★後半戦総括★ RB大宮アルディージャ②
という事で大宮のシーズン振り返りの第二回。
今回は大宮の戦い方について。
振り返り①はこちら↓↓↓↓
★大宮 シーズン総括 長澤監督★

基本ベース3-4-2-1で、守備時は3トップで前線からのプレスで奪取を狙い、ボールを握られた際は5-4-1ブロックで固めるのが基本の守り方。
ただ、相手が4バックの際は、4-4-2可変プレス(右STがSH化するパターンが多かった)で、相手の陣形に噛み合わせるように、柔軟にプレスのやり方を調整。この場合も、相手に攻め込まれると5-4-1ブロックに変形する感じ。
とにかくテツさんは守備から入っていく戦い方をしており、5-4-1ブロックの硬さは折り紙付き。
昨シーズンからそうだったけど、ある程度サイドからのクロスを上げられるのは許容するけど、中央のCB3枚が釣り出される事は簡単には許さず、そのCBが中央で跳ね返す構造であった。現にシーズン序盤は、ペナ内から撃たれるシュートは非常に少なかった。
やはりその辺りは5-4-1ブロックの守りやすさの、大きなメリットだったかと。
特に中央のガブ様が脅威の対人強度で相手を封じまくると共に、吏音が広いカバーリング能力でピンチの芽を潰しまくっていた。
また、昨季よりポジショニングがよくなったシルバが、中盤でボールを刈り取りまくり、シーズン序盤のMVP級の活躍をしていた (怪我の長期離脱はチームとして非常に痛かった)。

攻撃時は左CB下口がSB化する4バック可変が基本。機動力があり、ボランチ・CB・SBと複数のポジションをこなせる下口の特徴が活きた攻撃法であった。各試合で下口がどの辺りまで攻撃時に陣取っているか(ボランチの高さ?SHの高さ?)を見る事で、その日の大宮の狙いなりがなんとなく見えていた。下口を上げる事で、泉をゴール前で勝負させやすくするという狙いも大きかった。
左CBに吏音やニキが入った時も、このやり方は大きく変わらなかった。
試合途中で4バック守備をやる事もあったが、第23節のヴァンフォーレ甲府戦からは4バックを採用。この試合の前にRB本部から4バックを採用しろとの指令が出て、クロップからも「やっちゃいなよ」的なアドバイスがあったとかなかったとか…。
しかし、重なるCB陣の怪我(濱田、ガブリエウ、イヨハ)と吏音のU-20代表活動参加により、CBの枚数が足りなくなり、第29節のV・ファーレン長崎戦からは、3バックに回帰していた。
ビルドアップは基本的に、泉、健勇、小島、そして下口のいる左を中心に行って攻め入ると共に、時にスペースのある右に送って、カプや関口で一点突破する感じ。
シーズン序盤、泉がドリブル突破を見せまくっていたため、相手がそのドリブルを警戒してるところを逆手に取り、泉からフリーの小島にパスしてチャンスを構築する事もしばしば。
前線では3トップに運動量が求められるため、大体60分での交代が基本。
3人の組み合わせは色々あったが、最後まで1トップの人選が固まらなかった印象。開幕戦のラッソから、藤井、サンデー、豊川、健勇などが1トップを務めた。
ショートカウンターとロングカウンターが多い3-4-2-1の大宮にあっては、1トップにある程度キープ能力が求められていた点を鑑みると、開幕戦のモンテディオ山形戦で躍動していたラッソが直後の怪我で離脱し、調子を落としてしまった事が悔やまれる。
個人的には健勇のゼロトップぎみの1トップ(いわきFC戦と、大分トリニータ戦でやってた)をもっと見てみたかったんだよなぁ…。
そんな長澤アルディージャであったが、夏場に大失速。約2ヶ月間勝ち星に見放され、順位もPO圏外へと落ちてしまう。
ただこの間、失点の殆どがセットプレー・セットプレー崩れからの物であり、流れの中からの失点は非常に少なく、決して守備崩壊をして大量失点を繰り返していたというわけでなかった。
勝ちに見放されていた期間は、とにかくシュートがゴールから嫌われていた印象が非常に強い (コンサドーレ札幌戦や、ヴァンフォーレ甲府戦など)。
チャンス構築、シュート数、ゴール期待値自体はリーグ3位位内をキープしていたことからも、チームとしてチャンス構築はできていたが、最後のフィニッシュのところで外しまくっていた影響が非常に大きかった。
これは前半戦終了時は3位だったシュート決定率が、テツさん解任時(第30戦)には11位に落ちていたことからもわかる。
*前半戦 (第1~18節):1.63得点/0.95失点 → 後半戦~解任まで (第19~30節): 0.91得点/0.91失点
ともかく夏場以降勝ちグセが極端に落ちたことを鑑みられ、第30節のFC今治戦に敗退後、テツさんは電撃解任されてしまった。
長澤監督
41得点/30試合: 1.37得点/試合
29失点/30試合: 0.97失点/試合
★大宮 シーズン総括 宮沢監督★
テツさんに代わって監督に就任したのは、ライプツィヒでユース監督をしていた宮沢さん。
日本人では数少ない、RB畑で育ち、本場のRBのフィロソフィーや戦い方を熟知した人財だが、トップチームを率いるのは大宮が初めてという事になる。

