塾なし6年の戦略 ~後半 9月から本番まで
この記事は【中学受験シリーズ】の一部です。
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① 中学受験にかかった総額120万円
前半の夏・天王山を乗り越えたあと、9月からは受験の後半戦に突入しました。
私立と公立、2つのゴールを同時に目指しながら、複数の塾を「使う側」として賢く組み合わせていく——この時期の戦略を記録しておきます。
1. 9月以降にしたこと 一覧
まず、この時期に取り組んだことを整理します。
私立対策
コベツバweb(算数):ひたすら継続し、苦手を潰す
馬渕教室:灘web・最難関中(東大寺)webを受講(特待・無料)
浜学園:最高レベル特訓理科(ダイジェスト料金)
浜学園:「東大寺漢字倶楽部」テキストを2周
公立対策
京進:公立中高一貫校サポートweb+面接特訓(特待・無料)
洛ゼミ:模試を3回ほど+面接特訓講義を3回ほど
リジョイス(洛ゼミ系列の個別指導塾):作文指導・週1回
6年生で受けたテスト(自宅受験模試を含む)
浜学園:公開学力テスト / 七冠特訓
浜学園:東大寺中日本一模試 / 洛南中日本一模試 / 洛星中日本一模試 / 西大和中日本一模試
浜学園:開成中オープン模試 / 東大寺プレ入試
馬渕教室:公開模試 / 東大寺入試実践テスト / 灘中実践模試
希学園:洛星オープン模試
京進:公立中高一貫模試
洛ゼミ:息子校模試
成基学園:洛星オープンテスト/息子校模試
進学館:進研ゼミ適性検査模試
五ツ木模試(某校合格確約用)
6年生でかかった塾代・模試代は、合計で約25万円でした。
2. 教科別の対策、それぞれの役割分担
各教科でどの教材・塾をどう使ったかを振り返ります。
算数: ひたすらコベツバweb。苦手を潰し、武器を増やし続けました。
理科:浜学園の最レ(最高レベル特訓)。コベツバで算数を固めながら、理科は浜学園の教材に委ねる形で分業していました。
東大寺対策:馬渕教室の東大寺webに頼りました。最難関校(東大寺・西大和・洛南・洛星)の過去問解説3年分が特典として付いてきたのも非常に助かりました。
過去問演習: 東大寺の過去問は、科目によって差はありますが、10〜15年分ほど解きました。
3. 公立対策:作文指導は「他人の手」に委ねた
公立の過去問は9年分に加え、レベルが同等と判断した全国の学校のものも解きました。 公立中高一貫の適性検査では、作文の対策が欠かせません。
ネットで購入した作文対策のテキストからお題を選び、週3本のペースで作文を書いて、それを個別指導塾の「リジョイス」へ持参しました。
なぜ私が教えなかったのか。親が教えると喧嘩になるからです。 これは多くのご家庭で共感いただける話だと思います。親子だからこそ、指摘を素直に受け取れないことがある。作文指導はプロに任せて正解でした。
「親の役割は、環境と機会を整えることであって、すべてを教えることではない」——そのことを改めて実感しました。
4. ひとりで黙々と。それが息子の戦い方だった
9月以降の学習は、主にweb授業が中心でした。iPadに向かって、ひとりで黙々と取り組む日々。
私は同じリビングの対角で、オンライン指導の仕事として受験生を教える。傍から見ると不思議な光景かもしれませんが、親子でそれぞれがそれぞれの場所で戦う。これが息子にとっては最も集中できるスタイルでした。
「塾なし」とは言いながらも、この時期は複数の塾から特待という形でサポートをいただいていました。無料で受けられる講座や模試、そして各塾から得られる情報——必要なリソースを外部から取り入れ、頼れる場所があったというのは、精神的にも実務的にも本当に大きなことでした。
塾のオリジナルグッズ(ちまきやお守りなど)をもらってテンションが上がる息子の姿も、今となっては懐かしい思い出です。大手塾が持つ「安心感」は、数値化こそできませんが、確かに存在する力だと感じました。
5. 東大寺受験当日のこと
受験当日、息子は朝から疲れと眠気で機嫌がいまいちでした。
ところが、会場で浜学園の学園長に頭を撫でていただき、ミニ講義からのシュプレヒコールに参加すると、目の色が変わって一気に奮い立ったのです。
あの場の空気、あの声かけがなければ、全力を出し切れていなかったかもしれません。 大手塾の講師陣が旗を持って会場に立ち、教え子を送り出す光景は、単なる演出ではありませんでした。「さすがプロだ。」と実感した瞬間でした。
6. 「塾なし」の本当の意味
この受験を終えて、一番伝えたいことがあります。
「塾なし=塾を一切使わない」ということではありません。
我が家の定義はこうです。 「塾に丸ごと預けない」こと。
スケジュールも、志望校も、教材の選択も、できる限り子ども本人と親が判断する。塾はあくまで、必要なパーツを必要な分だけ借りる場所。その主導権を手放さなかったことこそが、「塾なし受験」の本質だと思っています。
通塾という形をとらなくても、複数の塾から情報を得て、特待を活用し、模試で立ち位置を確認しながら進むことは十分に可能です。大事なのは「どこに所属するか」ではなく、「何をどう取捨選択するか」です。
7. 塾なしで得られたもの
塾に丸ごと預けなかったことで、時間とお金に余白が生まれました。
その余白を、我が家は旅行に使いました。
6年生の秋、受験直前期にも関わらず旅行へ行きました。世界遺産を訪れ、自然と触れ合い、ホテルに帰ってから勉強をして、美味しいものを食べる。
それができたのは、iPadとwifi環境さえあればどこにいても勉強できる仕組みを作っていたからです。web授業中心の学習スタイルは、場所を選ばないという大きな強みがありました。
そしてもう一つ気づいたことがあります。どこにいても勉強できたのは、環境の話だけではありませんでした。息子がはじめから受験を自分事として捉えていたから——それが一番大きかったと思っています。ホテルの部屋でiPadを開く息子の背中を見て、そう確信しました。
中学受験を通じて、息子がひとりでiPadに向かい続けた時間、喧嘩しながら作文を教えようとした私、SNSで知り合った受験生保護者の皆さんと情報交換をした日々——そのすべてが、あの合格へとつながっていたのだと思います。
【中学受験シリーズ】
① 中学受験にかかった総額120万円
② 浜学園から進学くらぶへ|我が家の設計変更
③ 4年9月、20週ビハインドからSコースへ
④ 図形の極を3つの塾で受けてわかったこと
⑤ A3プリンターは必要か?
⑥中学受験に方程式は使うのか
⑦適性検査塾と進学くらぶ どっち(公立中高一貫対策)
⑧公立中高一貫校に「難関私立レベルの学力」が必要な理由
⑨塾なし6年の戦略 ~前編 夏・天王山まで
⑩歴史の攻略法「大河ドラマ」
⑪塾なし6年の戦略 ~後編 9月から本番まで
【教育観シリーズ】
① 教育資本という残酷なものさし
② 英語はいつ始めるべきか
③オンライン授業で伸びる子と無駄になる子
④子どもが壊れるまえに親はなにをすべきか
