#14 〜ピカある探訪記✧*〜 なごや観光ルートバス編(一) 0. 名古屋駅
なごや観光ルートバス編(一)
今回から始まる「なごや観光ルートバス(メーグル)」シリーズでは、
ぴかるまことが、メーグルで巡って、観光気分で、バスの停留所を起点にその周辺を探訪して、改めて知る地元名古屋を紹介していきたいと思います。
メーグルは、名古屋の歴史や文化を巡る観光ルートバスです。
名古屋駅を起点に、市内の名所をゆるやかに結びながら走っています。
旅というものは、目的地へ着くだけではなく、その途中の景色にもまた味わいがあります。
バスの窓から街並みを眺めていくと、普段は気づかなかった町の繋がりも見えてくるように思えます。
歴史を巡る旅。
町歩きを楽しむ旅。
家族で巡る旅。
目的によって、同じ町でも見える景色は変わっていきます。
さて、今回はその出発点。
尾張名古屋の玄関口。
名古屋駅です。
「メーグル」ルートガイド
✎名古屋駅🚏 ─ トヨタ産業技術記念館🚏 ─ ノリタケの森西🚏 ─
四間道🚏 ─ 名古屋城🚏 ─ 名古屋城東・市役所🚏 ─
徳川園・徳川美術館・蓬左文庫🚏 ─ 文化のみち二葉館🚏 ─
中部電力 MIRAI TOWER🚏 ─ 広小路栄🚏 ─ ✎広小路伏見🚏 ─
《復路》─ 名古屋城🚏 ─ 四間道🚏 ─ ノリタケの森(4番)🚏 ─ トヨタ産業技術記念館🚏 )─ ✎名古屋駅🚏
バス停案内
メーグルは火曜〜日曜運行
月曜と年末年始は運休
名古屋駅バスターミナル11番のりば発
1乗車210円
1DAYチケット500円
土日祝は20〜40分間隔ほど
モデルコース
名古屋市観光情報「名古屋コンシュルジュ」では、なごや観光のモデルコースが紹介されていますので、おすすめです。
名駅の広小路の交差点
まずは、広小路の名駅交差点から歩み始めます。
広小路通。この東西の通りは、名古屋の中心の貫く大通りです。
そして南北へ交わる道は、線路沿いに、旧ナゴヤ球場や旧名古屋駅のあった笹島方面へ続いています。
以前は、私も毎日のように通っていた場所でした。
交差点の人通りの多さは今も変わりませんが、改めて歩いてみると、再開発が進み、景色が随分と変わったことに気づかされます。
名駅北側でまず目につくのは、特徴的な形をしたモード学園スパイラルタワーズ。
遠くから見ても、「あそこが名古屋駅だ」とすぐ分かる、象徴的な建物です。

そしてその先にはミッドランドスクエア。
尾張三河地方を代表――というより、今や日本を代表する世界企業となった豊田の本社機能も入っています。
その先にも、大名古屋ビルヂング、JRセントラルタワーズ、JPタワーが見えます。
かつて「駅前」と呼ばれていた場所が、今では名古屋という都市そのものを象徴するような高層ビル群となっています。
しかし、その一方で、少し南へ視線を向けると、どこか空気が変わります。
笹島方面。
再開発された高層ビルの向こうには、かつての貨物駅や倉庫街の気配が、今もどこかに残っているように感じられます。
名駅周辺は、均一な都市空間ではありません。
超高層ビル。 地下街。 古い歓楽街。 再開発地区。
巨大ターミナルの周囲に、異なる時代の町並みが重なり合っています。
そして、この名駅の広小路の交差点南側には、
かつて名鉄レジャックがありました。
レジャックには個人的な思い出もあります。
ボウリングへ行ったこと。
待ち合わせで、ミスタードーナツへ幾度も立ち寄ったこと。
そして、3.11東日本大震災の折、
居酒屋のランチ営業のテレビ越しに、
原発事故の報道を緊張の中で見つめていたこと。
都市というものは、巨大建築だけでできているわけではありません。
人の記憶。 待ち合わせ。 通勤。 寄り道。
そういうものが積み重なって、「街の空気」になっていくのだと思います。
ナナちゃん人形と名鉄セブン
交差点を渡り、名駅方面へ歩いていきます。
すると、やはり目に入るのがナナちゃん人形です。

待ち合わせの人々が足を止め、
観光客は楽しげに写真を撮っています。
その傍らでは、人の流れが絶え間なく地下街へ吸い込まれてゆきます。
巨大な人形でありながら、この駅の景色へあまりにも自然に馴染んでいて、今では「名駅らしさ」の象徴となっています。
左手には名鉄百貨店。
そして、このエスカレーターを上がると、名鉄バスセンターがあります。
名古屋市内に住んでいると、地下鉄や市バスを利用することが多く、普段はそこまで強く意識しないかもしれません。
けれど、少し郊外へ出ようとすると、急に「名鉄」が主役として現れます。
駅。百貨店。 ホテル。 バスターミナル。
昭和から平成にかけての名駅には、名鉄を中心とした娯楽施設や百貨店文化が色濃く存在していました。
改めて見ますと、名鉄は単なる鉄道会社というより、「街そのもの」を形づくってきた存在にも見えます。

