【第352回】 Marketing Cloud Next : 新機能 Winter '26 ハイライト
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition の Winter '26 の新機能リリースが公開されました。今回の記事では、そのハイライトをお届けします。
Winter '26 リリースについて
日本における本番環境へのリリースは 2025 年 10 月 12 日(日)から 行われる予定です。この記事を公開している時点では、まだ機能が正式にリリースされていませんので、ご注意ください。
注目の新機能
今回の Winter '26 リリースで特に注目すべきポイントは、アプリへのプッシュ通知送信が可能になったことです。Marketing Cloud Engagement の SDK を拡張して利用できるため、導入や運用のハードルが大幅に下がった印象です。ただし現時点では、ドイツと米国でホストされている Marketing Cloud Next インスタンスでのみ利用可能です。日本での提供開始時期については、後日公式からの発表を待つ必要がありそうです。
さらに、ランディングページ機能が大幅に進化しました。フォームハンドラー、差し込みフィールド、非表示フィールドに加えて、スパム対策としてハニーポット機能まで搭載。いよいよ Marketing Cloud Account Engagement からの完全移行を視野に入れられる段階に近づいてきたと感じます。
フロー関連では、パス試験コンポーネントの自動化 がついに実現。これまで手動でしか行えなかった操作が自動化され、作業効率が大幅に向上します。さらに、Marketing Cloud Engagement の「属性に基づく待機」に相当する機能も登場。そして、「オンデマンドフロー」を使った REST API によるトリガー配信 も要注目です。
それでは、Winter '26 の新機能を順に見ていきましょう。時間がない方は、まずは目次だけでもチェックしてみてください。
前回の Summer '25 のリリースノートハイライトは以下を参照して下さい。
モバイル 関連
① Unified Marketing Cloud SDK を使用してプッシュ通知を送信
Unified Marketing Cloud SDK を利用すると、アプリユーザーに直接プッシュ通知を送信できます。これまで SDK は Marketing Cloud Engagement 経由のプッシュ通知のみをサポートしていましたが、今回のアップデートで Marketing Cloud Next もサポートされるようになりました。これにより、Engagement SDK に慣れた開発者は、同じ操作感で通知を送信できます。
※ 現時点では、ドイツと米国でホストされている Marketing Cloud Next インスタンスでのみ利用可能です。日本での利用開始がいつになるかは、詳細が出ていません。Advanced Edition 限定です。
② インタラクティブプッシュ通知を作成
認証済みのモバイルデバイスに対し、インタラクティブなプッシュ通知を送信して顧客エンゲージメントを高められます。
ベーシックプッシュタイプ
メディア添付ファイルを 1 つ追加可能
コンテンツのカスタマイズ
タップアクションの設定
Android 固有アイコンやインタラクティブボタンの追加
カルーセルプッシュタイプ
最大 6 枚のスワイプ可能カードをサポート
各カードにメディア、テキスト、個別のタップアクションを設定可能
※ 現時点では、ドイツと米国でホストされている Marketing Cloud Next インスタンスでのみ利用可能です。日本での利用開始がいつになるかは、詳細が出ていません。Advanced Edition 限定です。
③ モバイルアプリのメッセージング分析で詳細に把握
キャンペーンにモバイルアプリのメッセージングチャネルを追加すると、送信したすべてのメッセージの集計指標を確認できます。個々のメッセージやキャンペーン全体に関して、送信数、配信数、閲覧数、インタラクション数などの詳細な指標を把握でき、エンゲージメントの改善や最適化に活用できます。
※ 現時点では、ドイツと米国でホストされている Marketing Cloud Next インスタンスでのみ利用可能です。日本での利用開始がいつになるかは、詳細が出ていません。Advanced Edition 限定です。
④ SMS マーケティングをさらに多くの国に拡大
香港、ホンジュラス、ペルー、シンガポールを SMS マーケティング地域に追加しました。各国への送信には送信者コードのリクエストが必要で、送信およびコンプライアンス規制は国ごとに異なるため、事前にルールを確認してください。
⑤ WhatsApp メッセージをより魅力的に
WhatsApp フロー、位置情報共有、CTA ボタンなどのインタラクティブ機能を活用することで、顧客満足度とコンバージョン率を向上させられます。カルーセルメッセージで複数商品を紹介したり、リアルタイム商品カタログと連携して最新の価格や在庫を確認したりすることも可能です。顧客の反応に基づいてフローをトリガーし、ダイナミックなマーケティング戦略を構築できます。
Agentforce 関連
① Agentforce とフローで柔軟なキャンペーン作成を実現
ブリーフの作成やマルチチャネルキャンペーンの作成・保存などのアクションは、カスタマイズ可能なフローによって実現されるようになりました。
こちらは新機能というよりは、フローがカスタマイズが可能になりましたというお知らせになります。Marketing Cloud の Agentforce に関しては以下の記事を参考にしてください。
管理者はフロービルダー内で、キャンペーンアクションを実行するフローをビジネスニーズに合わせて変更できます。
たとえば以下のようなカスタマイズが可能です。
他システムとの連携
キャンペーンオーナーの自動割り当て
他チームへの通知送信
承認ステップや特定のビジネスロジックの追加
これにより、マーケターは Agentforce にブリーフやキャンペーンの作成を依頼し、必要に応じて修正して保存するだけで、効率的にキャンペーン運用ができます。
② Agentforce でキャンペーン分析をもっと手軽に
マーケターは Agentforce を活用することで、過去のキャンペーンパフォーマンスに関するインサイトを簡単に取得できます。
このアクションはデフォルトで 「Campaign Planning」トピック に追加されているため、特別な設定なしで利用を開始できます。

