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風まかせ文芸部 作品紹介【書斎】

第26回、「風まかせ文芸部」に参加してくださった作品を随時公開していきます!
「俺の、私の作品が載ってないんですけど!」っていう人がいらっしゃったらおっしゃってください!
気づき次第の更新ですのでご了承ください!
それではどうぞ!

【藤村ちひろさん】

棚に残された本たちは、今も整然と父を待っている。
その秩序の中に宿るのは、知の香りではなく、沈黙の温度
触れることも、語ることもできず、
ただ窓を開けて風を通す――それだけが、残された者の祈りとなる。

【leal_violet3340さん】

絶望の底にいた“わたし”を救ったのは、
派手な奇跡でも、誰かの励ましでもなく――一冊の古い漫画だった。

笑い、泣き、再び文字を求めはじめた日々。
言葉に触れるたび、心に色が戻っていく。

読むことは、生き直すこと。
静かな読書の時間の中に灯る、わたしらしさを取り戻す小さな夢の物語。

【大島蓮司さん】

祖父の死から五日後、誰もいない家の二階。
閉ざされていた書斎の扉を開けた少年は、
机の上に置かれた万年筆と原稿、そしてひとつのスノードームを見つける。

「ある日、少年は書斎に隠された扉を見つける」
その一文に導かれ、少年は“物語の中”へと足を踏み入れる。

雪の降る世界、祖父の若き日の姿、そして受け継がれていく言葉。
──書くことは、生きること。
ひとひらの雪が舞うたび、物語は未来へとつながっていく。

【トガシテツヤさん】

祖父の死後、忽然と消えた「緑のダイヤ」の覚書を追って、
閉ざされた書斎に足を踏み入れた“私”。
止まったままの振り子時計、逆行する時間、そして現れた燕尾服の男――。

時計が二時を刻むとき、書斎は取引の場と化す。
代償は時間。鍵は、緑の輝き。

幻想と理性のあわいで展開する、
時の迷宮と家族の秘密をめぐる幻想譚(げんそうたん)
最後の「チク……タク……」が鳴るとき、あなたの時間も巻き戻りはじめる。

【akashiba555さん】

庭に、小さな“秘密基地”をつくりたい――。
家族を思い、日々に追われ、いつしか自分の夢を埋めてきた男が、
ようやく掘り起こした“自分だけの居場所”のはずだった。

だが、現実は冷蔵庫のモーター音よりも冷たく響く。
夢は一度、雑草の下に葬られた。
それでも彼は、最後にひとつの本を注文する。
タイトルは――『妻の取り扱い説明書』。

笑いの裏に、ささやかな希望と夫婦のリアルが滲む、
ユーモラスでちょっぴり哀しい日常譚。

【鈴蘭さん】

森の奥深く、風と光のあいだに佇む一軒の書斎。
そこに暮らす魔女リュネは、自然の記録者であり、終わりを見届ける者
焼きたてのタルトの香りに包まれながら、彼女は世界の“最後の一文”を書き留める。

けれど、物語は終わらない。
ページがめくられるたびに、風が、森が、命が再び動き出す。

穏やかな時間の流れの中に、
「再生」という小さな奇跡を描いた幻想短編。

【⭐︎chobiちょび358⭐︎さん】

誰にも邪魔されず、好きな本と静けさに包まれる場所。
それは贅沢でも豪華でもない、ただの“自分のための空間”。
書斎を夢見るその願いには、
ひとりの時間を取り戻したいという、ささやかな祈りが宿っている。

【想狗さん】

『宇宙』

果てしなく広がる「書斎」。そこに降り立つ三つの魂が、それぞれ異なる“空虚”を語り始める。
本が積まれた場所も、本のない空間も、そして本で埋め尽くされた隅も——すべては「がらんどう」と呼ばれる。

