風まかせ文芸部 作品紹介【3秒後】
第39回、「風まかせ文芸部」に参加してくださった作品を随時公開していきます!
「俺の、私の作品が載ってないんですけど!」っていう人がいらっしゃったらおっしゃってください!
気づき次第の更新ですのでご了承ください!
それではどうぞ!
【akashiba555さん】
「このあと、何かが起こる」
そう思わせたまま、時間だけが妙に引き伸ばされていく。
このショートショートは、“劇的な終わり”を予告しながら、予告そのものをずらしていく一編です。
秒読み、期待、ツッコミ、その全部を含めてオチ。
読者の構えを軽やかに外す、その一瞬の間合いが可笑しく残ります。
【みみずくの耳さん】
「3秒後に何かが起こる」
その約束だけを頼りに、言葉が次々と暴走していく。
この作品は、「3秒後」という時間のフレーズを軸に、意味・音・連想を軽快にずらし続ける言葉遊びのショートショートです。
爆発も、滅裂も、カツレツも、なぜか同じ列に並んでしまう可笑しさ。
収拾がついたような、ついていないような――
最後の一行まで、リズムで読ませる一編です。
【しらいし希枝さん】
「このメッセージは消える」
そう告げる言葉だけが、きちんと役目を果たした。
このショートショートは、機密めいた装置と何気ない会話を並べることで、“重要そうで重要でないこと”の境目を描きます。
爆発は起きても、意味は肩透かし。
その軽さと無関心が、かえって印象に残る、静かなユーモアの一編です。
【鈴蘭さん】
「3秒後」にやってくるのは、出来事ではなく、自分自身。
言葉や反応のあとで、心が勝手に始めてしまう小さな反省会。
この作品は、過剰な良心や豆腐みたいに柔らかい心を、否定せずに見つめ直す短編です。
崩れやすくても、形を変えてちゃんと戻ってくる。
落ち込みも反省も抱えたまま、「それでもいい」と言ってくれる、静かでやさしい余韻が残ります。
【片桐みかんさん】
放課後の校庭と、夕方の教室。
ただ眺めていただけの距離が、ほんの数秒で変わってしまう。
この作品は、「3秒後」に訪れた出来事をきっかけに、恋が始まる瞬間を静かに描いた短編です。
助ける側と助けられる側、その近さに戸惑いながらも、心だけが先に走り出してしまう。
準備も覚悟もないまま変わってしまったリズムが、読後にやさしく残ります。
【のほさん】
地方の駅前駐車場で起きた、ほんの小さな行き違い。
理不尽さと後味の悪さは、どこにでもある日常の一コマだ。
この作品は、ささやかなトラブルを起点に、「怒り」や「理不尽」がどこへ行き着くのかを、軽やかな幻想で描き出します。
現実的な思考と、少しだけ非現実な視点が交差することで、世界の見え方がわずかにずれる。
読み進めるほどに、足取りが軽くなる――そんな余韻を残す一編です。
【カイロウドウケツさん】
怪獣出現、ヒーロー到着、そして――即・解決。
問題は、その「あと」だった。
この作品は、ヒーローもののお約束が一瞬で崩れた現場を、テレビ中継という視点から描いたコメディ短編です。
守るべきは地球か、視聴率か、放送事故を回避する沈黙か。
秒で終わった戦いの裏側で繰り広げられる、人間側の必死な「つなぎ」が、テンポよく可笑しく響きます。
【leal_violet3340さん】
息が足りない、と感じる瞬間から始まる小さな詩。
吸って、止めて、吐く――そのわずかな時間の中に、身体の本音が現れる。
この作品は、呼吸という行為を通して、「生きたい」という衝動を静かにすくい上げます。
満たされない感覚も、欲する力も、すべてが息の動きに重なっていく。
読後、深く一度呼吸したくなるような、澄んだ余韻を残す一篇です。
【大島蓮司さん】
世界が止まったのではなく、引き延ばされた――
そのわずかな時間の歪みから、この物語は始まる。
本作は、時間を操る存在と、時間に「合わない」人々の対比を通して、救済と差別を同時に描くSF短編です。
誰にも気づかれない三秒のあいだに行われた、静かな戦い。
世界を救ったのに、世界に受け入れられない者たちの姿が、読み終えたあとも重く、確かに残ります。
【水玉さん】
近づきすぎない距離を、きちんと守ってきた相手がいる。
美しく、冷静で、隙のない同僚。
――その人から、突然向けられたのは、業務と無関係な問いだった。
この作品は、昼休憩の雑談から生まれる、静かで知的なときめきを描いた短編です。
文化としての食べ物、言葉を選ぶ視線、抑えられた声の温度。
「3秒後」というささやかな約束に込められた想いが、読む者の心にもそっと熱を残します。
【kazeさん】
銃口を向けられ、残されたのは「あと3秒」。
その短いはずの時間が、なぜか異様に長く引き延ばされていく。
この作品は、死の直前に訪れる内省と、時間の感覚が崩れる瞬間を、一人称の独白で描いた短編です。
後悔に満ちた人生、叶わなかった願い、そして最後に浮かぶ小さな夢。
引き金が引かれるまでの“間”に潜む違和感が、読後も静かに尾を引きます。
【笹木茜さん】
湿った藁の匂いに満ちた豚舎で、淡々と同じ日々を繰り返す一人の男。