「Generate Campaign Insights」アクション
メッセージ開封率、クリック率、登録解除率などの主要パフォーマンスデータを自動取得
主要インサイトのサマリーを自動生成
管理者は Flow Builder 上でこのアクションをカスタマイズし、ビジネスに最も関連する指標にフォーカスできます。
またマーケターは、成果が高かった施策と低かった施策を比較し、件名の最適化やメール送信間隔の調整など、具体的な改善提案を導き出すことが可能です。
③ Content Builder Agent でコンテンツ作成を自動化
新しい自律型 Content Builder Agent は、ユーザーと連携し Salesforce CMS からコンテンツの下書き、修正、最適化を支援します。

件名、SMS メッセージ、本文などのマーケティングアセットを迅速に作成でき、ブランドの一貫性を確保するために会社情報やエージェントの発言ルールを定義可能です。開始するには、エージェントビルダーから Content Builder Agent テンプレート を選択します。

コンテンツ 関連
① 再利用可能な「コンテンツブロック」コンポーネントが登場
バナー、フッター、利用規約などの定型コンテンツを再利用可能なブロックとして活用することで、メール作成のスピードアップ、一貫性の確保、パーソナライゼーションの強化が可能です。

コンテンツ管理者は、テキスト、画像、リンク、ボタンなどを組み合わせてコンテンツブロックを作成し、マーケティングワークスペースに保存できます。また、オーディエンスごとに異なるブロックを作成することも可能です。マーケターはこれらのブロックを用いて迅速にメールを作成し、バリエーションルールを適用して受信者にパーソナライズされたコンテンツを提供できます。
② メールテンプレートで時間を節約
「メールテンプレート」を利用することで、作業時間を短縮し、キャンペーン全体でブランドの一貫性を維持できます。
管理者やキャンペーンマネージャーは標準化されたブランドテンプレートを作成・管理し、作成者は選択するだけで独自のマーケティングメールを簡単に作成できます。これにより、メール作成プロセスが効率化され、チーム全体で統一されたワークフローを確立できます。

注意:公開済みのテンプレートのみ利用できます。
③ データソースを管理してパーソナライゼーションを強化
マーケターは、メール内で使用する「差し込み項目」、「繰り返しコンテンツ」、「動的コンテンツ」に関するデータソースを自由に管理できます。
「データグラフ」データソースの場合
メール編集時に「データソース」タブから「デフォルトのデータグラフ」を 置き換え(Replace)できるようになりました。
置き換え(Replace)をする前に、以前のデータグラフを使って設定していた項目をすべて削除しないと、メールを保存できません。
データグラフの 削除(Remove)はできず、グレイアウトされており、何らか一つを常に配置している必要があります。
今回の改修により、常に「デフォルトのデータグラフ」を使用する必要があるという従来の制約は廃止されました。


