勝たなければ、終われない。でも、負けなければ、救われない
Netflixで
"Ballad of a Small Player"『端くれ賭博人のバラード』
を観た。 マカオのカジノを舞台に、コリン・ファレル演じる男が「助かりたい!!!」と命がけでギャンブルに喘ぐ物語。
その中で、私の胸を刺した言葉がある。 「密かに、負けてすべてを終わらせることを願うようになってこそ、人はようやく本物のプレイヤーになれたと言えるのだ」
一見、自暴自棄な言葉。
でも、人生には「自分を壊すことでしか、自分を救えない」と信じてしまう局面がある。
もちろん、ギリギリの状況に見えても、すごく前向きな意味がこめられていることも多い。強制終了と呼ぶこともある。単なる破滅への衝動ばかりではない。
今いる場所を、守ってきたものを、潔く手放す。そうして生まれた「何もない空間」に降り立つとき、人は初めて人生の真のプレイヤーとして、無条件の喜び——あるいは、純度の高い「救い」に触れるのではないか。
とはいえ、スクリーンに映るのは、そんな美学とは程遠い、焦燥と恐怖に震える男の姿。 金だけが欲しいのではない。ただ、犯した過ちから、自分自身から、逃げ切りたい。その殺気立つようなストレスが画面越しに伝わり、観ているこちらまで息苦しくなる。
私にとっては、映画の中のマカオはどうしてもラスベガスにしか見えない。でも、彼は撮影後のインタビューでこう言った。
「ベガスはパーティーだが、マカオは真剣勝負だ」
勝たなければ、終われない。でも、負けなければ、救われない。 そんな矛盾を抱えながら、私たちは今日も人生というテーブルにつき、何かを賭け続けている。

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