連なる風景に記憶を重ねて
賑やかな祝祭の気配に、漂う切なさに
2025年の万博への旅は、この回で終わりとなる。
3度目に訪れたのは9月の末で、万博の会期もほど
なく終わりを迎える頃。180日に渡る祝祭の風景は
私の一部となるように、記憶を何度も重ねながら。

万博の風景が帯びる特徴的な形は
いつかの思い出と重なりあう

白く輝くキューブの連なりの先で

建物は遠い国の物語を紡ぐ
万博で初めてふれる国もあれば

未知なる造形とも出会う
躍動する景色に、自らの記憶も活気を帯びていく

万博に描かれた大きな円は風景を包み込み
人々とこの場所をつなぐ道標ともなった

足元に鮮やかに咲く花は
何気ない日常とともにある

非日常の鮮やかさがつなぐ色合いに
いつもの通り道を重ねるようにして

見上げればかやぶきの断面
形や素材は、旅の記憶を拾い上げる。会場を

縫うように東から西へ進めば、眺めに浮かぶ赤いハート
形は言葉と、言葉は形と交わりあい

眼前に浮かぶ白と赤の大きな球体は
思い出の中の形へと語りかける

会期も終盤に向けて、万博はいっそう活気を帯びる

大阪港から始まったその日の旅は
円を描くようにして、またこの地へ誘われた

会場の中で、踊るように建つパビリオン

その間を縫うようにして、紡がれる人々の物語

風に花は揺れ、風景は揺らぐ

緑がそよぐ潮風に吹かれ

移ろう風景とアートをたどる
風景を繰り返す。同じとなる事のない風景
時々で目に映るものは異なり、姿を変えていくと
考えれば、風景との出会いは奇跡のようでもある。

風景の中に喜びを
形に楽しさを集め

どこかとつながる空

その下でくつろぐ人々。万博という空気にふれて

その経験を胸にまた次なる場所を目指すのだろう

2025年に大阪で行われた

万博で出会った風景は

白から青へと色を帯び
つながるいつかの空の気配

そしてその形は、空と雲へ溶け込むように
万博で出会う非日常の風景。そこに日常を重ねれば
視点は反転し、見知った風景は広がりを持ち、記憶
の中でリンクする。そう考えれば、風景は決して、
この場限りではなく、これからの人生の中に幾度と
現れるものとなる。万博を歩いたざわめき。輝き。
温度、話し声。旅を分割する。旅の風景を切り取る。
それらは記憶の素材となり、時と場所を越えて積み
重なる。旅をして視点を連ね、旅と自分を関係付け、
手に取るように風景をたどり、記憶をそっと胸の
引き出しにしまう。そんな旅を繰り返している。
