「面白い文章」に、共通して存在するもの
大学3年生は、本格的な就職活動にむけた準備をしている時期かと思います。
ぼくが就職活動をしていた頃は、Webでエントリーシートや履歴書を提出することができるようになった時でした。手書きの苦労が、パソコンで楽につくれるだけあって、まさに革命的でした。
あれから10年が経ち、就活の最前線では「リテラシーが勝敗を決める」状態になっているようです。SNSの発展が、就活生どおしの情報交換を強めています。
とくに、「テンプレート文章」が目立ちます。
履歴書に記載する志望動機、長所短所、面接での回答例など、テンプレート文章を配布するアカウントに、多くの就活生が群がっています。
とある人気のポストに添付されていたテンプレート文章は、まさに「お手本」のような文章でした。
たとえば、コカ・コーラ向けの文章はこちらです。
貴社が手掛ける多様な飲料は、世界中で世代を超えて愛され、人々に潤いとハッピーなひとときを提供しています。私自身、日常の様々な場面で貴社製品から活力を得てきました。大学時代に培った顧客ニーズをくみ取り提案する力を活かし、貴社では営業やマーケティングを通じて、その圧倒的なブランド力で人々の生活に彩りを与える価値を届けたいです。地域に根差し、社会に欠かせない存在として貢献しながら、自らも成長し続けたいと強く志望します。
要点をしっかりとらえている文章です。
10年前の人事であれば、この文章を見た瞬間にエントリーシート合格の連絡をしていたかもしれません。しかし、今は生成AIを活用している就活生もおり、一概に本人が意図して作成した文章とはいえなくなりました。
実際に、生成AIを活用したことで、エントリーシートが100%通過している学生もいるようです。使用に関しては性善説になるので、逆に利用しないと損な時代なのかもしれません。
一方で、AIを判別されることを恐れ使用しないという意見も出ているようです。
ただ、検証を行ったところ、長文であればAIの見分けがつきますが、400字程度では判別が難しいようです。
ぼくは、生成AIを活用することが、決していけないこととは思いません。昔でいう「就活攻略本」を使用するのと変らないからです。
ただ、すべてを生成AIに頼ったとしても面接はかなり厳しいと思います。
テンプレートは、あまりにも「当たりさわりない」ので印象に残りにくいのです。
「さわり」は「障り」と書きます。つまり、邪魔や妨げといった存在です。一見すると、そのような存在がないほうが良い印象ですが、人間は「障り」がないと面白くないんです。
「障り」は、直面したできごとにどう向き合い、どう対処したかによって生まれるものです。つまり、「自分の物語」があるからこそ、言葉に温度が宿るのです。
noteも一緒です。面白いと感じる文章には「障り」があります。テンプレートのような完璧な文章より、あなたらしい文章を人は好みます。ぼくも、「障り」を生み出せるよう意識して、これからも綴っていきます。
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