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マクロレンズの世界 vol.4 光


Lamium amplexicaule(ホトケノザ)  ⒸJulikis_Seto, 2010
Valerianella locusta(ノヂシャ)  ⒸJulikis_Seto, 2010
Veronica arvensis(タチイヌノフグリ)  ⒸJulikis_Seto, 2010
Taraxacum officinale(セイヨウタンポポ)  ⒸJulikis_Seto, 2024
Hydrangea macrophylla cv.(アジサイ園芸種)  ⒸJulikis_Seto, 2010
Aquilegia cv. (オダマキ園芸種)  ⒸJulikis_Seto, 2010
Lonicera cv.(スイカズラ園芸種)  撮影地:千葉市 花の美術館   ⒸJulikis_Seto, 2024
Anemone flaccida(ニリンソウ)  撮影地:筑波山  ⒸJulikis_Seto, 2010
Imperata cylindrica(チガヤ)  撮影地:水元公園  ⒸJulikis_Seto, 2010
Toona sinensis(チャンチン)  撮影地:千葉市 昭和の森  ⒸJulikis_Seto, 2011




写真 誰でもウェルカム

1)晴れた日にはカメラを持って

天気がよい日は出かけましょう。
何かいいものがみつかるかもしれません。

遠方の観光地もよいですが、近場もよいです。
植物園。近くの野山。いいですねー。
公園、土手、空き地、道端、全部ありです。

カメラは、標準レンズでも、低価格機でも構いません。
専用のカメラがなければ、スマホでも構いません。

腕前は横に置いておきましょう。
その日の小さな美は、あまりにもたくさんのところにある。
美を見つける目を持った人が、たくさんいたほうがいいのです。

同じ被写体を撮れば、機材や腕前の差は出るでしょう。
しかし、撮るのはそれぞれ別の被写体です。

その日、美しい何かに出会えるか。
こちらのほうが大事です。


2)晴天のメリット

① 彩度が高い
 晴天時は色の美しさが際立ちます。
 質感を飛ばして色をメインにしても、絵が成立するほどです。

② 高コントラスト
 愛犬、愛車、彫刻、建物。
 光量があれば、なんでも映えます。

③ ブレが少ない
 シャッタースピードが速いので、気軽に撮っても、まともに写ります。
 風が吹くと、撮れないのではなく、風にそよぐ一瞬が写ります。
 噴水、せせらぎなど、動きのある水も被写体にできます。

④ 空が青い
 青空を背景にした定番の構図が撮れます。
 定番の構図で撮った花は、季節記事の演出など、利用価値が高いです。

⑤ 光の諸効果がある(陰影、反射光、透過光、木漏れ日、影法師など)
 晴天のときは、あちこちに光の表情が現れます。
 繊細で撮影難度は高いですが、偶然きれいに写るのはよくあることです。

左:曇天のチューリップ           右:薄日が差した!   
 
青空を背景にした画像は題紙として使いやすい。
カメラのフレームによらず、掲載を予定している縦横比で構想しよう。
作例では題字に配慮し、ソフトフィルターをかけて花の質感を減量している。


3)直射日光が邪魔になるケース

色模様に目を向けてもらいたいとき、明暗が邪魔になることがあります。

そうだとしても、お天道様の言うとおり。
光は撮影者の自由にならないと割り切ったほうが、心の健康によいかと。

珍しいところで、薄布のスクリーンを持ち歩くカメラマンがいました。
張力でぱっと展開する仕組みでした。
マクロ撮影ならではの工夫です。

Cichorium intybus(チコリー)
明暗がごちゃごちゃで、アートとしては成立しない。
しかし、拡大してしべを観察するときは、光があったほうが確実によく見える。
等倍が全てではないのがマクロ撮影。 (クリックで拡大)
Disporum smilacinum(チゴユリ)
左:曇天の林床は暗すぎ、低ISOでは厳しい。
右:直射日光が当たると、林床の植物らしくない。
この中間がベストっぽい。



写真解説

① ホトケノザ(シソ科)

 シソ科の花の多くは、左右対称の形をしています。
 左右対称=横向き、の印象がありますが、
 写真をみる限り、ホトケノザの花筒は、ほぼ上向きです。
 Lamium属全体が、こんな感じの「サラセニア」スタイルです。


