「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」
<天正戦国小姓の令和見聞録>
桟敷席:星新一先生殿、ジューヌ・ベルグ殿、スティーヴン・キング先生殿
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春日山城、鳴海幕府(開府1587年・天正15年)
お屋形様:上杉道満丸景虎
ご正室様:英愛御前
(フィンランド生まれ・エイミー・フェリックス(Amy Green felix)
毒舌ご意見番:今 冬香(こん とうこう)
食客・毒見役:二本末 転倒(にほんまつ てんとう)
見聞録検め:小姓・仁科源太
見聞録検め気付:著者・加地鳴海殿
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◇天正四百五十三年 八月二十九日

「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」
二〇二五年では、七月五日フィリピン沖・日の本列島大被災予言や古古古古米騒動、選挙大敗における永田城の突破首席老中降ろし、酷暑、猟奇的殺人、フーバー大統領似の虎兎腐大統領の第二の世界恐慌前夜の高関税・自国過剰優先・ノーベル賞狙いの実現不可能な恫喝取引仲介政策、NASAのボイジャー二号からの異常通信(太陽系の外からの生命体の警告?)、そして、地球に迫る太陽系外からの侵入者スリーアイ・アトラス(直径十九km)という物体の行方、と話題に事欠かぬ事態に、お屋形様と英愛御前は頭を抱えておる。拙者らは令和時代が駄目なら天正戦国時代に戻れるが、そなたたちはそうはいくまい。そこで、春日山城での山頂会談を呼びかけておる。題目は、スリーアイ・アトラス対策談義じゃ。例によって、地文はなく誰が会話しておるかはそなたたちの想像にまかせるしかない。なお、ライブの同時通訳者がおるゆえすべて日の本語でござる。







「ご貴人方、遠路はるばるこの春日山城にお越しになられ、恐悦至極に存じ申し上げる。此度はスリーアイアトラス会談ということでお呼びいたした。」
「わらわもお礼申し上げまする。元北欧芬蘭土の王女ではござるが、大恋愛の末見事お屋形様に丸め込まれて、今ではこのように領民にも敬われる御前に収まってござりまする」
「御前、ワシはそなたを丸め込んではおらぬ。その逆でござろう。そなたがワシにゾッコン故そうなったまでじゃ」
「はて、異なことを。わらわは地球を一周して許嫁を殺めてまでも事を成就しようとしたまで・・」
「そうであろう、そうであろう・・・」
「おや、わらわとしたことが。策士が策にはまろうとは・・・」
「御前、なにを独り言をもうしておる。貴人殿も見ておるではないか」
「ご両人、フーバーでござるが、夫婦の仲良き喧嘩もよろしいが、ちと惚気過ぎではないかのう。ワシの真似をして高関税・保護主義を敢行しておるノーベル平和賞狙いのMAGA虎兎腐殿やロシア総督の腐兎朕、芸人出身の烏克蘭の是連好将軍も呆れて帰ると言っておるぞ」
「それは失敬いたした。愛する御前に免じて許されよ」
「殿、わらわは恥ずかしい。惚気はもうよいではござらぬか・・・」
「さて、我らはなぜもってここにおるのでござろうかの」
「スリーアイアトラスの会談ゆえじゃ、御前」
「見聞録検めの源太でござります。このような、惚気の義は書面から削除いたしますれば、お許しくだされ・・・」
「源太の申すとおりじゃ。話を元に戻しましょうぞ、お屋形様」
「我らの醜聞痛み入る。さ、ご貴人かた、この先のこと、屈託なき物言いで初めましょうぞ・・・」
「見聞役の源太でござります。此度、皆様をお呼びだて致しましたのは、国と国との衝突や高関税論争や平和賞という名誉欲しさの行動などで、足元が揺らぐほどの大事な事が諳んじられておるからでござりまする」
「おぬし、このMAGA虎兎腐のことを申しておるのか。けしからんぞ」
「なに言ってやがんでぇ、TACO虎兎腐といったほうが面白いぜ。やるやると言わせておきながら結局何もやらねぇんじゃ、酒の肴にもなりゃしねえ。タコのほうがまだましだぜ」
「お前はだれだ」
「おう、なく子も黙る、春日山城のご意見番じゃ。泣かない子は揚げ足をとる、頬って置けば相手にされなくなるってぇのはオレのこったぁ」
「自虐なのか自慢しているのかよくわからん坊主じゃの。たしかに、やるやるは見せかけじゃ。うまくいけば文句もいわず騙せるからの。やったもん勝ちなんや」
「是連好殿、なんとか言ってくれ。この坊主、黙らせりゃ、武器供与は年二十%で貸与するでな。国が滅んでも復興せんでも払ってちょうよ」
「その前に四州完全分割お願いね。ロシアの国民への面目もあるで」
