【あとがき副音声】書くつもりのなかった話 #5
双葉社 文芸総合サイト・COLORFULで連載中のエッセイ、『明日死んでもいい、そう思えるほどに今日を生きたくて。』の最新話が更新となりました。
第5話は、【マヨネーズ入りのスクランブルエッグ】。
死んでしまったことにしていた祖母のこと。憎しみの先に広がる凪は、赦しなのか、それとも弔いなのか。家族という、愛しくも残酷な繋がりを書きました。
もしよかったら、コメントやメッセージやSNS等で、感想をお寄せ頂けるととても嬉しいです。
noteでは、連載公開の度にあとがきを残しています。よければ連載を読んで頂いた後、副音声的な気分でこちらも覗いていってみてくださいね。
「マヨネーズ入りのスクランブルエッグ」執筆後記
自分の文章にはそれぞれ思い入れがあるものだが、このエッセイは、自分の内側から込み上げるものをありのままに綴ったなと初めて言えるものかもしれない。それほどの自分の中の生な感情に真摯に向き合って書いたと思う。
エッセイをいくつか書いていくとなった時に、一瞬祖母のことがよぎり、いやこれは書いていいものじゃないだろうとすぐに頭の中の一覧から消していた。書くつもりはなかった。書いてはいけない気がしていたし、書ける気もしなかった。それが、書きたかったテーマの原稿をまるで書けない日々が2週間過ぎて、もうダメかもしれないと思っていた矢先、たまたま読んだ本に家族の風景が出てきて、気づいたらこれを書き始めていた。2時間くらいで書き終えただろうか。
提出する前に、少し躊躇った。祖母に読まれる可能性は0ではない。では、読まれたくないのだろうか。そう自問した時、どこかで読まれたいと思っている自分がいた。だからやっぱり提出することにした。
連載を始めてからよく考えるようになったことだが、人生には「答えがでない」という答えがたくさん存在する。結果や結論が急かされるこの時代に、誰しもがあらゆる宙吊りの思いを抱えながらそれでも前を向いて歩いている。歩いていくその先で、答えがいつかでることもあれば、一生でないこともあるだろう。そんな、まとまりきらない複雑さを抱えていることこそが人間の証明でもあるような気がする、今日この頃。
第6話の公開は、3月20日(金)。ぜひ本編もあとがきも、読んで頂けると嬉しいです。
▼連載もくじ
【第1話】名前を生きる | 〈本編〉・〈あとがき〉
【第2話】続きのない物語 | 〈本編〉・〈あとがき〉
【第5話】マヨネーズ入りのスクランブルエッグ | 〈本編〉・〈あとがき〉
【第6話】キテンゲと金曜日の午後 | 〈本編〉・〈あとがき〉
【第7話】同じ物語の違う登場人物 | 〈本編〉・〈あとがき〉
【第9話】壊れたミシンと想像的人生の持ち時間 | 〈本編〉・〈あとがき〉
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