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風まかせ文芸部 作品紹介【抜道】

第32回、「風まかせ文芸部」に参加してくださった作品を随時公開していきます!
「俺の、私の作品が載ってないんですけど!」っていう人がいらっしゃったらおっしゃってください!
気づき次第の更新ですのでご了承ください!
それではどうぞ!


【鈴蘭さん】

ふと選んだ抜道で、夕焼けと記憶がゆっくり重なっていく。
言えなかったひと言、選ばなかったもう一方の道——そんな小さな後悔たちが、すれ違った香りにそっと呼び起こされる。
それでも足取りは前へ進み、遠回りの中にほんのわずかな強さと救いが宿っていく。
やさしい光と静かな痛みが溶け合う、心の内を歩く物語。

【akashiba555さん】

渋滞回避のはずが、どこか不穏な“抜け道”へ誘われていく——。
見慣れた街から徐々に外れ、奇妙なナビ音声の囁きとともに辿り着く先は、現実の輪郭がきしむような場所。
日常とテクノロジーが静かに噛み合わなくなる瞬間を、淡々とした筆致で描きながら、背筋の寒くなるユーモアを忍ばせる。
近未来の悪夢がすぐ隣に潜む感覚を味わわせる、スマートで冷ややかなサスペンス。

【leal_violet3340さん】

“抜道”を本能で見つけたつもりが、なぜか行き止まりへ一直線。
方向音痴な語り手が、街の迷路と自分の勘違いに翻弄されながらも、どこか楽しげに走り続ける。
笑いと共感がじんわり混じる、日常の小さな冒険譚。
迷うことすら物語にしてしまう、その軽やかさが魅力の一篇。

【藍出紡さん】

滝音に紛れてひらく、ひとつの黒い穴。
そこは日常からそっと外れるための、静かな抜け道です。
水しぶきとともに進む先で、言葉にしきれない色彩がかすかに予感される――
現実と想像の境目を、軽やかにすべっていくような短篇です。

【財布野紐ゆるみさん】

全視界が管理される社会で、「見られていること」を逆手に取ろうとする男がいる。
国家の眼、監視の死角、そして胸の奥で長年くすぶり続けた欲望――。
精密な制度設計と個人の執念が静かに噛み合っていく過程を、冷ややかな筆致で描くSF短篇です。
安心と安全の裏側に潜む、わずかな綻び。その先に広がる不穏な余韻が、読後も視界から離れません。

【片桐みかんさん】

人生のどこで、道を間違えたのか。
気づけば手元に残ったのは、静かな後悔だけだった――。

当たり前を守ってきたはずの男が、失って初めて立ち止まり、自分の歩んできた「抜道」を振り返る。
愛とは何だったのか、王道とは何なのか。
遅すぎるかもしれない問いを抱えながら、それでも一歩を踏み出そうとする心の独白が、淡々と胸に沁みてくる短編です。

【適温より1℃低めさん】

東名高速の朝の渋滞、その動かない時間のなかで「ナイスな時計」が消えた。
あるようで正体の知れないそれをめぐり、事件は妙に騒がしく、そして妙に進まない。

渋滞という密室、証言に現れる「抜道」、軽やかに脱線していく語り手の自己紹介。
推理小説の体裁をまといながら、常識的な謎解きはするりとかわされていきます。

何が起き、何が起きなかったのか。
抜道作家の名にふさわしい、肩の力が抜けたユーモアとメタ感覚が心地よい一篇です。

【Ryuさん】

頑張ることも、立ち向かうことも否定しない。
けれど同時に、「いつでも降りられる道」をそっと肯定するエッセイです。

強さや根性では測れない人間の脆さに目を向け、自分の心と体を守ることを最優先にするまなざし。
逃げることを恥とせず、放棄する自由さえ抱えたまま、風まかせに生きていく――
肩の力を抜きたいとき、静かに寄り添ってくれる一篇です。

【ABC共創ラボ|語りとAIの未来設計所さん】

いつもの安全な道と、知らなかった細い路地。
その間にあるのは、距離ではなく、親と子の視線の違いです。

「抜け道」をきっかけに、少しずつ入れ替わっていく立場と心の距離。
守る側だったはずの親が、気づけば子どもの背中を見つめている――
静かな日常の中で訪れる成長の瞬間を、やさしくすくい取った一篇です。