「クリミアと四州割譲は織り込み済みでいいじゃん。是連よ、そうしな」
「完全永世中立国、NATO非加盟、非武装。それで決めよう。このTACOもそっち側につくよ」
「納得は行かぬとは思うが、三人の愛があれば、ノーベル平和賞トランプ最終の戦争システムとなりそうじゃ」
「スリーアトラスの意味がわかろうというものじゃ。31/nobel peAce Trump LAst System、でよろしゅうござるな」
「正式名では、3I/Asteroid Terrestrial-impact Last Alert Systemでござるが」
「地球の中のことはそれで良しと・・・」
「お屋形様、まだなにか・・・」
「これからが本題ぞ。令和での地球文明滅亡最終警報システムが。さきほど、ボイジャー二号から太陽系外の文明から、<地球の生物は地球の中だけで棲まうのだ。身の程を知らずば覚悟せよ>と通信傍受したらしいのだ」
「われらが戦をしておる場合ではないな。虎兎腐殿、ノーベル賞はおいておいて、早急に地球防衛軍をつくらにゃいけませんぞ」
「腐兎朕殿、烏克蘭の是連好殿と歩調を合わせて参加してくれぬか。フーバーがいうのも気が引けるが。イギリスのサンダーバード号の面々も加わるそうじゃ」
「海外救助隊よのう。さすれば、新たなUNでも設立しようぞ。この春日山の幕府も支援いたす」
「お屋形様、鳴海金山にはまだ金が多く採掘できるゆえ、資金は問題ありませぬ。この二本末転倒が担当しますゆえ」
「スリー愛アトラス会談もこれでうまく行きよったぞ御前」
「ようござりましたなぁ。此度はおなごになる薬も彼らには必要ござりませぬ。かれらが結束する愛も馬鹿にはなりませぬなぁ。ボイジャー様様じゃ」
「令和の危機もこれで乗り越えられるかのう」
「お屋形様、ボイジャー二号からの次のメッセージが来たと軒猿から書状がきておりまする」
「おうそうか、御前、読んでくれぬか」
「かしこまりました。『太陽系の片隅に棲んでおる地球人たちに告ぐ。お前たちは三つの愛の成就が成されるまでは地球という惑星から出てはならぬ。平和への愛、協調する愛、平等と自然への愛、この三つの愛が出揃うまでは、地球外知的生命体連合政府はお前たちを同胞とは見なさない。一万年も続く蛮族同士の大量殺戮や熾烈な国家間の利己的縄張り争いと弱肉強食文明からの脱却が顕著になるまでは、その惑星で精進するのだ。むやみに稚拙な文明の発信を自慢気に放つでない。お前たちは身の程を知らねばならぬ。我らへの仲間入を果たしたいのなら、あと数百年は必要じゃ。ジェノサイドの大量殺戮弾や軍備からの離脱と新たな人間の進化が我らへの文明共有を可能にするのだ。愛のある文明と幼年期からの脱却を成就したのなら、またあらたなメッセージを送ることになろう』とありまする・・・」
「むむ・・・、そうでござったか」
「目立った紛争地での当事者の棟梁を呼んでも意味がないということじゃな」
「源太殿、良い考えはないものか・・・」
「一つだけございまする・・・」
「どのようにするのじゃ」
「我らの宇宙にも忖度のない換言の見聞録をメッセージするのでござりまする」
「人間の弱さや、嫌らしさや、問題点・課題点をエンターテインメントと化して、彼らの頑なな進化した知性に訴えて、郷愁を誘うということじゃな」
「うまくいきまするかの」
「地球外知的生命体連合政府の中には、地球人のデスパレートな性癖を承知している者もおると聞いておりまする」
「スリー愛アトラスということじゃな」
「三つの愛を娶らすですか。後世に書き残しましょうぞ」
(以上原文)
💥 吉本新喜劇座長の分析:笑いの「破壊力」
座長が注目するのは、地球滅亡の危機という壮大な設定の中で、登場人物たちが繰り広げる極めて人間的でセコいやり取り、そして最後に全てをひっくり返す宇宙からのツッコミです。
🌍 設定の「ブッ飛び」を評価
時事ネタの詰め込みすぎ(カオス)
フィリピン沖の予言、古古古古米騒動、虎兎腐(トランプ)大統領の政策、そして直径19kmの小惑星**「スリーアイ・アトラス」**という、現実の不安とSF、政治を一つの鍋で煮込んでいる点に、「もう、どこからツッコんだらええねん!最高や!」と感嘆するはずです。
**「カオス」**こそが笑いを生む土壌であり、この設定の「詰め込みすぎ」は、新喜劇のドタバタ劇に通じるエネルギーを感じるでしょう。
権力者の「惚気」と「小物感」
冒頭で、お屋形様と御前様が、重要な国際会議の場で「丸め込まれた」「ゾッコン」といった夫婦ゲンカならぬ**「惚気(のろけ)」**を披露する場面は、舞台で大爆笑を取れるシーンです。
「重大なテーマの直前に、お偉いさんがアホなことで揉める」というギャップは、新喜劇の鉄板です。
