観戦記 第14節 福島ユナイテッドFC VS RB大宮アルディージャ
概要
2026/5/3
福島VS大宮 1-2
大宮得点: 75'泉、90+6’関口
福島得点: 90+4’土屋
@とうほう・みんなのスタジアム
*現地観戦*
大宮布陣

GW5連戦の第3戦。前節のヴァンフォーレ甲府戦からターンオーバーを実施し、なんと11人全員を変更してきた。
前線4人とボランチ2人は、前々節の藤枝MYFC戦の6人に。GKには笠原がA甲府戦(第8節)以来の復帰。
CBは村上とガブ様のコンビだけど、スタメンでの共闘は去年の第17節H愛媛FC戦以来2回目という中々のレア具合い。その時はテツさん指揮下の3バックでの共演だったので、4バックでのコンビは恐らく初めてのハズ。
そして右SBには高校3年生の木寺が初出場&初スタメン!H岐阜戦での神田の記録(17歳10ヶ月28日)を抜き去り、チーム最年少出場記録(17歳7ヶ月21日)を更新!
179 cmとSBとしては身長もある木寺は、二種登録で今季をスタートし、リーグ戦でベンチ入りを果たした後、晴れてプロ契約を結んだ逸材。
プレーを見るのはこの試合が初めてだったけど、アジリティとスピードがあり、縦突破が得意なタイプに見られた。サイドでボールを受けて何度も前進して、高い位置まで上がれて行けてたので、ファーストインプレッションとしては非常にいい感じ♪。縦一直線だけでなく、中に入っていくこともあったので、もっと多くの時間で動きを見てみたいっすね。
プレス原理もしっかり守っていて、例えば18分や後述する67分のプレスなどは素晴らしかった。
ロングスローも確か2回ぐらい投げていて、これまで茂木ぐらいしかいなかったロングスロー使いが出てきてくれて、チームの戦術の幅が広まるのもいい感じ★
*西尾も今年1回A甲府戦で投げていたけど、あれはビハインド下の緊急事態のため除外。CBがスローイングするのはあまりよろしくないので、通常下で使えるって意味で、投げられるのはこれまで茂木ぐらいだった
🎥 Focus | 𝗦𝗨𝗡𝗔𝗢 𝗞𝗜𝗗𝗘𝗥𝗔 👀
— RB大宮アルディージャ (@Ardija_Official) May 3, 2026
4️⃣4️⃣#木寺優直
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茂木&木寺のSBでビルドアップをどうするのかなぁと思っていたけど、今日は3バック可変ではなく、4バックでビルドアップするやり方を選択。
互いが逆サイドのSBを気にしているのが見て取れて、つるべのようにバランスを取っていた時間が多かった。この辺りは初出場の木寺をサポートする意味でも、バランス取りがうまい茂木の抜擢は理に適っていたのかも。
福島 印象

一方の福島もターンオーバーを実施し、前節長野パルセイロ戦から7人交代し、予想通り前々節の甲府戦とほぼ同じメンバーで来た。
前節から変更なかったのはDF陣の安在、土屋、藤田と、前線の岡田。福島の攻撃の軸の岡田は、この3連戦全てで先発という事に。
前線の真ん中にはベテランの樋口。今日は福島のユニの背番号の視認性が本当に悪くて、スタジアムから選手の識別が全くといっていいほどできなかった中、樋口は髪型ですぐわかって非常に助かった。甲府のさんぺーさんと2トップを組ませたい♪
前回対戦時はボランチの位置まで落ちてボール受けたりもしてたけど、今日はそこまで下がってきてなかった印象。
右FWには縦への突破力とラインブレイク能力のある芦部、IHには狩野・中村が復帰。
そしてアンカーには怪我復帰後、大事を取って出場時間が限られていた針谷が満を持してスタメンに。ジュビロ磐田時代からも冴えていたパスセンスで、福島のパスサッカーの扇の要となる。
プレビューでもいっぱい書いたけど、寺田監督の下、幅狭く中央に人数を集めてショートパスでその中央突破で前進していくスタイルの福島。基本的にはペナ幅に選手を集めて、SBも中央に寄ってサイドに張る事はあまりしない。