鉄道会社が、移動だけではなく、買い物や娯楽まで抱え込んでいく。
これは関西私鉄文化にも近いものがありますが、名古屋ではその色がことさらに濃いように感じられます。
そして、もう一つ面白いことがあります。
それは、名鉄がJRとかなり近い場所を走っていることです。
名古屋、金山、神宮前、知立、東岡崎、豊橋。
こうした主要な地点では、名鉄とJR東海道本線の流れが驚くほど近く重なっています。
地図を眺めると、「これほど並んで走っているのか」と改めて気づかされます。
単なる競合というより、東海道沿いの大きな人の流れを、それぞれ違う役割で受け持っているようにも見えます。
JR側には新幹線や長距離移動。
名鉄側には生活路線や郊外文化。
そんな住みわけが、どこか自然に成り立っている気がします。
JRが「日本全体を繋ぐ幹線」なら、名鉄は「地域を細かく支える鉄道」なのでしょう。
また、名鉄は最初から一つの会社だったわけではなく、地域ごとの私鉄が統合されて形成された巨大私鉄でした。
尾張や三河の交通を細かく繋ぎ続けた結果として、現在の大きなネットワークができあがったのだと思います。
近鉄前と泥江通
もう少し進むと、近鉄の地上入り口が見えてまいります。
近鉄には、関西・伊勢方面へ向かう交通というイメージの他に、どこか「旅情」があります。
伊勢方面へ向かう案内板の前を観光客が行き交い、特急列車が静かに旅人を運んでいきます。
道路を挟んで向こう側にある通りが、泥江通。
その一駅分先には、泥江交差点、国際センター駅と、そしてピカピカ事業所のある花車ビルがあります。
泥江という地名は、この街に昔から残る地名の一つです。
名古屋の中心地でありながら、堀川や水運とも深く関わってきた地域でもあります。
現在の巨大駅前だけを見ていると忘れてしまいますが、名古屋駅周辺には、再開発以前から積み重なってきた街の痕跡が、今もところどころ残っています。
そして、名古屋の街は、水運とともに発展してきた都市でもあります。
地名には、昔の景色が静かに残っているのかもしれません。
JR桜通口
少し歩くと、左手に交番のあるロータリーが見えてきます。
JRセントラルタワーズを見上げます。
ここは名駅の東側、JR名古屋駅広小路口・桜通口です。
ロータリーの交差点の反対側、つまり東側には、かつて昭和のモダン文化を感じさせていた「大名古屋ビルヂング」があります。
この建物も、およそ10年前の2016年に、表記はそのままで、姿を一新させています。

かつて、この大名古屋ビルヂングへ向かう横断歩道の手前、名駅三越前には、盲導犬サーブ像がありました。
「サーブ前で待ち合わせ」
そんな言葉を覚えている人もいるかもしれません。
桜通口から駅構内に入ると、両側にはJR高島屋。
その間のスペースは「金時計前」と呼ばれています。
ここから、JR中央コンコースを真っ直ぐ西側へ進めば太閤通口側の「銀時計前」、さらに先ほどのナナちゃん人形。
定番の待ち合わせ場所が、いくつも連なっています。
駅前には、その時代ごとの待ち合わせ場所の記憶があります。
名古屋うまいもん通り
桜通口から反対側の太閤通口に抜ける通路。JR中央コンコース。
その両脇に東海道新幹線の改札口があります。
ここで目に入るのが、「名古屋うまいもん通り」です。
味噌カツや、カレーうどん、きしめん、あんかけスパ、手羽先、ひつまぶし。
名古屋めしとして知られる店々が並び、実は名古屋名物の代表的な食事が、この場所へ集まっています。
県外から訪れた方にとっては、まず来たとき、そして帰るとき、「名古屋らしさを味わう場所」なのかもしれません。
駅というものは、人が通り過ぎる場所であると同時に、その土地の文化が凝縮される場所でもあります。
そして、今回取り上げませんでしたが、迷路のような巨大地下街。
名駅周辺には、今もなお、買い物と食文化が強く結びついた「駅前文化」が残っています。
名古屋駅バスターミナルの11番のりば
そして最後に、名古屋駅バスターミナルの11番のりばへ向かいます。
観光客や地元の人々が行き交い、スーツケースの音に混じって、アナウンスとバスのエンジン音が響いています。
巨大な駅前では、今日も大量の人が行き交っています。
ビジネス。通勤。 観光。 買い物。食事。 待ち合わせ。
けれど、地名や鉄道の歴史を辿ってみると、この街は、昔から人と流れによって姿を変えてきた場所でした。
湿地帯の玄関口から、今や超高層ビルの町へ。
しかし、その足元には、昔の川や道の記憶が今も静かに残っています。

メーグル時刻表| 名古屋駅
やがて11番のりばにメーグルが滑り込んできました。
ここまで歩いてきた名駅の景色が、今度は車窓からどのようにつながって見えてくるのか。
そんなことを思いながら、私は次の停留所へ向かいます。
そして、その街の上を、今日もメーグルは走ってゆきます。
次は、どんな土地の記憶に出会えるのでしょうか。
名古屋観光デジタルマップ
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