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「風雲急、米蔵騒動顛末記」(真夏の米蔵談義)

❤これは漫才ではござらぬ!!!^0^ 笑いおったらそなたの負けじゃ。笑い損なったらココマイヒメは差し上げられぬ。



<天正戦国小姓の令和見聞録>
 桟敷席:淀君、黒澤明監督、メアリー・スチュワート・スコットランド女王様、エリザベス一世様、通りすがりの歴女様
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 春日山城、鳴海幕府(開府1587年・天正15年)
 お屋形様:上杉道満丸景虎
 ご正室様:英愛御前
 (フィンランド生まれ・エイミー・フェリックス(Amy Green felix)
 毒舌ご意見番:今 冬香(こん とうこう)
 食客・毒見役:二本末 転倒(にほんまつ てんとう)
 見聞録検め:小姓・仁科源太
 見聞録検め気付:著者・加地鳴海殿
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 ◆天正四百五十三年 六月十五日

其の五 「風雲急、米蔵騒動顛末記」(真夏の米蔵談義)

 此度、関東管領殿からお屋形様に江戸永田藩の米蔵騒動についての書状が届いた故、吟味いたした結果、事の顛末に関わった家老と家臣どもを春日山城に呼び、申し開きの朝議を行うことと相成った。以下は地文なき会話のみの事ゆえ、誰が話しておるかはそなた達の想像にお任せ致す。