ただ、今日の試合では攻撃時にSBが結構開いていた点が何より目についた。例えば片サイドに寄ってボールを回している時でも、逆サイドのSBが一人密集に加わらずにサイドで張っている事が何度も見られた。
前回対戦時ではそんな事せずにSBも結構中央に寄っていた(←確か)ので、今日のやり方は多分に大宮対策だったんじゃあないかなと思われる。ボールとは逆サイドのスペースは、現状の大宮のやり方におけるウィークであり、去年もだけど、特にここ数試合は多くのチームがつっついてきてるとこなんで、福島も多分に漏れず、狙いどことして定めていたんじゃあないかな、と。
*福島の全試合見てるわけじゃあないので、逆サイドでのアイソレーションは普段からやってるのかもだけど
また、今日の前半は風上だったこともあり、思った以上にロングボールを前線に入れることも多かった。
守備に関してはハイプレスが基本。
噛み合わせ的に中盤中央では3対3の同数になるため、カウアンと和田さんにはIH 2枚が、山本にはアンカーの針谷がべったりマークについていた。最近はどのチームもボランチ2枚にマークをしっかりつけてきて、大宮のビルドアップを阻害にかかっている。
前線からは樋口を筆頭に3FW (2枚が行き、1枚はサポート的な立ち位置)でGKからのビルドに規制をかけ、SBに入ったら対面のSBがジャンプして迎撃に来ていた。特に風下だった前半は、大宮はこの福島のプレスに大分苦しんでいた。
試合展開 前半
今日の試合はゴール裏で見ていたんだけど、スタジアムの傾斜がなくて全体の動きや逆サイドのゴール前の状況が非常にわかりづらく、更に福島の背番号が全くといっていいほど視認できず、両チームのやり方をあまり理解できていない部分が多いです。試合を見返す時間もないので、ところどころ理解が追いついていない部分がありますこと、ご了承下さいです。
強風が吹き荒れる中始まったこの試合。前半は福島が風上を取る事になったため、いつもの福島よりロングボールも使って裏抜けも狙いに来ていた。元々福島の前線は裏抜けもできるタイプもいる(特に芦部)のため、こういった攻撃も中々に怖かった。ただ強すぎて福島もうまく風を使いこなすまで行かず、味方に繋がらずにそのままゴールラインを割ってしまう事も多かった。
ただ風下に立つ大宮としては風の影響は大きく、攻め込まれた際のクリアの距離が出ずに押し戻されて、陣地を回復するまでいかずに連続攻撃を浴びることもしばしば。笠原のキックもコントロールを失って流されたり、押し戻されたりで、前線のカプにうまく当てることにも四苦八苦していた(去年の風が強かった試合では、笠原はもっと低弾道キックを撃っていた印象があったんだけど)。
そのため、前半はガマンの展開になるなぁと開始直後から見てて思っていた。
また、福島のSBにボールが入った時の大宮のプレスに関しては、いつもより若干遅かった印象。もしかしたらこれまでのやり方の修正で、大宮は守備時の基本的なSBの立ち位置を、いつもより少し下げていたのかもしれない。
向かい風で受け身になることが多かった大宮だったが、攻撃では13分の村上の速い縦パスからの日髙のシュートや、20分の山本のシュート、21分の木寺の思い切った縦突破チャンスビルドからの泉のシュート、ATの村上の奪取からの山本の裏抜け&GKとの1対1など、ゴール前に迫るシーンもしっかりと作る。
一方、風上で押し気味に攻撃ができた福島に対する大宮の守備。
密集中央突破の福島に対し、大宮の密集プレスは相性がよく、現に前回対戦では前線でボールを狩りまくれていた。この試合でも同様の再現を狙うが、前半はそこまでハマらずに、福島の前進を許してしまっていた印象 (13分のゲーゲンはよかった)。
14分、大宮相手に狙ってたいたであろう逆サイドに振られてシュートを撃たれるも、これは村上がスライディングブロック!
