「侮れぬ一人旅の醍醐味」(桟敷席談話篇)
<天正戦国小姓の令和見聞録>
桟敷席:清水の次郎長殿、森の石松殿、歴女殿
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春日山城、鳴海幕府(開府1587年・天正15年)
お屋形様:上杉道満丸景虎
ご正室様:英愛御前
(フィンランド生まれ・エイミー・フェリックス(Amy Green felix)
毒舌ご意見番:今 冬香(こん とうこう)
食客・毒見役:二本末 転倒(にほんまつ てんとう)
見聞録検め:小姓・仁科源太
見聞録検め気付:著者・加地鳴海殿
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◇天正四百五十三年 七月六日
「侮れぬ一人旅の醍醐味」(桟敷席談話篇)
令和の世では「お一人様の旅」を勧めるする観光ビジネスが盛んと聞き及んでござる。拙者は一人旅を好んでおったことがござる。
木枯らしの紋次郎殿のようにカッコ良くはござらぬが。「こちらの二人の宿代はあっしには関わり合いはござんせん。あの人の良い源太殿ならまとめて払ってくれると思ってよござんす」と言って、朝飯を食べて即差に宿を先に出た。
拙者はわけの分からぬうちに宿屋の番頭にわけのわからん奴の分まで宿代を払わされたことがござる。顔も覚えてはおらぬ。番頭に二人旅と称して紋次郎を騙る盗賊にしてやられたことに相成る。当然お屋形様や御前様には一日中説教で絞られたことがござる。
それ以来、「一人旅」と聞くとそれがトラウマとなり、負け犬の遠吠えのように夜なると、春日山城から発狂の風が吹くと領民からは笑われる始末じゃ。人の噂も七十五日とよく言うからの。
しかし、もう一年が経っておる。自然とお怒りが収まるのを待つしかあるまい。足軽小姓の間では、令和の競馬にいそしんでおるものがいるが、拙者も気晴らしに足を向けていた時がござる。
そこではAIによる予想が当たるというので盛況でござったが、仲間の何人かが、「当たってはいるが資金が少し足りぬ上そなたの金子を少し貸してはくれぬか。ほれ、借用書の書状もござれば」となけなしの金子を貸してしもうた。
ところが、当たったは良いが、富くじを買いすぎて元での一割しか払い戻しができなんだ。「この次は必ず返す」といって追加の金子を無心してきよった。
其の者は早速他の武将に士官してしもうた。ここでもまた、御前様に咎められておる。お屋形様は笑っておったが。今度は何を言われるのでござろうか。一人旅にはくれぐれも気を付けられよ。知らぬ者、無心してくる者は信用してはならぬ。
ところで、競馬の一人旅とは逃げ馬のことじゃ。落ち込んだときには、それを見ておるとスカッとするものじゃ。一九八〇年の天皇賞(秋)3200mで、プリティキャストが大逃げで優勝しておった。一九九六年の有馬記念では、メジロパーマーが果敢に一人旅を演じてレガシーワールドをハナ差で勝っておる。二〇〇三年のジャパンカップではタップダンスシチーが九馬身で大逃げの勝利、二〇〇四年の天皇賞(春)3200mではイングランディーレが果敢にハナにたち大逃げで勝利を収めておった。二〇〇九年のエリザベス女王杯では、クィーンスプマンテがテイエムプリキュアを引き連れて大逃げで優勝しておった。
この五大レースを見れば、いくら叱られようと平気にはなれるようにはなったが、そういうことよりは、一人旅や富くじなどには目もくれず、見聞録を認めることがそなたの使命であり生き甲斐とも成るはずではないのか、と御前様の激昂したお顔が目に浮かび、地道に仕事に励めねばと存ずる。
・「真夏の顛末記:十三話総集編」(其の零~其の十三)<原文のみ>
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↓ 各話別桟敷席批評篇(見聞録版)↓
其の零「柘榴(ザクロ)と茉莉花(ジャスミン)の香りの世界」
https://note.com/cool_arnica9767/n/nf9d9003a2f24
其の一「令和版御伽草子・浦島半五郎と丁姫の赤い糸」(真夏の奇談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nb0dc0a538063?from=notice
其の二「怨念と輪廻の紅い糸」(真夏の綺談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nec7ee894b9d3?from=notice