「おう、よう参られたな突破殿、そこにおるのは森夜魔殿、さては奥におるのはボン吉、ドラ吉と相違ないか」
「お屋形様、此度は家臣の不手際により日の本の領民に申し訳ない事を致し、誠に遺憾でござりまする」
「なに、遺憾とな。米蔵を直接商人に移管とな。イカン、イカン、非常時に備えていた米蔵をワシの許しもなく勝手に開くとは、笑止千万、笑うに笑えるわ、笑うしかないわ」
「お屋形様、そう笑わずとも。それでは、我らは詫びをお入れしましたので、失礼つかまつります」
「やい、てめい、笑いの意味もわからねぇでよく言うわい。人づきあいが苦手で伴天連の棟梁とも付き合わねぇだと、それでも藩の殿様かえぃ。ユーモアをもっとてなずけろ」
「ご意見番殿、そうお怒りめされるな。ワシは受けを狙って戯言をいったまでじゃ。遺憾と移管とイカンはまさにオジンギャグじゃったのう。許せよ突破殿」
「そう申されても。私めは笑うことすら忘れ申した。顔の形相からしても諸国から相手にもされませぬ。米騒動に関しては、すでに詫びを入れ申したので、そういったまででござりまする。永田城の内外では、回りくどくて大したことも言っていないのに、ふんぞり返っておると噂されておるのは事実としても、実際もそうでございますれば、なにも申すことはございませぬ」
「そなたは少数の派閥を組んで、他の散らばった家臣共を味方につけ、なんとか藩をまとめておると聞いたが」
「それゆえ、私めは、早く城に戻りませぬと部屋を乗っ取られると思いましたので、取り急ぎ・・・」
「心配いたすな、突破殿。すでに手は打っておる。幕命で全国の領民には、米代として二両を手渡す手はずは整えておる。鳴海金山を甘くみるのではないぞ。御館の乱の最終決戦で秀吉・景勝・兼続軍を打ち破った軍資金の宝庫じゃ。金子のことは心配すな。日の本をまとめるには十分な金山なのじゃ。越後の領民からは年貢を取る必要はないが、米だけは大切に作らぬと国は滅びるぞ」
「わらわは、領民でもおなご・子ども・弱き者へは優先して施しをせねば、突破殿の過ちは許せぬでな。遠縁のメアリー・スチュワート・スコットランド女王は、従姉妹のエリザベス女王一世殿の命により自害させられよったが、か弱き領民へはいつも寄り添うておった。国は違っても政の思いは同じぞ。ドラ吉、ボン吉とやらはそなたの家来ではないか。そこの二人の父方は生前は家老職であったそうな。ドラ吉や、職の世襲はもう辞めなされ。米は買わずとも家にはふんだんにあるとか、いつも商人からはただで米をもらえるなどど言うでないぞ。食べるものがなければ野草をも厭わぬ立派な領民の品位を汚してはならぬ。ボン吉もじゃ、亡き父君は飛脚御用達の屋形を伴天連に売り渡したそうじゃな。その地盤を引き継ぎボンボンの世間知らずと領民から称されておるというではないか。それに、勝手に藩の米蔵をこじ開けて、古古古古米まで手をだすとは何事ぞ。それでは、インバウンドの伴天連のために差し出すと噂されても致し方あるまい。伴天連の地では不作が続き日の本には米を運ぶ余裕はないそうじゃ。備蓄がなくなったいま、どうするつもりなのじゃ」
「ボン吉がおこたえいたしまする。拙者、世間知らずの上に甘やかされて育ちましたので、事の前後の判断ができませなんだ。ミレニアム・アクセス米だかぞんじませぬが、食せるのか食せないのかわからなくても、形だけでも整うことに気がいってしまい、騒動に拍車をかけてしまい申した」
「わかっておるではないか。されば、このさきどう致すのじゃ」
「わかりませぬ・・・」
「こまったものじゃな。さすれば、急ぎ明国にでも遣いを出さねばの。令和ではもう国交は回復したのでござろう?東南アジアでも豪州でもボン吉殿が責任を持って頭をさげて送ってもらうしかなかろう」
「この森夜魔が行ってまいりまする。此度の騒動の起因は拙者の落ち度。ボン吉はただの手駒でござれば、伴天連との交渉はむずかしゅうござりまする」
「此度の騒動は早く収めないと領民の怒りは静まらぬからな。どうじゃ、ご一同、越後領内の美味いコメの品種が精米されてきおったぞ。その名を、「ココマイヒメ」と申す。さっそく食してみよ・・・」
「お屋形様、痛み入りましてござります」
「さ、遠慮のう召し上がるのじゃ。わらわもお屋形さまも、家臣のものも食しているものゆえ、気にいるはずじゃ」
「はは、ありがたく頂戴いたしまする・・・」
「どうじゃ、汁と川魚も揃えておる」
「ははぁ・・・」
「突破殿、森夜魔殿、ドラ吉、ボン吉いかがした?」
「これはこれは・・・お・い・し・い・でござる。これはお屋形さまも御前さまがいつも食しておられるコメでござりまするな」
「川魚と山菜も美味しゅうござる・・・」
「ご一同、顔色が悪うござる。どうされた・・・」
「いえ、美味しゅうて美味しゅうて食べすぎてござる」
「沢山召し上がれ。それそれ・・・」
「・・・・・・・・」
「いかがした?」
「すみませぬ、一同、厠に赴きたく・・・。よろしいか・・・」
「そうせよ。無理強いはせぬ・・・」
「お屋形様、アイツら、美味いといいながら、怪しいもんだぜ」
「ご意見番殿、そうも申すな。わかっておるわ・・・」
「アイツラらは、お屋形や御前が毒見役も嫌うほどの物を食しているのを知らぬのですからなぁ、ははは・・・」
「良い薬になると良いがな」
「お屋形様、そういえば源太と毒見役の二本松転倒とやらの顔が見えませぬが・・・」
「御前、言うのを忘れておったぞ。彼らが食する前に、とうに厠に駆け込んでおる」
「わたくし共はまだ平気でございますな・・・」
「根無し草の薬草のお陰かの。日頃の行いも良いから毘沙門天様が守っておいでなのじゃろう」
「その毘沙門天様も厠に駆け込んだとか、軒猿らも・・・」
「なんじゃ、ご意見番も血相を変えて行きよったぞ・・・」
「世も末ということでございますね」

(以上原文)


🎭 吉本新喜劇座長が読んだら。

😆 着眼点とパロディへの評価

  • 時事ネタの昇華に唸る!

    • 遺憾(いかん)と移管(いかん)とイカンをオジンギャグじゃったのう」というセリフは、まさに新喜劇や漫才で多用される同音異義語のボケです。座長は、「くっ、この手のギャグをまさか戦国時代の権力者の口から出させるとは!」と、そのセンスに一本取られたと感じるでしょう。

    • 「突破殿」「森夜魔殿」「ドラ吉」「ボン吉」といった、現代の政治的な出来事や人物を彷彿とさせるキャラクター名と、その言動(特に「ふんぞり返っておる」「世間知らず」「部屋を乗っ取られる」など)のパロディが、非常に鋭く、かつ笑いに変えられている点を高く評価するはずです。「笑いを通して世相を斬る」という、お笑いの本質を見た気分になるでしょう。

  • 設定のシュールさに爆笑

    • 上杉景虎や淀君といった歴史上の人物と、黒澤明監督、メアリー・スチュワート女王、さらには「フィンランド生まれの御前様」が同席しているぶっ飛んだ設定に、「おいおい、設定が渋滞しすぎやろ!最高か!」と声を上げて笑うでしょう。この常識を破壊するシュールさは、新喜劇のノリに非常に近いです。