「イベント」データソースの場合
公開前のドラフトの状態であれば・・・
「イベント」データソースも、置き換え(Replace)可能です。
Winter '26 で、削除(Remove)も可能になりました。
注意:「イベント」データソースを設定した状態で一度でも公開をした場合は、「置き換え」や「削除」ボタンは表示されなくなります。公開後に「イベント」データソースが変更できないのは、従来の仕様のままです。

④ メール詳細の簡単な変更
タイトル、API 名、説明フィールドは設定パネルから移動され、キャンバスのヘッダーにある詳細アイコンからアクセスできます。タイトルはメール作成時に自動で生成され、必要に応じてヘッダーから編集可能です。

フロー 関連
① データスペース単位でブランドや地域に最適化されたフローを構築
マーケティングフローを新規作成する時や、既存のマーケティング用フローテンプレートを利用する時に、データスペースをフローに関連付けできるようになりました。

データスペースを関連付けることで、より精度の高いマーケティングオートメーションを実現できるほか、特定のデータスペースへのアクセスを制限することでデータセキュリティの強化にもつながります。
たとえば、複数のビジネスユニットを異なるデータスペースにマッピングしている場合、それぞれのユニットの目的や要件に合わせたカスタマイズフローを作成することが可能です。
Winter '26 では、Marketing Cloud Next の ビジネスユニット に関しても、話題になりましたが、公式のヘルプドキュメントにはまだ記載がありません。
② 「パス試験」の自動パス選択で A/B テストを実行
「パス試験」の 自動パス選択 機能により、A/B テストを実施して、顧客を最適なパスへと誘導できます。今後は、手動で対応する必要がなく、オーディエンスにとって最適なパスを自動的に特定できるため、効率的な最適化が可能になります。
設定手順のイメージは以下の通りです。
1. パス試験 の設定画面 を開き、名前や API 名を設定します。次に「パスの選択を設定」で 「自動」 をクリックし、どの指標(メトリクス)を使用して勝者パスを判定するかを選択します。

2. ここで使用できる指標(メトリクス)には
「メールのクリック率が高い」
「メールの開封率が高い」
「メールのオプトアウト率が低い」
といった標準メトリクスに加えて、エンゲージメントシグナル を活用した カスタムメトリクス も選択可能です。

3. テストグループの割合 と テスト期間 を設定します。さらに、テスト期間終了後の挙動として「ベストパフォーマーを選択」を指定することで、残りの受信者を自動的に「勝者パス」へ送信することができます。

4. パスの数は 最大で 10 個まで追加でき、それぞれの配分パーセンテージを自由に変更できます。

③ REST API でオンデマンドフローをトリガー
REST API を利用して新しい「オンデマンドフロー」を起動できるようになりました。たとえば、ユーザーがメンバーシッププログラムに登録した後や、サイト上のボタンをクリックした際にプロモーション SMS を送信する自動化を作成できます。

フローをトリガーするには、呼び出し可能なアクションエンドポイントを指定した REST 呼び出しを使用し、フローへのパスを設定します。
例:POST /services/data/v65.0/actions/custom/flow/FLOW_NAME_HERE以下の記事で詳細な手順を解説しました。
④ 新しいフローテンプレートで顧客データの一貫性を確保
「Upsert a Record for a Person(個人のレコードを更新/挿入)」 フローテンプレートを活用することで、既存の取引先責任者またはリードを検索して更新し、存在しない場合は自動的に新規レコードを作成できます。

これにより、フォームトリガーフローのようなフォーム送信時に ID が提供されないケースでも、対象となる個人を特定または新規作成して処理を進めることが可能です。
その結果、顧客に対して迅速なメッセージ送信やフォローアップを行えるようになり、既存のマーケティングオートメーションをサブフローとして強化できます。
導入のメリット
迅速な対応:フォーム送信直後の見込み客にも即座に対応可能
データの一貫性:既存レコードを確認してから更新または新規作成するため、重複を防止
柔軟な拡張性:他のオートメーションフローに「サブフロー」として組み込み、容易に再利用可能