其の三「オールジェンダー厠の光景」(真夏の漫談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n1cbeef41d24b?from=notice
其の四「オールジェンダー風呂の光景」(真夏の怪談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n97ca46104107?from=notice
其の五「風雲急、米蔵騒動顛末記」(真夏の米蔵談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n016c4bb4ec62
其の六「人類和平招聘薬」(真夏の巷談)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n66724920b560
其の七「遠回し恋路談義」(真夏の馴れ初め談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/nd23068316bd6
其の八「冥界へ渡る向川岸の風景」(真夏の三途の川談義)https://note.com/cool_arnica9767/n/nf2c333f87dc8
其の九「一心不乱と一心腐乱と一心太助」(腐っても鯛談義)
https://note.com/cool_arnica9767/n/n48bf8dbf8da3
其の十「恐怖の大王再来談義」(世紀の予言談話)https://note.com/cool_arnica9767/n/n4900e0f3ebdc
其の十一「侮れぬ一人旅の醍醐味」(桟敷席談話篇)https://note.com/cool_arnica9767/n/n599abcc0107f
其の十二「晩夏の春日山城スリーアイ・アトラス・コミカル談義」https://note.com/cool_arnica9767/n/n2cf4763f3778
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<清水の次郎長様のおことば>
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おっと、これは面白いもんを読ませてもらったなぁ! 次郎長だ。清水の次郎長ってもんだ。
・仁科源太殿の苦労話、こいつは愉快だねぇ!
いやはや、源太殿もずいぶんと面白い目に遭ったもんだね。一人旅の醍醐味ってやつぁ、何も良いことばかりじゃねえってことか!
紋次郎の真似をして宿代を踏み倒すたぁ、そりゃまた大胆な野郎がいたもんだ。その上、あんたに払わせるなんて、ずいぶんと度胸があるねぇ! 「あっしには関わり合いはござんせん」なんて言ってる紋次郎も、さぞかしビックリしただろうよ。
それにしても、領民にまで笑われるたぁ、源太殿も人気者ってことかい? 人の噂も七十五日ってのは本当だが、一年経っても消えねえってのは、よっぽど面白かったんだろうねぇ! 春日山城から発狂の風が吹くってのは、ちょっと聞いてみたいもんだな。
競馬の話も面白いねぇ。AI予想に騙されて、なけなしの金子を貸しちまうなんて、源太殿も人が良すぎるんじゃないかい? しかも、当たったのに一割しか戻ってこないで、挙げ句の果てに他の武将に士官しちまったってのは、とんだ食わせ者だ! そりゃ、御前様も怒るわけだ。お屋形様が笑ってるってのが、またいい味出してるねぇ!
しかし、そんな中でも競馬の「一人旅」ってのを見つけて、元気を出してるってのは、源太殿もなかなかやるもんだね! プリティキャストにメジロパーマー、タップダンスシチーにイングランディーレ、クィーンスプマンテか。みんな豪快な逃げっぷりで、見ててスカッとするだろうよ。わかるわかる! 辛い時こそ、ああいう気分になるもんさね。
まあ、御前様の言うこともごもっともってもんだ。見聞録を認めることが使命で生き甲斐たぁ、こりゃまた立派なもんだ。地道に仕事に励むってのが一番さね。
源太殿、あんたの話はいつも面白いねぇ。また聞かせておくれよ! 今度はどんな面白い目にあうのかね?
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<森の石松殿のお言葉>
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おいおい、源太! なんだい、この話は! 次郎長親分にも笑われるとぁ、情ねぇ。おめぇも懲りねえ野郎だなぁ! 森の石松だ、覚えてやがれ!
へっ! おい、源太! 相変わらずとんでもねぇ目に遭ってんな! おめぇの書いてるもん、ぶっちゃけ面白ぇじゃねぇか!
・一人旅の醍醐味たぁ、笑わせるぜ!