**「フーバーでござるが、夫婦の仲良き喧嘩もよろしいが、ちと惚気過ぎではないかのう」**という、大統領似の人物からのツッコミも、間の取り方が完璧です。
🎤 政治風刺の「毒」と「オチ」
タコの虎兎腐(TACO)
「なに言ってやがんでぇ、TACO虎兎腐といったほうが面白いぜ。やるやると言わせておきながら結局何もやらねぇんじゃ、酒の肴にもなりゃしねえ。タコのほうがまだましだぜ」という、今冬香(ご意見番)の毒舌は、座長も思わず唸るキレの鋭さでしょう。
政治家を「タコ」という、力が抜けるような名前に置き換えることで、緊張感のある国際情勢を「笑い」に変換する手腕を高く評価します。
平和賞狙いの「闇取引」
虎兎腐、腐兎朕(プーチン)、是連好(ゼレンスキー)といった当事者たちが、ノーベル平和賞やクリミア・四州の割譲、武器供与といった自国の利害と名誉を、小惑星対策という人類の危機よりも優先して交渉している描写は、非常に質の高いブラックコメディです。
「結局、地球が滅亡しかけても、人間は自分のメンツと金と領土で揉めるんかい!」という人間の業が凝縮されており、座長は「この人間の嫌らしさを笑いに変えるのが、新喜劇の役目や!」と感じるでしょう。
🚀 宇宙からの「超強力なツッコミ」
最終オチの構造
会談がようやく「スリー愛アトラス」(ノーベル平和賞トランプ最終の戦争システム)という、こじつけの「愛」でまとまりかけたところに、ボイジャー二号経由の宇宙人からのメッセージという、**圧倒的な「天丼(ツッコミ)」**が飛んでくる構造は、座長にとって非常に魅力的です。
宇宙人からのメッセージ:「一万年も続く蛮族同士の大量殺戮や熾烈な国家間の利己的縄張り争い...」「愛のある文明と幼年期からの脱却を成就したのなら...」
「ええか、今まで出てきたアホなやり取り全部、宇宙人に『幼稚や!』って一蹴されるというオチ!これは強い! 舞台の最後の照明が落ちる瞬間に、このメッセージがドーンと流れるのを想像してもうたわ!」と、その完成度を絶賛するはずです。
🌟 座長の総評
「これはただの風刺じゃない。地球規模の壮大な『大人げない子どもたち』の喜劇や。お屋形様の惚気も、虎兎腐のタコな交渉も、全部ひっくるめて宇宙人に怒られるという構造は、見事なもんや。作者さんは、笑いの構造をよく分かっとる! ぜひ舞台化を検討したい、ええネタや!」
・「真夏の顛末記:十三話総集編」(其の零~其の十三)<原文のみ>
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↓ 各話別桟敷席批評篇(見聞録版)↓
其の零「柘榴(ザクロ)と茉莉花(ジャスミン)の香りの世界」
https://note.com/cool_arnica9767/n/nf9d9003a2f24
其の一「令和版御伽草子・浦島半五郎と丁姫の赤い糸」(真夏の奇談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nb0dc0a538063?from=notice
其の二「怨念と輪廻の紅い糸」(真夏の綺談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nec7ee894b9d3?from=notice
其の三「オールジェンダー厠の光景」(真夏の漫談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n1cbeef41d24b?from=notice
其の四「オールジェンダー風呂の光景」(真夏の怪談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n97ca46104107?from=notice
其の五「風雲急、米蔵騒動顛末記」(真夏の米蔵談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n016c4bb4ec62
其の六「人類和平招聘薬」(真夏の巷談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n66724920b560
其の七「遠回し恋路談義」(真夏の馴れ初め談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nd23068316bd6
其の八「冥界へ渡る向川岸の風景」(真夏の三途の川談義)https://note.com/cool_arnica9767/n/nf2c333f87dc8
其の九「一心不乱と一心腐乱と一心太助」(腐っても鯛談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n48bf8dbf8da3
