RB大宮アルディージャ 百年構想リーグ振り返り②
大宮の百年構想リーグの戦いを振り返るぜの第2回。
今回は素人目線で戦い方などを振り返っていきますよ。
*百年構想リーグ:全試合の観戦記 & プレビュー*
*振り返りの①*
基本陣形

昨年の4-3-1-2から進化し、今季は4-2-3-1を基本に戦った大宮。
1トップはサンデー、日髙、松井が主に務め、試合展開に応じて山本や健勇が入る事もあった。しかしスタメンを固定しきれたとはいえず、試合ごとに入れ替わっていた感があった。
その中でも、ルーキーの日髙が最も出場時間(736分)を得たり、出場時間が限られている中でもサンデーが6得点(3G3A)に関与したりと、一定の結果は残した。
ファーストプレス等の得点以外のタスクも多いトップではあるのだが、サンデー:3得点、日髙:1得点、松井:0得点という結果は若干物足りなさもある。
2列目は泉・山本・カプの28得点トリオが躍進。攻撃のみならず、ゲーゲンプレスによる前線からの狩りも多く見せてくれた。特に山本は前線ならどこでもやってくれて、チームとして重宝された。
この3人が盤石な中、新人の神田や小林もプロデビューを果たし、持ち味の片鱗を見せた。またスタメンは減ったが、健勇もしっかり出場機会を得て(818分)、HいわきFC戦のように、チームの狙いの中でしっかりロングボールのターゲットとしての役割を全うしてくれた。
ボランチは配給型の中山・カウアン・小島、狩り取り型の玄・石川、バランス型の和田さんの、主に6人で回していた。
今年も大黒柱の小島が最も出場時間を得た中、シーズン序盤の第7節Aジュビロ磐田戦で玄が負傷離脱した後は、中山がしっかりとスタメンを勝ち取り(1021分出場)、飛躍のシーズンとなった。
フィットにやや時間がかかったカウアンも、出場すればセンスのいいパスやフィード等を披露していたけど、個人的には高知ユナイテッド戦みたいな、1列前の攻撃的位置の方が適任かなぁとは思った。
また怪我から復帰した石川はシーズン終盤の刈り取り役として、和田さんは全体のバランスを取るため、主に途中出場でいぶし銀の活躍を魅せてくれた。
右SBは関口を中心に、茂木や木寺が使われた。
チームとしては関口の時は3-4-2-1ビルド、茂木の時は4-2-3-1ビルドのような使い分けをしていた感じ。新人の木寺もプロ相手に負けない、体の強さや敏捷性、両足の精度の高さを見せ、十分に戦力となってくれた。
左SBは攻撃型の聖と守備型のイヨハで入ったが、イヨハが早々に怪我離脱し、聖がほぼ一人で頑張る事に(*茂木が入ることも)。ただ左SBが最終ラインに残る3-4-2-1ビルドでは、クロッサーである聖のストロングがあまり活かされてたとは言えなかった感じに。
CBは西尾が軸となり、ビルド時は可変3バックの中央でパスの出し手となった。
怪我明けのガブリエウのフル出場が難しい中、村上やイヨハが西尾の相方として出場を重ね、シーズン終盤は怪我で出遅れていた尾崎がスタメンに定着していった。チームとして裏などを取られてFWとの駆けっ子勝負が多くなっていた終盤において、そのスピードを活かすために尾崎がファーストチョイスになっていった側面があったかと思う。
GKは笠原が3試合、グローバーが17試合のスタメンを飾った。後ろからの繋ぎを大事にするチーム戦術の中、グローバーの起用が優先され、現にサイドに1人飛ばしで送るミドルパスなど、非凡な足下を見せてくれた。
失点の多さをGKの責任と問うきらいもあるが、GKの能力以前のところが要因の失点が多かった。*去年の終盤の加藤も同じく
大宮の守備

宮さんの就任でより強くなったハイプレス&ゲーゲン&サイド密集による狩りサッカーは、4-2-3-1をベースに変えた今季も継続。ボールとは逆サイドのSHを中央に絞って密集を作ってプレスをかけてボールを奪い、ポジトラショートカウンターを狙うやり方。
相手によってハイプレス原理は変えていて、例えば3バックの相手には片方のSHを上げた4-3-3(例: A FC岐阜戦)にしたり、4バックの相手(例: Aコンサドーレ札幌戦)には4-1-3-2にしたりと、昨季より相手に合わした対策が増えていた印象。


