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(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(12)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 2の活動について:「クラス外ワーク」

表紙イラスト: 耕運機で畑を耕す女性でアハ体験 | GAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集 - GAHAG | 著作権フリー写真 ...(OIP) プロジェクトは外で、その成果を教室で発表し共有。畑で育て(=クラス外ワーク)市で交換(=クラス内ワーク)。

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP ©鈴木佑治(6)...テキスト『プロジェクト発信型英語Do Your Own Project in English/DYOPIE』Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(1回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治(7)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(2回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治(8)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(3回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治(9)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 1の活動について,実践編(4回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(10)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 2の活動について実践編(5回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(11)...DYOPIE Volume 1, PART 1, UNIT 2の活動について実践編(6回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

の続き(12)です。前回からしばし経ってしまいました。もう一度これらの記事をお目通しされ、前回までの流れをご理解の上お読みいただきたく存じます。


今回は.『プロジェクト発信型英語Do Your Own Project in English/DYOPIE』Volume 1, PART 1, UNIT 2の「クラス外ワーク」に焦点を当てる。実際にの内容については、DTOPIE Volume 1,  P.19を参照されたい。[注1]

「クラス外ワーク」=プロジェクト活動


「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」のキーはプロジェクトである。そのプロジェクトを推進するエンジンはリサーチである。各unitでは「クラス外ワーク」があり、各自がプロジェクトを推進する。そして、その成果を、次の授業にて「クラス内ワーク」のグループ・プレゼンテーション・ディスカッションおよびクラス・プレゼンテーション・ディスカッションでグループ・メンバーそしてクラス全体で交換し共有する。すなわち、次の授業までの約1週間で各自はプロジェクト活動をする。これ無くして授業は成立せずで重要な位置づけだ。

いわゆる従来の「宿題、英語で言う」homework/assignmentとは違う。次の授業までにシラバスにあらかじめ指定されている教科書などの特定箇所を予習することではないからだ。自らの関心あるテーマについてプロジェクトを組みそれを推進する。それは教室やテキストには無く、「外」のオープンスペースでそれぞれが自由に、そして、独自に考え追究することであるからだ。

農業に例えれば、農作物は「外」に広がる畑で育て作る。農業従事者はそれぞれ自らの畑を耕し、種を植え、雑草を取り、肥料を与え、あれこれ工夫しながら育て、

農作業風景(OIP.webp)と同様にプロジェクト活動は外で

実りを収穫する。その間、他の農業従事と作柄について情報を交換・共有し、

農業品評会 (無料写真)のように プロジェクトの意見交換

かつて日本では八日市とか十日市のように定期的に立つ市、ヨーロッパでも街のあちこちのマーケットプレイスで立つマーケットで、取れたての収穫物を並べて(貨幣であれ物々交換であれ)交換する。

アルザス地方の市(OIP.webp)のようにプロジェクトの最終成果を披露

同じように、「外」でプロジェクトを行い、毎週教室に進捗状況を持ち寄り意見交換をする。1学期15週間の中間で発表し、最後に最終発表で、農家がそれぞれの自慢の農産物を市場に並べるように披露する。すなわちプロジェクトは「クラス外ワーク」にて、その最終成果を市である教室で「クラス内ワーク」の締めとして披露するわけだ。1年を通し春学期と秋学期と続くので、農業に例えれば2毛作ということになる。

「知」(=「内容」)は「外」に、教室は「外」で採れる「知」を披露し、互いに品評し交換する「市」マーケットプレイスということだ。

「クラス外ワーク」リアルライフ・プロジェクトのオンパレード

コミュニケーションとしての英語教育論-英語教育パラダイム革命を目指して』(鈴木佑治,吉田健作,霜崎實,田中繁範,アルク)の第3章「慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスACE Program」(鈴木佑治)にて、本プログラムの前身ACE  Program (Action Communication & English)について語った。ACEのテキストとして筆者が霜崎氏と執筆したテキストActivating College English (鈴木佑治,霜崎實,郁文堂)には、まだ「クラス外ワーク」ではなく"Assigment"という名称になっている。