33分にはカウアンの軽い守備で中盤を突破されて、数的同数の危ないシーンを作られるが、岡田のシュートはDFに当たって事なきを得る。
35分にも逆サイドに振られたが、ここは和田さんが中盤で素晴らしい奪取を見せて、未然にチャンスを摘み取った。
39分には左SBの安在が負傷交代で、前節ヘッドで得点している當麻がCBに入り、藤田が左SBへ、藤谷が右SBへ回った。
そんな感じで前半終了。
向かい風で大きなクリアやロングボールによる制御が難しく、福島の前進にやや苦しんだ大宮。
そんな中シュート数は「福島: 7 VS 大宮: 8」、支配率は55%と、互角の値となる。ただ、決定的なチャンスは大宮の方が多かった印象で、前半のゴール期待値は「福島: 0.44 VS 大宮: 0.71」であった。
とにかく酷い向かい風だったので、同点で御の字で後半勝負でOKかなって感想の前半。
もっとハイプレス&ゲーゲンがハマるかと思ったけど、どちらかというと追い風で背中を押された福島のハイプレスの方がハマっていた感じ。プレスで困って蹴らされたロングボールが風で戻されてしまう場面も何度も見受けられた。
木寺の活躍やプレーを中心に前半は見ていたんだけど、それ以外のプレイヤーのピックアップとしては村上。危ないシュートを複数回ブロックで防いだり、縦パスでチャンスを演出してたりと、目立ちづらいけど前半素晴らしい活躍で無失点に貢献をしていた★。
試合展開 後半
過密日程下での3連勤疲れも考慮してか、福島は岡田→清水の交代。清水は前節は1トップをやっていたが、今日はそのまま岡田のいた左FWに入る。
風下になって、あまり決定的なゴール前のシーンを作れなくなった福島に対し、後半は大宮が押し気味に進め、55分のカプのFKからの茂木のヘッド、58分のカプ&山本のゲーゲンからの連続攻撃など惜しいシーンを作る。
また、67分の茂木ロングスローからの混戦下の福島のクリアを木寺がブロックし、ガブが押し込むが惜しくも枠外に。このシーンをピンポイントで映像で見返したんだけど、木寺が全力ダッシュして相手のクリアをブロックしていて、本当に素晴らしいプレーだった!天晴!
その木寺は74分に関口に交代。最初に書いた通り、もっとプレーを見たくなるような上出来のデビュー戦だった!
関口が入った直後の75分、相手のSBからGKへのバックパスに対し、獲物を狙っていたかのように日髙がインターセプトで、一気にゴール前でチャンスクリエイト。パスを受けた山本のシュートはDFに弾かれるが、そのこぼれ球が泉の前に転がり、これを左足で丁寧に押し込んで大宮が先制!
半分くらいは日髙につけてあげたいくらい、前からの守備意識によって取れた得点。落ち着いて押し込んだ泉は、これで徳島ヴォルティスのバルセロスに並んで、得点ランキングトップに!
このシーンも相手にボールを取られた直後のゲーゲンプレスが効いた末での物だったけど、この辺りの時間から大宮の前プレとゲーゲンがハマりだしていて、結構前から奪えてたんだよね。
ギアアップして大宮のプレスに行くスピードが速くなったようにも見えたし、あとは福島側に疲れが出ていたのかな、と。ギアアップが事前の作戦だったのか、もしくは試合中の指示だったのかは気になるところ。
81分にカプ→健勇の交代。健勇がトップ下に入り、山本は右SHに回った。
後半は引き気味に守ることが多かった福島だが、最終盤で得点が必要になったため、前線に人数を上げて同点を狙いに行く。
88分には左からクロスを上げられたが、逆サイドの茂木がヘディングで素晴らしいクリア!茂木は、攻撃時にも右からのクロスに頭で合わせたりと、得意なプレーでしっかりと好守に貢献してくれていた。
守備固めと時間稼ぎのために、ATに日髙・泉・カウアン→サンデー・石川・中山の交代を決行。殊勲の日髙は攻撃にプレスに、ここまで前線で動きまくっていて足が攣ってしまっていた。交代メンバーは、それぞれ交代選手の位置へ。
#0503大宮 𝙋𝙡𝙖𝙮𝙗𝙖𝙘𝙠
— 福島ユナイテッドFC (@fufc_staff) May 3, 2026
ゴール前の混戦から、 #土屋櫂大 選手がゴール🙌
うれしいプロ初ゴール㊗️✨#福島ユナイテッド pic.twitter.com/zGuh78SVYn
このまま無失点で切り抜けたかった大宮であったが、AT90+4分、人数をかけて押し込む福島の波に飲まれる。
芦部のカットインからの初撃は笠原がファインセーブで弾き返すも、クリアしきれず再攻撃を受ける。二撃目は茂木がスライディングブロックで止めるが、このこぼれ球が右サイドでフリーになってたCB土屋の前に転がり、これを三度目の正直で決められてしまい、土壇場で同点に追いつかれてしまった。19歳ながらU-23代表選出の若きDFリーダー土屋は、これがプロ初得点とのこと!