前半戦はこの狩りがハマり、失点も昨季より減って、大勝した試合も多かった(Aジュビロ磐田戦、H福島ユナイテッド戦など)。しかし、後半戦は相手の対策も進み、前線からの狩りが中々にハマらなくなると共に、失点数も増加していった (この辺は前回の総括①参照)。
ここで、昨シーズン終了時の総括で書いた、相手チームの対大宮対策を見返してみようかと思う。
★2025年シーズンを振り返っての対大宮対策★
① ボールを大宮に預けて後ろからのビルドアップせず、大宮のハイプレスを無効化
② ロングボールで大宮のハイプレスを無効化
③ 逆サイドにフリーの選手を置いて、密集抜け出し後にその選手に空いたスペースを利用させる
④ 後方のビルドアップで左右に振って、大宮のマークを食いつかせてからのロングボール
⑤ 3CBでパス回して大宮の2トップ+αのプレスのズレを生ませる
⑥ 同じく大宮のマークのスライドを誘発して、SBを食いつかせ、その裏のスペースを突く
⑦ トップ下の豊川に2枚マークをつけ、ボールを入らせないようにする
こう見返してみると、今季ある程度克服できたのは、3バックビルドに対して4-3-3プレスに修正等した⑤と、4-2-3-1にしてトップ下以外のパス経路を増やした⑦ぐらいで、それ以外は今季も弱点として残り続けちゃったなぁといった印象。
構造上仕方のない部分ではあるんだけど、特に③密集突破後の逆サイドと⑥SB裏は昨季に引き続き相手に狙われる事が多く、大宮のウィークとして残り続けてしまった感じ。シーズン序盤は、4-2-3-1への変更で改善されると期待してたんだけどなー。
あと増えたのがセットプレーからの失点。
全31失点の内、11失点がセットプレーからの物で、割合としては35.5%と大宮の失点の中で最も多くなった(2番目はクロスからの5失点)。
試合数が2倍あった昨年のセットプレーでの失点が同じ11 (全失点の28.8%)だった事を考えると、単純に去年の2倍セットプレーで失点を食らってる感じに。
個別の失点シーンでは立ち位置やマークのつき方等の原因があるんだろうけど、単純に去年より空中戦が弱くなった事は否めない。
去年圧倒的に空中戦に勝ちまくった吏音が退団し、ガブ様もプレイタイムが減った。左SBも下口から空中戦が苦手な聖に交代。更に前線のラッソが移籍し、健勇の出場も限られたため、セットプレー守備時の高さがなくなった。
西尾や尾崎らは空中戦の強さを見せたものの、やはり総合的なセットプレー守備時の空中戦に苦戦した事が、失点増加の要因になった事はあったかと思う。
現に昨季の空中戦勝率が6/20位と高かったのが、今季は24/40位と大きく低下してしまっている。
大宮のポゼッション

ボール保持にこだわっていなかった昨季から打って変わり、今季はボール保持を重視し、後ろからのショートパスでのビルドアップに取り組んだ大宮。そんなベクトルの下、ボール保持率は3/40位と非常に高くなった。
★前半戦のビルドアップ★
好調だった前半戦はワンタッチを多用したパス&ゴーで、相手のブロックやプレスをうまくいなす場面が何回も見られ、ゴールに迫る場面も多かった。また、ビルドに困った際は無理せずグローバーに戻し、落ち着いた1枚飛ばしのミドルパスでサイドに振ったり、前線に当てたりなんていうプレス回避もできていて、グローバーを獲得してきた意義が見て取れた。
そして前線にはサンデーか健勇がいて、そんなロングパスやクリアを高勝率で収めてキープしてくれたため、チームとして非常に助かっていた。
ともあれ、ショートパスによるビルドアップを主軸としながらも、ロングボールでの陣地回復というオプションをうまくハイブリさせ、いい攻撃ができていた前半戦だった。
★後半戦のビルドアップ★
成績を落とした後半戦においては、これらの歯車が少しズレていった印象。
まず大宮のビルドアップに対して一番やられて嫌だったのが、ボランチへの徹底マーク。パスのハブ役となる2ボランチをマンツー気味にべったりマークすることで、CBにパスの選択肢をSBへのみに限定し、ボールを受けたSB目がけて猛然とプレスをかけて奪い取るやり方。長野パルセイロや松本山雅なんかがそれをやってきて、非常に困らされた印象が強い。
ボランチを封鎖されビルドがうまく行かなかった際は、ロングボールでの逃げ道が二の手になるのだが、健勇やサンデーがいない前線(泉、山本、カプ、日髙)はいずれも高さがなく、ロングボールを収められない。それでもまだ空中戦を戦えるカプを第一選択としてロングを蹴っていたけど、カプでも空中戦の勝率はそこまで高くなく、うまく行っていたとは言えなかった。
そのため後半戦はショートパスビルドに偏重していた向きがあり、ロングボールとのバランスが非常に悪かったって印象が拭えない。ボール保持が目的になってしまったような、相手ブロックの外側でウロウロとボール回しする時間が多かった試合も散見された。
後半戦を見てても、やはり前線には空中戦ができる系の選手は1人は入れてほしいなーとは何度も思っていた感じ(*ここでも何回か書いている)。
相手のハイプレス対策として、前線に健勇入れてロングボールを多めにした、HいわきFC戦ぐらいのショートパスとロングパスのバランスが丁度よかったと思う。
あくまで素人意見だけど・・・。
また、ボールを握りすぎてしまうと、得意のハイプレス&ショートカウンター発動の機会も減ってしまうため、ちょっとポゼッション率は高過ぎたんじゃあないかなとも思った。もう少し相手に預けちゃっていいのにって試合も多かった。
大宮のビルドアップ
今季のビルドアップは大別すると主に2つ。
1) 左SBがビルドアップ時に残る3-4-2-1での3バックビルド