就任数日で迎えたジュビロ磐田戦から、早速戦い方を変えてくる。
基本陣形を4バック& 2トップにし、中盤がダイヤモンドの4-3-1-2に変更。
2トップで相手2CBにハイプレスをかけ、サイドにボールを誘導。逆サイドのCMFが中に絞ってボールサイドに密集を作って、ボールを「狩る」事に特化した守り方に。
密集という名の狩り場を作る事で、1対1や1対2の即時プレスに行けたり、ポジトラカウンターに移行しやすかったり、奪われても即座にネガトラゲーゲンに繋げられたりといった利点が得られる。

攻撃時は右SBがWB化して、後方は3枚でビルドアップする3-4-1-2(もしくは3-4-2-1)に可変するやり方。
テツさん時代の可変を担っていたのは左CBの下口であったが、宮さんになってからは右SBの関口/茂木が可変のキーマンとなる。*下口の良さがちょっと消されてしまっている面も
トップ下の豊川が落ちてきてボールを受けてハブ役になったり、カプリーニが運び屋になったり、サンデーが裏抜け狙ったりと、2トップになることで、前線のコンビネーションが活発化しシュート数も増加。
前線に健勇が入った場合は、健勇目がけてロングボールを蹴り、それを収めてから攻撃に移行する感じ。
監督交代後のジュビロ磐田、ベガルタ仙台という上位チームに2連勝後、可変攻撃的サッカーの難敵・藤枝MYFCも下して3連勝を果たした宮沢アルディージャ。
これら3チームからすると、宮沢サッカーのデータがなく、対策が難しかった側面もあったが、この後のモンテディオ山形辺りから大宮のやり方を分析して、大宮の嫌なところを突っついてくるようになってくる。
対大宮対策
・ボールを大宮に預けて後ろからのビルドアップせず、大宮のハイプレスを無効化
・ロングボールで大宮のハイプレスを無効化
・逆サイドにフリーの選手を置いて、密集抜け出し後にその選手に空いたスペースを利用させる
・後方のビルドアップで左右に振って、大宮のマークを食いつかせてからのロングボール
・3CBでパス回して大宮の2トップ+αのプレスのズレを生ませる
・同じく大宮のマークのスライドを誘発して、SBを食いつかせ、その裏のスペースを突く
・トップ下の豊川に2枚マークをつけ、ボールを入らせないようにする
勿論素人目線だけど、シーズン終盤にやってこられた大宮対策はこんな感じかなー。
やはり前からのハイプレスと、サイド圧縮で狩るスタイルのため、その狩り場を抜けられると、逆サイドの広大なスペースを使われ、ピンチになってしまうシーンが何度も見受けられた。
5-4-1ブロックで、最終ラインの5レーンを5選手で埋める守り方だったテツさんの頃と比べて、やはりこの辺りの、特にサイド守備が脆くなった事は否めなく、宮さんになってからの平均失点は1試合あたり0.6点ほども悪くなっている (0.97→1.56失点/試合)。
とにかくモンテディオ山形戦、徳島ヴォルティス戦、レノファ山口戦、そしてジェフ千葉戦など、サイドをとことんやられまくった試合が続き、ラストは3連敗でシーズン終了となってしまった。
*吏音曰く「ある程度リスクを負った守り方をしている」との事で、チームとしての守り方のデメリットは織り込み済みでもあると思われる
宮沢監督
・22得点/9試合: 2.44得点/試合
・14失点/9試合: 1.56失点/試合
★来シーズン展望★
POでまさかの大逆転負けを喫した大宮。
御存知の通り、2026年の前半は昇降格の無い大会が行われ、大宮が入ったEAST Bは、J2が6チーム、J3が4チームの計10チームで争われる事に。
★北海道コンサドーレ札幌
★福島ユナイテッドFC
★いわきFC
★RB大宮アルディージャ
★ヴァンフォーレ甲府
★松本山雅FC
★AC長野パルセイロ
★ジュビロ磐田
★藤枝MYFC
★FC岐阜
各所で言われている通り、昇降格が無いため、チームとしてはある程度チャレンジすることができ、ベテランより若手の起用が多くなる事が予想される。RBのやり方、ウェバー氏の発言等顧みると、大宮のスカッドも大分若返る可能性が高いと思われる。
上記の通り、シーズン最終盤は守備面の脆さを見せてしまった大宮であったが、シーズン途中から就任した宮さんにとっては、必ずしも希望するタイプの選手の手駒で戦ったわけではない面もあった。
このオフに、宮さんやRBの考え方に合った選手の加入(入れ替え)も当然行われるはずで、最終盤に見られた逆サイドのケア、SB裏のケア、3CBによるビルドアップに対するプレス等、心もとなく思った点に関しては、適材適所の新戦力の補填や、半年間での積み上げ等しっかり行って、うまい具合いに改善してほしいなーとは思う次第っすね。