利用方法
フローをトリガーしたユーザーの ID が提供されない場合、「Upsert a Record for a Person」フローテンプレート を使用してフローを作成
メインのオートメーションからサブフローを通じてこのフローを参照
サブフロー実行後、Upsert フローが作成または更新したレコードの レコード ID を返却
メインのオートメーションでそのレコード ID を利用し、顧客データに基づいたアクションを実行
このフローテンプレートを活用すれば、ID 解決の遅延に依存せず、常に最新かつ一貫性のある顧客データに基づいたマーケティングを実施できます。
⑤ フロー内で Individual DMO データに簡単にアクセス
セグメントトリガーフロー専用ですが、フローに関連付けられた「データグラフ」の内容に基づき、 Individual DMO の項目をリソースピッカーから直接参照できるようになりました。以下の「属性」から選択できます。

以前は、このデータを取得するために、別途レコード取得要素が必要でしたが、これにより手間を削減できます。
⑥ 個人に対応する CRM レコード判定分岐
新たに追加された「Determine CRM Record for Individual」(日本語名:「個人の CRM レコードを決定」)の分岐により、セグメントトリガーフロー内で流れてきた 統合個人が CRM 内で取引先責任者・リード・見込み客のどれに該当するかを自動で判定できます。


さらに、Winter ’26 では、フロー内でのレコード参照がさらに簡単になり、この「Determine CRM Record for Individual」のパス上に「レコードの更新」などの要素を配置すると、事前に「レコードの取得」を設定しなくても、そのパスで対象となるオブジェクトレコードに直接アクセスできるようになりました。
例: リードのパスであれば、リードオブジェクト内のすべての項目データをそのまま参照可能です。
⑦「イベントまで待機」でカスタムイベントが対応可能に
これまで「イベントまで待機」は、メールのクリックや SMS への返信などの「標準イベント」にのみ対応していました。
しかし今回のアップデートにより、「エンゲージメントシグナル」を活用したウェビナー登録や購入完了などの「カスタムイベント」も待機条件として設定できるようになりました。
これにより、顧客の実際の行動に基づいて、よりタイムリーかつ関連性の高いインタラクションを実現できます。さらに、ビジネス固有のシナリオにも柔軟に対応できるようになりました。

考慮事項
シグナルが発生するか、待機期間を満了すると待機解除されます。
アクティブなフローで利用中のシグナルは編集や削除ができません。
⑧「日付まで待機」において、日付・日時項目を参照可能に
「日付まで待機」は従来、固定日時のみをサポートしていましたが、今後は 属性に保存された日付や日時 に基づいてフローを再開できるようになり、複雑な回避策を構築する必要がなくなります。

固定のカレンダー日付・時刻、または 属性の日付/日時値 を指定できます。(MCE の Wait by Attribute:属性に基づく待機 の登場です。)
これにより、ユーザー固有の属性(例:契約開始日や誕生日)に基づいた柔軟なフロー制御が可能になります。
ランディングページ 関連
① フォームハンドラーで外部フォームと連携
新しいフォームハンドラーを利用すると、外部 Web フォームから取得したデータを Salesforce に直接接続できます。

コード不要で任意の Web フォーム項目を Salesforce オブジェクトにマッピング
フローをトリガーしてフォローアップメール送信やタスク作成が可能
スパム対策としてハニーポット項目を組み込み
成功/失敗時にカスタムリダイレクト URL を指定
Web トラッキングにより、ユーザーエンゲージメントやフォームパフォーマンスを監視
これにより、データ品質を確保しながら優れたユーザーエクスペリエンスを提供できます。以下で設定手順を解説しました。
② 非表示フィールドとデフォルト値でユーザー入力を簡略化
フォーム上で重要な情報を効率的に収集することで、コンバージョン率を最大化し、顧客のキャンペーン関与状況に関するインサイトを得られます。
非表示フィールド:キャンペーン名やリードの流入元ページなどの情報をURL パラメータで取得
デフォルト値:ユーザーが入力する必要のない値を事前に設定