「お一人様の旅」だぁ? へっ、なんだそりゃ。紋次郎の真似して宿代踏み倒されるたぁ、そりゃおめぇが間抜けなだけだろうが! 「あっしには関わり合いはござんせん」なんざ、あんなキザな野郎の真似して、まんまと騙されるたぁ情けねぇ! その上、領民にまで笑われるたぁ、とことんツイてねぇな! 「発狂の風」だぁ? ププッ! そりゃ聞いてみてぇもんだ!
・競馬もほどほどにしやがれ!
それにしても、AI予想だかなんだか知らねぇが、そんなもん信じて金貸すなんて、おめぇは人が良すぎるんだよ! 「借用書」だぁ? そんなもん、紙切れ一枚じゃねぇか! 当たりゃしねぇ富くじ買って、あげくの果てに逃げられちまうなんて、おめぇはカモがネギ背負って歩いてるようなもんだぜ!御前様に怒られて、お屋形様には笑われるたぁ、とんだ道化師だな!
・結局は地道が一番だろ!
けどな、源太。おめぇは神田の生まれか?ま、そんなぁ、どうでもいいわ。このあいだ、噂で船のなかできいたやつがいてな、
「くいねぇ、くいねぇ、蔵寿しくいねぇ、のみねぇ、のみねぇ、景虎のみねぇ、よ、江戸っ子だってねぇ」
「神田の生まれよ。そういや、清水の親分さんには出来る子分が大勢いるってはなしだ。おめぇさん、知ってるかい?」
「よ、日本一の親分さんよ、オレでもしってらぁ」
「ところがおつむが足りね子分が一人いるってはなしだ」
「おぅ、どこのどいつだ、ぐいっとのみねぇ」
「森の石とか源太とかいってたなぁ」
「なんだと、このやろ。源太だけにしやがれ・・・」
てな話しだ。きいたこたぁ、ねえか。おれの気のせいか。
ま、そんなこたぁどうでもいいが、
おめぇの言う「一人旅」ってやつぁ、そりゃあ豪快でスカッとするもんだ。プリティキャストだの、メジロパーマーだの、タップダンスシチーだの、イングランディーレだの、クィーンスプマンテだか知らねぇが、そりゃあ男の生き様ってやつだ! 辛い時にああいうの見て元気出すってのは、わからんでもねぇな。
だがよ、最後は御前様の言う通りだ。見聞録を認めるのがおめぇの役目なんだろうが。地道にコツコツやるのが一番だ。
変な儲け話にゃ乗るんじゃねぇぞ! わかったな、源太! また面白い話があったら、聞かせやがれ! ま、次もまた騙されるんだろうがな、へっ!
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<歴女のお言葉>
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あたしの知り合いの歴女がこの三人の文章を読んで爆笑してたわよ!
思うんだけど、特に、仁科源太の災難続きな一人旅や、AI競馬予想に騙される話は、戦国時代と令和のミスマッチ感が面白くて、笑いのツボを刺激するんじゃないかしら。
清水の次郎長と森の石松の口調も、それぞれ仁科源太へのツッコミ方が違ってて、そこも読みどころね。
次郎長は仁科源太の苦労話を面白がって、茶化しながらも温かく見守ってる感じ。一方、石松はもっとストレートに「情けねえ」「間抜けだ」って罵倒してるけど、それがかえって愛のあるツッコミになってるわね。
特に石松の「発狂の風」でププッて笑っちゃうところとか、競馬の話で「カモがネギ背負って歩いてるようなもんだぜ!」なんて、思わず声を出して笑っちゃう人もいるんじゃないかしら。
そして、石松が突然ぶっこんでくる「神田の生まれか?」からの与太話も、歴女にとってはたまらないユーモアよ。
源太殿が船の話ででてくるとはねぇ。時代劇好きならニヤリとするはず。
令和の競馬の話やAI予想といった現代の要素と、戦国時代の小姓という組み合わせが、シュールで面白いわ。きっとみんな「よくこんなこと考えるわね!」って感心しながら、笑ってくれること間違いなしよ!