生きるために働き、何も期待せず、何も求めずに過ぎていく時間。
その静かな日常に、ふとした歪みが差し込んだとき、彼の内側に沈殿していた感情が、ゆっくりと浮かび上がってくる。
本作は、直接的な恐怖や残酷さ以上に、「無関心」と「孤独」がもたらす重さを描いた短編です。
無表情な存在たちの瞳に映るもの、そして主人公自身が最後に辿り着く心の風景が、読後も静かに胸に残ります。
冷たく、痛ましく、それでいてどこか温度を持った一編。
読むほどに、自分の足元と過去を振り返らずにはいられない物語です。
【適温より1℃低めさん】
軽やかな忍者言葉と、どこか戯画的なリズムで始まるこの作品は、読み進めるほどにその裏側の重さを露わにしていきます。
「忍ぶ」という役割のもとに奪われてきた名前、身体、感情――語り手の声は、冗談めいた調子と切実な痛みのあいだを行き来しながら、静かに読者の胸を締めつけます。
繰り返されるフレーズは呪文のようであり、自己防衛の仮面でもあるかのよう。
その奥で描かれるのは、支配と服従、奪う者と奪われる者の歪んだ関係、そして「もう盗めない」と言い切る瞬間に訪れる決断です。
ユーモアと残酷さ、ポップさと絶望が奇妙に同居する短編。
最後の数行が意味するものを、読者はそれぞれの現実と重ねながら受け取ることになるでしょう。
【Ryuさん】
思考の端緒はいつも些細で、答えに辿り着く前に時間だけが先へ進んでいく。
「3秒後」という掴めそうで掴めない未来をめぐり、語り手の意識は脱線し、循環し、やがて静かな諦観にたどり着きます。
本作は、哲学的でありながらも軽やかな独白によって、時間・変化・想像力の限界をユーモラスに描いた短編です。
何も起こらないように見える瞬間にも、確かに何かは進んでいる——その感覚が、何気ない比喩や自嘲を通してじわりと伝わってきます。
結論に辿り着かないまま終わる思考の迷路。
けれどその余白こそが、この作品のいちばんの読みどころなのかもしれません。
【藍出紡さん】
短い行の積み重ねで描かれるのは、ほんの一瞬の決意と、その前後に流れる静かな時間。
「信じること」と「踏み出すこと」が、これほど近く、これほど心細いものとして立ち上がってきます。
本作は、子どもの言葉のような素朴さをまといながら、未来を選び取る瞬間の感覚をすくい取った小さな詩です。
3秒というわずかな時間に込められた不安と期待、そして体が先に動いてしまう感覚が、読む側の記憶ともそっと重なります。
静かで、冷たくて、それでも前を向いている一篇。
読後、足元の感触まで少し変わって感じられるかもしれません。
【みわからすさん】
たった1分。
そのわずかな時間にすべてを賭けた男の思考が、鋭く、そして不穏に描かれる短編です。
本作は、罪と時間、そして「明日」という言葉のあいまいさをめぐる、会話劇のような構成が特徴的。カウントダウンの緊張感の中で、逃げ切ったと確信した瞬間に差し込まれるのは、暴力でも追跡でもなく、論理そのものです。
「日付が変わること」と「明日が来ること」は本当に同じなのか。
一見すると詭弁にも思えるやり取りが、読み進めるうちにじわじわと足元を揺るがしてきます。
短く、切れ味があり、後味はひどく悪い。
時間を信じて疑わなかった読者ほど、読み終えたあと、現在という一点に立たされる感覚を覚えるでしょう。
【ABC共創ラボ|語りとAIの未来設計所さん】
正月のリビング、たった3秒の出来事を切り取った、静かな家族の物語です。
この作品は、何気ない「写真を撮ろうか」という一言から始まり、並ぶ時間、ためらい、視線、微笑みといった一瞬の積み重なりを、余白のある言葉で描いています。説明しすぎない語りだからこそ、読む側は自分自身の家族の風景を重ねてしまうでしょう。
シャッターが切られたその一枚に写るのは、ただの集合写真ではなく、これまでの時間と、今ここに揃っているという事実そのもの。
照れくささと感謝が言葉にならないまま胸に残る、その感触がとても丁寧に表現されています。
読み終えたあと、アルバムの中の写真を一枚、見返したくなる。
そんな余韻を残す、やさしくて静かな一篇です。
【空音さん】
屋台の匂いに心が弾む参道と、受験を前にした少しの不安。
この物語は、賑やかな初詣の一日を舞台に、ふたりの距離と気持ちの揺れを軽やかに描き出します。
即断即決の「3秒ルール」を持つ少年と、怖さを笑顔で包もうとする少女。
唐揚げも、ヨーヨーも、おみくじも、何気ないやり取りの中に、言葉にしない思いや優しさが滲んでいます。
最後に吹き抜ける一陣の風は、願いの行方なのか、それともふたりの心の変化なのか。
甘くて、少しだけ切なくて、読み終えたあとに胸の奥があたたかくなる一篇です。
ちなみに・・・!
もっと自由に創作を楽しめる場所を作ってみたくて、
小さな部室のようなメンバーシップをはじめました。
ふらっと、立ち寄ってもらえたら嬉しいです!
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