見える者には意味を持ち、見えぬ者にはただの空白。
情報が空気のように満ちるその空間は、知の宇宙であり、存在の比喩でもある。

静謐な語りの中に、読む者の想像が広がっていく詩。
読後、あなたの中にも「がらんどう」が生まれるかもしれない。

【kazeさん】

香る珈琲、満ちる静寂。そこは人生と思想が交差する、ひとりの「城」。
書斎という小さな宇宙に身を置きながら、作者は思索と安らぎの同居する時間を綴る。

知的でありながら、どこか柔らかな幸福が滲む短篇。
「今日もたゆとう喜びを感じて」——その一行に、日常の輝きが凝縮されている。

【水玉さん】

「立ち入り禁止」だったその部屋に、初めて足を踏み入れた日。
懐かしい匂いとともに、記憶の扉が静かに開く。

父の遺した書斎で見つけた、知らない女性との写真。
そこに映る笑顔が、過去と現在、そして「父」という存在への理解をゆっくりと揺らしていく。

秘密と沈黙、そして尊厳。
ひとつの部屋をめぐって描かれる、親と子の距離の物語。
鍵をかけるその手の中に、哀しみと赦しが同時に宿っている。

【カイロウドウケツさん】

書斎は、言葉や思いを風から守る小さな宇宙だ──と語る一人称のつぶやき。
本がつなぎとめる記憶と、やがて明かされるかもしれない秘密。
愛は巨大で、必要な時まで黙っている。そんな静かな確信が、柔らかく胸に残る詩。

【片桐みかんさん】

明治の文豪・葛城文彦。
彼の書斎に眠る百本を超える万年筆たちが、ある日ついに立ち上がった。

スランプを乗り越えるたびに取り替えられてきた筆先たちが、
「われらにも尊厳を!」と声を上げる——。

筆と人との愛憎劇を、まるで史実のような筆致で描く異色の幻想譚。
軽妙な語りの裏に、「創作」と「道具」との関係をめぐる深い洞察が光る。
最後の一文まで、読者をくすりと笑わせる小粋な掌編。

【でぶにゃん先生さん】

市立図書館の司書・神崎ヒロト。
日本十進分類法を心の羅針盤に生きる彼の前に、ある朝“書斎の秘密”を知る黒衣の男が現れる。
祖父から受け継いだ書斎、そして本の記録を現実に具現化する力——アーカーシャ・ダイブ。
だがその力は記憶を削り取り、狙う者〈アカシック・シェイパー〉も現れた。

世界を揺るがす“原典”をめぐり、守るべきは知か、ひとりの人か。
分類と秩序で世界を見てきた司書が、書斎という小宇宙で選ぶのは何か。
知識と記憶、図書館の作法とバトル、そして淡い恋が交差する、疾走感あふれるビブリオ・ファンタジー。

【ナツメグさん】

建築家の父は、家ではいつもサボってばかり——そう思っていた。
けれど、ある日偶然見つけた「隠し書斎」は、誰にも見せない本気の場所だった。

「隠さないと、こういうのは“部屋”にならないんだよ」

父の言葉に導かれるように、娘も自分だけの“余白”を設計しはじめる。
親と子、創造と静寂。そのあわいに流れる、やわらかな時間の物語。

【てみさん】

売れない物書きだった父の書斎。
そこに残るのは、乾いたペン、書きかけの原稿、そして静かな気配。

父の死後、初めてその机に座った娘は、何も書かずにただ手を置く。
それだけで十分だと感じる——言葉の向こう側にある、やさしい継承の物語。

インクの匂いと木の手触りが、記憶の中で静かに混ざり合う。
書かれなかった一行にこそ、父の物語が息づいている。

【嫌儲さん】

世界の終焉を前に、二人の“聖女”が書斎で探すのは【世界救済方法】という名の書。
頁をめくる音と、時計の針の遅れ。
退屈と不安、そして淡く歪んだ愛情が、電球色の光の中で静かに腐蝕していく。

書物が語る「救い」と、現実が示す「均衡」。
幸福とは、救済とは、そして贄とは——。
密閉された書斎を舞台に綴られる、美しくも残酷な神話の断章。

【藍出紡さん】

静かな夜にそっと息づく、記憶と想いの詩です。
月明かりと埃の「きんいろ」が、
もういないおじいちゃんの書斎をやさしく包み込みます。

「ぺら、ぺら ほんが よぶ」
「はねペンは しずかにまっている」
――ひとつひとつの言葉が、まるで小さな命を宿しているよう。
沈黙の中に残る“創作の記憶”や“受け継がれる勇気”が、
やわらかな光の粒になって漂っています。

最後の一行「でてこい ゆうき」は、
亡き祖父へではなく、自分自身への呼びかけのようにも響く。
静けさの中に確かな鼓動を感じる、
月と記憶が寄り添う美しい詩です。



ちなみに・・・!
もっと自由に創作を楽しめる場所を作ってみたくて、
小さな部室のようなメンバーシップをはじめました。
ふらっと、立ち寄ってもらえたら嬉しいです!

今回のお題はこちらから!↓

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