左SBが最終ラインに残る事で3バック可変する、3-4-2-1ビルドアップ。
主に右SBに関口が入った時にやっていて、WB化した関口と泉の突破能力を活かすところから逆算して採用されていたかと思われる。
ただ本人が言っていたように、去年と比較して泉はサイドだけでなく内にも入っていって、ボールを受ける事も多く、今年の泉の得点数の増加の一因となっていた。
どちらかというと左サイドでのビルドでゲームを作ることが多く、関口をアイソレーションさせて右サイドにスペースを作らせていた。
またある程度ボールを相手陣地に押し込めた暁には聖も攻撃参加し、得意のクロスを上げるタスクに参加するって感じだった。
ここで何回も書いている事だけど、この3バック可変での左SBは、左足を使ったビルドができ、フィード能力が高く、また高さや守備能力を兼ね備えたイヨハが本来は適役。現にシーズン当初はイヨハが左SBのファーストチョイスであったが、早々に怪我で離脱してしまい、聖がその任務を引き継ぐことになっていた。
バリバリのクロッサーである聖は、相手陣地でボールを持った時がストロングであり、後方でのビルド参加ではその良さが活かしきれない。またフィジカルがあるタイプでもないため、最終ラインのビルド時にプレスをくらったり、ネガトラロングボールの狙い所にされたりと、ミスマッチとなった試合も見受けられた(A松本山雅戦など)。
*イヨハか聖の怪我で戦術の幅が狭まる恐れに関しては、シーズン前も危惧していた
2) 基本陣形そのままの4-2-3-1での4バックビルド

両SBが均等に上がる、4バックのままでのビルドアップ。茂木と聖が互いの位置を確認し合い、自らの高さの調整を行う。
後ろに残る必要がないため左SBも多目に攻撃参加でき、3バックビルドで入った試合でも、終盤リードされている状況ではこの4バックビルドに変更などしていたため、どちらかというと攻撃型の形でもあった。
※聖はこちらのやり方の方が活きる
★ビルドアップ考察★
今シーズンは主に上記の、3バックビルドと4バックビルドを併用していたんだけど、気になったので改めて各試合でどちらのビルドで入ったかを調べてみた(チーム名の前の数字は節)。
3バックビルド:「1松本 2札幌 3福島 9岐阜 10松本 11磐田 16札幌 17長野 18岐阜」5勝0分4敗
4バックビルド:「4長野 5いわき 6藤枝 7磐田 8甲府 12藤枝 13甲府 14福島 15いわき P1横浜 P2高知」5勝2分4敗
ということで、3バックは9試合、4バックは11試合とほぼ半々となり、また勝敗はそんなに変わらなかった。
相手によって使い分けていたのかなーなんて思ったんだけど、改めて見てみても明確な傾向はわからず。相手の陣形(3 or 4バックなど)でというわけや、ハイプレスチーム相手だからというわけではない感じ。
それよりも数試合区切りでビルドを入れ替えてるので、その時の自チームの調子や出場できる選手などで使い分けていたって事なのかな?
開幕後は去年から引き続き、左SBイヨハで3バックビルド。聖が左SBに入り、右SBも茂木にして4バックビルドに。イヨハ離脱&関口抜擢で、左SB聖で3バックビルドになり、その後は両方法の併用って感じだったかな。
・左SBイヨハだと3バックビルド
・左SB聖+右SB関口だと、関口の突破を活かすため3バックビルド
・左SB聖+右SB茂木だと、バランスを取った4バックビルド
全体的な傾向としてはこんな感じ。勿論Hヴァンフォーレ甲府戦みたいに聖+関口でも4バックビルドしていた試合もあったんだけどね。
シーズン前は左SB聖+右SB尾崎で、尾崎残しの3バック左肩上がりビルドもできるんじゃあないかな的な事を書いたけど、それは全くやられなかった。
次回は選手総評的なのを予定してまーす。