時間がなくパワープレーをしかけ、ペナ内に8人入れてきていた福島に対し、大宮の人数が足りずにボールがある中央に寄りすぎてしまい、大外でフリーの選手を作ってしまった感じの失点。茂木の必死のブロックで土屋のとこにボールがこぼれてしまったのは運がなかったけど、福島のパワープレーにやられてしまった感じ。
とにかくこれで福島の選手、ベンチ、サポーターは大歓喜の渦に包まれた。
最後の最後に同点にされ、今日も勝ちを逃してしまった大宮…となるはずだったが、キックオフ直後に更なるドラマが。
中盤中央で中山からパスを受けた関口が、距離がある中、思い切って左足でシュートを放つ。すると追い風にも乗ったボールはGKチョン・ソンリョンの手をすり抜け、一直線にゴールネットに突き刺さって、土壇場の更に土壇場で大宮が勝ち越しに成功!
先の同点で完全に意気消沈の色が見えていた大宮ゴール裏も再興奮!
いや、去年のPOジェフ千葉戦で見せたような、利き足でない左足からの素晴らしい関口の強烈シュート。ゴール裏の観客席から見てても、一直線に突き刺さった素晴らしい軌跡だった!
時間のことや追い風のことを頭に入れた上での思い切った関口の判断と、それを決め切ったこれまでの努力が表れたゴールだったかと。ありがとう!
最後の最後に大きなドラマを展開して、試合は終了。大宮は敵地で1-2の劇的な勝利をあげた!
大宮の保持率は51%と、前半と比較して若干落とした値に。観戦していた感じ、後半の方がボールを持ててた気がしたんだけど、やっぱり今日は正しく試合を見られてなかった可能性が少しあったのかも。
また、シュート数「福島: 14 VS 大宮: 14」、ゴール期待値「福島: 1.29 VS 大宮: 1.33」と、最終的なデータは本当に互角な結果に。後半、終盤以外は福島の攻撃は単発に抑えていたような気がしてたんで、予想より福島のデータがよかった感じに。やっぱり今日は正しく試合を見られてなかった可能性が高かったのかも。
雑感
福島のショートパス&密集中央突破に対し、相性の良いハイプレスが決まりまくる事を期待しての試合であったが、福島もSB開かせたりロングボールやサイドチェンジも織り交ぜたりして大宮対策を施し、中々に尻尾を掴めなかった今日の試合。
そもそも前回対戦がうまく行き過ぎていた感が否めない試合だったので、やはりプロ同士の戦いでは、相手もある事で思い通りにはいかないものだなぁとしみじみと感じた。
それでも終盤ギアアップして前プレがハマりだしてから、その流れでルーキーの日髙の全力プレーと泉の決定力で先制できたのは素晴らしかった。
本当は0-1のまま終了させなくちゃあいけない試合だったのはそうなんだけど、まぁ劇的なラストのドラマを現地で見られた代価と考えればってポジティブに思いましょうか。
ただ勝利に喜んだり、うまく行かなかったとこを反省したりする暇もなく、GW連戦は続き、中二日で、仇敵いわきFCとの試合が待っている(おまけにいわきは中三日…)。
リカバリーをしっかりして、最強プレスのいわきへの準備を整えてほしいっすね。
おまけ

自転車で4号線を北上し、1日半かけて福島のスタジアム着。一昨年は来られなかったので、初めてのスタジアム。福島駅から10 kmほど離れた田畑の中にぽつんと建っているため、福島サポの人達も毎試合来るのは中々に大変そう。
それにしても移動していた2日とも強烈な向かい風で、前に進むのに中々苦労させられたー。


陸上兼用のスタジアムで、ゴール裏は芝生席。
陸上レーンがありピッチまで遠く、更に芝生席からの角度が無いため、ピッチ全体の動きや、逆側の事象がほとんどわからなかった… (*2枚目の写真がゴール裏からの視点のイメージに近い)。
メインスタンドは角度があって見やすそうだったので、そっちから見ればよかったかも。

劇的勝利後のご挨拶。早くリカバリーして連戦に備えて下さい。
