ドイツの「父の日」、 「昇天祭」と一緒に祝うのはなぜ?
日本の「父の日」は、父の日の発祥の地・アメリカと同じく6月の第3日曜日ですね。
しかしドイツの「父の日/Vatertag」はアメリカや日本とは異なり、ドイツの祝日・「昇天祭/Christi Himmelfahrt」の日となっています。
今年は5月14日(木)です。
多くのキリスト教信仰のヨーロッパ諸国でも昇天祭は祝日になっていますが、この日を「父の日」としているのは世界でもドイツだけです。
なぜドイツでだけ、昇天の日に父の日をあわせて祝うことになったのでしょうか。
昇天祭(Christi Himmelfahrt)とは
「昇天祭」は「イエスの昇天、升天祭」とも呼ばれ、イースターで復活したイエス・キリストが再び天に昇る日のことです。
ドイツ語ではChristi Himmelfahrt(クリスティヒンメルファールト)
昇天祭はイースターの40日目、イースターの日曜日(復活祭)から39日後の木曜日に祝われます。
これは使徒言行録やルカによる福音書などに記されており、多くのキリスト教信仰の国で祝日となっています。

父の日の起源
ドイツの父の日の起源にはいくつかの説があり、これもまたはっきりとしたものではないそうです。
①オリーブ山へ歩いたイエスの11人の弟子たちを模倣して、男性たちがハイキングや乗馬を行っていた。
②中世:昇天の日にイエスが「"天の父"のもとへ昇っていく」ことから、この日を「父の日」と呼んだ。
③中世:信者たちは昇天祭の3日前に豊作と自然災害からの保護を祈って行列を行っていた。
④ゲルマンの法的慣習から、土地所有者が自分の所有権を維持するために年に一度、自分の土地を歩き回っていた。
など…
そして19世紀末のベルリンでは男性たちがアルコールを持ってハイキングをする「ヘレンタークHerrentag(男性の日)」という習慣が生まれました。ヘレンタークは独身男性も参加できました。
これは、ベルリンの醸造会社たちが経済的利益のために生み出したと考えられています。
北ドイツ、東ドイツでは特にこのヘレンタークの習慣が広まりました。
祝日にしたのは、ヒトラー
そしてそのヘレンタークを受けて、1934年にヒトラーとゲッベルス(ナチスドイツの宣伝大臣)が昇天祭を祝日と定めました。(ただし東ドイツで祝日になったのはもっと後のこと)
昇天祭は木曜日であり、この日を祝日にすることで多くの人が金曜日にも休みを取って長い週末を過ごすようになりました。

アドルフ・ヒトラー
Bundesarchiv, Bild 183-H1216-0500-002 / CC-BY-SA, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=178545364による
「なぜ昇天祭は父の日になり、祝日となったのか」まとめ
📙古代~中世
天の父のもとへ昇天する=父の日
男性たちのハイキングや乗馬
📙近代
ベルリンの醸造会社が経済効果を狙って「ヘレンターク」を広めた
ヒトラーが「昇天祭」を「祝日」と定めた
📙現代
「お父さん」に感謝をし、家族で時間を過ごす祝日
ヘレンタークの習慣は今でもベルリンを中心にいくつかの地域では残っており、父の日にはお酒などを積んだトレーラーをひいて歩く男性たちを見ることができるそうです。(※私は南ドイツに住んでおり、実物はまだ見たことはありません。もしご覧になった方がいらっしゃいましたら、コメントをいただけると嬉しいです。)
キリストの昇天を祝う「昇天祭」と同日に行われるドイツの「父の日」。復活祭から数えて6回目の日曜日直後の木曜日、つまり今日になります。昔は若いお父さんに父親のとしてのマナーや作法などを教える日だったそうですが、今ではお父さん達がお出かけをして祝うそうです。しかも祝日㊗️! #父の日 pic.twitter.com/T2YSuhlV1o
— ドイツ大使館🇩🇪 (@GermanyinJapan) May 29, 2025
しかし、時代の流れとともに現在では「父の日は家族で過ごそう!」という傾向にあるようです。
確かに、父の日だからといって家族をおいて外で飲み歩いていたら、世の奥様方はちょっとイラっとしてしまうかもしれませんね。
皆さんはどのように父の日を過ごされますか。素敵な一日になりますように。

参考:
Warum fällt Vatertag auf Christi Himmelfahrt? - SWR Kultur
Vatertag – Wikipedia
Christi Himmelfahrt: Deshalb heißt er auch Vatertag | Jesus.de
Wie aus Christi Himmelfahrt der "Männertag" wurde | MDR.DE
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