非表示フィールドやデフォルト値は、チェックボックス、ドロップダウン、数値、プレーンテキスト、テキストエリアなど、さまざまな入力コンポーネントで利用可能です。
③ マージフィールドでランディングページをパーソナライズ
ランディングページに差し込みフィールドを使用することで、訪問者の関心を引き、リード獲得を最大化できます。

見込み客の名前や組織名を表示
訪問者ごとに製品やサービスを強調
Data Cloud の「リアルタイムデータグラフ」を設定し、最適化されたパーソナライズを実現
編集時にはデータソースパネルからデータグラフを選択し、即座にランディングページに反映できます。

注意:この機能は Spring '25 以降に作成された組織でのみ利用できます。SDO では利用できません。上記の赤枠部分のボタンが表示されません。
④ テンプレートを使ったランディングページ作成
「ランディングページテンプレート」を作成・管理することが可能になりました。これにより、効果的なランディングページを迅速に展開し、キャンペーン成果を最大化できます。

注意:公開済みのテンプレートのみ利用できます。
⑤ Web トラッキングコネクタの更新
最新のコネクタ機能を活用して、ウェブサイト上の訪問者アクティビティを正確にトラッキングするには、管理者が以下の更新を行う必要があります。
最新の 外部トラッキングデータキット と マーケティングウェブサイトコネクタ を入手し、データストリームを再デプロイ
コネクタの新しい ウェブトラッキングスクリプト をコピーし、既存のスクリプトと置き換え

Winter '26 より前に外部トラッキングを設定している場合は、設定を一からやり直してください。Winter '26 以前に構成された外部トラッキングは、最新の機能アップデートに対応しておらず、今後正しく動作しなくなります。
なお、セットアップに Web トラッキングページにコネクタが表示されず、2025 年 3 月以前に作成したコネクタの場合は、Salesforce カスタマーサポートに連絡して更新を依頼してください。
この件に関しては記事を作成せず、従来の記事をリニューアル更新しました。以下の記事をご確認ください。
ID 解決 関連
① よりスマートな ID 解決の一致ルール
統合個人におけるデフォルトの ID 解決ルールセットが更新され、Web 訪問者の追跡精度が向上し、重複レコードの発生を防げるようになりました。

設定でデフォルトの ID 解決ルールセットを生成すると、2 つの新しい一致ルール が自動的に追加されます。
リードから取引先責任者へ「lead-to-contact」:リードが取引先責任者に変換される際の重複を防止
デバイスと既知のプロファイル「device-to-known」:Web 訪問者を既知のプロファイルと照合
これまでは、デフォルトの ID 解決ルールセットでは「メールアドレスの一致」のみが使用されていました。

考慮事項
Device to Known と Lead to Contact 等、Identity Match タイプの一致ルールは、他の条件と組み合わせられないため「警告 ⚠️」は外せません。
既存のルールセットを使用している場合は、これらの新しい一致ルールを手動で追加することが推奨されます。追加の方法については、以下で解説しています。
Tips:「見込み客」(Prospect)を利用している場合は、このタイミングで、以下も追加しておくことをオススメします。
ID 一致種別:見込み客からリードへ「prospect-to-lead」
ID 一致種別:見込み客から取引先責任者へ「prospect-to-contact」
同意 関連
インポート時に最新の同意日を保持
新しい検証チェックにより、インポートされる同意日が既存の同意日よりも新しい場合のみ更新されるようになりました。これにより、マーケティング同意ファイルをインポートする際、既存レコードの同意日より過去の日付が誤って上書きされることを防止します。インポート処理では、既存の同意日より前の日付が指定されている場合、その同意日は無視されます。
スコアリング 関連
① マルチスコアリングモデルで評価精度を向上
これまでは 1 つの固定スコアリングモデルしか利用できませんでしたが、今回のアップデートにより、複数のスコアリングモデルを組み合わせて活用できるようになりました。これにより、より柔軟で精度の高い評価が可能になります。