筆者はやがてACE ProgramをProject-based English Programに名称を変え、それに伴い"project"という概念を前面に出した。詳細については以下3別稿で述べているのでそちらをご覧いただくとしてここでは割愛する。

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program/PEP ©鈴木佑治」(1)... 脱語学,コンセプト編(1回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program/PEP©鈴木佑治」 (2)コンセプト編(2回目)|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

「」(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program/PEP©鈴木佑治」(3)...プロジェクト発信英語プログラムの基本的な考え方, コンセプト編(3|鈴木佑治 N.Yuji Suzuki

ACEという概念は、Communication, Action, Englishの3語を語呂合わせで造ったアクロニムだ。1990年慶應義塾湘南藤沢キャンパス(以降SFC)開設初年、鈴木と田中氏はコミュニケーションと英語教育についての議論の過程で、コミュニケーションとは森羅万象のこと、すべて活動(action)と事象(event/state)を含む、よって、communication = action であり、言語 はactionの一部、よって、英語もその更に一部との考えに達した。当初はCommunication→Action → Englishという流れでを並列したが、語呂を合わせをよくするために、Action, Communication and English (ACE)に並べ替えた。

その4年後、筆者は1994年4月~8月までの研究休暇を利用し、それまで3年間構想を練ってきたACE Program用のテキストActivating College Englishの執筆を、1991年より新たにSFCに赴任してきた霜崎氏の協力を得て手掛けることになり、郁文堂より出版した。そして、同年9月よりACE Program の鈴木と霜崎クラスで使用した。

同テキストの各ユニットの最後には"Assignment"が付されている。筆者の担当するクラスでは、個人またはグループによるプロジェクト活動に広がり、実社会に即したreal life projectsの様相を呈していた。

実は、テキストが執筆される4年前に既にその兆候があり、例えば、1990年の秋学期の筆者の担当クラスでは、学生さんたちがそれぞれのテーマを巡りcommunication=actionというかaction = communicationというか、順序はともあれ、課外でプロジェクト活動をし始めていた。2週目目あたりの授業から、教室でプレゼンテーション・ディスカッション活動で意見交換するや、次の週までの活動計画の予定を立て課外活動に邁進し始めた。彼らの活動テーマは全て現実社会にリアルタイムで繋がり自然にそうなっていったのだろう。

その結果、筆者担当の全クラスでは、"Assignment" がプロジェク活動に変貌していった。筆者SFC在職18年間で目にした学生さんたちのプロジェクトの内容は後に追々伝えるとして、教室は週に一度の意見交換の場となった。この流れを見て筆者は後にACE改め「プロジェクト発信型英語プログラム Project-based English Program」を構築することになるが、それは「クラス外ワーク」と「クラス内ワーク」の二つのモジュールが連動するproject-based learningの画期的モデルだ。

別稿で述べた通り、「教室」などの物理的空間は無くてよい。既存の教育制度に縛られたワン・タイムではなく、lifelongに続く個々人の自由な学びの場になるはずだ。グローバル世界の必然的流れであろう。)

プロジェクトの資料はマルチメディア,マルチリンガル

次回(13)では,3回目の授業のVolume 1, PART 1, UNIT 3で、プロジェクト活動のエンジンであるリサーチについて触れる。リサーチについては本テキストは、Volume 1とVolume 2における4つのPartsに分け段階的に適宜触れている。Volume 1では手始めに身近なリサーチ方法を、Volume 2ではアカデミック・セッチングの高度なリサーチ方法を習得する。よって、本稿のVolume 1のUnit 2は"Warming up"、自己紹介的な"self-appeal"の段階で、身近なテーマについてではあるものの、リサーチ無しでは通り一遍の話で終わってしまう。それではつまらない。その先、その奥に分け入り一味違ったものにしたくなるのは自然の成り行きである。その為手っ取り早く資料集めをしたくなるはずだ。

