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ちゃんと生きてきた服が好き




最近、武骨なメンズ古着に惹かれる。

少し大きめのフーディ。

肉厚なスウェット。

軍や警察、消防、大学、企業などのロゴが入った服。

ド派手なデザインではない。

むしろ色はネイビーやグレーなど、比較的落ち着いている。

でも、よく見るとプリントが少しかすれていたり、生地が洗い込まれていたりする。

イメージ図私だけど…😅

先日、古着屋で「NAVY」と書かれたパーカーを見つけた。

タグには「MADE IN USA」。

胸元には小さくNAVY。

背中には大きなNAVYの文字。

肉厚で、いかにも実用品という感じだった。

たぶん軍関係のトレーニングウェアなのだと思う。

正確な来歴までは分からない。

でも、なんとなく背景が見える。

誰かが訓練で着ていたのかもしれない。

寒い日に羽織っていたのかもしれない。

仕事や日常の中で何度も洗われ、少しずつ色が褪せていったのかもしれない。

そういう服を見ると、私は格好いいと思う。

私は、古着なら何でも好きなわけではない。

新品の服を、わざと古着風に加工したものよりも、実際に誰かが使った痕跡のある服に惹かれる。

プリントのかすれ。

自然な色褪せ。

少し柔らかくなった生地。

企業名や部隊名、学校名、店名。

その服が、ただ飾られていたのではなく、何かのために使われていたことが伝わるもの。

言い換えるなら、

「時間が乗っている服」

が好きなのだと思う。

もちろん、何でもくたびれていれば良いわけではない。

襟が伸びきっていたり、生地が薄くなりすぎていたり、着た時に自分まで疲れて見える服は少し違う。

古びていることと、格好よく育っていることは、同じではない。

私が好きなのは、生地にまだ力が残っている服だ。

しっかりした綿。

厚みのあるスウェット。

洗われても形を保っているシャツ。

使われた痕跡はあるけれど、まだこれからも着られる服。

そこには、新品にはない格好よさがある。

最近、自分が古着に求めているものが少し分かってきた。

ブランド名だけではない。

流行だけでもない。

「これを着れば若く見える」とか、

「今っぽく見える」とかでもない。

この服は、どこで使われていたのだろう。

どんな仕事をしていた人が着ていたのだろう。

何のために作られた服なのだろう。

そんな物語を想像できること。

それが、私にとっての古着の面白さなのだと思う。

だから、きれいに並べられた専門店だけでなく、リサイクルショップや均一価格の古着屋も好きだ。

専門店では、服の歴史や希少性まで値段に含まれる。

それはそれで面白い。

でも、雑多な店の中には、まだ価値を説明されていない服が眠っている。

ただの業者ロゴ入りパーカー。

誰かの作業着だったシャツ。

学校や施設の名前が入ったスウェット。

そういう服を格安で見つけると、宝探しをしているような気分になる。

有名ブランドでなくてもいい。

むしろ、誰が作ったのかよく分からない服の方が、気になることもある。

私はたぶん、

ちゃんと使われて、

ちゃんと時間を重ねて、

それでもまだ力を残している服が好きなのだ。

それは服だけではないのかもしれない。

傷がなく、完璧で、最初から完成されているものよりも、

少しかすれていても、

色褪せていても、

何かをくぐってきたものに惹かれる。

その跡を、格好いいと思う。

私は、ちゃんと生きてきた服が好きだ。


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