✍️ 構成とオチへの評価

  • 畳みかける会話劇

    • 「地文なき会話のみの事ゆえ、誰が話しておるかはそなた達の想像にお任せ致す」という構成は、まさしく新喜劇の舞台や、漫才の掛け合いのように、会話のテンポと勢いだけで物語を進めていく手法です。座長は、会話の呼吸や間の取り方をイメージしながら、その勢いに引き込まれるでしょう。

    • 登場人物たちの、言い訳がましく、どこか小物感のあるやり取り(「詫びをお入れしましたので、失礼つかまつります」)は、新喜劇のダメな大人たちを見ているようで、共感を呼ぶ笑いとなります。

  • 最後のオチの秀逸さ

    • 大騒動の果てに、お屋形様が「美味い米」として振る舞った「ココマイヒメ」の正体が、毒見役も嫌がるようなものだったというオチは、新喜劇の鉄板である**「誰もが巻き込まれる災難オチ」**です。

    • 登場人物たちが次々に「厠(かわや)」に駆け込み、「毘沙門天様も厠に駆け込んだとか」「ご意見番も血相を変えて行きよった」と、**オチがどんどんスケールアップしていく(全員が巻き込まれる)**展開は、「あっぱれ!」と膝を叩くほどの完成度だと感じることでしょう。「笑いを堪えたらココマイヒメは差し上げられぬ」という前フリも、この最後のオチに繋がっていて、構成の妙に感心するはずです。

🎤 総評

座長は、「こいつ、わしらの舞台の構成をようわかっとる!これは漫才やない、完璧な舞台コントや!」と絶賛し、ご自身ならこの話をどう演出し、どういう役者を配役するか、想像しながら楽しまれることでしょう。


吉本新喜劇座長様の代わりにご感想を述べさせていただきます。

「おもしろい!これはホンマに漫才とちゃうで。舞台の『芝居』の形をとって、しっかり笑いを取りにきてるわ。政治風刺を、こんなふざけた戦国時代に放り込んで、最後に全員が腹下すというオチ。人情とパロディと、アホアホのギャグが全部詰まってる。わしの新喜劇でぜひ使いたいネタやわ。笑いおったら負け、と言われたけど、ワシは完敗や!ココマイヒメをいただくで!」


「真夏の顛末記:十三話総集編」(其の零~其の十三)<原文のみ>

↓ 各話別桟敷席批評篇(見聞録版)↓

其の零「柘榴(ザクロ)と茉莉花(ジャスミン)の香りの世界」
https://note.com/cool_arnica9767/n/nf9d9003a2f24

其の一「令和版御伽草子・浦島半五郎と丁姫の赤い糸」(真夏の奇談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nb0dc0a538063?from=notice

其の二「怨念と輪廻の紅い糸」(真夏の綺談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nec7ee894b9d3?from=notice

其の三「オールジェンダー厠の光景」(真夏の漫談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n1cbeef41d24b?from=notice

其の四「オールジェンダー風呂の光景」(真夏の怪談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n97ca46104107?from=notice

其の五「風雲急、米蔵騒動顛末記」(真夏の米蔵談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n016c4bb4ec62

其の六「人類和平招聘薬」(真夏の巷談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n66724920b560

其の七「遠回し恋路談義」(真夏の馴れ初め談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nd23068316bd6

其の八「冥界へ渡る向川岸の風景」(真夏の三途の川談義)https://note.com/cool_arnica9767/n/nf2c333f87dc8

其の九「一心不乱と一心腐乱と一心太助」(腐っても鯛談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n48bf8dbf8da3

其の十「恐怖の大王再来談義」(世紀の予言談話)https://note.com/cool_arnica9767/n/n4900e0f3ebdc

其の十一「侮れぬ一人旅の醍醐味」(桟敷席談話篇)https://note.com/cool_arnica9767/n/n599abcc0107f

其の十二「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」https://note.com/cool_arnica9767/n/n2cf4763f3778


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<淀君からの文>

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 それにしても、いや、お待ちを! この淀、まさかこのようなものを見せられるとは、夢にも思わなんだわ!