② ノヂシャ(スイカズラ科)
 「この草は食べられます」
 そう解説すると、聴講者の目が輝きます。
 食べられるのがいいの? そんなに?
 僕は野草を食用にすることに消極的なようです。
 トチノキの実が「食べられたものではない」と聞いて、
 「それは確認せねば!」と、カッターで削って口に入れ、
 その後、2時間ぐらい、口が渋くて苦かったことならあります。


③ タチイヌノフグリ(オオバコ科)
 タチイヌノフグリの花は小さくても一人前にベロニカしています。
 なんともいえない名前のため、僕は学名呼びしています。
 水元公園では、タチイヌノフグリ、オオイヌノフグリのほか、
 フラサバソウ、コゴメイヌノフグリも観察できます。


④ セイヨウタンポポ(キク科)
 英名はDandelion(ダンデライオン)。
 タテガミのかっこいい、ダンディなライオン??
 聞くところによると、フランス語の「dent de lion」が由来で、
 葉のギザギザの様子がライオンの歯みたいだかららしいです。
 歯科医院はデンタルクリニック、そのデンタです。 
 命名したフランス人は動物園通いの人だったんでしょうか。
 現代ではライオンがアクビしている画像は簡単に手に入ります。
 どれどれ、ライオンの歯をみてみよう・・・。
 うーむ、似てるような、似てないような?


⑤ アジサイ(アジサイ科)
 花の時期は、花の面積が加わる分、蒸散量が増えます。
 水がないと苦しいアジサイにとって、花を持てる期間は梅雨だけです。
 カラ梅雨になった年は、ぐったりしています。
 「水~。水をくれ~」 
 アジサイの水を好む性質は、学名に反映されるほどです。


⑥ オダマキ(キンポウゲ科)
 「おだまり!」ではなくて、オダマキです。 
 「茶碗蒸しにうどんが入ってるやつ」
 それは「小田巻蒸し」。


⑦ スイカズラ(スイカズラ科)
 千葉県の行徳には、埋め立て地の遷移を観察する研究区画があります。
 鳥が運んでくる種で生える植物が決まるので、実の成る植物が多めです。
 スイカズラも生えていました。発芽率は良好なようです。


⑧ ニリンソウ(キンポウゲ科)
 一輪でもニリンソウ。
 花茎の付け根をみると、もう一つ蕾がついています。
 一人時間差攻撃! (ネタが古すぎて読者に伝わりません)


⑨ チガヤ(イネ科)
 シャッターを押す1秒前は、冠毛が反対側にくっついていました。
 風の吹くまま、右側、左側。 おっ、撮れるかな? 右、左。
 そして、横断歩道を渡っていってしまいました。
 なあに、撮り逃しても、チガヤの穂はたくさんあります。


⑩ チャンチン(センダン科)
 新葉が赤く、彩りのために植栽される庭園樹があります。
 なかでもチャンチンは、ピンク色に近い、明るい発色を誇ります。
 漢字で書くと「香椿」。ご想像通り、中国原産です。
 中国語における発音は「シャンチュン」に近いらしいですが、
 日本人が聴き取れないのは仕方ないです。
 今日はここまで。ツァイチェン(^^)/


[マクロレンズの世界 シリーズ目次]
親しむ編
 マクロレンズの世界 vol.1 細部
 マクロレンズの世界 vol.2 集合と配列
 マクロレンズの世界 vol.3 陰影
 マクロレンズの世界 vol.4 光
 マクロレンズの世界 vol.5 ワンダー
 マクロレンズの世界 vol.6 アーティファクト
 マクロレンズの世界 vol.7 色
 マクロレンズの世界 vol.8 アート
 マクロレンズの世界 vol.9 アーカイブ
 マクロレンズの世界 vol.10 トリミング
学ぶ編
 マクロレンズの世界 vol.11 視覚認識(1/2)基礎 -視覚認識の3段階
 マクロレンズの世界 vol.11 視覚認識(2/2)個人差
 マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(1/3)基礎 -アートの通学路
 マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(2/3)マクロ撮影
 マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(3/3)レタッチ
 マクロレンズの世界 vol.13 作例(1)覗くように
 マクロレンズの世界 vol.13 作例(2)抽象