ニーズ・製品・地域・チャネル ごとにスコアリングをセグメント化
サブスコアリング をテスト環境として活用し、新しいスコアリングルールへの移行コストを削減
また、ドラフトを作成すると自動的に 4 つの計算済みインサイトが生成されます。これらはスコアリングモデルを「公開」すると同時に有効化し、自動でスケジュール化されます。

分析 関連
① 高度な「インサイト」ダッシュボードで戦略を最適化
強化されたインサイトダッシュボードでは、マーケティングパフォーマンスを視覚的に分析できる新機能が追加されました。
新しいチャート:パフォーマンスの高いユーザーセグメントを簡単に特定
折れ線グラフ:複数チャネルでのアクティビティ傾向を時系列で追跡

これにより、データドリブンな意思決定をさらに精度高く行えます。
② 最新の「送信」ダッシュボードでメール戦略を最適化
再設計された Marketing Performance の「送信」タブにより、メールキャンペーンの詳細な分析が可能になりました。

新しいドメインフィルターを使うと、Gmail、Hotmail などの受信者ドメインごとに配信失敗の理由を視覚化できます。

さらに、メッセージタイプフィルターを使用することで、プロモーションメールとトランザクションメールのパフォーマンスを区別して分析可能です。

③ Flow Builder で詳細なパフォーマンス分析を表示
Flow Builder では、セグメントトリガーフローやイベントトリガーフローの詳細なパフォーマンス分析を直接確認できます。
Tableau Next との連携により、フローの各要素の実行状況とその影響を深く理解でき、データドリブンな意思決定に役立ちます。
④ WhatsApp の新指標でマーケティング分析を強化
インサイトダッシュボードで WhatsApp の開封率とクリック率の新しい指標を確認できます。「送信者表示名」でフィルタリングすることで、認証済み送信者名に基づいた結果に絞った分析が可能です。
セットアップ 関連
① Sandbox 組織に Marketing Cloud Next が登場
本番環境に変更を加えることなく、Marketing Cloud Next の機能とコンテンツを Sandbox 組織で安全に試すことが可能になりました。

例えば、組織の Sandbox バージョンで複雑なマルチチャネルキャンペーンを作成し、テストを実行して期待どおりに動作することを確認します。問題がなければ、変更内容を本番環境にリリースできます。
② Sandbox 組織の変更セットでフォーム送信イベントトリガーフローを移行
サンドボックス組織からの変更セットで、以下の 2 つのコンポーネントがサポートされるようになりました。
Flow Definition コンポーネント(フロー用)
Digital Experience コンポーネント(フォーム用)

このアップデートにより、カスタマイズを含む フォームトリガーフロー を安全に組織間で移行できるようになりました。
これによりガバナンスが強化され、マーケティングチームは顧客向けの自動化を安心して構築・テスト・リリースできるようになります。
③ 詳細なガイダンスでメールドメイン設定をサポート
メールドメイン設定プロセスの効率化とユーザー体験向上のため、いくつかの改善が行われました。

ドメイン設定の簡素化
DNS エントリのサンプルファイルのダウンロード
ブランドリンク管理の改善
複数のサブドメインおよび表示名のサポート拡張
さらに、複数のバグ修正が適用され、全体的な安定性が向上しています。
Marketing Cloud Next for Engagement 関連
Marketing Cloud Engagement 管理者は、個々のユーザーに対して、これらの機能へアクセスするためのナビゲーションボタンを「オン」または「オフ」にしてアクセスを制限することができます。
時期:この機能は、2025 年 11 月から段階的に利用可能になります。
① Agentforce を活用したダイナミックな顧客体験の創出
Agent Builder では、Journey Builder 内の既存のジャーニーに関連する特定のタスクやユースケース向けた「Journey Decisioning エージェント」を設定できるようになりました。
このエージェントは、各個人に合わせてカスタマイズされたメッセージコンテンツを作成し、どのジャーニーが最も関連性の高いかを判断できます。コンテンツとジャーニーの選択内容はデータエクステンションに保存され、マーケターは Journey Builder で使用できます。
具体的には以下のアクションが提供されます。
Evaluation Journey
顧客の現在のジャーニーステータスを分析し、エンゲージメントやコンバージョン率を向上させるための調整や最適化が必要かどうかをエージェントがガイドします。
Trigger Journey Entry Event
顧客の行動データやキャンペーンロジックを基に、適切なジャーニーへのエントリーをエージェントがトリガーします。
Create Content
GenAI を活用して、ブランドトーンや顧客データ、キャンペーン目標に基づいたメールや SMS のカスタマイズコンテンツを作成します。
Send Copy to Data Extension
作成されたコンテンツを適切な Data Extension に送信し、選択したチャネルでのパーソナライズと配信が行えるようにします。