 「天正戦国小姓の令和見聞録」と申したか。ふん、小賢しい! 令和五輪などと、わらわが生きし頃には想像もつかぬ未来の出来事を、さも知り尽くしたかのように書き連ねおって。しかも、わらわとの間で極秘と申すではございませぬか! 面白い! 面白すぎるわ! この淀に隠し事など、お里が知れるというものよ。

 まず、この書簡の冒頭、桟敷席とやらには、黒澤明とやら、スコットランドの女王、そしてエリザベス一世と申すか。あの女狐エリザベスと、かのメアリーが同じ席に座るなど、冗談にも程があるわ!
 毒を飲んで死んだメアリーが、今さらエリザベスと肩を並べるとは、冥府でも地獄でもあり得ぬこと。
 全くもって理解に苦しむわ! 黒澤明とやらは知らぬが、きっと異国の芸能人か何かであろう。通りすがりの歴女とやらも、何者か知らぬが、さぞや野次馬根性が逞しいことであろうな。

 そして、春日山城、鳴海幕府と申すか。鳴海など、どこぞの田舎の小城ではなかったか? それが幕府を開くとは、全くもって笑止千万! しかも、開府が天正15年だと? わらわが生きし頃に、そのような幕府は存在しなかったわ! お屋形様が上杉道満丸景虎と申すか。
 上杉景虎ならば知っておるが、道満丸などと、随分と幼名めいた名をつけおって。ご正室がフィンランド生まれの異国の女とは、なんともはや、いかがわしきこと。
 今冬香とやらが毒舌ご意見番とは、さぞや鼻持ちならぬ女であろう。二本末転倒と申す毒見役は、名前からしてすでに転倒しておるわ。
 見聞録検めが小姓の仁科源太と、著者とやらが加地鳴海殿と申すか。何やら胡散臭い人物ばかりではないか!


 さて、本題の「風雲急、米蔵騒動顛末記」とやら、全くもってくだらぬ! 「お屋形様」とやらが、江戸永田藩の米蔵騒動について語っておるが、米蔵を勝手に開いたとて、一体何が騒動と申すのだ!
 米は民の命の源、非常時に開くは当たり前であろうが! わらわが秀頼を抱きしめ、大坂城で籠城した折には、あの方もわらわも、米蔵の備蓄をいかに大切にしたか。民のためならば、いかなることも厭わぬのが、真の武将というもの。

 突破殿とやらが「遺憾」と申したか。それがオジンギャグだと申す「お屋形様」の口上は、全くもって滑稽!
 その上、人付き合いが苦手で伴天連の棟梁とも付き合わぬ藩主だと? 異国の者と積極的に交流し、新たな知識や文物を吸収することこそ、国を豊かにする道ではないか!
 信長公が伴天連を厚遇した真意も知らぬのか!

 この突破殿とやら、自分の不手際を棚に上げ、笑うことすら忘れ、挙句の果てには早く城に戻らねば部屋を乗っ取られるなどと、なんとも情けなきことを申す!
 わらわならば、たとえ一兵卒となろうとも、城を死守し、民を守るために命を懸けようぞ!

 そして、この「お屋形様」とやらが、幕命で全国の領民に米代として二両を手渡す手はずを整えたと申すか。
 鳴海金山が軍資金の宝庫だと? 笑わせる! 金の力で民の心を繋ぎ止めようなどと、浅はかなことよ!
 真の忠誠は、金では買えぬもの! 越後の領民からは年貢を取る必要はないと申すか。ならば、一体何で国が成り立つのだ!
 米作を大切にせねば国は滅びると申す割には、いかにも他力本願!


 そしてわらわと同じ「おなご・子ども・弱き者へは優先して施しをせねば」と申す英愛御前とやら。
 遠縁のメアリー・スチュワート・スコットランド女王は従姉妹のエリザベス女王一世殿の命により自害させられたと。
 ふん、わらわとて、世の荒波に揉まれ、多くの悲劇を経験して参った。弱き者に寄り添う心は、わらわとて持ち合わせておるわ!

 ドラ吉、ボン吉とやらも情けない! 職の世襲を辞めよと申すは正論だが、米をただでもらえるなどと申すは、民の品位を汚すもの!
 そしてボン吉とやら、世間知らずの上に甘やかされて育ち、古古古古米にまで手を出したと申すか! なんと愚かな!
 しかも、ミレニアム・アクセス米とやら、食せるか食せないかわからぬものを形だけ整えるとは、全くもって呆れ果てた!

 不作が続き、伴天連の地から米を運ぶ余裕がないとなれば、備蓄を蓄えるのが賢明であろうに。それを開いてしまうとは、なんと愚かなことか!
 明国に遣いを出すとは、全くもって後手に回っておるわ! 東南アジアや豪州に頭を下げて送ってもらうしかないとは、情けなきこと!


