【Advent企画】12/16:合唱団(讃美歌)【410字小説】
テレビの中に、どこかの国が映っている。
多分、ヨーロッパ。
冬の景色。クリスマスマーケット、それに教会。
合唱団が、讃美歌を歌っている。
西へ向かって旅をする、東方の王の歌。
「今、なんて?」
声が震えそうになるのをこらえる。
動揺したり文句を言ったり、そんな権利は無い。自分たちはそういう関係にないはずだ。
美吉は、ちらりとこちらを見て、すぐに視線を落とす。
「バルセロナに行く、ことになると思う。今のカンパニーに所属したまま、客演の形で」
「どれくらい?」
「正直わからない。最低でも半年って言われてるけど、場合によってはもう少しかかるかもだし、それに」
美吉の言葉が不自然な形で途切れる。
それに?
もし、長期になったら。もう、帰ってこないかもしれない?
やっぱりな、という言葉が浮かんでくるのを抑え込むことができない。
讃美歌は続いている。
星を追って旅をする、三人の東方の王たち。
美吉が出会うべき相手や、世界に、俺はいつでも入ることができない。
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本文410字。
#いつきちゃんのアドベントカレンダー
作中の讃美歌は第二編52番、
四四田がいちばんすきな讃美歌「われらはきたりぬ」(We Three Kings of Orient Are)です。
美吉と妹尾が観てたテレビはNH●さんの世界ふれ●い街歩きみたいなのだと思います。
この二人の話です。
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