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ニボシの恩 その参 後日談

 父とヒデサトとの話の後日談です。

生前の父はヒデサトを可愛がっていましたが抱っこすることはありませんでした。ただ、病気の父に寄り添っていたそんな感じがしました。
父が亡くなったあと法要に参加したヒデサトの行動の真意はわかりませんが、私には「恩返し」をしているようにも見えました。

一度だけ父の墓参に行く時にヒデサトを連れて行きました。普段はリードをつけてお散歩していたのですが、知らない場所は嫌がるだろうと覚悟しました。でも、ヒデサトは私の予想に反して、私に抱っこされたままじっと父の墓を見つめていました。

このことは某猫雑誌でも取材され紹介されたことがありました。
その時に父とのツーショットの写真の依頼があったのですが、生前父と写真は撮っていませんでした。新たに遺影とヒデサトで写真を撮ろうと思ったのですが、ヒデサトは猫です。ご機嫌が悪いのかじっとしていなくて写真が撮れません。

困り果てた私はニボシでつって仏壇の前に座られたりしましたが、すぐに
どこかへ行ってしまいます。ボツ写真が増えるばかり。撮影を強制された
ヒデサトは嫌がって寝てしまいました。

もうダメかもしれないと諦めようとした時、ヒデサトはいきなり起きてきて
「にゃーにゃー」と鳴きだしました。驚いて見るとヒデサトは遺影の横におすわりして「今撮ってよ!」と言わんばかりにポーズをとっていました。

生前の父とヒデサトのツーショットは撮れませんでしたが、こうして父と
ヒデサトのツーショットが撮らせてくれて嬉しくなりました。

父は感情表現の下手な人で、思うことの反対を言ってしまう様な人でした。
ヒデサトの事も最初に反対してしまったので、私達の目の前で可愛がることが出来なかっただけで、本当はヒデサトのことを大事に思っていたのだと思います。

その証拠に父があげていた煮干の袋は、私が気付いたときには半分程に減っていました。その気持ちが通じていたからこそ、ヒデサトは毎年父の法要に参加しているのだと私は思っています。

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