 最後の「ココマイヒメ」とやら。美味いと申して食わせたかと思えば、厠に駆け込むとは、全くもって悪趣味な!
 毒見役も厠に駆け込むほどとは、一体何を食べさせたのだ!
 それを「良い薬になる」などと申す「お屋形様」と「ご意見番」は、全くもって人の心を理解せぬ者たちよ!

 源太と毒見役の二本末転倒が食する前に厠に駆け込んだと聞いて「わたくし共はまだ平気でございますな」と申す御前の台詞は、いかにも傲慢!
 「根無し草の薬草のお陰か」と申すのも、全くもって根拠のないこと。毘沙門天様も厠に駆け込んだとは、神をも恐れぬ不敬な発言!

 そして最後に「世も末ということでございますね」と申すか。全くもってその通り! この「天正戦国小姓の令和見聞録」とやら、全くもってくだらぬ!
 人の心を弄び、浅はかな考えで世を渡ろうとする者たちの戯言に過ぎぬわ! わらわならば、このような愚か者どもは、即刻成敗いたすであろう!

 しかし、ここまで破茶滅茶な話も、ある意味では面白うござるな。この淀、これを読み終えて、思わず高笑いしてしまったわ!
 次は一体、どのような珍妙な話を聞かせてくれるのか、楽しみにしておるぞ!


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<黒澤明監督のおことば>

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 ふむ、これはまた、何とも……。見事なまでに、腐り切った世の有様を描き出しとるな。天正四百五十三年、か。未来の世、令和、とやらも、結局は、いつの世も変わらぬ人間の業が渦巻いておるということか。

 これはまさに風刺劇じゃ。それも、痛烈な。表向きは和やかな朝議の体裁を取りながら、その実、権力者の傲慢、愚昧、そして保身のためなら何でもござれ、という人間の醜態が、これでもかとばかりに描かれておる。

 まず、設定が面白い。春日山城、鳴海幕府、か。上杉道満丸景虎なる人物が屋形様とはな。そしてフィンランド生まれの正室様、毒舌のご意見番、食客の毒見役。異質なものが入り乱れ、既にこの時点で、時代劇の枠を超えた奇妙な世界が構築されておる。
 わしは常々、時代劇は単なる過去の再現であってはならぬと思ってきた。そこには、現代に生きる人々への問いかけ、あるいは警鐘がなければならぬ。その点、この「見聞録」は、その役目を果たしておる。

「風雲急永田城、米蔵騒動顛末記」と来たか。米騒動、か。飢えはいつの時代も民を苦しめる。しかし、その原因が、権力者の無能と保身にあるとなれば、これはもう、怒りを通り越して滑稽じゃ。

 突破殿、森夜魔殿、ボン吉、ドラ吉。それぞれの名前に意味を持たせておるな。「遺憾」「移管」「イカン」と屋形様が言うたか。はは、確かにオジンギャグとやらじゃな。だが、その言葉に潜むのは、民の苦しみへの無関心、いや、むしろそれを食い物にする輩の姿が見え隠れする。

 突破殿の「私めは笑うことすら忘れ申した。顔の形相からしても諸国から相手にもされませぬ」という台詞。これぞ、現代社会に蔓延る、閉塞感と諦めを象徴しておるではないか。
 民に寄り添うべき者が、自己保身に走り、挙句の果てには笑うことさえ忘れるとは、世も末とはこのことか。

「少数の派閥を組んで、他の散らばった家臣共を味方につけ、なんとか藩をまとめておると聞いたが」という言葉からは、現代の政治における派閥争いや、その場しのぎの政策が見えてくる。
 そして、「早く城に戻りませぬと部屋を乗っ取られると思いましたので」とは、滑稽なまでの権力闘争。民のことなど二の次という姿勢が、あからさまじゃ。

 屋形様が「鳴海金山を甘くみるのではないぞ。金子のことは心配すな。日の本をまとめるには十分な金山なのじゃ」と大見得を切るあたりも、現実の政治家が、根拠なき楽観論を振りかざす姿と重なる。
 金さえあれば全て解決する、という奢り。だが、本当にそうか?

