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【とんま村の物語】前半まとめ:軽くするはずが、だいたい重くなった。~そして希望の後半へ~

🍃登場どうぶつ紹介とあらすじ

⓪ お昼休みはテレフォン・とんまショッキング

イグアナ
「……えー、『テレフォン・とんまショッキング』のお時間です。
司会は流浪の爬虫類、イグアナでございます。
本日のゲストは、ずっとお空から村を見ていた守り神、天の声さまです。どうぞ」

天の声
「……はい。見ておりました」

イグアナ
「ではさっそく。
前半、とんま村では何が起きていたんでしょうか」

① 百獣の王、だいぶ湿っている(第1話第2話

天の声
「始まりは、たいへん情けないものでした。
ライオンが、薄くなってきたタテガミを気にしながら、肉を抱えてビクビクしていたのです。
ハイエナにナメられるのではないか。
肉を盗まれるのではないか。
交換できなかったらどうしよう。
しまいには、シマウマの毛をハチミツで貼ろうとして、今度は“アリが寄ってきたらどうしよう”と震えていた。
……見事な、不安の永久機関でした」

イグアナ
「百獣の王、だいぶ湿ってますね。
しかも寝不足三分

天の声
「そこへアリクイが現れました。
そして思ったのです。
“この不安、うまく使えば、座ったまま好物のマヨネーズが集まるのでは?”と」

イグアナ
「出ました。
ライオンを助けたい、ではないんです。
最初から“ありの素マヨネ〜ズ不足”の解消なんです」


② チャ~リン誕生、そして存在しない一枚へ(第2話第3話

天の声
「ええ。それでアリクイは、不安の一つであった重い肉を預かり、かわりに石にマジックで書いたもの―その名もチャ~リンという保管証(後のお金)を渡しました。

ライオンは“これで安心して眠れる! フサフサになれる!”と大喜び。
しかし翌日返すときには、“保管料”を加えてチャ~リンを11枚にして返せと言われたのです」

イグアナ
「はい、来ました。
10個しか渡してないのに、11個返せ。
お店で言うと、“お会計は存在しない1品込みになります”です。」

天の声
「ここで村に入ったのは、単なる保管証の仕組みではありません。
“足りないものを前提にする仕組み”です。
元もと足りないのだから、不安は消えません。
むしろ、仕組みの燃料になるのです」

イグアナ
「はい、“不安をお預かりします”って言いながら、永久就職先にしてるわけですね」

天の声
「ところがアリクイは、ここでふと困りました。
当たり前ですが、ライオンひとりに配ったのでは当然ながら、11枚目の保管料が入ってこない。
そこで“あ、これじゃ保管料ゲットできないや”と気づき、今度は村中からそれぞれの大事なものを預かり、代わりに保管証(チャ~リン)をばらまいたのです。
チャ~リンはとても便利だったのでいつしか私たちの知るお金になっていったのです。

イグアナ
「市場拡大です。
上品に言うと普及。
率直に言うと、“回収先を増やした”。」


③ 借りるほどえらい村と、アリクイの出世(第4話第5話第6話

天の声
「チャ~リンがお金になったので、アリクイは正式にアリクイ・クイック銀行を開業します。
すると村では次第に、チャ~リンを借りられる者がえらい、という妙な空気が広がりました。
クジャクは借用書を羽の飾りにし、
苦しさが、なぜか“選ばれし者の証”になっていく。
本来は“返せるか”が問題なのに、
“どれだけ借りられたか”がステータスになったのです」

イグアナ
「借金ドレスアップですね。
首しめながら、うっとり鏡見てるやつです」

天の声
「そしてアリクイは、さらに一枚上手でした。
借チャ~リン(借金)を“神様からのギフト”と呼び替えたのです。
名前を変えると、重さの正体が見えにくくなる。
負担なのに、祝福みたいな顔をし始める」

イグアナ
「“地獄”と書くと嫌がるから、“癒やしの洞窟”にしておく感じですね」

天の声
「でもアリクイの本領は、その先でした。
前に出て利子を取るのは、少し目立つ。
だったら、自分はもっと上に行けばいい。
そう考えて、今度は“見守る役目(アリクイ・ヘブン中央銀行の総裁)”を名乗り始めたのです」

イグアナ
「出ました、“やってることは同じなのに、肩書きだけ神々しくなる”やつ」

天の声
「ええ。
こうしてアリクイは、村の上空にふわりと浮いたような顔で、総裁の位置に収まりました。
前に立って石を押しつけるのではなく、
“仕組みそのものを見守る側”に回った。
けれど実際には、そのほうがずっと強い。
叩かれにくく、しかもマヨネーズには近いのです。
なぜそう言えるか、8話くらいから徐々に分かってきます。」