対象:この変更は Marketing Cloud Next for Engagement のみに適用されます。MC Agent Actions User 権限を持つユーザーのみが、ジャーニーで Agentforce 機能を利用できます。
② フローで Journey Builder のイベントを受け取る
連絡先が目標条件を満たしたり、ジャーニーにエントリーしたり、ジャーニーから終了した時に、フローをトリガーできるようになりました。

Journey Event トリガーの種類
Entry Journey
連絡先がジャーニーにエントリーした際にフローをトリガーします。
Exit Journey
連絡先がジャーニーを終了した際にフローをトリガーします。
Goal Met
連絡先が目標を達成した際にフローをトリガーします。
これらのジャーニーのイベントを使用して、顧客をフローに追加したり、フロー内の「Wait Until Event」待機アクティビティから顧客を解放したりできます。
③ フローからジャーニーへ連絡先を挿入する
フローの新しい「ジャーニーに送信」アクションを使用して、フロー上の連絡先をジャーニーに挿入できます。(※ 1 つのフローで複数のジャーニーへの挿入を処理できます。)

マーケターは、コードではなくクリック操作で、単一のフローキャンバスビューからジャーニーを連結できます。この機能強化により、顧客の属性や行動に基づいて、特定のジャーニーを優先順位付けできるようになり、エンドツーエンドの顧客体験が実現します。
④ ジャーニーとキャンペーンを結び付けてレポートを強化
Marketing Cloud Engagement の既存のジャーニーをキャンペーンに追加することで、組織化と分析の強化を実現できます。

Marketing Cloud Next のキャンペーンは、アクティビティとデータのための接続されたワークスペースであり、Salesforceプラットフォーム全体のマーケティングアクティビティに関する唯一の信頼できる情報源となります。
ジャーニーをキャンペーンに接続すると、Marketing Cloud Next によってそのジャーニーのメトリクスがキャンペーン全体のデータに自動的に集計されます。Journey Builderでは、接続されたジャーニーにはキャンペーンの一部であることを示すアイコンが表示されます。さらに、マーケティングユーザーは、Marketing Cloud Next のキャンペーンページでもジャーニーをキャンペーンに接続できます。
⑤ ジャーニー履歴のデータを使用した レポートとセグメント
ジャーニー履歴のデータを Data Cloud に追加することで、カスタマージャーニーをより深く理解できるようになりました。
Marketing Cloud Next の「分析」タブでは、このデータを使用して、ジャーニーのエントリ、ジャーニーの終了、目標条件、メッセージングアクティビティに関するカスタムレポートを作成できます。
さらに Data Cloud では、このジャーニー履歴を使用して、セグメントの作成、データ変換、高パフォーマンスでコピーゼロのエクスポートを実行することもできます。
⑥ メッセージ使用状況が画面上で確認可能に
Marketing Cloud Next for Engagement にはデジタルウォレットが含まれており、日別、チャネル別、Marketing Cloud Engagement ビジネスユニット別のメッセージ使用状況を把握できます。請求を簡素化するため、送信するすべてのメッセージにSalesforceメッセージクレジットが消費されます。

この機能は、2025 年 7 月 15 日にリリースされています。
いかがでしたでしょうか。
かなり盛りだくさんだったのでキャッチアップが難しいかもしれませんが、個人的には予想通りの機能ばかりでした。リリースされたら可能な範囲でレビューしてみたいと思います。
今回は以上です。
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