 そして、極めつけは、エイミー・フェリックスなる御前様の言葉じゃ。「わらわは、領民でもおなご・子ども・弱き者へは優先して施しをせねば、突破殿の過ちは許せぬでな」。
 一見、民思いの言葉に聞こえるが、その後に続く、メアリー・スチュワート女王の故事を引き合いに出すあたり、どこか上から目線で、現実離れした高潔さを装っておるようにも見える。

 ドラ吉やボン吉の世襲の話。これもまた、現代社会の世襲議員や、特権階級の批判じゃろう。
 「米は買わずとも家にはふんだんにあるとか、いつも商人からはただで米をもらえるなどど言うでないぞ」。
 これなど、まさに腐敗の温床。庶民の苦しみを顧みない贅沢三昧。

 古古古古米にまで手を出すとは、本当に情けない。「インバウンドの伴天連のために差し出す」という噂。
 これは、現代の観光政策や、外国人への過剰な優遇に対する皮肉か。不作続きの異国の地へ、自国の備蓄を差し出すとは、本末転倒も甚だしい。

 ボン吉の「ミレニアム・アクセス米だかぞんじませぬが、食せるのか食せないのかわからなくても、形だけでも整うことに気がいってしまい」という台詞は、内容よりも形式を重視する、現代の官僚主義や、本質を見失った政策を厳しく批判しておる。

 そして、極めつけは、あの「ココマイヒメ」じゃ。あれを食わせ、ご一同が厠に駆け込むとは……。
 お屋形様と御前様が、毒見役も嫌がるような物を食しておる、とご意見番が言うておるが、それ自体が、民とはかけ離れた、特別な存在であることを示しておる。
 本当に民と心を一つにする気があるなら、同じ釜の飯を食うはずじゃ。だが、現実はどうか。彼らは、自らの保身のためなら、民に毒を盛ることすら厭わぬという、恐ろしい寓意が込められておる。
 それが「良い薬になる」とは、もはや為政者の驕り以外の何物でもない。

 源太と二本末転倒が先に厠に駆け込んだとは、彼らがこの狂った状況を、あるいはこの腐敗を、誰よりも早く察知しておるということか。
 そして、ご意見番までもが駆け込み、最後の「世も末ということでございますね」という台詞。
 これは、この見聞録全体を貫く、諦念と、それでもなおこの世を憂う、作者の嘆きが込められておる。

 これは笑いどころではない。これは、人間の愚かさ、為政者の腐敗を、ユーモラスな言葉遣いの裏に隠して、我々に突きつけておる。
 わしがこれを読めば、苦虫を噛み潰したような顔で、しかし、深く頷くであろう。これは、映画にする価値がある。
 民の怒り、そして民がそれでも生きていかねばならぬという、静かなる絶望を、どのように描くか。考えるだけでも、身震いがする。

 さて、この物語の続きは、一体どうなるのじゃ?



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<メアリー・スチュワート・スコットランド女王様のささやき>

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「遥か異国の騒動に思うこと」

 ああ、まこと、なんともはや。この「天正戦国小姓の令和見聞録」とやら、何度読み返しても飽きませぬな。わたくしめが居るスコットランドとは、遠く離れた日の本にて、これほどまでに人間臭く、そして愉快な騒動が繰り広げられておるとは。

 まず、上杉道満丸景虎のお屋形様。なんとも茶目っ気のあるお人柄でらっしゃる。非常時の米蔵を勝手に開けた家臣どもに、ただ怒るだけでなく、「笑止千万、笑うに笑えるわ、笑うしかないわ」と仰せになるとは。しかも、「遺憾と移管とイカン」などと、自ら「オジンギャグ」と称する冗談を飛ばされるとは、憎めぬお人。わたくしめの宮廷にも、これほどの機知に富んだ者がおれば、日々の憂さも少しは晴れるものを。

 そして、今 冬香殿と申されるご意見番の、その歯に衣着せぬ物言い!「やい、てめい、笑いの意味もわからねぇでよく言うわい」と、殿様であろうと容赦なく一喝される様は、まことに見事としか言いようがございませぬ。このような率直な者が、側にいてくれるのは、ある意味、幸せなことでしょう。心の内を隠さず、真実を告げてくれる者は貴重でございます。

 わたくしめの従姉妹であるエリザベス殿の名を出され、か弱き領民への慈悲を説く英愛御前様には、心より感銘を受けました。
 異国の地から来られながら、これほどまでに日の本の民を深く思いやるとは、なんと気高く、お優しい御方でしょう。
 わたくしめも、民の苦しみに常に寄り添いたいと願っておりましたゆえ、御前様の御言葉には、胸が締め付けられる思いがいたします。国は違えど、民を思う「政(まつりごと)の思い」は、まこと同じでございますな。

