【葬送のフリーレン】時空干渉を利用した魔王討伐(やり直し)計画【考察】
「女神の石碑編」まで読むと、『葬送のフリーレン』は「タイムトラベル・タイムリープもの」だとわかります。それを前提に、ストーリーの骨格は「魔王討伐に失敗して魔王を封印したヒンメルたちが、タイムリープやタイムトラベルを使って魔王討伐をやり直そうとしている」と考察しています。ご検討よろしくお願いします。コメントをお待ちしております。
時空干渉を利用した魔王討伐(やり直し)計画
計画の目的
計画の目的は「失敗した魔王討伐のやり直し」です。
魔王はまだ生きています。(後述)
ヒンメルたち勇者一行は魔王討伐に失敗して、魔王を封印しています。ヒンメルたちはそのことを隠して王都に凱旋しました。(第1話)
そこで、時空干渉(タイムリープ・タイムトラベル)を利用して過去改変を行い、真の意味で魔王討伐を成功させて、世界の平和を取り戻します。
魔王は生きている
魔王は生きています。根拠は次のとおりです。
ゼーリエは「フリーレンの魔力制限を魔王がたった一目で見破ったこと」でさえ知っている「全知全能の女神様に最も近い魔法使い」(第43話)です。魔王の生死について知らないはずがありません。
そのゼーリエが、一級試験のフリーレンの面接時に「お前のような魔法使いが魔王を倒したとは到底信じられん」と言ってフリーレンの反応を見ました。(第57話)
しかし、「魔王は勇者一行により討伐された」ことは周知の事実です。信じるも信じないもありません。
では、ゼーリエは、なぜ、こんな疑問の余地のない当たり前のことを言ってフリーレンの反応を見たのでしょうか??
理解できません。
だとすれば、「魔王は勇者一行により討伐された」という前提が間違っています。
魔王は生きています。
ゼーリエは「魔王が生きていることをフリーレンは知っているのか?」を確かめるために探りを入れたのです。
計画の概要
腐敗の賢老・クヴァールを討伐した手法を参考にします。
クヴァールに勝てなかったヒンメルたちは、いったんクヴァールを封印し、人を殺す魔法の研究解析を待ちます。そして80年後にフリーレンが封印を解き、魔族を殺す魔法を用いて討伐しました。(第5話)
この手法を、時空干渉(タイムリープ・タイムトラベル)を利用することで、魔王討伐に応用します。
つまり、過去のエンデにフリーレンがタイムリープし、勇者一行と合流して、現代魔法を使って魔王を討伐するのです。
魔王討伐の障害となる全知のシュラハトおよび七崩賢は、ヒンメルが過去にタイムトラベルして排除します。タイムトラベルの事実を隠すため、ヒンメルは「南の勇者」として活動します。(第63話)
計画の概要は下図のとおりです。《初期形+時空干渉+過去改変=最終形》と読んでください。

時空干渉の計画
「女神の石碑編」でのフリーレンのタイムリープを含めて少なくとも3回の時空干渉(タイムリープ・タイムトラベル)を行います。
ストーリー展開によっては、それ以上の時空干渉を行います。
キーノ峠の女神の石碑によるフリーレンのタイムリープ(女神の石碑編)
既に描かれているとおりです。
エーラ流星を待つ間(第1話)のヒンメルによるタイムトラベル【南の勇者編】
言うなれば【南の勇者編】です。
エーラ流星を待つ間にヒンメルが過去にタイムトラベルします。その目的は魔王討伐の障害となる全知のシュラハトおよび七崩賢の排除です。ヒンメル(南の勇者)はシュラハト討伐後に相打ちを装って未来に帰還します。
その他
展開次第でフリーレンのタイムリープの可能性あり
ヒンメルによるまだ描かれていないタイムトラベルが存在した可能性あり
魔王討伐のためのフリーレンのタイムリープ【魔王討伐編】
これが『葬送のフリーレン』の最後の戦いになります。
