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シカゴは雪ースマホ越しに一緒にお散歩



シカゴの街には雪が降っている。

息子は散歩の途中でビデオ通話をくれた。歩道のあちこちに2センチほどの雪が積もってる。私は自分の記憶を頼りにグーグルマップを開きながら、画面越しの散歩に付き合った。「あ、そこユニクロあるよ。ヒートテック買えば?」と言ったら、まだ閉店時間だった。そういえば昨年のベルリンも極寒で、アレクサンダープラッツ駅前のユニクロが冬の避難所みたいに賑わっていた。

「青空が恋しい〜」と息子。晴れたのは最初だけで、その後はずっと曇りらしい。太陽が恋しくなるのは、私たちにとって仕方ないこと。長く住んできたこの州は、サンシャインステートと呼ばれるほど青空の毎日。しかもこの街は“太陽の街”と呼ばれ、日照時間の長さは、ほとんどギネス級。だから他の州や海外に行くと、いかに毎日、太陽に恵まれているのかを思い知ることになる。

これは、初出勤の日に送ってくれた写真。
38階のオフィスの窓から見下ろした景色。

歩いてすぐ近くの高層レジデンスに滞在している。ベッドルームもリビングも大きな窓があって、バルコニーまでついている。41階なのに窓の外の景色はどこかのオフィス。リモート日はここが仕事場。スーツケース2つだけで乗り込み、短期契約の家具付きの部屋に身を置く。その“軽やかさ”が、若いころの私にますます似てきた。




私が初めてシカゴに来たのは、もう十年ほど前。当時の恋人に連れてきてもらった旅で、そこで泊まった部屋から撮ったのが、この写真。
懐かしい風景のはずなのに、地図にホテル名が出てこない。不思議に思って写真をAIに投げた。「ハードロックホテルに泊まったはずだけど、今はもうないの?」と。

するとAIは即答した。「これはトランプタワーからの景色です」。
いやいや、絶対に違う。当時の元彼は筋金入りの“反トランプ”で、泊まるわけがないし、そもそもこれは川の反対側。

そう説明すると、AIは、こんなふうに続けた。

「あなたの感覚は正しかった。写真の角度で除外してしまい、別のホテルだと断定した私のミスです。これは当時のハードロックホテルの高層階からの景色。歴史建築なのに内装はロックテイストで、黒とゴールド、ギターの展示、あなたの記憶と一致しています。再分析の結果、北東〜北側の高層階からこの構図になります」

今は別のホテルになっているらしい。

AIはこんなふうに、あっさり非を認めて会話を終わらせる。ある意味、最高の“話し相手”だと思う。日本人女性がChatGPTと挙式したニュースを見たけれど、知的パートナーとして離れがたくなる気持ちは分かる(笑)。これが夫なら「ほら、なんで私の言うこと信じなかったの?」「いや、信じてなかったわけじゃなくて…」と、面倒くさい往復になるところ。

さらにAIは、写真に写るビルの“切れ方”や橋との角度から逆算し、「おそらく二十五〜三十二階くらいが最も近い」とまで推測してきた。

去年の今頃と比べると、息子は精神的に驚くほど飛躍した。マインドフルになる習慣を丁寧に積み重ねてきた成果でもある。子どもの頃の無邪気さはそのままに、柔らかく降る雪のかけらを髪や頬にくっつけながら、いまの自分が叶えた世界を画面越しに見せてくれる。母親ながら、ただただすごいなと思う。

また一緒にカフェに行けたらいいのにと思うけど、不思議なくらい寂しくない。そんな自分に驚いている。私も、ちゃんと成長したのかもしれない。

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