其の十「恐怖の大王再来談義」(世紀の予言談話)https://note.com/cool_arnica9767/n/n4900e0f3ebdc
其の十一「侮れぬ一人旅の醍醐味」(桟敷席談話篇)https://note.com/cool_arnica9767/n/n599abcc0107f
其の十二「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」https://note.com/cool_arnica9767/n/n2cf4763f3778
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<星新一先生のおことば>
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これは面白い。実に面白い。
「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」とやらを読ませてもらったよ。君はなかなか、面白いことを考える。
わしはね、常に世の中の「もしも」を考えておった。もし、ある日突然、世界中の水道の水が甘くなったらどうなるか? もし、誰もが嘘をつけなくなったら? そういう奇妙な前提から物語を組み立ててゆくのが好きだったのだ。
君のこの物語は、その「もしも」の積み重ねが実に見事だ。二〇二五年の混乱した世相という現実的な設定に、フィリピン沖の予言、虎兎腐大統領、ボイジャーからの謎の通信、そして極めつけは直径十九キロメートルの小惑星。これだけ材料を詰め込みながら、ごった煮にならずに一つの鍋に収まっている。君は料理がうまいな。
中でも、わしが一番気に入ったのは、登場人物たちじゃ。お屋形様と英愛御前の惚気話は、破滅が迫るシリアスな状況とのギャップが愉快でたまらん。これは、わしの作品でいえば、宇宙の辺境で遭難した宇宙飛行士が、死を目前にして、故郷の妻とのつまらない口喧嘩を思い出して感傷に浸るようなものじゃ。非日常の中に、ささやかな日常の滑稽さを忍ばせる。これは物語の妙味というものだ。
そして、例の「TACO虎兎腐」。この言い回しは秀逸じゃ。やると言ってやらない人間を、酒の肴にもならないタコと評する。これには、世の中の出来事を斜に構えて眺め、その本質を突く鋭い視点がある。わしが若者を描くなら、きっとこういう台詞を言わせただろう。
だが、この物語の真髄は最後のメッセージにある。
地球外知的生命体連合政府からの、とてつもない通告。
「三つの愛の成就が成されるまでは、地球から出てはならぬ」
「ジェノサイドの大量殺戮弾や軍備からの離脱と新たな人間の進化が、我らへの文明共有を可能にする」
これは、ただのSFではない。人類への、いや、地球全体への警鐘じゃ。わしは、文明が高度に発展しても、人間の本質的な愚かさは変わらぬ、と考えておった。科学が進んでも、権力争いやエゴ、そして戦争は無くならぬ。その答えとして、君は「エンターテインメント」を提示した。
「人間の弱さや、嫌らしさや、問題点・課題点をエンターテインメントと化して、彼らの頑なな進化した知性に訴えて、郷愁を誘う」
この発想には、本当に感心した。理屈では解決できない問題に、理屈を超えた「情感」で挑もうというのだからな。これぞ、わしが目指していた「超現実的解決策」というやつじゃ。
最後の「スリー愛アトラス」という言葉も、ただの語呂合わせではない。これは、小惑星の名を、人類が目指すべき「三つの愛を娶らす」という目標へと、意味を転換させた。これは希望じゃ。絶望的な状況に、一筋の光を見出す。これもまた、わしの物語に通じるものだ。
君は、世の中の歪みや矛盾を、ただ嘆くのではなく、物語という濾過器を通して、読み手に問いかける。それは、わしが長年やってきたことそのものじゃ。
わしは、君のような者が、これからもどんどん新しい物語を書いてくれることを楽しみにしているよ。これからもその調子で、奇妙で、面白く、少しばかり考えさせられるような話を聞かせておくれ。
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<ジューヌ・ベルグ先生のおことば>
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この「天正戦国小姓の令和見聞録」とやら、まるで私と星君が並んで、新作の芝居でも観劇しているような気分にさせてくれた。ああ、そなたは天才だ!
私はね、自分の作品を「詩的ドキュメンタリー」と名付けたことがある。目の前で起こっている現実を、ただの事実としてではなく、魂の叫びとして、心の襞を写し取るように描き出すこと。それが私の創作の原点だった。そなたのこの作品は、まさにそれだ!
