梶間和歌が講師を務める裕泉堂歌会には互選の時間とあわせ、事前に提出いただいた歌について梶間和歌が添削、解説する時間がございます。
これに出せば必ず入選できる……ということはありませんが、
隠岐後鳥羽院和歌大賞をはじめ、和歌や短歌の各種大会に出したいお歌を事前にこちらに出してみる、という選択肢も今後ぜひお心に留めておいてくださいね。
(裕泉堂歌会は内々の、非公開の歌会なので、こちらに出した歌をその後各種大会に出すことができます。歌会によって非公開かどうかの扱いは異なるので、各自確認してください)
特に、和歌に対応した添削のある歌会は全国、全世界見渡してもそうたくさんはないと思います。
おかげさまでこの翌年、2025年の隠岐後鳥羽院和歌大賞の締め切り前の歌会には、そちらに出すおつもりと見えるお歌が前年以上に集まりました。
自分の入賞確率を上げたいだけならば、ライバル(=応募者)の減ったほうが良いわけですが、そんなセコいことを考える輩に和歌の神は微笑まないでしょう。
応募者数をどんどん増やし、大会を盛り上げ、そのうえで私の磨き上げられた和歌が良い賞を受賞する(し続ける)ことをこそめざすべし。
今後ともぜひ、裕泉堂歌会をはじめ、梶間和歌の提供する和歌コンテンツをご活用ください。
そして、隠岐後鳥羽院和歌大賞にも皆様どんどん挑戦してくださいね。

さて、おまけのようにさらりと書きましたが、この年(2024年)の梶間和歌の投稿作品もまた良い賞を頂くことになりました。
こちら、「和歌の推敲記」と同じスタイルでご紹介しますね。
「島」詠の出来るまで ~和歌の推敲記~
隠岐後鳥羽院和歌大賞 令和6年城南宮鳥羽殿賞受賞作
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり 梶間和歌
参考歌
春といへば霞みにけりな昨日まで波間に見えし淡路島山 俊恵 新古今和歌集春上6
おおまかな推敲過程
・題の発表とあわせて付された、冷泉貴実子先生の解説を読み込む
・「島」詠の先例を読み込む(「和歌と俳句」さんや友人✨さんのポストを特に参考にしました)
・「島」題で用いるべき語や頻出する掛詞などを把握する
・完成度を気にせず歌を詠む、詠みまくる
・推敲と削除を繰り返す
第1段階
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり
つごもりや往き来の舟をしるべにて千鳥のかよふ淡路島山
霧りわたる波間を分けて出でにけり淡路の島を照らす月影
月影はくまなく射して淡路島瀬戸の浦路を伝ふ友舟
浦々にまよふ小舟に射しにけり淡路の瀬戸の十六夜の月
葦の根のひと夜に春は音づれてつのぐみわたる三島江の朝
霧ふかみ月もを舟も島がくれ思ひ明石の浦伝ふ風
伊勢島や浜荻分けて露をしげみ旅寝の夢に宿る月影
あまを舟島がくれゆき明石潟こなたの跡も波のまにまに
鳴く鶴の声に潮満つこゝちして芦に風吹く和歌の浦かな
霧ふかき淡路島山夜は明けて音に知らるゝ海人小舟かな
霧を分け声ぞ飛び交ふわたの原八十島めぐり雁は来にけり
有明の月は小島を浜びさし久しくぞ照らす雲のまにまに
この記事では「計10首ほど」と書きましたが、実際には13首詠んでいました。
季節も時刻も限定されない「島」という題だったので、かえって難しさがあったかもしれません。
第2段階
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり
つごもりや往き来の舟をしるべにて千鳥のかよふ淡路島山
霧りわたる波間を分けて出でにけり淡路の島を照らす月影
月影はくまなく射して淡路島瀬戸の浦路を伝ふ友舟
浦々にまよふ小舟に射しにけり淡路の瀬戸の十六夜の月
葦の根のひと夜に春は音づれてつのぐみわたる三島江の朝
霧ふかみ月もを舟も島がくれ思ひあかしの浦伝ふ風
伊勢島や露の浜荻分け結び旅寝の夢に宿る月影
あまを舟島がくれゆき明石潟こなたの跡も波のまにまに
鳴く鶴の声に潮満つ和歌の浦の芦原分けて吹きわたる風
霧ふかき淡路の瀬戸の朝明けに声に知らるゝ海人小舟かな
霧を分け声ぞ飛び交ふわたの原八十島めぐり雁は来にけり
有明の月は小島を浜びさし久しくぞ照らす雲のまにまに
何首かは初案からかなり手を入れています。
第3段階
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり
つごもりや往き来の舟をしるべにて千鳥のかよふ淡路島山
霧りわたる波間を分けて出でにけり淡路の島を照らす月影
月影はくまなく射して淡路島瀬戸の浦路を伝ふ友舟
浦々にまよふ小舟に射しにけり淡路の瀬戸の十六夜の月
葦の根のひと夜に春は音づれてつのぐみわたる三島江の朝
霧ふかみ月もを舟も島がくれ思ひあかしの浦伝ふ風
あまを舟島がくれゆき明石潟こなたの跡も波のまにまに
霧ふかき淡路の瀬戸の夜は明けて声に知らるゝ海人小舟かな
数首削りました。
第4段階
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり
霧りわたる波間を分けて出でにけり淡路の島を照らす月影
浦々にまよふ小舟に出でにけり淡路の瀬戸の十六夜の月
あまを舟島がくれゆき明石潟こなたの跡も波のまにまに
霧ふかき淡路の瀬戸は明け初めて声に知らるゝ海人小舟かな
絞りに掛かりました。そして、
隠岐後鳥羽院和歌大賞令和6年応募作
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり
あまを舟島がくれゆき明石潟こなたの跡も波のまにまに
こちらの2首を投稿しました。その結果、
もう一度、隠岐後鳥羽院和歌大賞 令和6年城南宮鳥羽殿賞受賞作
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけり 梶間和歌
隠岐後鳥羽院和歌大賞、令和六年は城南宮鳥羽殿賞に選んでいただきました。
— 梶間和歌@令和の京極派 (@WakaKajima) November 28, 2024
ありがとうございました。
今年もまた表彰式ツアーに行く旅費を工面……する!
待ってて後鳥羽院!!
むらむらになびく霞に淡路島見えみ見えずみ春は来にけりhttps://t.co/xmIwu8Rd1h#waka #後鳥羽院 #海士町
「島」詠に取り組んだプロセスについてはこちらもご参照ください。
こうして2024年も、大賞でこそなけれ、良い賞を頂きまして、表彰式ツアーの参加権を得ることができました。
結果発表が年末に近かったので、表彰式とそのツアーは2025年。
この表彰式ツアーにも無事、皆様のご支援により、参加することができました。
この様子はまた連載して参ります。こちらのマガジンをフォローのうえ、更新をお待ちください。
隠岐の大自然、人との豊かな交流レポートを、お楽しみに。