2026年現在ではChatGptなどのAIを使えばそれこそ通り一遍ではないオーバービュー(AI overview)が得られる。まずそうしたものを読んだり見たりして情報を集めることから始めることもこれからは必須であろう。しかし、それはあくまでもオーバービューであってバックグラウンド知識としては置いておきたいが、自分が伝えたいことではない。そこから先が肝心だ。

独自の意見、独自の視点を述べるのにはその先、その奥の独自の世界を自らもっと描けなければ、誰にもアクセスできるが、AIの多量の知識を追うことで終わってしまう。AIを利用しても良いが、AIの滅私的世界の囚われの身になることは避けなければならない。そもそも、AI overviewは過去の膨大な資料を基にしたもので、未来の確たる情報は無い。

一つ例を挙げよう。1990年秋学期筆者のあるクラスは全員で1990年8月にイラクによるクウェート侵攻で始まった湾岸戦争 (Persian Gulf War)をテーマにプロジェクトを行った。最初は個々の趣味をテーマにしていたが、世論の動向から総合政策学部の学生は外交政策に、環境情報学部の学生は情報に関心を寄せてこの国際紛争を追いたいと言い出した。

これを機に日本は一気にバブル崩壊、そして、後に分かることだが失われた30年が始まる。彼らはその位のインパクトをもつであろうことを察知したのであろう。

SFCは当時としては稀であったがキャンパス中にインターネットが張り巡らされ、そこから刻々と変わる情報を集めていった。ただそのコンピュータ(当時のUNIX)はまだ容量が少なく動画など三次元情報は限られ文字情報が中心であったが、それでも英語情報のみならず日本語など世界主要言語の情報も集めることができた。現在であれば、動画、そして、各国の情報を集め、翻訳ソフトで英語か日本語に翻訳しただろう。新聞雑誌、そして、映像はテレビなどのニュース番組をVHSテープレコーダーで録画し集めていた。要は、何語であろうともそれを英語にすればよい。みんなで手分けし相当の資料を収集し、整理し、目を通し、それぞれの見解をまとめていた。

1990年12月には事態は更に悪化し、明けて1991年1月にはイラクのフセイン政権はクウエートを自国の州にしようとした為、アメリカ軍主体の多国籍軍がイラクを攻撃するかどうかに焦点は移っていた。学生はそれぞれの情報を基に多国籍軍が攻撃する可能性についてプロとコンに分かれてディベートした。1月17日だった。ディベート中にインターネットでは多国籍軍が攻撃 (Operation Desert Sorm)を開始したとの緊急ニュースの一報が入った


Most Iconic Gulf War Imagesより

現在進行中のイラン戦争とかなり似た状況だ。1990年から36年経た現在、AIは各段に進化したものの、明日何が起きるかは未だに正確には予測できない。可能性は言えるだろう。しかし、恐らくそこは意識の世界と関係が深く、ヒトの意識が読めないAIより意識を持つヒトの方がより正確に察知できるであろう。

いみじくも多国籍軍の攻撃はあるだろうと見抜いた学生は、当時のブッシュ政権とフセイン政権の意識の流れを読みこみ、その先に起こるであろうシナリオを想像できたのだろうと思う。

要は、その作業の大部分はクラス内ではなくクラス外で行われ、多メディア、マルチリンガルな多量な資料を他多角的に集め、目を通し、それを基に自らの創造力と体験を交えて独自の考えを導き出そうとしていたしていた。インターネットやその他のマルチメディア危機を使うも、その先、その奥にある創造、創造の世界に挑戦できる最高の場、最高のリサーチの場としていた。

次回「(実践解説)「プロジェクト発信型英語プログラムProject-based English Program /PEP©鈴木佑治」(13)...Volume 1, PART 1, UNIT 3の活動について」ではリサーチについて


[注1] 
本テキスト『プロジェクト発信型英語Do Your OWn English]』(略称DYOPIE)は南雲堂(162-0801 東京都新宿区山吹町361/ 03-3268-2311 加藤敦編集長)にて購入できます。(無断コピーはコンプライアンスに違反し違法です。)

公式サイト:For Lifelong English 英語活動情報誌


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