索引のようなもの-鶯色の芽吹篇-
この『物語の欠片-鶯色の芽吹篇-』はカリンとレンを主人公にした、十七番目の物語である。
第一篇である『鳥の歌篇』を終えた後の、『金色の馬篇』から『白銀の大鷲篇』までは『鳥の歌篇』で描ききれなかったカリンとレン以外の仲間たちをもう一段掘り下げた内容になっている。
アンソロジーを挟んで、次の『灰色の森篇』から『象牙色の城郭篇』では、少しずつ各種族の族長たちの存在感が強くなってくるとともに、アグィーラ王国そのものの謎に触れることになった。
更に『金糸雀色の午篇』から『濡羽色の小夜』篇では、これまでお馴染みの脇役だった人物たちが脇役らしからぬ存在感で物語に関わり始めた。局長たちがその最たる例だろう。そしてこの『鶯色の芽吹篇』では、ついに局長と族長が直接交わった。
今後また、カリンとレンが直面する問題の質が変わりそうである。物語がどう展開していくのか、私自身楽しみだ。
はじまり
パキラの、少し癖があるが何かの意匠のような美しさを持つ文字で、不思議な手紙が届いた。曰く、ポハクで三百体以上の駝鳥の骨が見つかったのだそうだ。駝鳥は昔「鳥馬」と呼ばれ、マカニ族が地上の移動に利用していた鳥だった。パキラにしては煮え切らない手紙に、カリンとレンだけではなく、族長自らポハクへ赴くこととなる。
駝鳥の部屋
パキラに直接話を聞いたが、やはりどこか煮え切らないものを感じる。それは自らの身内が関わっているから、というだけなのだろうか。
そんな中族長は、すぐにでも駝鳥の骨が見つかったという坑道へ行くと言う。ポハクに到着した当夜だというのに、カリンとレンは再び夜遅くに空に舞った。
急襲
前夜に夜遅くまで活動をしてゆっくり起きた朝。問題の不可思議さに反して平和な朝だった。しかし、朝食の途中でその平和は脆くも崩れ去った。昨夜訪れたばかりの駝鳥の部屋が何者かに荒らされたのだという。カリンたちが駝鳥の部屋を去ってから幾らも経たない頃だった。一体何が起きたのか。
アグィーラへ
駝鳥の骨はアグィーラへ運ぶことになった。マカ二から多くの戦士たちが応援に駆けつける。二班に分かれて駝鳥の骨を運ぶマカニ族たちを待ち受けていたのは、骨の調査を受け持つ文化局でも医局でもなく、法務局長のシェフレラだった。シェフレラの思惑は。
マカニへ、そして再びアグィーラへ
アグィーラへ骨を運んだ後、族長は驚くほどあっさりとマカニへの帰還を決めた。そしてシェフレラと約束した五日が経ち、再びアグィーラを訪れたカリンとレンに、新たな情報がもたらされる。謎が謎を呼び、事態は更なる混乱をきたす。
辺境の暮らし
どうやら鍵になるのはポハクの辺境の民たちのようだ。アグィーラやマカニでの暮らしとはかけ離れた、ポハクの辺境の民たちの暮らしとはどのようなものなのか。
駝鳥の骨の謎
不可思議に見えた各々の事象は綺麗に整理された。謎は解かれたと言って良いのだが、巧妙な首謀者を摘発するのは難しい。激しく憤るイベリス。族長とパキラの決断はいかに。
マカニ族とポハク族
マカニ族とポハク族には、族長とパキラ以前にも親しくしていた族長が居たのかも知れない。その友好の証のようなひとつの湖を巡って、新たな攻防が繰り広げられる。
前へ
実質的に野望の阻止に寄与したイベリスも、問題解決の一助を担ったカリンも、すっきりしない結末に溜息を隠しきれない。そんな二人を笑って励ますレンも、今回のことで自らに新たな課題を見つけたようだ。時間は前にしか進まない。永遠に変わらぬものなど無い。三人は、それぞれ自分の道を見つけて歩き続ける。
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