マクロレンズの世界 vol.4 光










写真 誰でもウェルカム
1)晴れた日にはカメラを持って
天気がよい日は出かけましょう。
何かいいものがみつかるかもしれません。
遠方の観光地もよいですが、近場もよいです。
植物園。近くの野山。いいですねー。
公園、土手、空き地、道端、全部ありです。
カメラは、標準レンズでも、低価格機でも構いません。
専用のカメラがなければ、スマホでも構いません。
腕前は横に置いておきましょう。
その日の小さな美は、あまりにもたくさんのところにある。
美を見つける目を持った人が、たくさんいたほうがいいのです。
同じ被写体を撮れば、機材や腕前の差は出るでしょう。
しかし、撮るのはそれぞれ別の被写体です。
その日、美しい何かに出会えるか。
こちらのほうが大事です。
2)晴天のメリット
① 彩度が高い
晴天時は色の美しさが際立ちます。
質感を飛ばして色をメインにしても、絵が成立するほどです。
② 高コントラスト
愛犬、愛車、彫刻、建物。
光量があれば、なんでも映えます。
③ ブレが少ない
シャッタースピードが速いので、気軽に撮っても、まともに写ります。
風が吹くと、撮れないのではなく、風にそよぐ一瞬が写ります。
噴水、せせらぎなど、動きのある水も被写体にできます。
④ 空が青い
青空を背景にした定番の構図が撮れます。
定番の構図で撮った花は、季節記事の演出など、利用価値が高いです。
⑤ 光の諸効果がある(陰影、反射光、透過光、木漏れ日、影法師など)
晴天のときは、あちこちに光の表情が現れます。
繊細で撮影難度は高いですが、偶然きれいに写るのはよくあることです。


カメラのフレームによらず、掲載を予定している縦横比で構想しよう。
作例では題字に配慮し、ソフトフィルターをかけて花の質感を減量している。
3)直射日光が邪魔になるケース
色模様に目を向けてもらいたいとき、明暗が邪魔になることがあります。
そうだとしても、お天道様の言うとおり。
光は撮影者の自由にならないと割り切ったほうが、心の健康によいかと。
珍しいところで、薄布のスクリーンを持ち歩くカメラマンがいました。
張力でぱっと展開する仕組みでした。
マクロ撮影ならではの工夫です。

明暗がごちゃごちゃで、アートとしては成立しない。
しかし、拡大してしべを観察するときは、光があったほうが確実によく見える。
等倍が全てではないのがマクロ撮影。 (クリックで拡大)

左:曇天の林床は暗すぎ、低ISOでは厳しい。
右:直射日光が当たると、林床の植物らしくない。
この中間がベストっぽい。
写真解説
① ホトケノザ(シソ科)
シソ科の花の多くは、左右対称の形をしています。
左右対称=横向き、の印象がありますが、
写真をみる限り、ホトケノザの花筒は、ほぼ上向きです。
Lamium属全体が、こんな感じの「サラセニア」スタイルです。
② ノヂシャ(スイカズラ科)
「この草は食べられます」
そう解説すると、聴講者の目が輝きます。
食べられるのがいいの? そんなに?
僕は野草を食用にすることに消極的なようです。
トチノキの実が「食べられたものではない」と聞いて、
「それは確認せねば!」と、カッターで削って口に入れ、
その後、2時間ぐらい、口が渋くて苦かったことならあります。
③ タチイヌノフグリ(オオバコ科)
タチイヌノフグリの花は小さくても一人前にベロニカしています。
なんともいえない名前のため、僕は学名呼びしています。
水元公園では、タチイヌノフグリ、オオイヌノフグリのほか、
フラサバソウ、コゴメイヌノフグリも観察できます。
④ セイヨウタンポポ(キク科)
英名はDandelion(ダンデライオン)。
タテガミのかっこいい、ダンディなライオン??
聞くところによると、フランス語の「dent de lion」が由来で、
葉のギザギザの様子がライオンの歯みたいだかららしいです。
歯科医院はデンタルクリニック、そのデンタです。
命名したフランス人は動物園通いの人だったんでしょうか。
現代ではライオンがアクビしている画像は簡単に手に入ります。
どれどれ、ライオンの歯をみてみよう・・・。
うーむ、似てるような、似てないような?
⑤ アジサイ(アジサイ科)
花の時期は、花の面積が加わる分、蒸散量が増えます。
水がないと苦しいアジサイにとって、花を持てる期間は梅雨だけです。
カラ梅雨になった年は、ぐったりしています。
「水~。水をくれ~」
アジサイの水を好む性質は、学名に反映されるほどです。
⑥ オダマキ(キンポウゲ科)
「おだまり!」ではなくて、オダマキです。
「茶碗蒸しにうどんが入ってるやつ」
それは「小田巻蒸し」。
⑦ スイカズラ(スイカズラ科)
千葉県の行徳には、埋め立て地の遷移を観察する研究区画があります。
鳥が運んでくる種で生える植物が決まるので、実の成る植物が多めです。
スイカズラも生えていました。発芽率は良好なようです。
⑧ ニリンソウ(キンポウゲ科)
一輪でもニリンソウ。
花茎の付け根をみると、もう一つ蕾がついています。
一人時間差攻撃! (ネタが古すぎて読者に伝わりません)
⑨ チガヤ(イネ科)
シャッターを押す1秒前は、冠毛が反対側にくっついていました。
風の吹くまま、右側、左側。 おっ、撮れるかな? 右、左。
そして、横断歩道を渡っていってしまいました。
なあに、撮り逃しても、チガヤの穂はたくさんあります。
⑩ チャンチン(センダン科)
新葉が赤く、彩りのために植栽される庭園樹があります。
なかでもチャンチンは、ピンク色に近い、明るい発色を誇ります。
漢字で書くと「香椿」。ご想像通り、中国原産です。
中国語における発音は「シャンチュン」に近いらしいですが、
日本人が聴き取れないのは仕方ないです。
今日はここまで。ツァイチェン(^^)/
[マクロレンズの世界 シリーズ目次]
親しむ編
マクロレンズの世界 vol.1 細部
マクロレンズの世界 vol.2 集合と配列
マクロレンズの世界 vol.3 陰影
マクロレンズの世界 vol.4 光
マクロレンズの世界 vol.5 ワンダー
マクロレンズの世界 vol.6 アーティファクト
マクロレンズの世界 vol.7 色
マクロレンズの世界 vol.8 アート
マクロレンズの世界 vol.9 アーカイブ
マクロレンズの世界 vol.10 トリミング
学ぶ編
マクロレンズの世界 vol.11 視覚認識(1/2)基礎 -視覚認識の3段階
マクロレンズの世界 vol.11 視覚認識(2/2)個人差
マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(1/3)基礎 -アートの通学路
マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(2/3)マクロ撮影
マクロレンズの世界 vol.12 作画工程(3/3)レタッチ
マクロレンズの世界 vol.13 作例(1)覗くように
マクロレンズの世界 vol.13 作例(2)抽象