連載 和歌への情熱で道を拓く
1記事目:隠岐後鳥羽院和歌大賞への応募経緯~
2記事目:挑戦2年目の転機
3記事目:アルバイトでの成長と可能性
4記事目:信念で詠み上げた作品の行方
5記事目:大賞受賞、そして立ちはだかる壁
6記事目:元ホームレス、和歌にフルベットして
7記事目:友情と応援の表彰式チケット
8記事目:終わらぬ挑戦、広がる波紋
連載 隠岐に至る和歌心 和歌大賞表彰式ツアーレポ
1記事目:友の優しさを携えて
2記事目:おもしろすぎるガイド様 in 隠岐の島町
3記事目:眠りに就くまでがツアーです
4記事目:wktkウマPタイム in 西ノ島町
5記事目:この時代に、なぜ和歌なのか
6記事目:何度でも、月を分け行く舟のあと
7記事目:縁を結び直す島根旅、松江編
8記事目:縁を結び直す島根旅、浜田編
9記事目:縁を結び直す島根旅、益田編
10記事目:黒歴史生産装置が、和歌で輝くまで
11記事目:ひとりでは行けない場所に
連載 和歌と訪ねる隠岐、ふたたび 令和6年和歌大賞レポ
1記事目:仲間とともに「島」を詠む【イマココ】
2記事目:京・近江から隠岐へ、序章
3記事目:蓮華寺にて、光厳さんのお導き
4記事目:山陵の風を訪ねて
5記事目:黒歴史は海を越えて
6記事目:船は澪引く惑星の海
7記事目:島へ誘う言葉たち
8記事目:やさしい光の残る夜
9記事目:自然よりも、食よりも
10記事目:会えなかった人、また会える人
11記事目:次の歌へ、次の旅へ
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この記事を書いた人


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