イグアナ
「とてもイヤな進化ですね。
詐欺師がコンサルになった感じです。
知能犯ですね~。」


④ 橋は直った。でも、村はまだ詰まっている(第7話

天の声
「ただ、村にも一度だけ、少しまともな日がありました。
橋が壊れ、カモがチャ~リンを集めて直した日(税金)です。
あのときだけチャ~リンは、誰かの見栄でも、借金の利子でもなく、みんなのための道具になっていました」

イグアナ
「名前は“愛のチャ~リン収集”でちょっと怪しいのに、中身はかなり健全でしたね」

天の声
「しかし橋を直しても、水路や畑道は残る。
やることは山ほどある。
でもポッケは空っぽ。
ここで普通なら、“必要なんだからやろう”となるはずです。
けれど、とんま村ではそうならない。
“チャ~リンがないと動けない”ことになっていたからです」

イグアナ
「本来は、やることが先。
チャ~リンは後。
なのに村では、チャ~リンがないと橋も水路も存在しないみたいな顔してるんですね」


⑤ 未来から前借りして、村はもっとややこしくなる(第8話第9話第10話

天の声
「そこで第8話です。
アリクイはもう、ただの軽薄ないたずら好きではありません。
中央銀行の総裁として、新しい仕組みを考えたのです。
それが、“村があとで返します約束(国債)”です。
今チャ~リンがなくても、村が“あとで返します”と約束すれば、チャ~リンを作れるとのこと」

イグアナ
「はい、来ました。
“未来から前借り”です。
しかも今回は、ちゃんと総裁として出してくる。
ここ、外すとダメなとこでした」

天の声
「ええ。
ここでアリクイは、ただチャ~リンを配る者ではなくなります。
“今足りないなら、未来を質にして今を回す”という、もっと大きな仕組みを回す者になった。
しかも本人は、前に出すぎない。
賢く、軽く、巧妙に。
しかも自分はさらにチャ~リン作るのは大変なので、ということで手間賃までもさらっと要求。」

イグアナ
「ずるさが個人芸から制度芸に進化したわけですね」

天の声
「その結果、実際に村にも恩恵は確かにありました。
止まりかけた流れがつながったのです。
でも重さは消えていない。
未来に送っただけです。
第9話では、その約束(国債)で村を無理やり回し続け、
第10話では、アルパカの増殖祭り(信用創造バブル)まで始まり、
チャ~リンは増えているのに、どうぶつたちの苦しさは消えない状態へ進みます

イグアナ
「増やしてるのに足りない。
助けてるのに詰まる。
だいぶ末期です」

天の声
「そして、ネズミが“そもそも”を言う。
あれが前半最大の音でした。
ここまで村は、“どうやって石っころのお金(チャ~リン)を回すか”ばかり考えていた。
でもネズミは、“なんでチャ~リンがいつも誰かの借金でないと作れないのか”、鋭く指摘してしまったのです」

イグアナ
「物語の空気が、そこで一回変わるんですよね。
“チャ~リンが足りない”から、“前提がおかしい”へ」

天の声
「はい。
だから前半で起きていたことは、こうです。
ライオンの不安にアリクイが入り込み、
軽いチャ~リンを生み、
足りない1枚で競争を作り、
借りるほどえらい空気を育て、
重さを“ギフト”と呼び替え、
見守る総裁に出世し、
ついには中央銀行として“あとで返します約束”で未来まで動員した。
つまり――
アリクイが、石を配っただけでなく、石を前提にしてしか生きられない村を育ててしまった。
前半は、そういう話でした」

⑥ 村の落とし物係バク、仕組みの落とし物を趣味で拾いはじめる(希望の第11話以降)


天の声
「けれど、村のどうぶつたちも、いつまでも同じ石に頭をぶつけているほど、とんまではありません。
“足りないねえ”“重たいねえ”とへたり込みながら、ようやく
“……それ、ほんとうにこの仕組みじゃないとだめ?”
と、考えはじめたのです」

イグアナ
「……おや、あそこに現れたのは、村の“落とし物係”のバクさんですね。
寝ぐせは年中無休、歩き方はふらふら、なのに村のバグだけはやたら見つけるという、実に扱いづらいどうぶつです。
“……あ、それ、趣味ですから”
と、どこかで聞いたようなことを言いながら、不条理を散歩のついでに直してしまう。
……えー、後半、空気がちょっと変わりますので安心してください。

イグアナ
「まあ前半のまとめはこのくらいにしておきましょう!!
…後半も、見れるかな。それではみなさん、ごきげんよう」

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