 さて、この騒動の元凶である突破殿ドラ吉ボン吉の三人には、少々呆れてしまい申した。特にボン吉殿の「世間知らずの上に甘やかされて育ちましたので、事の前後の判断ができませなんだ」という白状には、なんともはや、言葉もございませぬ。
 しかし、お屋形様が、このような者たちにも寛大な心で接し、挙句の果てには毒見役も嫌うほどの米を食わせるとは…!「良い薬になると良いがな」というお屋形様の御言葉には、深い情けと、そして厳しさが込められておりますな。

 極めつけは、この騒動の顛末でございます。美味い米と見せかけて、一同が厠に駆け込むとは!しかも、源太二本末 転倒殿、そしてご意見番までもが駆け込むとは、なんとも滑稽な結末。まさか、お屋形様と御前様だけが、その米を平気で召し上がっておられるとは…「根無し草の薬草のお陰かの。日頃の行いも良いから毘沙門天様が守っておいでなのじゃろう」と仰せになるお屋形様の、なんと飄々としたこと!

 この物語は、人の世の喜怒哀楽、愚かさ、そして慈悲の心を、ユーモラスに描き出しておりますな。わたくしめの悲しい運命も、このような物語に触れることで、しばし忘れることができました。日の本の遠き地にも、このような愉快な人々がおると知れば、わたくしめの心も少しは和らぐというもの。

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<エリザベス一世女王のお言葉>

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 おぉ、何とも興味深い一幕ではないか! このエリザベスが、この「天正戦国小姓の令和見聞録」とやらを読んだとな? ふむ、想像してみせようではないか。笑わぬ自信はあるが、その保証はできぬぞ!


エリザベス女王、見聞録を読む

「ほう、これはまた…『天正戦国小姓の令和見聞録』と申すか。奇妙な題名よな。天正…日本の年号か。そして令和とは…未来の世か? ふふ、面白い趣向ではないか。」

「ふむ、桟敷席にはメアリー・スチュワートとあるな。くっ…まさか、このような場所でまで彼女の名を目にするとは。悪趣味なことよ。しかし、まあ…あくまで物語の中のことに過ぎぬ。良しとしよう。」

春日山城、鳴海幕府とな。日本の地名であろう。そして、上杉道満丸景虎がお屋形様? フィンランド生まれのエイミー・フェリックスがご正室だと? 何と、これはまた奇妙な組み合わせよな。毒舌ご意見番に、毒見役? くすくす…日本の殿様というものは、随分と変わったものだのう。」

天正四百五十三年、六月十五日か。随分と未来の日にちではないか。しかし、この文章…まるで芝居の台本でも読んでおるかのようだ。『風雲急永田城、米蔵騒動顛末記』…いかにも騒動の始まりといった風情よな。」

「『おう、よう参られたな突破殿、そこにおるのは森夜魔殿、さては奥におるのはボン吉、ドラ吉と相違ないか』…ふん、随分とくだけた物言いをする殿様よな。我らの宮廷では、斯様な口の聞き方は到底許されぬわ。」

「『なに、遺憾とな。米蔵を直接商人に移管とな。イカン、イカン、非常時に備えていた米蔵をワシの許しもなく勝手に開くとは、笑止千万、笑うに笑えるわ、笑うしかないわ』…んん? イカン、イカンとな? ふふっ…洒落のつもりか。日本の殿様も、案外お茶目な一面があるものよな。笑止千万、笑うに笑えるわ、笑うしかないわ…まったく、言葉遊びのようではないか。これは…ふふふっ。」

「『やい、てめい、笑いの意味もわからねぇでよく言うわい。人づきあいが苦手で伴天連の棟梁とも付き合わねぇだと、それでも藩の殿様かえぃ。ユーモアをもっとてなずけろ』…おぉ、ご意見番とやら、随分と手厳しいことよ。伴天連とは、我らキリスト教徒のことであろうか。ユーモアをてなずけろ、か。たしかに、為政者たるもの、民心を掴むにはユーモアも時には必要であろう。むむ…しかし、この口調は…まるで市場の魚売りではないか!」

