コメダ珈琲店「コメダのフラッペ ~Kiri~」——チーズと杏、初コラボの夏
コメダ珈琲店の暖簾、というほど大仰なものはないが、あの木目調の店に足を踏み入れると、いつも少し肩の力が抜けるのであった。橙色の照明が障子調のブラインドを通してぼんやりと店内を染めていて、隣の席では若い男が黙々とノートパソコンを叩いている。誰も彼もが自分の時間を持て余しているような、そういう店なのである。

メニュー看板には「コメダのフラッペ ~Kiri~」とあった。季節限定、店舗限定、七月一日から始まったばかりだという。クリームチーズの「Kiri」とコメダが手を組んだというのだから、これは食べておかねばならぬ、と思ったわけである。

運ばれてきたグラスは、背の高いパフェグラスだった。てっぺんには山盛りのホイップクリーム、そこにオレンジ色のアプリコットソースが幾筋も垂れていて、店の照明を受けてモカ色に沈んだ本体とのコントラストが妙に食欲をそそるのであった。
ストローを差し込んで底のほうを崩すと、しゃりしゃりとしたフローズンの感触が返ってくる。ひと口飲むと、まずクリームチーズの塩気を含んだコクが舌に乗り、そのあとを追いかけるようにアプリコットの甘酸っぱさがやってくる。甘いだけではない、酸味がある分だけ後味が軽い。これは夏向きの飲み物だなと思った。

68歳のうさじい、糖尿病の血糖値管理を続けている身としては、フラッペのグラスを前にして一瞬躊躇したのは事実である。しかしまあ、血糖値のことは飲み終わってから考えることにした。これくらいの楽しみは、残しておいてもいいのではないか。
それでも、悪くない午後であったのだ。木の椅子に腰かけて、ゆっくりとフラッペを飲みながら過ごす時間というのは、何かを生み出すわけでもないのに、確かに満たされるものなのであった。
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