円で包まれた祝祭の気配の中で
円の形に誘われて、めぐるように
万博を旅した。ちりばめられたアートやデザイン
をたどりながら、過去の思い出を重ねていく。万博
を包み込む大きな円に引き寄せられるようにして、
広がる海と空の下、デザインの祝祭の中を行く。

傾き始めた太陽に、風景は染まりゆく
幾重にも散りばめられた形をたどり
この時間と場所を包み込む円をつたい歩き
圧倒的なスケールを体全体で受け止める
そして円が描く軌跡に沿ってここまでやってきた
この2年の時を重ねた構造物が、刻んだ180日
そこでつなげられた関係。紡がれた時間

頭上に広がる空は果てしなく

辺りはやがて温かい色に包まれる

リングの上の地面に咲く花々は

風景を日常へとつなぎ止める

すべてのものに等しく時間は流れ
心休まる土手に広がる緑も姿を変えていく

やがて最後の力を振り絞るように

光は温度を上げ、輝きを増して
1日の終わりを染めていく

円を描いて始まったこの旅は

様々な円のつながりをたどりながら
渦巻く流れの中に身をよせる

万博を構成する様々な形には
直線が折り重なるリズムもあれば

ふわりと宙に浮く雲のようなパビリオンも
それらは大屋根リングという大きな円でつながり

リングの上に立てば、地上からは届かぬ視点とも出会い
全体の関係性も見えてくる

円の中に浮かぶ赤い大きな球は
いつか旅をした国のパビリオン

入り組んで林立する壁で構成されたパビリオンは

次回の万博の開催地でもあるサウジアラビアのもの
そこではデザインは古きものを土台としながらも

新たな風景が生み出されていく。隣に続く

パビリオンは、太陽の沈まぬ国がイメージされたもの
万博には、様々な場所と時代が入り混じる

すべてのものに等しく流れる時間の中で

やがてひしめき合う形も影を帯びていく

風景を反転させる鏡面に揺らめくパビリオンや
祝祭の気配を帯びる赤をまとうのは

トルコのパビリオン。華やかな色は隣の

モナコのパビリオンと共鳴し、風景を鮮やかにする

その先で、流線型によって描かれる
白のパビリオンを持つ国は、赤い炎が燃え盛る
祝祭に浮かぶ大屋根リングは
個性の際立つパビリオンを、違いやつながりも
含め、2025年の万博という時間と場所につなぎ
あわせる。大屋根リングの上から見える景色に
様々なものが寄り添っていることを肌で感じる。
華やかな祝祭も、やがて幕を閉じる。巨大な円は、
日本の文化に馴染む木で作られたことで、人々の
心に残るものとなる。そして万博を経験したこの
国は、また新たな時代へと向かって進み続ける。