現代魔法を扱うフリーレンが過去のエンデにタイムリープして、勇者一行として魔王と戦います。
並行して、「現在」においてフェルンとシュタルクが「ラスボス」と戦うことになるでしょう。
そして、勇者一行が真の意味で魔王討伐を成功させて、ヒンメルたちは王都に凱旋し(第1話)、フリーレンはフェルンとシュタルクの待つ「現在」に帰還してオレオールを訪れます(最終話)。
懸念事項
この計画に関する懸念事項として、魔族とゼーリエの動向、そしてフリーレンの計画への理解があります。
魔族の動向
魔族は「女神の石碑編」においてフリーレンから「未来の情報(記憶)」を奪うことに成功しています。(第116~118話)
そして、フリーレンの記憶を詳細に調べたでしょうから、フリーレンのエンデ(オレオール)を目指す旅が、実はヒンメル・ハイター・アイゼンによって誘導されていることに気付くはずです。
ということは、この計画は既に魔族側に露見しています。
となれば、「女神の石碑編」以降のフリーレンの旅はこの計画を巡る攻防となるでしょう。
ゼーリエの動向
ご存じのとおりゼーリエは魔王の討伐に消極的です。
また、妨害まではしないものの、フリーレンをエンデから遠ざけたいと考えています。(根拠は、一級試験でフリーレンを不合格にしたこと、フェルンを不合格にしようとしていたこと、帝国編でフリーレン達を任務から遠ざけようしていたこと)
ゼーリエの動向がこの計画の帰趨に大きな影響を与えるでしょう。
フリーレンの計画への理解
フリーレンがこの計画をどこまで理解しているかという問題があります。
そもそも、フリーレンには魔王を封印した記憶がありませんし、この計画はヒンメル・ハイター・アイゼンしか知りません。タイムパラドックスを避けるためにフリーレンには秘密にしているからです。
フリーレンは「自分が何か大きな計画の駒として動いている」という感覚は持っているようですが、具体的には理解していない様子です。(第140話)
この計画への理解度で言えば、フリーレンよりも魔族側が先んじています。
本計画による時空干渉の断片
10年間一緒に旅したヒンメルたちがフリーレンの時間感覚をわかっていない(第1話前半)
第1話前半(フリーレンが魔法収集の旅に出る前)のヒンメルは10年間一緒に旅したフリーレンの時間感覚を理解していません。
これは、第1話前半で描かれているのが魔王討伐に失敗した「最初の魔王討伐の旅」だからで、時空干渉・過去改変の影響を受けていないためです。
ヒンメルの急速な老化(第1話後半)
エーラ流星を待つ50年の間に、ヒンメルの老化が急速に進んでいます。ハイターと比べてください。
この急速な老化は、この間にヒンメルが行ったタイムトラベルの影響によるものです。
ハイターがフェルンに魔力制限を教えている(第2話)
ということは、「フリーレンとの旅が魔族との戦いになる」ことをハイターは知っているわけです。
南の勇者の「秘密」と叙述トリック(第63話)
南の勇者が語った未来の出来事はすべて「ヒンメルなら知っている」または「自己成就できる」ものです。これが南の勇者の「秘密」です。「魔法」に「ひみつ」のルビを振った叙述トリックです。未来視の魔法ではありません。(前掲)
80年の時の経過を利用したクヴァール討伐(第5話)
時間の経過を利用したクヴァールの討伐が、この魔王討伐計画のヒントになっています。
アイゼンの「待つ。それもまた一つの選択だと思うがな。長寿種の特権だ」(第116話)
クヴァール討伐と同じ発想です。勇者一行は「時間」を利用することにかなり自覚的です。魔王戦で苦戦したときに、当然、同じ発想に至ったでしょう。
アイゼンの「あの場所ではいろいろあった」(第8話)