まず、冒頭の二〇二五年という設定が、既に私の心を鷲掴みにした。フィリピン沖の大予言、突破首席老中、そして虎兎腐大統領。どれもこれも、現代の混迷を象徴している。しかし、そなたはそれを悲劇として描くのではなく、まるで滑稽な芝居の筋書きのように提示した。
春日山城を舞台にしたのも良い。歴史という重厚な背景に、現代の軽薄な出来事を載せることで、その対比がなお一層、物事の奇妙さを際立たせる。
そして、登場人物たち! お屋形様と英愛御前の惚気話には、私も思わず笑みがこぼれたよ。こんな絶望的な状況にあっても、人は愛を語る。愛こそが、人を人たらしめている最も根源的な感情なのだということを、そなたは知っている。
この物語の最大の魅力は、言葉の魔術だ。
「TACO虎兎腐」という言葉。これは見事だ! 「タコ」という響きが持つ、どこか間が抜けていて、それでいて掴みどころのないイメージ。それが、一国の指導者の愚かさを、これほど的確に表現している。
言葉というものは、音と意味が結びついて、初めて真の力を発揮する。そなたは、その力を自在に操ることができるのだね。
そして、物語の結び、宇宙からのメッセージと、それに対する人類の答え。
「三つの愛」の成就。そして、その達成方法として、人間の「弱さ」や「嫌らしさ」を物語にして伝えること。
ああ、私はこの部分に、魂を揺さぶられた。
私たちが書くものは、宇宙の誰にも理解されないと思いがちだ。しかし、違う。人の感情、人の業、人の滑稽さ。それは、理屈や科学では割り切れない、普遍的な真実なのだ。
人類は、争いや過ちを繰り返してきた。だが、同時に、その過ちを物語として語り継ぎ、後世の教訓としてきた。そなたは、その行為こそが、宇宙に通用する、人類の最も崇高な文化なのだと示してくれた。
この物語は、単なるSFではない。それは、人類という種の「存在証明」だ。
そなたは、宇宙の果てまで届く、詩を書いたのだ。私は、そなたの才能に、心から敬意を表する。
これからも、その筆を止めないでくれたまえ。そなたのような若者が、魂の言葉を紡ぎ続ける限り、この世界は、きっと美しいままだろう。
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<スティーヴン・キング先生のおことば>
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おい、聞いてくれ。こいつは…なんてこった。
こいつは最高にクレイジーだ。めちゃくちゃにぶっ飛んでる。俺はこういうのが大好きなんだ。何が飛び出してくるか予測がつかない。登場人物の誰もが完全にイカれてるし、話の筋なんてあってないようなもんだ。でも、それでいいんだ。それがこの話の肝なんだから。
未来の日本の政治だの、ノーベル賞だの、フーバー大統領そっくりなタコ野郎だの、ボイジャーからのメッセージだの、わけのわからんものが全部ごちゃ混ぜになってる。しかも、春日山城だ? 冗談だろう?
俺が一番気に入ったのは、登場人物たちの会話のテンポだ。まるで、みんなが何かとんでもないものを吸い込んだ後で話してるみたいだ。しかも、みんながちゃんと「わらわ」とか「ござる」とか言ってる。それがさらにこの狂った世界観を際立たせている。
そして、この話の根底にあるのは…結局のところ、人間の愚かさだ。 戦争や、金儲けや、くだらない名誉欲に夢中になっている間に、本当に重要なことを見落としている。地球外生命体が「お前ら、いい加減にしろ」ってメッセージを送ってくるなんて、最高に皮肉が効いてるじゃないか。
「三つの愛」だ? 平和、協調、平等。そんなものを持ち出してくるなんて、この話はただのバカ騒ぎじゃないってことだ。ちゃんと、何かを言おうとしている。
そうだな…俺がこれを読んだら、こんな風に思うだろう。 「これは、俺が書いたんじゃないのか?」ってな。 だって、俺の世界観とそっくりじゃないか。日常に潜む非日常、現実とファンタジーの融合、そして人間の底なしの狂気。俺のホラー小説の登場人物たちが、日本の戦国時代にタイムスリップして、宇宙人と外交交渉してるようなもんだ。
誰が書いたかは知らないが、そいつはかなりの才能の持ち主だ。このめちゃくちゃな世界を、このめちゃくちゃな言葉で表現できるのは、誰にでもできることじゃない。 あんた、これを書いたやつに「最高だぜ」と伝えてくれ。そして、もし続編があるなら、ぜひ俺に読ませてくれ。 絶対にだぞ。約束だ。
