育児の落とし穴 〜育児は100人100通り〜
自己紹介
私は、働く人の健康をサポートする「産業医」をしています。普段は、産業医活動の「落とし穴」や日々の実践・考えを、noteやX(Twitter)で発信しています。
育休・育児シリーズを始めます
2025年に第一子を授かり、合計4ヵ月ほど育休を取得しました。この経験を通して得た学びを、『落とし穴シリーズ』として発信していきます。特に、これから育休を取ろうと考えている男性に参考になればと考えています。諸先輩方からすれば鼻で笑われるような内容もあろうかと思いますが、こんな人間もいるんだと温かい気持ちでご笑覧いただければ幸いです。
育児は100人100通り
同じ“育児”でもそれは違う“育児”
育児をしていると、他のいろんな人から育児の情報が入ってきます。家族や職場の上司や同僚、友人、そしてSNSなどからです。さらには、駅やスーパーで出くわすおばさまからもいろいろなことを教えてもらいます。
育児に関しては、私はえげつないくらいの情弱ですので、本当に助かることばかりです。情報によって救われたことばかりです。
しかし、あるとき思ったのは、「同じ“育児”という言葉を使っていても、それは全く違う“育児”のことを言っているんだな」ということです。
“育児”が指すこととして、授乳、おむつ、沐浴、寝かしつけ、夜泣き対応といったことが代表的ですが、それすらも中身は全く別ものなんですよね。例えば、同じ「夜泣きがつらい」でも、時間帯が違えば、あやし方も違う。ベッドも違えば、部屋の広さや近隣環境も違う。横で交代してくれる人がいるか、翌朝に出社があるかでも全く話が変わります。
同じ競技に見えて、実は全く別のルールで別の競技なんじゃないかと思うくらいです。野球とクリケットくらい違うんじゃないかと(クリケットのことをほぼ知らないので、この例えが良いたとえなのかどうか分かりませんが笑)

(多分、けっこう違う)
“育児”にはいくつかの大きな変数がある
特に大きな変数だなと感じるのは、“実家の有無”、“パートナーの協力姿勢”、“母乳orミルク”、“生活環境”、“子どもの健康(特性、アレルギーなど)”です。
例えば、我が家では、以下のような状況です(一部しか出してませんが)
・お互いの実家が近くにない
・パートナーと私は育休取得(それ以上はあえて省略)
・完全ミルク
・リビング14畳くらい。寝室とリビングがとなり。
幸運にも角部屋で隣人への泣き声の影響は気にならない
・今のところ好き嫌いなし(人見知りが始まりつつあり)、アレルギーなし
それ以外にも細かい変数はいくらでもありますよね。
個人的には実家がすぐ近くにあって頼れるかどうかは、かなり大きな変数じゃないかって思ったりします。うらやましい。これは完全にないものねだりなのでしょうが・・・
「育児」をひとくくりにはできない
あらゆる変数が家庭ごとにそれぞれ違ってきますので、“育児”といっても全く違うもので、「育児」をひとくくりにはできません。
なのに、育児トークって会話として成立するから面白いですよね笑
野球とクリケットくらい違うのに(どのくらい違うかは分かりませんがw)。
育児の話をすることで、愚痴をはいたり、承認してもらいたかったり、笑い飛ばしたり、参考にしてもらいたかったり、自身の経験を正当化したかったり、まあ動機は人それぞれなんでしょう。
いずれにせよ、「育児」ってひとくくりにできないなーって思うわけです。
他の人の育児に惑わされすぎないように
他の人の育児情報は、知れば知るほど焦ることもあります。子どもの成長にもかなりの差があったり、家庭によって羨ましい状況にあったり。人は比較したくなる生き物ですしね。そして、うまくいっているキラキラ情報ばかりが発信されているので、そういう情報に目がいきがちなんですよね(みんな本当は苦労しているはずなのに・・・)。
しかし、そこで惑わされすぎないことが大事なんだと思います。
他の人の育児は全く別ものであり、参考にするべきところは参考にしつつ、無視するところは無視をする。その「いいとこ取り」が大事なんだと思います。
育児が終わった人の育児は全然違う育児
育児を終えた人のアドバイスを受けることも多々あります。皆さん、善意の気持ちで、良かれと思ってアドバイスをしてくださっているなとは思いますが、一方で、その“育児”とは、全然別の“育児”をイメージしているという前提は重要だなと思います。
それぞれ育児を行っている状況として、社会の制度、慣習、価値観、その人の職場文化、情報環境が全く異なります。そして、記憶は美化されることがあり、つらかったことほど薄れ、良かったことが残りやすいです(育児中のパートナーのつらかった言動だけは心に刻まれている人もいるようですが)。
また、育児の渦中にいる当事者と、過去に育児を終えた人とでは見ているものが全く違うんですよね。後から振り返って「大変だったけど楽しかった~」と言われても、「今が辛いんじゃー!!」としか思えません笑
「今しかないんだから、もっと触れ合った方がいいよ」
「一番かわいいときだからね、そばにいてあげな」
「自分が過去に戻ったら~」
「自分のときは~」
「私たちの世代では~」
その人が語る「育児」は、その人の中での育児です。今の自分の状況にそのまま当てはまるものではありません。ほどほどに参考にしつつ、ほどほどに受け流す必要があると思います。
なお、とは言っても個人的には歴史が好きだったりするので、昔の育児話を聞くのはかなり好きです。液体ミルクがないとか、布おむつとか、うつぶせ寝が当たり前だったとか、便利家電がないとか、当時のジェンダー観とか、もろもろ聞いててとても楽しいです。
自分の親に聞いたら、当時はうつぶせ寝が推奨されていたらしいです。今じゃ信じられないようなこともあって、「ほへー」って感じです。
おわりに
育児は、それぞれの家庭の条件に合わせた最適化を目指すものかなと思います。他の人の育児は別ものであるという前提のもと、いいとこ取りで、さらに自分のところの育児をより良いものにしていく感じですね。
本記事がこれから育休や育児に向き合う男性の参考になれば幸いです。
そして、同じように育児に頑張っている皆さん、今日も本当にお疲れさまです。
産業保健コラム ~100社100通りの産業保健~
産業保健も育児と同様に変数だらけです。同じような業種や規模でも、まったく違います。歴史、経営者、企業文化、内部リソース、地域特性、従業員特性などなど挙げればキリがありません。
企業が変われば産業保健職に求められることもガラッと変わります。もちろん同業他社の状況は参考になりますが、あくまで参考になる程度です。経営層は同業他社の状況を気にすることはありますけどね。他の企業の良好事例(グッドプラクティス)は、別の企業に当てはめることはできません。
参考になるが、参考にはなりすぎない、という前提はまさに育児と同じです。その前提を踏まえた上で、じゃあどうすればいいのか、が問われるのだと思います。
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過去の記事
育児の落とし穴〜育児は100人100通り〜←NEW!
番外編1:なぜ育児休暇を取得したか←Coming soon
番外編2:育児休暇を取得してよかったこと←Coming soon
番外編3:男性の育児休暇について所感←Coming soon
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男性の育児が当たり前に!男性が休める社会に一緒にしていきましょう!
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ちょっと癖のある投稿多めですが笑
また、夫婦でラジオも始めました。
育児トークは少な目ですが、よかったら聴いてください!
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