フリーレンが昼寝している最中のアイゼンとフェルンの会話で、アイゼンは「あの場所(エンデ)ではいろいろあった」と言った後に沈黙してしまいます。
これはフリーレンに言えない秘密があることを示しています。
フリーレンが「魔王を必ず倒す」と言い、ハイターはそれを信じることにした(第31話)
ここからは、ヒンメルたちが魔王にかなり苦戦して、魔王を倒せるかどうか、ヒンメルたちの気持ちに迷いが生じ始めていたこと、そして、フリーレンこそが魔王討伐の鍵であり、ヒンメルたち三人がフリーレンを信じて、フリーレンに何かを託したことがわかります。
ヒンメルは「勇者の剣」を抜けなかった(第25話)
まだ過去改変が足りておらず、ヒンメルが魔王を倒す世界線になっていないからです。
ソリテールの〈女神の石碑を前にして〉「天地創造の女神。こんな化け物まで魔族(わたしたち)は相手にしなければならないのね」(第116話)
ソリテールの言う「こんな化け物」とは、「不可逆性の原理(時間は決して巻き戻らないという世界の理)」さえ捻じ曲げる「天地創造の女神」のことです。つまり、フリーレンから未来の情報(記憶)を奪う前から、魔王は人類による時空干渉の利用を懸念して、女神の石碑を監視させていたことになります。
ヒンメル・ハイター・アイゼンがフリーレンをキーノ峠の石碑に誘導している。(女神の石碑編)
「女神の石碑編」においてヒンメルは初めて時空干渉の存在を知ります。(フリーレンが知るのは80年後の二回目のキーノ峠到達時です。)
そして、フリーレンが未来に帰還するために過去改変を積極的に利用することを思い付きました。(第116話「よし決めた。魔王を倒した後に調べよう。〈ハイター:ですからそれでは遅いと…〉わかっている。だから今そうすると決めた。」。そう決意することで過去改変を行い、未来のフリーレンに帰還の魔法の魔法名(フィアラトール)を知らせたのです。)
これは魔王に敗北したヒンメルたちが時空干渉を利用した魔王討伐計画を発案するきっかけです。
計画に従って、勇者パーティ解散後のヒンメル・ハイター・アイゼンの三人は、気付かれないようにしながらフリーレンをキーノ峠の女神の石碑まで誘導しました。
計画の詳細を知らないフリーレンを更にエンデまで導くことがこの計画の要です。
魔王がフリーレンから未来の情報(記憶)を奪うよう命じている(第116,117話)
未来の情報(記憶)とは、ヒンメルたちの魔王討伐計画です。
フリーレン自身はこの計画を知らないかもしれませんが、フリーレンの記憶を詳細に調べればフリーレンがヒンメルたちに誘導されてエンデを目指していることがわかります。
フリーレンの「ゼーリエにはどんな未来が見えているの?」、「私の役割は何?」(第140話)
第140話においてフリーレンはゼーリエに対して「ゼーリエにはどんな未来が見えているの?」、「私の役割は何?」と問いました。
ここでフリーレンが表明しているのは、「全体像を把握できない何か大きな計画」の中で自分が駒となって動いていることを感じ取った不安です。
フランメの手記「この世界の人々」(第7話)
フランメの手記にこうあります。
大陸の遥か北の果て。この世界の人々が天国と呼ぶ場所魂の眠る地にたどり着いた
「この世界の人々」という表現は複数の世界線の存在を示しています。
参考
その他の考察記事へのリンクです。作品に対する私の理解が徐々に更新されているため、内容が古くなっているものもありますことはご了承ください。
「ユーベル&ラント」といった「キャラ萌え」的記事から、「魔族の起源」といった真面目な考察まで作成していますので、読んでいただけると嬉しいです。
※『葬送のフリーレン』に関する主要な考察記事を「質問と回答」の形式でまとめています。
※『葬送のフリーレン』に関するすべての考察記事を収録したマガジンです。
