フランク・キンズロー博士による、「治さない」という癒やし②
なぜ、ワークショップやセッションに滅多に足を運ばない私が、あの日、迷いもなく博士に会いに行ったのか。
「自宅からさほど遠くなかったから」 ……なんて言ってしまうと身も蓋もないけれど、それもひとつの真実。
実は彼は、国内はもちろん地元でも、滅多にワークショップをされない。活動のほとんどはヨーロッパである。私が知る限りではあるけれど、最近になってようやく地元での活動の告知を目にするようになった。
正直に言えば、セッションそのものへの執着はそこまでなかった。けれど、長く愛読しているあの著書の内容は本当に好き。そんな際に告知を見たので、迷わずポチったのだ。
会場は、美しいビーチの向かいに広がるゴルフ場の傍。 お世辞にもアクセスが良いとは言えないけれど、私にとっては、その不便ささえもが楽しく感じられる距離。海水はまだ冷たいけれど、青々とした海水が美しく、観光客らしき人達でほどほどに賑わっていた。
幸運なことに、私が着いたときには、他に一人の訪問者。そして奥さんしかいなかった。そもそもが個別制だったらしい。
私が日本人だと伝えると、すぐに話に花が咲いた。
3月に来日予定だったけれどキャンセルになったこと(その広告、私もどこかで見た気がする)、そして博士が子供の頃に横浜に住んでいたこと。本を読んで知っていたエピソードを伝えると、さらに会話が弾んでいく。
博士の本には、あちこちにジョークが散りばめられている。 その日も、目の前にいた女性に向かって、 「日本は本当に素晴らしかった。僕はそこで初めて『寿司のなる木』を見て、心から感銘を受けたんだよ」 なんて真顔で言うものだから、彼女はポカン。
おやじギャグ(死語?)の境界線を行くような、絶妙な面白さ。思わず親近感がわいて、ふふっと笑ってしまう。
「せっかくだから、ミニセッションをしましょう」
と博士は私に言ってくれた。
悩みや痛みを数値で言うように言われたけど、今の私には深刻な問題はない。まさかセッションしてくれると思ってなかったので、考えてもいなかった。でも、最近、知人の家族の訃報が重なり、少しだけ心が沈んでいたこと。 ヨガやダンスで、足の付け根がギシギシと痛んでいたこと。 その部分を意識した。
そして、博士の横に立って目を閉じる。
博士がそっと私の傍に立ち、優しく触れる。 キンズロー博士が提唱するQE(クォンタム・エントレインメント)の技法。
それは、博士が何かを「治す」という積極的な行為ではない。 ただ、博士という存在を通じて、そこにある「Pure Awareness(純粋な気づき)」が、私の内側にある同じ静寂を呼び覚ましていく。
あえて言葉にするなら、それは深い「共鳴」。 でも、誰かに波長を合わせるのとは少し違う。二人で一緒に、もともとそこにあった広大な静寂の海へ、ふっと還っていくような……そんな不思議な連帯感。
時間にして、わずか3分ほど。
「ああ、これが、あの本で読んでいた世界なんだ」
深い感動が、静かな波のように押し寄せてきた。 何者かが魔法をかけるのではない。ただ、そこに「ある」ことに気づくだけで、私を本来の場所へとそっと戻してくれる感覚。
しかも、傍にいる博士と一緒に。この部分が最高だった。
セッションが終わる頃には、心のモヤモヤも、足の違和感も、ふっと消えていた気がする。少し興奮状態だったので確かではないかもしれない。博士によると、効果はしばらく続くから大丈夫ということだった。もちろん、それはそうだろう。
でも、やっぱり、本物はすごい。
実は数年前、私もこの手法を独学で取り入れて、遠隔レイキとして届けていた。とても好評を頂き、たくさんの方から感謝の言葉を受け取った。 今でも自分自身のために、大切にしている習慣。日々意識してるわけではないけれど、思い出したときにまめに実践している。
ただ、博士のそれはヒーリングの手法がメイン。今回のサイン会も有料のミニセッション付きという少し珍しい形だったけれど、私の目的は「治してもらうこと」そのものではなかった。
私の興味が向くのは、その手法の奥にある「Awareness(純粋な気づき)」の部分。
もちろん、それを使ってヒーリングをしましょう、ということなのだけれど。私にとっては、技術を習得することよりも、博士が体現している「純粋な意識」そのものに触れることの方に、何にも代えがたい喜びがあったのだ。
だから、翌日のワークショップには参加せず、この濃密なひとときだけで十分だと、真っ直ぐな気持ちで会場を後にした。
私の大好きな翻訳者の方々が手がけた博士の2冊の本が好きで熟読しているが、やっぱりサインも欲しくて、英語の本を買い求めて一筆書いてもらった。(ちなみに全部の本を読んだわけではないが、その理由はまた続く)
🌈フランク・キンズロー博士に聞いた、集中できないときの処方箋①
🌈何もない私にマルを出せるか
🌈「4カ月でスペイン語を学べ」
🌈眠らない街に届いた神々しい光
🌈光がなくても自由な人
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