【水玉さん】

名も形もなかった感情に、そっと言葉を与える。
それだけで世界は、わずかに違って見えはじめる。

「優しさ」という名を授ける行為を、ひとつの“技”として描いた静かな幻想譚。
言葉が感情を輪郭づけ、人から人へと渡っていく様子を、天界の視点からやわらかく語ります。

呼ばれることで生まれる意味、名づけることで始まる道。
読む人自身の心にも、そっと灯りを残していく一篇です。

【カイロウドウケツさん】

歴史の空白に、ふと浮かび上がるひとつの星。
記録されたものと、記録されなかったもの。その差異に、物語は静かに宿ります。

超新星爆発と宗教的分断という同時代の出来事を並べながら、
「書かれなかったこと」「覚えていないこと」を、次へ進むための抜道として捉える思考の断片。

確かさを手放すことで、かえって自由になる――
そんな軽やかな諦観が、余白の多い言葉の連なりから滲み出る一篇です。

【のほさん】

迷って立ち止まる誰かに、そっと語りかける声があります。
不安や戸惑いの奥で、まだ消えていないものを見つけ出そうとする、やさしいまなざし。

感じてきた美しさやときめきが、確かに心に残っていることを信じる言葉たち。
迷路は行き止まりではなく、抜けられる場所なのだと、静かに背中を押してくれます。

読むほどに、読者自身の内側にも淡い光が灯る――
そんな希望を手渡す、小さな励ましの一篇です。

【みみずくの耳さん】

言葉遊びから始まり、気づけば夕暮れの記憶へと滑り込んでいく短編です。
「抜道」「ぬけぬけみち」――語感の違和感が、そのまま子どもの想像力と不安の揺れに重なっていきます。

暗くなる前に帰る約束、公園の物置き、知らない道。
日常の中にひそむ小さな異界を、軽やかで少し可笑しい語り口で描写。
最後に残るのは、怖さよりも懐かしさ。
誰もが一度は迷いかけた、あの頃の「抜道」の手触りを思い出させる一篇です。

【トガシテツヤさん】

月曜の朝、駅の片隅に現れる“抜道”。
それは満員電車も、憂鬱も、面倒な時間もすべて省略できる、あまりにも都合のいい近道でした。

しかし削られていくのは、時間だけではない。
快適さと引き換えに失われていく「実在感」に気づいたとき、物語は静かに問いを突きつけます。

生きるとは、どこまでを省いていいのか。
不快で、無駄で、重たい時間を抱え直す決断が、逆説的に強い余韻を残す一篇です。

【うまっしーさん】

坂の先に見える海と、大学生活の終わりが、静かに重なっていく物語です。
故郷の記憶としての「抜道」と、いま立っている場所からの逃れられなさ。
軽口やアニメの話題に紛れながら、別れだけが確かな重さを持って近づいてきます。

言えなかった本音、届かなかった気持ち、それでも続いていく時間。
夏の夜の湘南を舞台に、若さと喪失の余韻を波音のように残す一篇です。

【⭐︎chobiちょび358さん】

整然と並んだ文字が語るのは、
「うまくやれていたはず」という静かな自己評価と、
いつの間にか行き止まりに立たされていたという事実。

この作品は、努力や器用さが必ずしも救いにならない瞬間を、
淡々とした言葉選びで突きつけてきます。
責めるでもなく、嘆くでもなく、ただ問いだけが残る構造が印象的です。

読み終えたあとに残るのは、
「では、ここからどうする?」という余白。
抜け道のない文章だからこそ、
読み手自身の足元を静かに照らす一篇です。

【岩下だんごさん】

目覚ましの誤作動みたいに始まる朝。
この作品は、勢いと焦りに押し流される日常を、リズムのある言葉で一気に駆け抜けていきます。

「べき」に追われ、走り、判断を誤り、気づけば知らない場所。
けれどその先で、ふと視界に入る名も知らない花が、
時間の流れをわずかに緩めてくれる。

正しさよりスピードを選びがちな毎日の中で、
立ち止まること、考え直すことの価値をそっと差し出す一篇。
慌ただしい朝の呼吸と、静かな余白が同居する、軽やかな詩です。



ちなみに・・・!
もっと自由に創作を楽しめる場所を作ってみたくて、
小さな部室のようなメンバーシップをはじめました。
ふらっと、立ち寄ってもらえたら嬉しいです!

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