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「Solaria 2nd Stage 第十三話|その先のステージへ ①」

 

「Solaria 2nd Stage 番外編|はじまりの音」
「Solaria 2nd Stage 第一話|星降る約束」
「Solaria 2nd Stage 第二話|ぎこちない光」
「Solaria 2nd Stage 第三話|はじまりの朝」
「Solaria 2nd Stage 第四話|揺れるスタートライン」
「Solaria 2nd Stage 第五話|見えない距離」
「Solaria 2nd Stage 第六話|すれ違うリズム」
「Solaria 2nd Stage 第七話|雨に溶ける声」
「Solaria 2nd Stage 第八話|雨の再会」
「Solaria 2nd Stage 第九話|重なりはじめる音」
「Solaria 2nd Stage 第十話|東京南地区予選」
「Solaria 2nd Stage 第十一話|覚醒」
「Solaria 2nd Stage 第十二話|君がいるから」
 
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「第十三話 | その先のステージへ ①」

春の光が、静かに教室へ差し込んでいた。

昨日までのざわめきが嘘みたいに、校舎は落ち着きを取り戻している。

誰もいない教室。

でも——

その空間に、ぽつりぽつりと足音が重なった。

 

「……静かだね」

最初に口を開いたのは、ひなた。

窓際に立ちながら、どこか遠くを見るような目をしていた。

「うん……」

さくらが、小さくうなずく。

 

自分の席に手を添えながら、そっと息を吐いた。

「昨日の卒業式……なんだか、夢みたいだった」

その言葉に、ひなたもあかりも少しだけ笑う。

けれど——

あかりは、すぐに表情を引き締めた。

 

「でもさ」

一歩、前に出る。

その目は、まっすぐだった。

「私たちの夢は、それだけじゃない」

静かな教室に、はっきりと響く声。

「これからだよ。もっと大きな夢に向かって——突き進む」

その言葉は、強くて、迷いがなかった。

一瞬の沈黙。

そして——

ひなたが、ぱっと振り返る。

 

「いいね、それ!」

笑顔が戻る。

いや、それは昨日よりも、少しだけ力強い笑顔だった。

「じゃあさ!」

勢いよく一歩踏み出す。

「先輩たちがいないうちに——」

わざと、少し悪戯っぽく間を取る。

「私たち3人で、Solariaをパワーアップさせちゃおうよ!」

「えっ、それちょっとズルくない?」

あかりが苦笑する。

「でも……楽しそう」

さくらも、くすっと笑った。

その時だった。

「あら、頼もしいじゃない?」

——ドアの向こうから、声。
 

 

「「「……え?」」」

3人の動きが止まる。

ゆっくりと顔を見合わせる。

誰も、すぐには動けない。

ひなたが、そっとドアに近づいた。

 

手をかける。

少しだけ深呼吸。

——ガラッ

扉が開く。

そこに立っていたのは——
 

 

新しい制服に身を包んだ、二人の姿。

落ち着いたダークブラウンのブレザー。

ネイビーとグリーンのネクタイ。

大人びた空気をまとった、その姿は——

昨日までの「先輩」とは、少し違って見えた。

「……っ」

一番最初に声を上げたのは、ひなただった。

 

「うわぁ……!かっこいい!」

目を輝かせる。

「素敵です……!」

さくらも思わず前に出る。

「あらあら、大人の雰囲気プンプンね」

あかりが腕を組みながら、にやりと笑った。

その反応に、ゆいがふっと優しく微笑む。

「みんな、昨日はありがとう」

ゆっくりと、手を差し出す。

「これからも——よろしくね」

その上に、すっと重なる手。

しおりだった。

何も言わずに、ただ静かに。

でも、その仕草がすべてを語っていた。

ひなたが、迷わず手を乗せる。

さくらも、そっと重ねる。

あかりも、最後に軽くため息をついてから加わった。

 

五つの手が、ひとつになる。

少しの間、誰も何も言わない。

でも——

その沈黙は、心地よかった。

ひなたが、顔を上げる。

全員の顔を見渡して——

笑った。

「——Solaria、行こう!」

 

 
  
第十三話 その先のステージへ ① (終)
 
 
  
▶ Solaria 2nd Stage 第十四話|
― その先のステージへ ② ― へ続く

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