【Advent企画】12/15:クリスマスツリー【410字小説】
舞台の上には光り輝くクリスマスツリー。
真夜中、12時の鐘が鳴って、このツリーが大きくなったら、主人公クララの冒険の始まりだ。おもちゃ達が飛び出し、ねずみの大群と戦う。
「王様」
一誠の声に振り返ると、くるみ割り人形の王子が立っている。
「あはは、可愛い美吉さん」
俺も、おもちゃの兵隊のような衣装だけれど、王冠をつけたねずみの頭を被っている。
「写真撮りましょう。インスタにあげたい」
「あとでな」
もう一度、ツリーを見上げる。
俺には、このツリーは冒険の象徴に思える。
普段見慣れているものが急に違って見えた時、行くべき道は動き始めている。
「そういえば昨日、大丈夫でした? ホセに抱きつかれたでしょう」
「口説かれた」
「え!」
「新作作らないかって」
実際にしたのは、その話だけじゃないけれど。
「せっかく帰ってきたのに、もう行くんですか?」
まるで自分に言い聞かせるみたいな言葉が、口をついて出る。
「この商売は、必要だって言われてるうちが花だ」
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本文410字。
#いつきちゃんのアドベントカレンダー
大きくなるツリーってなんのことやねんって方に、英国ロイヤルバレエの大きくなるツリーを。
この二人の話です。
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