「『わらわは、領民でもおなご・子ども・弱き者へは優先して施しをせねば、突破殿の過ちは許せぬでな。遠縁のメアリー・スチュワート・スコットランド女王は、従姉妹のエリザベス女王一世殿の命により自害させられよったが、か弱き領民へはいつも寄り添うておった。国は違っても政の思いは同じぞ。』…なに?! 私の名が出たか! しかも、メアリー・スチュワートのことまで…まさか、日本の物語にまで、あの忌々しい女の名が記されるとはな。そして、私が彼女を自害させた、と。ふん、事実はそうであろうよ。だが、あの女もまた、己の身勝手さゆえにその運命を辿ったのだ。か弱き領民に寄り添うた、と? ふふん、その言葉が真実であれば、彼女の命ももう少し長らえたであろうに。」

ココマイヒメ…? 日本の米の名か。美味しそうではあるが…そして、皆が食して顔色を悪くしたとな? ふふふ、まさか、殿様が家臣に奇妙な米を食わせるとはな。そして、厠に駆け込むと…これはつまり、腹を下した、という事であろう? くっくっく…。」

「『良い薬になると良いがな』…んん? 薬だというのか? 腹を下させる薬…? うむ、まさか、家臣の不手際に対する懲罰の一種か。随分と回りくどいことよな。だが…ふふ、その手腕、見事なものではないか。」

「『その毘沙門天様も厠に駆け込んだとか、軒猿らも…』…なに、神様まで厠に駆け込んだとな?! くっくっくっく…これは…『世も末ということでございますね』…か。ははははは! これは面白い! 実に面白い! 腹を抱えて笑ってしまったではないか! くっ、このエリザベスを笑わせるとは、お主、ただ者ではないな!」


 ふむ、この見聞録、我が宮廷の道化師よりもよほど人を笑わせる才があるようだな。次は一体どのような奇妙な話を聞かせてくれるのか、楽しみであるな。


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<通りすがりの歴女の感想>

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・歴女の感想:歴史上の人物が「令和」の世界観に触れる面白さ

 これはもう、たまらない設定ですね!
 歴史上のライバルであるエリザベス一・世メアリー・スチュワートが、架空の「令和」の日本を舞台にした物語を読むという発想自体が、歴女の心を鷲掴みにします。


❤メアリーの視点:共感と哀愁、そして微かな皮肉

 メアリーがこの物語に「共感」を覚えているのが非常に興味深いです。特に、フィンランド出身の英愛御前が「弱き者へ優先して施しをせねば」と語る部分に、自らの境遇と重ね合わせるように「民の苦しみに常に寄り添いたいと願っておりましたゆえ、御前様の御言葉には、胸が締め付けられる思いがいたします」と述べているのは、彼女の悲劇的な人生を思うと胸に迫るものがあります。

 しかし、その一方で「わたくしめの悲しい運命も、このような物語に触れることで、しばし忘れることができました」という言葉には、どこか諦念や、自らの運命に対する皮肉めいた感情も感じられます。遠い異国の物語に救いを見出す、繊細なメアリーらしい感想ではないでしょうか。


◆エリザベスの視点:徹底したリアリズムとユーモアの評価

 対照的にエリザベスの感想は、まさに「女王」としての現実主義**が垣間見えます。メアリーの名前が出た瞬間の「くっ…まさか、このような場所でまで彼女の名を目にするとは。悪趣味なことよ」という反応は、長年の因縁を根底に持ち続ける彼女の性格をよく表しています。

 また、お屋形様の「オジンギャグ」や家臣たちの間のやり取りに対して、「我が宮廷では、斯様な口の聞き方は到底許されぬわ」と評しつつも、最終的には「実に面白い!腹を抱えて笑ってしまったではないか!」と、そのユーモアの質を高く評価しているのが面白いですね。彼女が道化師よりも見聞録の作者に才を見出しているあたり、権力者としての冷静な評価眼も持ち合わせていることが伺えます。


♣二人の関係性が物語に与える深み

「メアリー・スチュワート・スコットランド女王は、従姉妹のエリザベス女王一世殿の命により自害させられよったが」という一文が物語の中に差し挟まれていることで、読んでいる二人の女王の反応に深みが加わります。メアリーが「国は違えど、政の思いは同じ」と共感を述べる一方で、エリザベスが「あの女もまた、己の身勝手さゆえにその運命を辿ったのだ」と冷徹に言い放つ対比は、歴史の重みをひしひしと感じさせます。

 この見聞録は、単なるコミカルな物語としてだけでなく、そこに登場する歴史上の人物たちの「人となり」や「関係性」までもが際立つ、非常に凝った作品と言えるでしょう。
 歴女としては、この二人がさらにこの物語を読み進め、どんな感想を抱くのか、深く興味をそそられます。


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